2003年の遭遇記
海洋深層水を使った「水のイメージ」の酒。とにかく水のよう。甘さといったものがほとんどない、かつ端麗。結果として香りも弱く、アルコールは11度。驚くほどライトタイプのお酒である。水のようなテイストの中に、日本酒らしい「うまみ」は残っている。日本酒党にはアピールしないだろうが、端麗な酒好きの筆者としては、非常に高得点の酒である。金沢にこういうタイプが少ないことからも、貴重な一本といえよう(いや、ただの普通酒ではあるが)。
夜、書き物をしながら一杯。我が家に転がるバーボンである。つまみは梨。
ライトというか、さっぱりというか。香りも味も「金属質」で、ちょっとカチンときた硬質感のある風味が特徴で、ちょっと銅貨を口に咥えたような錯覚を覚える。バーボンとしては「ちょっと苦い」酒でもある。度数は40度と低め。キリっとした雰囲気は毎日の飲酒にも最適かと思われ、筆者自身は比較的好んで飲んでいる酒である。同じ金属質の雰囲気を持つものにマッケンナがあるが、こちらはかなり「雑味」に相当する部分もある。こちらはあくまでクリア。
酒が旨くて、梨も旨くて、手は進まない。
何をみりんなんぞ、と思う方も多いだろう。これがこれが、500mlで700円もする3年熟成のみりんである。近所のスーパーで思わず購入、そうこうしているうちに昨日の朝日新聞でも取り上げられた「なかなかの品」のようである。
とにかく色が濃い、そして甘い。香りは先日取り上げたポルトのような熟成香がはいって、造りのしっかりしたものであるという印象を受ける。甘いといっても、お菓子のような甘さではなく、お酒としての甘さ、通常のみりんは砂糖水を煮詰めたような甘さが感じられるが、このみりんではその雰囲気は他の要素に圧倒されてしまうようである。この熟成香、熊本名産の「赤酒」にも共通する。
そのままお猪口で一杯なら十分楽しめる。せっかく冷えてもいるので、日本酒と割ってみる。いわゆる柳陰、お直しとよばれる飲み方である。落語の上では知っていたが、実際体験することは少ない。こうやって考えると、みりんだって結構「お酒」なのですね。
いつも通りのバーで、最近のボトルは大好きなスコッチを。
基本的に「ピート感の高い」スコッチである。スペイサイドモルトのような「甘い感じ」をイメージする方はかなり期待はずれとなりうる。カーデュなどの重厚なモルトがぎっしり詰まっている。これにもっと「歴史」が増すと、オールド・パーのような酒になる。日本に古くから伝わる「サントリーオールド」がもっと重厚になったものといっても良い。小さい頃この酒を隠れて舐め、ウィスキーのイメージを膨らませていった者としては、ウィスキーの原風景を感じさせる一本である。
その意味では、もっとふくよかで甘味のある香りがする「Gold Label」とはかなり趣を異にする。
最近ポートやシェリーを口にする機会があったので、せっかくなら自分でも。と、買いこんだのがこれ、10年のヴィンテージポートである。
通常は澱が出るが、別に瓶詰めをしているようで、美しいルビー色。香りはレーズンそのものとも言えるし、昔懐かしい「赤玉ポート」にも似ている。何だかんだ言って、意識していたんだろうな、サントリーも。熊本で味醂の代わりに使用される「赤酒」と同様の熟成香といってもいいだろう。味わいはとても甘いが、何と言うか古いお家の柱を舐めたときのような、木の饐えたような熟成味を感じる。樽そのものの味を写し取ってしまったのだろうか。
今夜は巨峰がおつまみ。そう、デザートワインとして秀逸。さっぱりとした甘いものには抜群の愛称だと思う。
「野菜をたくさん食べよう」ということで、うざく・せりのごまだれ合え・ねぎとシジミの味噌汁などをつくる。ワインも良いなあと思っていたが、ここまでくれば日本の酒、貰ったものの飲んでいないこの一本を抜栓。
「プレミアム芋」の人気に圧されそうな麦であるが、これはやはり美味しいお酒だと思う。まず香りが爽快かつフルーティー。ウィスキーやスピリッツとはまったく性格の違う、「芳香のある酒」だと思う。25度という度数も、ロックで飲むと飲みやすく、料理とあわせやすい。価格は1000円にも届かない。四の五の言わずただ飲むだけで十分の存在である。
「平日は飲まない」方針を最近破り気味、夜の仕事のお供にウォッカを。冷凍庫にあるスピリッツ群の中の一本である。
個人的にはウォッカは単に「甲類の焼酎」のようなアルコールがそれほど心に響かなくて、飲んでもズブロッカやハンターが多かったのだが。このウォッカはなかなかよい。飲み口がきりりとしていて、しかもすっきり。都会的というか、現代的というか。これなら飲めるかなという気がする。
ついでにオレンジジュースで割って、カシスを足してみる。スクリュードライバーの変形。これがまた美味い。
オクラと長芋、今年豊漁の秋刀魚をたたきにして味噌入りの「なめろう」に、これは日本酒ということで、この一本をチョイス。金沢に来ては珍しい東北の酒、「やまや」お奨めのブランドである。
日本海側を例にとれば、端麗系の日本酒は富山近辺を境界として、新潟は端麗、石川はやや濃醇に傾いてくる。宮城のこの酒は十分に端麗、やや芯のない「軽い酒」である。香りも弱いが、純米というより一般酒に近い香りというべきか。辛口と銘打つわりには、実は結構甘味のある酒でもあると見た。とはいうものの、端麗でさらりとした味は、「辛口」といっても差し支えない。
日本酒党には申し訳ないが、私はこういうさらりとした酒が好みである。上善如水でも十分なくらいといっても過言ではない。
ただいま実家、いろいろ飲んでいるが、これだけはちゃんと書いておこうと。
メルシャンの蔵から12〜31年のモルトを「厳選」しているらしい。かなりピートの利いた風味、ヨード香もやや感じる正統派スコッチの香り。酒質はかなり酸味の強いミディアム・ライト。
つまみはプルーンなので、このくらい強いアタックのある酒でもいいと思う。サントリーのウィスキーがどんどん口当たりが良くなる中、このアタックはなかなかない。
食事は鶏のソテー・ニンジンとオクラのバルサミコソテーと、ささみのカレーマリネ、トマトとフェタのサラダ。夏を前に、やっぱり泡モノがおいしいということで、今回はカヴァをチョイス。
香りはいわゆるシャンパンとは違い、さっぱりとした白ワイン香が高い。なんというか、泡さえなければSoaveのような軽い白と嗅ぎ分けがつかないだろう。ただしこの酒はかなり泡が強い。飲んでみるとわりと軽い感じ、アルコールも11.5度であって、サクサクすっきりと飲める感じである。
でも、結局1時間そこらで1本空けると、それはそれで結構酔うのではあるのだけれど。
誕生日、行きつけのバーでお祝いに頂く。超ヴィンテージのラムである。
香りはとてもメロウ&スイート、しかしながらRon Zacapaに代表されるようなすっきりしたタイプとはまた違い、樽のエキスを十二分に抱き込んだような熟成香が感じられる。
とはいうものの、これを書いたのが3週間ほど後、残念ながらディテールが分からない。このあたりで許していただきたいのが正直なところ。
北陸の名物、ガスエビと甘エビを刺身にする。ホウレンソウはお浸しに、卯の花は五目煮に、辛子明太子もある。これなら日本酒で文句はない。手取川-吉田蔵の次は、福正宗でおなじみの福光屋の酒を。
うっすらと琥珀色の光がさしている、栓を抜くとかすかな杉様の香り、杉樽で熟成か、はたまたその他の要素か?かなり冷たくするも、ややコクのある雰囲気、辛口ではあるが、このコクが甘味を感じさせる。さらさらと飲めるタイプというわけではない。濃醇ではないが、それなりの骨太さはある。
やはり福光屋の酒、決して線は細くないが、竹を割ったような一直線の感じ。「ふんわりのあと、サラサラ」のコマーシャルそのものである。
夕食は軽く、入浴後に安売りのロックフォールチーズとこれで晩酌とする。
香りは樽香強し、ひたすらベリー系でカシスのような香りが主体である。色は濃い赤紫、2000年といえばもう3年前だが、それにしては最近できたワインのような感じがする。味のほうは酸味弱く苦味中庸、ちょっと甘い感じがするのはアルコールが低いのかと思いきや12.5%ならこれも決して低くはないか。
結局は軽く飲めるタイプのワインだといえるかもしれない。ロックフォールにはちと役不足の感がある。
週末ということで、肉じゃがを作ったり、鳥と野菜のマリネを作ったり。マリネにワインが必要だったので開けたワインがこれ。やまやで700円見当のものだったはず。
香りは弱い、大して冷えてもいないのに、本当に弱いところを見るとそれ相応のワインという感じ。香りはソービニョンに代表的なすっきりした香りで、柑橘のような香りが主体。「パイナップルのアロマ」とラベルに説明があるので、頑張って嗅いで見ると確かにそういう甘い香りもある。花粉症だとかなりきついくらいのレベル。
味はすっきりさっぱり系。和食に近い淡白なメニューが多かったことを考えると、これはこれで悪くはないといえる。とはいうものの、印象には残らないだろう。
次兄家族は帰りました。とても心遣いの細かな師範は、手土産に私が良くものするハードリカーを持参。実は記憶に残るほどこれまで飲んだことはない(おそらくBasementのパーティーで飲んでいるはず)。
オン・ザ・ロックでもはっきりと分かる華やかな香り。麦芽の香りが主体で、スペイサイドとしてはやや重厚な飲み口である。「芋飴や蜂蜜のような」香りが分かるらしいが、確かにうまいことを言うと思う。芋飴は納得である。43度だが、かなりストレートなアルコールの直撃を感じる。スイスイと飲めるわけではない。じっくりと頂きたい。
次兄家族と山中温泉へ。ホテルの夕食後、姪を寝かしつけている横でちびちびと。
こちらはどっしりしているわけでもなく、さりとてさっぱりというほどではない「中口」の白。師範は「黄金糖」のようだと評している。かく言う私は「ザボンの砂糖漬け(青い実のほう)」で感じるような青臭さをちょっと感じる。オレンジとグレープフルーツなら後者。シャブリなんかに比べればふっくらとした雰囲気か。
バターの効いた魚料理にはベストマッチか。そのまま飲む用途としては、ちょっと飲み手側がパワーに負けてしまう。どうも私は何か食べながら飲むほうが良いようである。
次兄来沢。安ワイン道場師範であらせられるお兄様の持参した赤を頂く。
しっかりしているし、木の皮や酸味の強い酒のような雰囲気が強くて、さぞかし重厚なお酒かと思いきや、それはそれでややライトな酒質であった。飲みやすいという意味で。とはいえ、これが飲んで3日もたつと、記憶もややあやふやなんだなあ。
最近ラムが多い。これまではRon Zacapaが多かったので、少し趣向を変えてみた。
7年は典型的なダークラム。カラメルの甘い香りと、ソフトな飲み口が特徴的。コクがあるといえばそうだが、むしろソフト感のほうが高いだろう。3年はかすかに色のついたゴールド色のもので、こちらは香りもそれほど強くない。ラム自身の風味を楽しむならこちら。
珍しいことだが、大学で予約頒布会のお知らせ。2本で3000円は決して高くないので購入。
純米を先に頂く。かなり麹の香りが強く残っており、甘味も比較的強い。4合瓶一本でもかなり飲み応えのある酒である。酸化も速く、すぐに香りが悪くなってしまった。
これに対して大吟醸はすっきりと穏やか。香りも白ワインのようなさっぱりした風味で、柑橘系のような香りが主体。こちらはどのような酒肴にも合う感じである。
いずれにせよ、4合は結構酔っ払う。夕食とともに、1時間そこらで飲むのなおのことである。
今日は家で晩酌、延長で焼酎を。奄美の黒糖焼酎である。
焼酎は麹が性格の多くを決めるらしい、米麹のテイストは、隣接する薩摩の芋のようでもあり、その先の球磨の米にも通じる。ほんのり甘い香りが黒糖の雰囲気を残している。
かの長寿、泉重千代が一生愛した酒。酒を愛するのは、長寿の秘訣だと信じている。
センター試験が終わり、週末分の「飲む権利」を本日行使。最近はGlenfiddich(2001.12.7参照)を贅沢にも飲んでいたが、今日はご褒美にと一杯だけカルバドスを。ブラーは著名なカルバドスだが、これはグレードが上のXOである。
香りは実に爽快かつ甘やか。リンゴの皮のふわっとした爽やかな香りでおおわれる。アルコールなどの強さが全く感じられない、お菓子のような甘い香りである。これに対して、味自体はかなり薄い。香りが上質なため、酒自体のボディが弱く感じられる。甘いとか辛いとか、そういうボディ感が希薄といっても良いだろう。酒質自体は淡麗というべきか。
香り芳醇、酒淡麗。カルバドスの性格であろうか。良い勉強になった一杯である。
今日は両親の厚意でステーキ。ワインは自宅で通販をしたらしい。通販元はベルーナで、価格は690円程度なんだそうである。
まず口が汚れている。さらにコルクにカビ、保存状態はあまりよろしくない。抜栓してもあまり香りは飛ばないが、樽の香りはかなり豊かである。謳われているところの「ラズベリーとグレナデンの香り」は残念ながらしなかった。味は「中甘口」ということながら、フルーティーな感じはしない。蒲鉾の板のような味と香りが主体。ひょっとするとビンの中でやや酸化していたのかもしれない。その分ボディも味も痩せてしまっている。でも、すっかり開いていて牛肉には結構向いているかも。
正月、相も変わらず「安ワイン道場師範」のチョイスをいただく。クレマンというのはシャンパーニュと同様の発泡性ワイン。ヴァン・ムスーと考えてみていただいていいです。
泡はややソフトな感じ。香りもシャンパーニュのようなイーストの香りは感じられず、白ワインと同様の香りが強い。色は淡黄色だが、ややピンクやオレンジのような暖色系の光がさす。こういうものでも個人的にはまったく問題ない。十分である。