閉殻構造
 さて、原子は主殻がちょうど電子で満たされた状態(閉殻構造)で安定化する。K殻は1s軌道のみからなり、2個の電子で満たされるため、原子番号2番のヘリウムは安定な殻構造をもつ。L殻は2s+2px,2py,2pzの4個の軌道があるので、計8個の電子を収容でき、K殻の2個とあわせて10個の電子をもつ10番元素ネオンが安定な閉殻構造となる。このように、周期表の最右列に位置する希ガス元素が安定で反応性に乏しいのは、これらの元素がすべて閉殻構造をもつためである。
 それ以外の原子はすべて、閉殻構造になるには電子が足りないか、あるいは余分な状態にある。電子を失うことによって閉殻構造になりうる元素は陽イオンになって安定化しやすく、逆に電子を受け取ると閉殻構造になりうる元素は陰イオンになって安定化する傾向をもつ。ネオンより1個電子の多いナトリウムは電子を放出してNa+イオン、1個少ないフッ素は電子を受け取ってF-イオンになり、安定化しやすい。Na+とF-の電子配置はネオン原子のそれと同じとなり安定である。


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