海月のそれから / 2006年2月

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ひだまりで光合成中。

2006.2.1
 2本目のネームを直しています。
 これがOKになるまでに、また半年かかったらと思うとどきどきします。

2006.2.2
 ばんじはようやくヒーターを「ぬくい板」と認識したらしく、時折顔や尻をあぶってい
ます。普段のばんじはきりっとした顔をしていますが、ヒーターにあたっているとほほが
ゆるんで遠い目をしています。
 夕方のローカルニュースにトッコさんが映っていました。職場のイベントの取材でした。
出ていることを知らずに見ていたので、飲んでいたコーヒーを吹きそうになりました。

2006.2.3
 少し前に、ブルガリアから来日して興行していたサーカス団が、契約を反古にされ帰国
できなくなったというニュースを見ました。サーカスに出演する大勢の動物たちの運賃が
ネックになり、団員家族と動物たちは、空き地のコンテナで野宿同然の暮らしを強いられ
ていたそうです。
 その後どうなったのか気になっていたのですが、帰国に必要な数百万円の募金が集まっ
たそうです。大金を支払わずに逃げた興行主と、ニュースを見て短期間に数百万の募金を
寄せた善意の人達、どちらも日本らしい話だと思いました。

2006.2.4
 本棚に収納しきれない本を平積みにしていると、コマが爪をとぐので困ります。
 特にコミックスの裁断面が具合がいいらしく、虎視眈々と狙っています。
 今度やったら「きょうの猫村さん」風エプロンを着せて写真を撮るぞ〜と脅しています。

2006.2.5
 かっぱえびせんの新製品を見かけると、つい買ってしまいます。
「しょうゆマヨネーズ味」と「都こんぶ味」、どちらもおいしゅうございました。
 以前、米吐き娘に出てくる小畑の好物を何にするかで、担当さんと1週間以上にわたり
討論しました。卵、生魚、生クリーム、ポン酢、粉ミルク、プリン、うまい棒など色んな
案が出て、結局、私の個人的嗜好を反映して「えびスナック」になったのでした。
 それにしてもポン酢って嗜好品なのでしょうか。

2006.2.6
 昨日よりたくさん雪が降りました。
 暖房の温度設定を18度から19度に上げたところ、なぜかうさぎ達の換毛が始まりました。
 春が来たような気がしたのでしょうか。
 コマにエプロンをつけてもらいました。素材は木綿の花瓶敷きとリボンです。
 撮影中はおとなしかったのですが、外す時に手をがっぷりかまれました。


2006.2.7
 ネームのことで担当さんから指摘されました。
「全部、ことなきを得ていますね。古林さんの癖かもしれません」とのこと。
 確かに、物語を盛り上げるために主人公をわざと窮地に陥れるのが苦手です。
 安定志向です。
 リポビタンDのCMみたいな日常を送りたくありません。
 火中の栗を拾うより、冷たいみかんを食べたいです。
 しかしこれも修行なので、ぶちぶち言いながらネームに取り組んでいます。
 「紋切り型」という切り絵の型紙と色紙を買いました。
 色んな古典的図案があり、はさみとカッターを使って10分位で完成するので手軽です。
 とうぶんこれで逃避...いえ、気分転換できそうです。

2006.2.8
 切り絵の「対い兎(むかいうさぎ)」と「真向き兎(まむきうさぎ)」を作りました。
 ノッポさんとゴンタ君の「できるかな」を歌いながら、作業時間約20分でした。
 習熟すれば呪いの人形(ひとがた)も作れそうです。
 リスクが大きそうなので、やりませんけれど。


2006.2.9
 ネームの直しをFAXで送った後、先週からたまっていた録画のビデオを見ました。
「蟲師」と「まんが日本昔話」。どちらも大好物です。
 ぽちの換毛がピークに達しました。抜け毛を飲み込むと毛球症になるので、手でなでて
かき集めています。怖いくらい抜けます。
 普段は大きめのコッペパンみたいな色合いですが、今は頂上から5合目辺りまで抜けて
まだらのメロンパン状になっています。

2006.2.10
 昨夜、日付けが変わってからNHKの「老犬クー太18歳」を見ました。
 子育てを終えた老夫婦が老犬を介護する老老介護のドキュメンタリーでした。
 クー太が息を引き取った後の家族の姿は、涙なしには見られません。
 まんが日本昔話の「節分の鬼」も、老人が主人公でした。
 妻子に先立たれ墓参りだけが楽しみの独居老人がいます。節分の夜に、近隣の楽しげな
「鬼は外」のかけ声に昔を思い出します。老人はぼろぼろ泣きながら鬼面をつけて一人で
豆をまくのです。やけになったように「鬼は内」と叫びながら。
 その声に招かれて、村を追い出された鬼がやってきます。老人は鬼達に優しくされて、
「来年の節分も一緒に楽しく過ごそう」と約束し、明るさを取り戻します。
 村人から見放されていた独居老人を寂しさから救ったのは人間ではなく、人間に迫害さ
れた鬼です。
 10分余りのアニメとはいえ、「ヘルプマン!」並にせつないお話でした。

2006.2.11
 寒いので煮物や鍋物ばかり作っています。
 とろ火にしていたガスの炎が、いつも知らないうちに大きくなっている気がします。
 「妖怪・ガスの火加減」と呼んでいます。
 マンションの防火管理責任者を決めるくじ引きがありました。
 幸い今回は外れましたが、上記のような事情もあり、火の元には注意しようと思います。

2006.2.12
 兄夫婦が家を新築し、棟上げを済ませました。屋根のてっぺんに弓矢の形をした飾りを
つけ、矢を親戚のいない方角に向ける習わしだそうです。うちは親族が多いので、どちら
に向けていいか悩むところかもしれません。
 私の実家は木造で、親戚の大工の棟梁が建ててくれたそうです。
 「いい記念になるね」と父に言うと、「棟梁が見習いから独立して最初の仕事なので、
危なっかしくて見ていてはらはらした」と語っていました。
 棟梁は弟子に厳しいこわもての老人ですが、そんな微笑ましい時代があったのかと思う
と楽しいです。

2006.2.13
 ぽちが飲み込んだ毛のせいで、ふんが3個つながって出て来ました。
 噂には聞いていましたが、数珠つなぎになったふんを見たのは初めてです。
 毛球症を押さえる効果があるというパパイヤの干物の破片を買ってきました。
 うさぎ達の評判は今ひとつです。
 ぜいたくになれていないので、高級フルーツが口に合わないのかもしれません。


2006.2.14
 今年の寒さはひと味違うので、布団がなかなか干せません。
 トッコさんの怪しい通勤靴を乾かす装置を買おうとしたのですが、予定を変えて格安の
布団乾燥機を購入しました。同程度の価格で、靴も布団も洗濯物も乾かせるそうです。
 掛け布団と敷き布団の間で、袋が風船の様にむくむくふくらむ様子が面白いです。

2006.2.15
 諸星大二郎さんの妖怪ハンターシリーズ4冊を読みました。神話や昔話を独特の発想で
漫画に仕上げられています。全体に漂う土俗的な雰囲気といい、妖怪達の奇抜なフォルム
といい、期待を裏切らないすぐれた作品ばかりでした。
 妖怪がバーンと出てくるコマを、私なら右側のページの1コマ目にもってきて、インパ
クトを強めようとするのですが、諸星さんの絵はしばしば左側のページにありました。
 そこに怖いコマがあるのがわかっていてもなお、そこまで読む過程が、恐怖心をあおる
のかもしれません。
 おびただしい数の紙人形が海面を飛んでいたり、妖気を帯びた唇が顔をはなれてズルズ
ル歩いていくシーンなど、他の作家にインスピレーションを与えたのではないかと想われ
るシーンもありました。
 最近の作品では時代設定がぐっと現代的で身近な感じになっていましたが、私には昭和
の匂いのする連載初期の作品の方がより印象的でした。

2006.2.16
 寝台特急や新幹線で帰省する度に「なぜ飛行機を使わないのか」と周囲にきかれますが、
飛行機は苦手です。落ちたら痛そうだからです。
 今日、神戸空港が開港して、関空と伊丹と神戸の3空港体制になりました。
 大阪湾上空を毎日何百回と飛行機が飛び交うことになり、ぶつからないのかと冷や冷や
します。ともかく開通したからには、事故のないよう祈るばかりです。

2006.2.17
 ぽちのはげていた後頭部に、うっすら毛が生えてきました。この半月ほど毎日、薄めた
ムトーハップを患部に塗りましたが、本人の治癒能力のおかげかもしれません。
 以前、トッコさんが「人間の髪にも効くかなあ」と言っていましたが、効果の程はわか
りません。
 ネームの返事を待つ間に、ぼちぼち再開1話目の作画を進めることになりました。
 久しぶりなので作画の段取りを忘れかけています。
 記憶を掘り起こしながら下描きを始めました。

2006.2.18
 原稿の下描きをしながら話の続きを考えようとするのですが、どうもうまくいきません。
 手を動かすと頭が留守になり、考えれば手が止まります。
 古書店で手に入れた昭和57年発行の資料に、古い新聞が綴じ込み付録でたくさんついて
いました。仕事を忘れてつい読みふけってしまいました。

2006.2.19
 身長3cm位のモブ(群衆)シーンの下描きをしました。以前の連載中は時間がなくて
手足の生えたエノキタケのような感じに描いていましたが、今回は時間があるので性別と
老若位は判別できるように描き込みました。
 以前テレビでさいとうたかをさんの特集を見ました。
 作画スタッフの仕上げに先生がチェックを入れるシーンで、モブのうち一人の顔が変だ
と指摘しておられました。
 私の場合、どこから手をつけたらいいか分からないくらいに不思議な部分が多々ありま
す。とりあえず四次元空間を減らすのを目標に、仕事を進めています。

2006.2.20
 知り合いのおじいさんのお宅に、取材に行ってきました。
 私は会話のキャッチボールが下手で、よく話の腰を折ったりもんだりしてしまいます。
 それでほとんど聞き役に回りましたが、色々と貴重なお話が伺えました。
 私の倍近く生きておられそうな方ですが、帰り際に
「嫁さんを探しているので友達を紹介してくれ」
と言われました。笑っておられたけど目が真剣でした。

2006.2.21
 2話目のネーム(修正5回目)は、まだOKが出ませんでした。また修正作業に戻ります。
 没ネームの厚さが4cmに達しました。連載再開したらこの紙束で芋でも焼きたいです。
 冷たくされても食い下がる猫村さんの根性を見習いたいです。


2006.2.22
 切り絵にはまっている話を友人にしたら、
「宴会でおはやしに合わせて切り絵を披露したら?」と言われました。
 隠し芸がやりたいわけではないのです。
 新しい切り絵の型紙が届き、試してみたくてうずうずしているのですが、ネームを直し
て送るまでは封印しておきます。

2006.2.23
 昨春、切り花から挿し木にしたネコヤナギの穂がふくらんできました。
 お正月の飾りには間に合いませんでしたが、2/22の「猫の日」に間に合ったので、良し
としましょう。
 昨日は「竹島の日」でもあったそうです。
 竹島というと奄美大島の東に浮かぶ島を思い浮かべるのですが、どうも違うようです。


2006.2.24
 ばんじがヒーターのプラスティックカバーをごりごりかじるので、かじれない位置に移
しました。暖かさは弱まりますが、安全と健康には替えられません。
 ピアノ用の椅子の周囲をかじったり、壁紙を約10cm四方はがしたこともあります。
 こんなに無謀なうさぎですが、一度も体調を崩したことがありません。
 この調子でお達者街道をばく進してほしいものです。

2006.2.25
 畑にジャガイモを植え付けてきました。体力作りを兼ねて自転車で、往復1時間弱です。
 タマネギは貧弱でネギと見間違えそうですが、ほうれん草は何とか順調に育っています。
 あぜ道に野菊やタンポポがたくさん生えていました。平たくなって日光を少しでも多く
とりこみ、冬を越すためにロゼットという形になっています。
 中心にはつぼみもあり、力をたくわえているようでした。私もかくありたいです。


2006.2.26
 机の下でとぐろをまいていたコンセントを片付けていたら、壁にテレビのアンテナ接続
端子を見つけました。今まで気付かずに映りの悪いテレビを見ていたのです。これからは
クリアな画像を楽しめそうです。
 トッコさんに「ひきこもりライフがまた充実したやん」と茶化されました。
 昨夜は下描きしながらNHK教育のETV特集「大森林の小さな家」と、土曜フォーラム
「異なる伝統文化」を見ました。
 民放はあまり見ませんが、CMは好きです。特に動物が出てくると目がくぎづけです。

2006.2.27
 『今がいちばんいい時よ』を読みました。89歳の絵本作家、ターシャ・テューダーさん
のライフスタイルを写真と文章にまとめたものです。自然豊かなバーモント州の山奥で、
動物や花を育てながら絵を描く暮らしは素敵です。
 若い頃から私は、年金生活にあこがれていました。でも苦労らしい苦労をしないまま、
30代で人生のまとめに入ろうとするのは、考えが甘いのかもしれません。

2006.2.28
 画像をたくさん載せたくて、日記の表示のしかたをちょっと変えてみました。
 前より画像が重いかもしれません。ご面倒をおかけします。
 2話目のネームの、修正7回目に入りました。こちらは人力でやっているので、機械の
ようにちょちょいのパッとは直せませんが、地道に直して行きたいと思います。


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