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これまでも「つぶしがきく」と堅実な人気を誇ってきた法学部だ
が今年の人気は趣が違うようだ。大手予備校の代々木ゼミナールが
昨年11月に行った全国模擬試験で、法学系の学部志願者が国公立
大で前年同期比の10%増、私立大で6%増と、例年にない伸びを
示しているのだ。
例えば、国公立では、東大文1の前期で11%増だが、北大が20
%、東北大が21%、東京都立大も39%と大きく伸びている。
駿台予備校情報センターの坊野宏一次長は、こう分析する。
「ロースクールが開設されることへの期待感でしょうね。去年まで
はこんな傾向はありませんでしたから。ロースクール構想がある程
度具体化してきた昨年夏あたりから法学部人気が顕著になってきた
んです」
ロースクール構想は、政府の司法制度改革審議会が、法律家の数
を増やすとともに、質向上の方策として打ち出した。
法学部を持つ大学を中心に設置され、2004年度からスタートす
る予定。2010年度には、司法試験の合格者を現在の約1千人か
ら3倍の3千人に増やし、ロースクール修了者のうち7〜8割の合
格を見込む。
現在約2万人と欧米に比べて圧倒的に少ない法曹人口は、201
8年度には、5万人規模になる見通しだ。ロースクールは、70大
学程度が認可されるとの見方もある。
これに伴って司法試験のあり方も変わる。「詰め込み型学習」がも
のをいったこれまでの司法試験制度を反省し、2005年度から始
まる新司法試験では、幅広い分野の学業成績や社会人としての活動
実績などが総合的に考慮される。
一方で、今までは大学2年程度の一般教養があれば誰でも受験でき
たが、今後は、ロースクール終了が原則となる。
確かに数だけ見れば、弁護士になりやすくなるような気もするが、
はたしてそんなにうまくいくものなのか。
「法学部志望の学生の認識は、半分は正しいが、半分は間違ってい
るといえます。間違っているというのは、法学部に行ったからとい
って、そのままロースクールに直結しているわけではないんです」
と話すのは、早稲田大学の宮澤節生・法学部教授だ。
「東大教授の中には「定員の7〜8割は自大学出身者にしたい」と
言っている人もいますが、入学者の4分の3も自大学からなんてこ
とはありえない。いいところ、半分です。それ以上だと附属大学院
になってしまいますから。」加えて、ロースクールは、専任教員1
人あたり学生15人以下に求められているため、小規模にならざる
を得ない。
まず、入学するために熾烈な競争を勝ち抜かなくてはならないこと
が予想される。
ロースクールがてきる大学は、司法制度改革推進本部が昨年10月
から11月にかけて法学系学部・研究科がある117大学に実施し
た調査で「設置予定あり」が73大学、「検討中」が25大学とい
う結果が出ている。

医学部みたいに学費が高くなる
高額な学費も問題だ。立教大の新藤宗幸・法学部教授は、こう話
す。
「マスプロ教育ができないとなると、どうしても学費が高くなる。
年間250万円でとんとんでしょう。それを大学によっては、OB
などからの寄付金で埋め合わせて150万円くらいにしようとして
いるが、いずれにしても、修了まで3年間で相当な金がかかる。」
先の司法制度改革推進本部の調査によると、回答した公私立大のう
ち、約3分の1が200万円を超える年間授業料を予定している。
「奨学金を使えばいいなどと言われるが、実際問題、日本ではほと
んど整備されていないのが現状。結局、医学部と同じです。お金持
ちしか行けない。」(新藤教授)
「過剰な期待を持ってはいけないが、大きなチャンスがあることは
事実です。ロースクールの入試は、法知識を問わない適性試験とい
うことになっています。法学部出身者なら、学科試験を受けて高度
な法知識があると判定されれば、大学院を2年間に短縮することも
できる。もちろん、経過措置で2009年度まで残る予定の現在の
司法試験を受ける手もあるし、国家公務員試験を受けることも一般
企業に入ることも、いくらでもつぶしがききます。」(宮澤教授)
むしろ、今までよりもチャンスが広がる可能性もある。
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