最新情報ヘッドライン Vol.22

実子連れ去り 親権者でも「略取罪」〜最高裁〜
(日本経済新聞 2005.12.9)




父親の有罪確定へ

 別居中の妻が養育していた当時二歳の長男を連れ去ったとして、

未成年者略取罪に問われた会社員の父親(34)の上告審で最高裁

第二小法廷(滝井繁男裁判長)は8日までに、被告側の上告を棄却

する決定をした。懲役1年、執行猶予4年とした1,2審判決が確

定する。

 親権者による実子連れ去りで略取罪の成立を認めた最高裁の判断

は、国外連れ去り目的のケースを除いて初めて。

 決定理由で同小法廷は「妻の実家で平穏に生活していた長男を有

形力を用いて連れ去り、自分の事実的支配下に置いた行為が未成年

者略取罪の構成要件に当たることは明らか」と指摘。

 そのうえで「犯行は粗暴、強引で、略取後の養育の確かな見通し

もなかった。家族間の行為として社会通念上許容される枠を超えて

おり、違法性が阻却される事情はない」と述べた。

 決定によると、父親は2002年、青森県内の保育園の前の路上

で、迎えに来た妻の母親のすきをついて長男を抱きかかえて車に乗

せ、連れ去った。約6時間後に同県内の林道で警察官に見つかり、

逮捕された。

 弁護側は「親権者は略取罪の主体にはならない」と無罪を主張し

たが、1審、2審判決ともに退けた。