導水事業は,以下の三つの目的をあげています。1.都市用水(水道用水・工業用水)
を新たに毎秒12.7立法メートルを開発すること,2.霞ケ浦等の浄化を図ること,3.那珂川・利根
川の渇水対策を図ることなどです。
その具体化のため,那珂川と霞ケ浦を結ぶ「那珂導水路」(約42.9立法メートル),利根川と霞ケ浦を結ぶ「利根導水路」(約2.6?)及び,4つの機場等の工事を総
事業費1900億円を計上し,平成12年度に完成する予定でしたが,さらに10年間の工期
延長となりました。すでに約1100億円を費やしながら,事業の進捗率は約3割といわれ
ています。
同事業に対する県負担金は,1976年度から1999年度までの合計で約527億3742万円
をすでに費やし,2000年度には約37億4千万円(治水・環境関係9億6千万円,水道用
水関係21億9千万円,工業用水関係5億8千万円)を支出しています。
しかし,都市用水を規定する茨城県人口の減少や,経済の低成長・産業構造の変化
のもとで県総生産額の横ばいと,水の回収・再利用技術の向上などで,余剰水が大幅
に増加しており,新たな水資源開発はまったく不要となっています。都市用水が2020
年には1日45万トンの余剰水をつくりだすことを,県自身も認めています。
さらに県が,計画的な節水対策や農業用水の合理的な利用などを行えば,霞ケ浦開
発事業からの水供給さえもかなりの量が不要となり,導水事業及び他県の八ツ場ダム
などからの供給をまったく必要としなくなります。
また,事業の推進によって,霞ケ浦の浄化を期待できる根拠はなく,むしろ水質は
悪化し,さらに霞ケ浦から外来魚などの導水・移送により那珂川の生態系を大きく変
えていく危険性もあります。その環境回復・補償などの環境コストは,巨額にのぼる
ものと推定できます。
私たちは,実態的にも科学的な根拠においても,目的を失っている導水事業を推進
することが,公費の無駄に止まらず,新たな環境破壊をつくりだしていくことを再三
指摘し,中止を国・県に要請してきました。
このような中で,国・県は事業の10年間延長を強行し,目的のない事業を推進して
います。事業の10年間の延長は,事業費の1900億円に止まらず,3000憶円以上に膨
れ上がることが懸念されます。その巨額の負担金は,水道料金の一層の値上げや祉会保
障・福祉財源などの削減から捻出されることになります。
私たちは,この暴走した事業をやめさせるために,やむなく,県知事を相手に代理
弁護士を立てて住民訴訟を水戸地裁に起こしました。
訴えの趣旨は,平成13年度以降の導水事業にかかる負担金支出しないこと,平成12
年度の負担金約37億4千万円を県(県民)に返すことなどです。
今回は,県知事を訴えましたが,今後,国土交通省・国会などへの働きかけも強め
ています。私たちの訴えは,21世紀の時代の要請として,県民と次世代への要望に応
えるものと確信しております。
私たちは裁判などの活動として,100万円を目標に掲げ,当面緊急財政資金として
50万円のカンパを訴えております。
私たちの「霞ケ浦導水事業の中止」を求める活動にご理解いただき,あなたさまか
らの物心両面のご支援・ご協力を心から願っております。