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何年か前の除霊、浄霊の話だ。
畳職人の田中さんはあるアパートの一部屋改装のための畳替えを頼まれたそうだ。
その家に行き、古い畳を取り替えることになった。いや、廃棄処分を、という事だった。
人が住んでいない住宅のかび臭さを感じながら、畳に目をやって驚いた。
ひどい染みでその上にかびが生えている。
(古いといっても張り替えればまた他で使用出来るだろう…)と甘く考えていた田中さんはがっかりしながら、とりあえず、古い畳を担いでトラックまで運んだ。
荷台に乗せたのに、まだ肩に乗っている感覚があり、やれやれ、と思いながら一部屋分の畳を運び終わり、ほっとしてトラックを走り出そうとエンジンをかけたとたん、それこそ、走り出したとたん、急ブレーキを掛けて停めた。
目の前をサラリーマン風の男が横切ったからだ。
(チクショウ、驚かせやがって)と思いつつ、横切った先を見たがもういない。
(足の速い奴だ)と思い、もう一度エンジンをかけたが、なんと、今度はかからない。
三度目にやっとかかったが、今度は田中さんの肩が痛くて、ハンドルを握るのもやっとだ。
ついにあきらめて、車を近くのパーキングに停めると、車を降りて、息子に引き取りに来て貰った。
それから約一週間、田中さんは高熱を出し寝込んだ。
思いがけず、リフォーム会社の社長が訪ねて来た。
彼は寝込んでいる田中さんに言ったそうだ。
「田中ちゃん。悪いことしたかなあ。実はさあ、今度の部屋さあ。殺人事件があった部屋でさ。もう何年か前だし、打ち明けて仕事頼むと、田中ちゃん、臆病だから断られるか、と言わなかったんだけど…寝込んじまったって聞いたから、ひょっとして祟りかなあ、と思って来てみたんだ」
更に続けたそうだ。
「アパートの住民に(幽霊を見た)なんて人もいたが、やっぱり、今も出るのかなあ」
かくて、神島の出番となり除霊、浄霊させていただいた次第です。
経を読んでいる時の霊の暴れ方は凄かったですよ。
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