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スペイン北東部カタルーニャの天才建築家アントニオ・ガウディ
生誕から6月25日で150年。
バルセロナの中天を突くサクラダ・ファミリア大聖堂の尖塔は記念
祭の花火に輝き、市内で回顧展が続く。
24年前に魅せられてて以来、大聖堂の建築に加わり、東側「生
誕の門」の中央を飾る「楽器を奏でる六天使」「九人の聖歌隊」を
一昨年12月に完成させた彫刻家、外尾悦郎さん(49)は、「2
1世紀時代がやっとガウディに追いついた」とうなずいた。
「地上に神の摂理を」と唱えた書店主に共鳴し、1883年に建築
を引き受けたガウディは、バルセロナから100キロ西のレウスで
銅器具職人の第5子に生まれた。家族の献身によりバルセロナ建築
学校を卒業後、すぐ頭角を現し78年パリ万博で大実業家グエルの
目に留まった。
太古から地中海の要衝港として栄え世界制覇の野望を抱くスペイ
ンフランスが攻防したカタルーニャは当時、民族独立運動の時代だ
った。
恩師が「天才か、大バカか、どちらかだ」と評したガウディは、高
さ90〜170メートルの三門を持つ「貧者のための大聖堂」に人
生をかけたが、1926年に電車にひかれ設計図も残さぬまま死ん
だ。
建築主体の聖ヨセフ教会は建築を続けたが、生誕百周年に地元で
は建築継続の是非が議論され、外尾さんが加わったころも「入場者
は1日15人」「建築家や芸術家が注目するだけの建物だった」と
いう。
ところが、92年バルセロナ五輪をきっかけに観光客は爆発的に増
え、今年は連日6000人が列をなす。工費に苦しみ続けた教会も
1人6ユーロ(約700円)の入場料で潤ってきた。教会幹部は「
これで大聖堂を20〜30年後に完工できる」と断言する。
「なぜ今、ガウディなのか」「完成の日は来るのか」そんな問い
を誰もが抱く。
「次世代を信じ、つながってゆく自然の大きさ」「個人の完成より
も無限大の一部となる喜び」をサグラダ・ファミリアの神髄と考え
る外尾さんは「完成した人、完成された芸術がないように、永遠に
そう平和の続く限り500年ぐらいは、前に進みながら建築が続き
ます」と静かに笑った。
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