最新情報ヘッドライン Vol. 34

9億円詐取した「悪徳弁護士」の放蕩三昧
(週刊新潮 2002.7.4)




 弁護士バッジの力は偉大である。200人近くの依頼者から詐取

した金は9億円以上。6月14日、奈良弁護士会の河辺幸雄元弁護

士(52)による巨額詐欺事件の初公判が奈良地裁で開かれ、この

悪徳弁護士が転落していった経緯が明らかになった。

「河辺は主に民事事件を扱い、土地問題に強いと評判でした。しか

し、バブル時代に北新地のクラブなどで豪遊するようになり、そこ

から転落が始まりました」そう解説するのは裁判を傍聴した司法記

者である。

「高級ゴルフクラブの会員権を7つも購入したりと散財を続けた後

にバブルが崩壊。それでも放蕩三昧を続け、祇園でのお座敷遊びに

はまったりしていました。しかし、さすがに金が続かなくなり、依

頼者から供託金などの名目で金を騙し取るようになったのです」

被害を受けた奈良市在住の女性(61)の話。

「私は4年前に交通事故にあいその示談交渉を河辺に頼みました。

アメリカ式で着手金は取らない。私に任せておけば大丈夫、という

ので信用していたのに、示談が成立した後も全然お金を入金してこ

ない。返して、と訴えても逃げるばかりで結局示談金4200万円

を全額騙し取られてしまったのです」

河辺が詐欺容疑で奈良地検に逮捕されたのは今年の3月21日。

「それまでは、騒ぎ出した依頼者に対して、別の依頼者から詐取し

た金を回すという自転車操業で持ちこたえていました。それがつい

に破綻し、自ら奈良地検に駆け込む形で自首したのです」(先の司

法記者)

「被害者の会」の宮本動師会長(47)がいう。

「現在、河辺と問題を放置した奈良弁護士会に対して損害賠償を求

める訴訟を起こすことを検討しています。しかし、弁護士会が相手

なのでこちらの代理人になってくれる弁護士がおらず、話は進んで

いません」

宮本会長は、1200万円を河辺に騙し取られた。

「私たちが法律的に無知なことにつけこんで騙し取った金が使われ

た先がお座敷遊びとは。絶対に許せません」

 バッジを失った詐欺師は被害者への謝罪の言葉なしに法廷を去っ

た。