作家 ![]()
藤子不二雄
◆110627
藤子・F・不二雄大全集「初期少女・幼年作品」
本はほとんど買わないのだけれど、珍しく発売を待ちかねたもの
6月24日発売と知っていたので、少し前にセブンネットショップに注文
予想では24日に到着、うまくゆくとその少し前に着くか、と思っていたら
24日の発送でもないらしく発送準備が出来ましたというメールのみ
実際は26日になって明日到着というメールが入り
27日、3日遅れで最寄りのセブンイレブンで仕事帰りに受け取ってきました
なんのことはない本屋で直接買うほうが早かったわけ
それでも本屋には絶えて行かないので仕方ないか
さて内容の方が
ざっと見て期待を上回る収録
「黄金のすずらん」が初めて読めます
「まんが道」で見た「バラとゆびわ」や「雲の中のミカド」なども
それに初出の色(何色刷とかカラーとか)を再現しているのが素晴らしい
この1400円は実に値打ちがある
「初期少年作品」というのは出るのかしら?
まずは今年最大の復刻がめでたし
110713
初期少女作品
藤子・F・不二雄作品リストで見ると、少女誌に掲載された作品はほとんど網羅されている
主要作で収録されなかったのは「白さぎ城物語」くらいか
これは安孫子さんとの共作ではずれたのか、「光公子」「黄金のすずらん」と同じ「少女」掲載分なので是非再録してほしかった
1954年12月〜55年10月「少女」連載「ゆりかちゃん」ももちろんかわいい主人公で楽しい内容だが
1956年6月〜10月「少女」連載「光公子」が圧巻
これには5月号に単独の読み切りが先行していたのは知らなかった
「光公子」ろうそくの炎から現れる光の力で江戸送りになる父を助ける娘の物語16P
続いて少女誌掲載の読み切り作品
「エミーと魔法のビン」1955年2月「少女」8P
「うっかりぼうや」同上1P
「母の呼ぶ声」1955年11月「少女」5P
「黄金のすずらん」1955年12月「少女」8P
「泣きだした王子さま」1956年1月「少女」5P
「どろぼうと天使」1956年12月「少女」7P
「えり子のしあわせ」1957年新年増刊「少女」7P
「雲の中のミカド」1957年3月「少女」付録32P
「バラとゆびわ」1955年新年増刊「少女クラブ」付録64P
「やっぱり女がいいわ」1955年1月「なかよし」2P
「春子の日記」1960年夏増刊「なかよし」12P
このうち初めて読む作品が「黄金のすずらん」と「泣きだした王子さま」
「黄金のすずらん」は
幸運を呼ぶという金色のすずらん
それを求めて今、若武者が迷いの森にやって来た
2本のすずらんは若い姉妹の姿をして若武者の存在を不安に思っている
動物たちが若武者を襲うがとても強くてかなわない
しだいに近づく若者を妹が魔神の住む場所に案内する
魔神は龍のすがたをしてなんとも強く刀も歯が立たない
木をめぐって魔神の体を結わえてしまうという智恵を発揮
観念した妹は自分の方のすずらんを抜くよう場所を教える
ふるえるすずらんを見て若武者はそっと置いたまま国へ帰ることにする
「光公子」「白さぎ城物語」「雲の中のミカド」といいこれといい、時代物が光る
他は「春子の日記」がお気に入り
110714
幼年編
連載ものが
「よるの王子さま」1955年4〜6月「二年ブック」3回で休載未完
「あきれたあきおくん」1957年1〜3月「たのしい三年生」
読み切り作が17作、2P以下のものは省くと次の6作品
「おやゆびひめ」1955年5月「幼年クラブ」付録48P
「ちびとおに」1956年2月「幼年クラブ」7P
「ゆうれいやしき」1957年9月「幼年クラブ」9P
「おやまのきょうだい」1956年1月講談社絵本8Pカラー
「ライオンとこじか」1956年2月講談社絵本8Pカラー
「ぽいのおつかい」1956年11月「たのしい一年生」付録3P
「おやゆびひめ」がとりわけ目玉だけど、内容はアンデルセンそのままで絵柄があかぬけない
同時期の「よるの王子さま」がすばらしい描線
夜になると動きだし空まで飛べる人形の王子マリオ
ギャングに取られた宝石を探しに動き出した
昼間は動けないでしょうと少女ユリーもついて行くが
昼になると王子は動けなくなりユリーはギャングに捕まってしまう
夜になり起き出した王子がギャングを倒して地下にある金庫を明けさせる
日が出ると動けないことをしったギャングたちは時間稼ぎをしていてそろそろ夜が明けそう
といういいところで雑誌休載のため終わっている
なんといってもの注目作は講談社絵本に併録された2作
「まんが道」でも紹介のあった「ライオンとこじか」が圧巻だが
「おやまのきょうだい」も美しい絵で満足
わなにかかって捕まった弟猿
猟師の家では男の子が猿がふるえているので心配
その夜、兄猿が探しに山から下りてくるが鉄のくさりが切れずに兄だけ帰ると涙の別れをしている
そこに起き出した父親が様子を見て鉄砲で一発
くさりを切って猿を返してやるという終わり方
100325
藤子不二雄「最後の世界大戦」53年
今度の復刻で藤本氏関連どこまで再発なるか
少女まんが(「黄金のすずらん」とか「光公子」とか)など期待も込めて「ユートピア」をコメント
氷素爆弾で人類が壊滅状態になった100年後の世界
生き延びた人類はロボットの力に頼って文明を発展させている
ロボットがいるので余分な人間はいらないと人類大統領は反抗分子を零空間へ送り消滅させている
この動きに対抗するため結成された秘密組織人類同盟は氷素爆弾を発明した博士がリーダーとなる
同盟は権力内部へ潜入し大統領の身代わりロボットを置いて立ち去り操ろうという作戦に出る
ところが、このロボット大統領がロボット中心の世界を目指し人類消去を打ち出してしまう
人類とロボットの間に世界最終対戦が始まろうとしている
人類は果敢に戦うがいくらでも出てくるロボットに力つきようとしたその時、ロボット達が急に狂い始め人類に救いが訪れる
図は氷素爆弾が破裂する最初の場面
シェルターで生き延びた少年は100年後の世界を見ることになる
絵柄は少しゆるめ
内容は着想も見事で複雑な世界を表現した優れたもの(ロボットが狂うラストが根拠もなく不満なくらい)
090328
藤子不二雄「海底人間メバル」55年
「ぼくら」
55年当時すでに次世代の作風を作り上げている藤子さん「メバル」について
1月号で始まり、飛んで4月号で終了したそうで全3回12ページの小編ながら海底に住む人類という「海の王
子」を想定させる設定が興味深い
メバルは地中を水没させ海底人が住む区域を増やそうとする計画実行のため地上に派遣された青年
たまたま船で海洋研究をしているカレー博士を助ける
メバルと行動をともにしていた軍人たちは陸の人間には好感情を持っていない
メバルたちが海底に戻ると大統領から陸の人間の生活実態を調べるように命令が出る
陸をすべて水没させ人間を苦しめることは望んでいないから
しかし海底繁栄を優先する司令官側は陸すべてを水没させようとしている
最終回は両者の争いが起こるのでしょう、「まんが道」でストーリーがわかるというのでそっちなら入手できそう
(090328)
「まんが道」による「海底人間メバル」
「まんが道」に「メバル」が再掲されていると知り中公愛蔵版「まんが道」四巻目を借り
「バラとゆびわ」を別冊64頁に描くというのが大変な作業、これが55年正月増刊
「メバル」は1、2月号に載ったあと4月号なのでここで遅れたのか
なんとか掲載が続いて、「二年生」に「夜のおうじさま」連載が決まるのが4月から6月
「まんが道」では夏休みに一年ぶりに帰省(高岡)、ここで気がゆるんで次々と締め切りをすぎてしまう
テラ(寺田ヒロオ)さんの葉書で東京に戻るが残務処理の気持ちで二度と掲載ないかもしれないという覚悟
「ぼくら」には「メバル」の最終回だけけりをつけなさいと言われる
他の出版社からは無視状態
実際は「メバル」は夏以降載っていないので、中途打ち切りのまま、最終回というのは「まんが道」だけで読めるファンタジーか
なんとかもう一度のチャンスをもらったのが56年「三年ブック」からの依頼「ゼンダ城の虜」というが、これが実際載っているのは55年の「三年生」
56年からお許しが出たか、雑誌依頼がくるようになったというのがまんが道の設定だが
55年11月12月には「少女」に「母のよぶ声」「黄金のすずらん」が掲載されている
また続いて「まんが道」三巻目を参考にすると55年原稿落とし以前に出した絵本「ライオンとこじか」は実際には56年に出ている
「まんが道」は事実を使いながら組合せを替えてより劇に合う流れを再構成しているらしい
ところで「バラとゆびわ」は「まんだらけ」に縮小写真版ながら全部が掲載されていて比べてみると「まんが道」に掲載されているのは同じ、元原稿からあげている様子(サイズを切り貼りして変えてある)
「まんだらけ」のさえない写真画面でながめた「バラとゆびわ」は興味がわかなかったけれど、「まんが道」で見るとすばらしくおもしろい
「海底人メバル」は三巻目に第一回、第二回が再掲載されていて確かに全部以上が(まぼろしの最終回も)読める
090716
フジコフジオ「エミーと魔法のビン」55年
「少女」55年2月号で読み切りがおもしろい
貧乏な絵描きの兄とその妹
兄は偶然買ったビンのせいで急に絵が売れてりっぱなアパートにも住めるが悲しそうな顔つき
ビンは願いをかなえてくれるが、13時間以内に新たな買い手を見つけて手放さないと買い主は地獄に堕ちると現れた黒マントの男に教えられたから
路上で馬が暴れて暴走する馬車をビンに願って止めさせると乗っていたおばさんが喜んで買っていってくれる
事情を知らない人をだますようで気が引けた兄はビンを戻してもらう
こんな様子を見ていた妹エミーは兄の運命を変えるため人に頼んで自分がビンを買い取ることに
今度は地獄行きがエミーに移っただけで兄の哀しみは変わらない
そんな時、辻強盗が兄を脅す
金を与えエミーのビンを買うよう頼む
願いが叶うビンならと強盗は引き受けてビンで酒を出して思う存分飲んでごきげん
強盗にビンの事情を説明しても、どうせ自分は地獄行きの人間、何でも好きな願いが叶うビンなら願ったりだと平気な顔で去ってゆく
災難が被害少ない形で去ってほっとするエミーたちだった
090102
藤子不二雄「母の呼ぶ声」55年
「少女」55年11月号読み切りの5P短編
みづえは母が亡くなり、おじさん夫婦と住んでいる
母の残した山を譲れと開発屋の黒原社長が脅すように迫ってくるがおじさんは断り続ける、山に植えた樹木はみづえにとって母の形見とも映るから
黒原の圧力は日増しにひどくなりおじさんは役場をやめさせられそう
それを聞いたみづえは折れようと思う
黒原の依頼で山の調査に来ていた東京の青年青木持郎がみづえに山にウラニウムがありこれを売れば億万にもなると教えてくれる
黒原は青木の裏切りを責め、二人ごと坑道に閉じこめてしまう
警官やおじさんが山に探しに来てもみづえの行方はわからず、万事窮したところで
坑道に残っていたダイナマイトを使って出てきた青木たち、黒原一味はつかまり山に平和が戻るというラスト
090920
藤子不二雄「ゆりかちゃん」55年
「少女」4月号
ゆりかちゃんは小学校中くらいかな
4月号ではとなりのみよちゃんが今度学校に上がるというので買ってもらったランドセルを見せに来る
靴も買ってもらったというがそのまま土足であがるのでふきそうじが大変
そこに兄さんが帰ってきてよくやってるから靴でもブローチでも何でも買ってやろうと気前よい
つまりとカレンダーさして「今日はエイプリルフールだから」と
ところがカレンダーのめくり忘れで本当は2日
困っている兄さんに「お金がないから映画だけでいいわ」と映画に連れて行ってもらう
中学生の兄さんも利発そうで感じよい
6月号はカメラ騒動
10月号は学園祭の手伝いに来たゆりか、部屋をそうじして紙くずを集めていると窓から風が入り兄さんのまだ乾ききっていない絵にくっついてしまった
それを先生は傑作だとほめるから始末が悪い
090103
藤子不二雄「白さぎ城物語」56年
「少女」56年3月号,12P
山と霧に包まれた白さぎ城
この城の守り神は夕姫と呼ばれる白さぎ
さぎを狙う黒さぎという覆面武士が現れて事態は一挙大団円までまっしぐら
城の若さまは幼いときワシにさらわれたまま行方知れず
案ずる妹の玉姫だが、その兄田村丸が戸隠一刀流の免許皆伝となって戻ってくる(しかし彼が近づくと夕姫が騒ぎたてる)
玉姫付きかえでの父が元家老なのでそこにしばらく夕姫を預けようと城から運び出すと急に現れた賊たち
鶴千代という若武者が助けに入り取り押さえてみると、賊の首領は家老のげんばだった
かえで宅にげんばを預け城に向かうと後ろから黒さぎに襲われげんばも連れ去られたという一報が入る
ともかく城に戻ってと、かえでに連れられ鶴千代は玉姫と対面する
兄の田村丸と会った鶴千代が一瞬剣に手をかけ異様な様子になるのを不審がる玉姫だが
黒さぎのことを考え、夕姫は空に逃がすことに
夕姫が飛んでゆく先に白さぎの先祖が埋めた財宝の在処があるらしくそこに家老げんば一派が駆けつける
姫たち一行も夕姫を追ってやってくる
神木を切るのにためらっている家臣たちを叱りつけるため鉄砲を撃つと折からの雪、なだれに押しつぶされてしまう
かわりに現れたのが黒さぎ、相手をするのが鶴千代
果たし合に鶴千代が勝ち、黒さぎの正体は田村丸と知れる
鶴千代が江戸で修行中、ひみつを知って証拠の品を奪い兄になりすまして白さぎ城に現れたという次第が明かされて完結
12Pとは思えない充実した内容、絵柄も「海の王子」そのままで既に60年にならないうちに完成していました
081022
藤子不二雄「光公子」56年
「少女」31年6月号には永島慎二の「花びら日記」も載るが案外普通の少女マンガ絵
お目当てが藤子不二雄「光公子」
でも6月号掲載は7Pで7月号も借りてみましたがまだ2回は続くみたいな
弓月城は赤桐一族に攻められ落城が近い
るり姫の兄、城主の星之進は若輩勝四郎に姫を預けて逃げ延びさせようとする
仲間の犬丸は裏切って一人助かろうと、殿を矢で狙ったり逃げるのを密告したりする
天守閣に火がついていよいよ追いつめられ、勝四郎は崖から落ち、姫も後を追う
枝にかかり命拾いした二人、これからのことを考えているところ
家宝のろうそくをともすと光に満ちた少年が現れなんでも願いをかなえると言う
これが光公子、谷から上っていくロープを出してくれる
次いで次号
追っ手がかかり、光は簡単にやっつける
斬り殺そうとする勝四郎に殺すことはないと言う光公子
逃げ延びる途中助けてくれた虚無僧は兄が化けた姿
この後、光の活躍で復活がなるかという展開
090104
8月、9月
既に前半は借りてブログにもアップしているのですが後半を追うとこういう内容
赤桐弾正から城を追われたるり姫と勝四郎
裏切った家臣犬丸が家宝のろうそくを弾正の元に届けるが
つけたろうそくから現れた光公子は悪人には味方しないと雲に乗ってるり姫を捜しに行く
弾正は姫たちをしとめるため刺客みみずく法師を送り出す
山では食べ物をさがしている二人の前に山の少女があらわれる
二人は天狗岳から抜ける道を尋ねて教えてもらうが通れる道ではないと止められる
道を行くと山賊が出て姫はとらわれてしまう
虎の餌食になるところ首領の娘だったあの少女ひな子が現れ事情を言って命だけは助かる
砦に閉じこめれた姫は夢で兄に再会する
その夜、外に金色の鹿が出てきて姫を乗せて去っていく
実はこれはみみずく法師のわな、光も駆けつけるが法師の降らせる雨は光の弱点
近づけないでいる所、姫に落雷が
すきをついて投げた刀で法師を倒すことができる
姫と見たのは身代わりになったひな子
駆けつけた首領は娘の最後の頼みを聞き入れるり姫に味方することに
山ではぐれた勝四郎もかけつけ一行が山を下り城攻めに向かうところで完結
兄弓月星之進は出てこずに終わるがページ数の関係で割愛したのでしょう
毎回6Pで全編24Pを4ヶ月かけて作り上げたわけです
10年後では週刊誌の一回分でもこれくらいいきそうで時代の差は大きい
この編で最後に登場するみみずく法師は藤子さんがよく使うようになる仮面的キャラクターの先駆けと見てよいでしょうね
090712
藤子不二雄「宇宙少年団」56年
「ぼくら」56年5月号
7P、宇宙少年団会議が開かれ火星に行く団員が選ばれることになる
桜鉄太郎(ロケットくん)が当確という評判でライバルの赤星は嫉妬する
人柄よいロケットくんだが父が火星で行方不明になっているので今回の飛行は譲れない
火星向け宇宙船銀河号に乗り込んだのは少年団員たちの他、敵対気味の宇宙総統一派
それでも流星群をかわすロケットくんの操縦には感心する
10月号で火星に到着してみるとすでに敵側A国が占領して新型爆弾の実験を用意している
人々は我先に宇宙船の乗り込み逃げ出すが、少年団員たちや総統たちが取り残され、爆発被害を逃れるためウラニウム鉱山の地下坑へ逃げ込む
57年12月号
鉄太郎の父が生きていた
父はかつて探検した幽霊星が鉱石に富むと知り、ギャング団から宝庫を守るため流れ星探偵となり戦ってきた
幽霊星も火の玉となって消えた今、息子と再会して地球に戻ることになり連載も終了する
あまり藤子二人を別々に考えたことがなかったがさすがに同じ雑誌で続いて読むとすでにこの頃からはっきり作風が違うのに気づく
「ぼくら」55年の連載「メバル」が藤子F、こちらが藤子A作品
藤本さんの絵柄が人物・ストーリー展開がスマートなのに対して、我孫子さんの方が人物描写に影も多く、話も人間くさい
59年からの少年サンデー連載「海の王子」がスケール大きい傑作となったのは両方要素を合わせたからなんでしょう
090719
藤子不二雄「どろぼうと天使」56年
「少女」56年12月号
天使が二人降りてきて今夜天国に召す二人を捜している
ホテルではけなげに働く少女
泊まりに来た人相の悪
い男とおじさま風の年配
少女に乱暴な男をいさめ、親切にしてくれるおじさんは実は強盗
ホテルの金庫から深夜金を奪おうとする
偶然見に来た少女を金庫に閉じこめて逃げ出すが
車からホテルが出火しているのを見たおじさんは戻って少女を救う
天使が召したのはおじさんだけで少女は行いに免じて生き残ることになる
090728
藤子不二雄「えり子のしあわせ」57年
「少女」57年正月増刊号
貧しい絵描きのおじいさんと屋根裏に住まうえり子
ある日、お屋敷のお嬢さんと間違われ邸内へ入ると、自分そっくりの娘に出会う
えり子はたまたま母の写真を持っていて当家のなくなった母と同人物、えり子も行方不明になった京子の姉だと判明
この一家と幸せに暮らすが、おじいさんは独り去っていくというのが変わっている終わり方
石森さんの方は「龍神沼」、「まんが家入門」で見る才気あふれた絵柄と違いほのぼのした風貌の人物達、枚数も8Pほど
090601
藤子不二雄「しゃっくり丸」57年
「幼年クラブ」1957年1月号6P新連載、しゃっくりが生まれて止まらないしゃっくり丸、びっくりすることを求めて諸国を旅することに
12月号では「しゃっくり丸」が終了
山賊と間違える騒動から親しくなった大男ばんえもんさんと諸国を巡るしゃっくり丸だが
海賊を退治する事件でしゃっくりも止まり父母の待つふるさとに帰ることに、1月より「わが名はXくん」新連載
100324
藤子不二雄「火の玉剣士」57年
「漫画王」57年9月号読み切り8Pが新鮮
白川城の春野洋二郎、盗まれた大砲の設計図を黒原城にしのびこんで逃げ出してきた
追っ手にはばまれあやうい所飛び込んだ少年剣士秋月玄吾に助けられる
秋月は赤山城から派遣されたスパイ、黒原城下を抜け出すまでは力を合わせようと持ち出す
翌日旅を続ける二人を黒原の鉄砲隊が取り囲む
秋月は春野を殴り差し出す
牢に入れられた春野を秋月が救いだし「あの時はアアするしか撃ち殺されている」と脱出するが
春野の刀に設計図が隠されていることを知った秋月は春野を斬ろうとする
追っ手の鉄砲に撃たれた秋月は運の悪さを悔やみ、春野に刀を手渡す
春野は白川城へまっしぐらという所で話が終わる
081117
ふじこふじお「どろんこ三刀流」58年
「幼年クラブ」1958年3月15P
父の仇を探す少年剣士ぼうたろう、少年あめじろうや子持ちのだるまさんの助太刀を得てみごと果たすが
最後にだるまさんが討たれ、その子を面倒見ると約束してラスト
ふじこさんは「わが名はXくん」とあわせ2本も描いています、こちらが特に子供向けにほんわかした絵柄になっている、名前もひらがなで通しているし
090331
藤子不二雄「なぞの暗黒星」58年
「ぼくら」58年8月増刊
1979年夏、謎の暗黒星が地球に接近してくる
星には生物がも住んでいるので宇宙ロケット学校の富士星太たちはアトム連邦宇宙軍の要請で惑星探検隊に加わることに
ナイキ将軍命令で乗り込んだその息子スナークがかなりわがまま
マザラン隊長・ムー博士たちが星に降り立ち捜査し始めると、星に住む原始的な生物(頭がタコ型で手足持つ宇宙人)が多数槍で攻撃してくる
勇敢に戦ったマザランは死んで、一人逃げ出したカーチス大尉も死ぬ
みんなは敵の攻撃を逃れ宇宙船で戻ってくるが、宇宙はまだまだ知らない世界だと感嘆して終わる
070314
藤子不二雄「海の王子」59年
藤子さん(AとFとうまく分けられない)作で一番好きなのが、これ
藤子不二雄ランドで全貌が知れるというので友から借りました(ありがとう)
少年サンデーの創刊号1959年4/5号から61年4/2号まで2年間休むことなく描かれた10話が基本ですね、これらは原作高垣葵で、他の別冊作などは原作なし
http://www.neoutopia.net/interviews/takagaki.htm
のインタビューによると3、4作目からは別の人が原作作った模様
後でもコメントするように3〜6話がともかく充実した内容です
藤子不二雄Gallery(http://www.ffgallery.com/index.html)によると
それ以外に次のような作品が出たようです 雑誌名ないのは「少年サンデー」
1959「海の王子の野球試合」秋の増刊号
1960「砂漠の鷹」別冊春季号・「ロケット・オリンピック」別冊夏休み号
1961「はやぶさ号盗まる」別冊正月号・「海の王子の復活」別冊夏休み号
1962「まぼろしの流星」別冊正月号全5話・「深海魚作戦」別冊夏休み号
1963 読切小学四年生 9月号附録
1964 連載小学三年生 8月〜S40年3月号附録
再連載
「プロトンの海底都市」 3月29日
「動くスフィンクス」5月10日
「空飛ぶナマズ 」5月17日号
「巨大ロボット・デビル」夏休み号
1965「ゆうれいはかせ」小学四年生 4月号附録
ともかく基本10話を探ってみます
第1話 黒いおおかみ の挑戦
東京湾でウランを盗み出そうとした黒いおおかみのZ1号潜水艦(さめ型)
救い手として人々の前に突然現れた海の王子のはやぶさ号
その後、敵の本拠地おおかみ島へ突入
島から発射された魚雷の山にどうなるかと思っていると
はやぶさ号から羽が出て空を飛ぶ
しばらくたって
チエノ博士を乗せたアメリカ原子力潜水艦サーチライト号にZ1号が激突
王子たちは救助に向かうがチエノ博士は連れ去られた後
次はZ1号とはやぶさ号の一騎打ち
磁石魚雷とか空中魚雷とか威力ある兵器を繰り出すZ1号を見事破る
負けた敵船長、はやぶさ号の金属破片を持ち帰り、チエノ博士に研究させる
最後が
はやぶさ号でも溶かしてしまう熱線を装備したZ2号(シーラカンス型)との対決
案外あっけなく入道雲から飛び出し、2号の横っ腹を突き破って大破させる
逃げる首領ともども大蛸につかまるがショック銃で蛸からのがれ首領をつかまえる
はやぶさ号も損傷激しく酸素マスクをしながらの航海
手錠の首領に襲いかかられ倒したものの王子も意識遠くなる、カイン王国の潜水艦隊がかけつけことなきをえる
海の王子の故郷、深海のカイン王国で安堵しているラスト、魚雷が王国を襲ってくる
ということでそのまま2話に続いていくというテンポ良さ
音楽ライブでナレーションなしで次の曲につなげると盛り上がるという手法
まんがでは少ないけど、なかなかいいですね
1話には王子が海中で魚たちにえさを与える場面があり
ふぐはなかなかもらえずふくれてしまうというユーモラスな面も見せてくれる
出だしとしてはいい感じ
070315
藤子不二雄「海の王子」第2話
海へび大帝の猛襲 65頁(1話は80頁でした)
第1話からすぐ続くところなど放送作家高垣さんならではのアイデアでしょうね
ミンダナオ海溝からの毎日の魚雷
カイン王国潜水艦隊が撃退に向かうが
現れたヒラメ型潜水艦隊は防弾バリアで守られているし、磁石魚雷という兵器を持ちカイン側を大破
助けに来たはやぶさ号は針ねずみ砲で撃破
敵側がシードラゴン潜水艦で攻撃してくる
王国急襲の知らせに氷結弾で切り抜けるが
次はアメリカに向かうチエノ博士を護衛してシードラゴンと対決
とかげのしっぽのように尾をはやぶさ号をたたきつけたり
胴体を打ち破られると頭部だけ切り離して逃走する
なかなか芸が細かい
連れ去られた父王たちを救うため王子は不発魚雷を敵要塞にぶちこむ
そこに自身が乗り込んでヒラメ艦で脱出
最後はシードラゴンと再度決戦
ヒラメ艦はXM水雷という磁力で敵艦隊を吸い寄せ爆発する兵器で撃退
シードラゴンは正面衝突してはやぶさ号が打ち破る
これだけ兵器にアイデアこめて、敵ボス艦があっけなくやられるのがちょっと惜しい感じ
ヒラメ艦といい、シードラゴンといいスタイル決まってる!
また、当時「シルバークロス」でもだが藤子作品の悪役は仮面をかぶっていて「海の王子」の敵も必ず仮面を付けている、中でも海蛇大帝は黒マスクにいかにも悪サングラスみたいなメガネをかけ正統的悪役に徹しているわ
黒いおおかみはこわもてお兄さんマスクで極悪より不良的
この後の8話は次の通り
第 3話 赤いサソリの恐怖
第 4話 鉄の獅子の襲来
第 5話 恐竜帝国の決戦
第 6話 海神ポセイドンの謎
第 7話 怪虫サタン
第 8話 砂漠の戦艦シーラカンス
第 9話 カメレオン4D
第10話 不死身のハイドラ
070316
藤子不二雄「海の王子」第3話
赤いサソリの恐怖65頁
「海・・」のタイトルにして宇宙人襲来もの
北極から侵入したエイリアンが次々と南下しつつ町・都市を攻撃していく
探索にいったはやぶ号の前に現れたのがうずまき板を全面に持ち、かたつむりのように飛びでた目を三つ持つタンク
防御バリアーが強く弾丸をはね返し、爆弾をよせつけない
うずまき魚雷でなんとか破壊する
さらに大型のサソリ型戦闘機が現れ海の王子も危機
ますい電波を浴びてふらふらとなり自動操縦で逃げきる
サソリ一味は東京まで侵攻しチエノ博士も地下50mに非難して撃退する研究を続ける
地上に残っていてサソリたちに追いかけられているこどもを助けたため
地下に潜んでいることが知れサソリが探し出すのが早いか博士の研究が早いか
光の速度でバリヤーをつきやぶれることが判明
その速度が出せるはやぶさ号の小型機を作って爆弾としてサソリ軍に向かうとたちまち多くを撃墜
追って行った先でマワイ島に潜むアメリカ軍の存在を知り
廃船にはやぶさ爆弾を搭載して曳いていく
サソリに攻撃された博士たちを救出に向かい
最後の決戦
サソリ戦闘機に麻酔光線を浴び抱え込まれたはやぶさ号だがハリネズミ砲で打ち破り
地球軍の勝ちとなる
宇宙人の圧倒的な力で街が占拠されるという恐怖がよく表れている
タンク、サソリ、それに恐ろしげなサソリ人の顔立ちとデザインが決まっている
ラストで大型サソリ戦闘機がわりあい簡単に負けてしまうところだけちょっと不満
ここまで不二雄ランド1巻目に収録
070319
藤子不二雄「海の王子」第4話
鉄の獅子74頁
2巻目にはこれと5話、番外編「はやぶさ号を撃墜せよ」「ロッケトオリンピック」
南太平洋に巨大なライオンが現れるという海の怪談が噂される
新聞記者のハナさん旅客船ごと吸い寄せられた先には巨大な獅子の頭があった
このままではと海に一人飛び込んで助けられた入院先でフォークやナイフがハナさんに飛んでくる
なんと腕時計が磁力を発していて、あの獅子頭が磁力放った磁力のせいらしい
獅子頭の存在が実証されたので向かったはやぶさ号の前に現れたのがライオン頭
吸い込まれてみようというチエノ博士の言葉通り飲み込まれると中は溶鉱炉となっている
ライオン頭の怪人(鉄の獅子)が指揮していて温度を一万度に上げよと命令
危険を察知して頭を打ち破って脱出、鉄の獅子も空を飛んで本拠地ライオン島に
応戦してくるサーベル弾がはやぶさ号の鋼鉄も突き破って王子を傷つけて逃げ帰り王子は入院する
鉄の獅子が放つ次の怪物がタコ型の巨大ロボット「ゴルゴン」、東京湾から上陸して荒らしまくる
チエノ博士は食鉄虫をライオン島にまいて被害を与える
鉄の獅子一派を撃退すべく出かけた海軍隊は強力DZ爆弾にも海底に潜んで逃れ多大な損害を与える
最後に王子との対決
今度は二重装甲をしてサーベル弾もはねのける
鉄の獅子のライオン戦艦は強力ではやぶさ号でも貫けない装甲の硬さだが、ハナさんが中で暴れまくりあちこち壊したため敗れる
鉄の獅子がロボットだったかは依然なぞのまま物語が終わるというのもいい
王子、チマ、チエノ博士と主役がまじめタイプ表情に乏しいところ、脇役ハナさんが活躍すると全体が活気づく
070320
藤子不二雄「海の王子」第5話
恐竜王国82頁
ハナさんがロンドンでアフリカで恐竜を見たというので変人扱いされている探検家スカンレーを訪ねる
スカンレーが何も語らないので飛行機をチャーターしてコンゴに飛ぶと
湖から恐竜が現れ怪光線を放ってきて操縦士が化石化して墜落
一方、アフリカからの連絡が全くとだえた異常事態に国連調査隊がアデンに集結、はやぶさ号も加わる
スタンレーも噂を聞きつけ一行に加わる
アフリカ、バンサ市に到着すると街の人々はすべて化石となっていた
プテラノドンの群れが襲ってきて破壊してもすぐ分裂した部分がくっつきあって元通り
らちがあかないので氷結弾で凍らせて切り抜ける
武器など援助を求めにトラックとはやぶさ号で軍事基地へ向かう途中で恐竜の群れにあい
はやぶさ号の新兵器マジックスキンで恐竜に変身
トラックが真ん中でエンストして万事休したところはやぶさ号がかかえて逃れる
軍事基地は恐竜一派の手に落ちていて偵察に出たハナさん、スカンレーはつかまってしまう
救出に向かうはやぶさ号の前を恐竜の群れが進んでいく、基地が空になっているので戻ると調査隊一行も化石となっている
王子はチマ・チエノ博士を残しトンガ火口の本拠地に乗り込んでハナさんたちを救い出すが
待ち受けていたプテラノドン、今では化石光線を備え王子も化石となりはやぶさ号もろとも墜落
なんとハナさんたちは石とならない、スカンレーがアフリカで拾った石の効果とわかり
王子に身につけさせ復活させることで最後の決戦に
4話で食鉄虫、5話でマジックスキンと魅力的な武器を加えながらも、獅子身中の虫(ハナさん)や化石を向こうにする石という偶然要素によってかろうじて打ち破れる程敵が強いのが物語をおもしろくしている理由なんでしょうね
070321
藤子不二雄「海の王子」第6話
海神ポセイドン90頁
2万mの海底が発見されはやぶさ号が探査に向かうと底に都市が見える
水圧上昇の異常事態にそれ以上の探査をあきらめ戻ろうとした時、破損した潜航艇を発見して引いて帰る
なんと中には少年がいて、治療するとエラを持っていると判明
多くの謎が出たところに少年を狙う一味が出現、少年を助けに現れた男ともどもさらって潜航艇で逃げていく
海中で追いついたはやぶさ号、応戦の末、潜航艇が動かなくなったので探りに行く
敵一味と艇内で撃ち合いとなり相手をやっつけたが王子も傷つく
海底から敵のイカ型(メルス)艦隊が浮上してきたのでマジックスキンではやぶさ号と艇を魚に変身させ難をのがれる
少年は「自分は海底王国アトランティスの王子アポロンだ」と打ち明ける
王国はゴリアス大臣に占領され、王家一派は地峡に守られた谷の中に要塞を造り立てこもっている
アトランティスに接近すると海神ポセイドンが現れ、弾丸も突き抜けるため戦いにもならずなんとか海神の通れない狭さの地峡に逃げ込む
地峡を突き破ろうとするメルス艦隊、モグラ戦車
狭い地峡を抜けひそかに潜り込むゴム型ロボットは人間に変身して王軍を混乱させる
再度の応戦でもはやぶさ号はポセイドンに全く歯が立たない
王軍に残った人数分の十字架を地底に立て降伏をうながすゴリアス側
ハナさんは十字架に磔になる夢を見る
古文書を読み解きポセイドンの謎を解明しようとするチエノ博士を研究中訪れた海の王子は博士が宙に浮いている姿を見る
謎解きや幻想的な要素が盛り込まれている
さらに
誰にでも変身できるゴム型ロボットのため心理的に動揺する王軍の混乱に輪をかけるように怪しい発言をしてゴム人間と海の王子を疑わせるストーリー展開
筋立てが最高にいかしている回です
今回、窮地を救うのはチエノ博士の謎解きでした
070323
藤子不二雄「海の王子」第7、9話
怪虫サタン90頁(3巻目収録)
カメレオンD58頁(4巻目収録)
7話は月での話、地球征服を狙う宇宙人サタンが月へ虫型宇宙船に乗ってやってきた
月へ出て連絡がとだえた大空博士を捜しに出たはやぶさ号が宇宙防衛軍と共に闘う物語
あまり敵艦のスタイルもすぐれていないし、魅惑兵器が出るわけでもない
爆弾抱いて敵艦に乗り込み殉死する三重尾キャラが効いているけど
敵キャラは昆虫顔人で少し平凡
9話は四次元からの侵略者
首領のカメレオンDはアフリカの仮面みたい
部下達はそれを白色にした仮面
変幻自在に現れることができ不気味な存在だが後半あまり活躍しない
かわりに出てくるカメレオン型戦闘機がスタイル不足でちゃっちい
次元転移機械が運命を左右するのではやぶさ号もそう活躍無く
機械の発明者、日輪(ひのわ)博士が、石森章太郎自画像を360度ひげで覆った容貌で光ってる
070324
藤子不二雄「海の王子」第8話
砂漠のシーラカンス95頁
砂漠に魚が泳ぐという噂でスター連邦に出かけてきたはやぶさ号
魚の姿を認めた時、砂漠で二人組に追われている少年を見つけ助ける
少年は砂漠に戻っていき、ホテルに戻った王子たちは追っていた二人組が連邦警察のサラダンとハムと知らされる
少年はベガトン爆弾の秘密を盗み出した砂漠帝国のスパイ(マリン少尉)だったのだ
砂漠探索向かったはやぶさ号一行は帝国に侵入してつかまってしまう
現れたのが総統のピラニア、眼鏡・帽子で仮面に近い顔立ちはなかなかあくどい感じが出ている
ここまでの敵が強い・恐ろしい悪役だったのに対し、眼光鋭い政治家でタイプがだいぶ違う
帝国内に地下組織が潜んでいて王子立ちを助けたり、発電所を攻撃したりするのも話を重層的にしている
マリン少尉は以前助けられたことを恩義に感じ、正々堂々と一騎打ちを望むため王子を助けることが重なる
サラダンとハムは連邦を裏切りピラニア側についたり
海の王子はベガトン爆弾の脅威で夢にうなされたり随分と人間っぽい物語となっている
敵艦シーラカンスのスタイルは重厚で、敵の砲撃を吸い取って無力化するエネルギーゼロ、敵を宙づりするマグナ磁力線と装備もユニーク
はやぶさ号との対決はゼロ装置がない背後からの攻撃であっけなくけりがついてちょっと物足りない
発射されたベガトン爆弾をそらすためはやぶさ号が磁力線で宇宙までひっぱって行くというラストもよくできている
3456話のような冒険型からははずれていて地味目だがこれはこれで熟していてよい
070325
藤子不二雄「海の王子」第10話
不死身のハイドラ80頁
日本に襲来した飛行物体
はやぶさ号が追うと巨大ロボット(ハイドラ)と判明
氷結弾も溶かしてしまう、ばらばらにしても元通りになる
海の王子にとって最強の敵が現れる
チエノ研究所を小型ロボットが襲い、ハナさん・チマが誘拐される
連れ去られた先がハイドラの制作者ノア博士の基地
ここではロボットがロボットを作っている
さらに大型の人工頭脳が働いていて
二人は基地の秘密を知ることに
雪ロボットが日本を襲う
降る雪状の粒が集まってロボットになりつぶしてもすぐ元通りくっつく
ハイドラも出現し、ロボット爆弾も街を襲い手の施しようがない状況に
ロボット爆弾に入って日本まで逃げ延びたハナさんとチマの導きで敵の海底要塞を急襲するはやぶさ号だが
堅牢強固な要塞はびくともしない
海底火山を誘導して噴火を要塞に起こすしかないとはやぶさ号も無事では済まない決死の策に賭ける兄妹
ハナさんとチエノ博士を眠らせ魚雷に乗せ送り届けた後、二人で最後の攻撃に出る
要塞を跡形もなくす噴火の大エネルギーに驚嘆しながら海の王子が戻らないことを悲しむ人々
チエノ博士は「海から来た王子は使命を果たして海に帰ったんだ」とハナさんを慰める
最終コマのネームが泣けます
ある夜、チエノ博士は満月をかすめて飛ぶ一つの影を見た
ただの影のようにも見えた
しかし博士は信じた「あれははやぶさ号だ」と
本編最終を飾る名作
この後も番外編がいくつか描かれます
3年後の小学三年生誌に連載が再開した「プロトンの海底都市」ではチエノ博士に会うのも久しぶりだとはやぶさ号で駆けつける王子が言っていますから王子・チマは無事だったイメージがあるんだけど不二雄ランドでまとめる際には「不死身のハイドラ」を最後に持ってきて余韻含んだ結末を作り出しています
110912
藤子不二雄「海の王子」64年
「小学三年生」連載
「海の王子」といえば「少年サンデー」に連載された本編とその後特別読み切りで同誌に随時掲載されたものばかりと思っていました
学年誌は60年代は読もうと順次閲覧しているうちに見つけてびっくり
さっそく戻ってネットで検索しているうちになんと刊行中の「藤子・F・不二雄大全集」で初収録されていました
随時掲載分は「藤子不二雄ランド」に収録されているので、今回「藤子・F・不二雄大全集」で出た「海の王子」はチェックしなかったのがいけなかったか
ともかく読んだ分を紹介すると
9月号「宇宙生物ラバンダ」
放射能で成長する宇宙生物が現れ大混乱
こなごなになってもくっついて再生するという、あの不死身のハイドラみたいなものだから王子も手を焼くが
氷結弾で固まらせてしまう作戦で見事しとめる
11月号「魔神バガル」
2000年前のラヤ族遺跡を探検に出た山口博士が消息を絶ち、捜索に向かったはやぶさ号
現地で野営した夜、チマがいなくなる
ラヤ族の信仰した巨人バガルが現れ、はやぶさ号がぶつかっても通り抜けてしまう
王子は湖に呑み込まれる
一方、原住民達につかまっていた山口博士とチマは湖への祈りとして落とされてしまう
二人は何かに吸い込まれて助かる
一足先に湖の底に落ちて昔宇宙人が残したロケットを見つけ中で操縦して二人を吸い込んだという
山口博士からバガルは水のように切れない存在だと教えられた王子は氷結弾でバガルを固めてくだいてしまう
100326
藤子不二雄「ロケット五郎」59年
「たんしい五年生」4月から始まる
糸山博士がチエノ博士で、五郎・春子が王子兄妹と配役もそっくり
五郎は博士発明の装着スーツ(金属)でアトムのように力を持ち空も飛べる
正体不明の豆円盤を追ううちに黒い騎士風の巨大ロボットが現れ、アフリカキリマンジャロまで追いかけることに
黒ロボットを倒し火口の中へはいると下には地底都市が広がっている
探っているうちに五郎はとあるビルに吸い込まれてつかまる
同じく糸山博士もとらわれていて、天井からは春子がつるされている
春子の縄が切れ落ちて下には食人植物が待ちかまえていて・・12月には終了
100217
藤子不二雄「春子の日記」60年
「なかよし」60年夏の増刊号16P読み切り
腕白小学生完治の所にやってきた37人目のお手伝いさん、春子
乱暴働くとぎゅっと押さえつけられてしまう、春子さんは柔道やっていたという
それならと野原に連れて行っていつもいじめるガキ大将に石を投げ春子に助けを求める
すると、「あんたが悪い、いさぎよく殴られなさい」と小気味よい
それを聞いた母親は怒るが父親は笑って受け止める
そのうち、0点の答案を隠しているのを見つけられ弱みを握られ勉強をするはめに
友達の木村くんがガキ大将達に連れて行かれた完治が言うのを聞いた春子
「友達が川でおぼれたため泳げない男は救えないならせめて一緒におぼれようと飛び込んだ」という話をする
そこで助けに駆けつける完治、相手は4人なので対等に勝負できるよう二人は春子が片づけてしまう
110228
藤子不二雄「かけろセントール」60年
「たのしい三年生」4月号より9月号
連邦警察官レックスドイルはビリー少年を共に事件のある町を渡り歩いている
4月号はならず者を従えた市長の町
逆らえば撃ち殺されてしまう、そんな死者
の墓がたくさん建っているようなぶっそうな場所
保安官も逆らえないほどの勢力を持っている
ならず者が上から狙ったがドイルの馬セントールは賢くてよけてしまう
それにドイルの銃にならず者たちではかないそうにない
市長は西部一というマン・ハンターを呼び寄せ泊まっているホテルに爆薬を投下
保安官が駆けつけ一応引くが、夜になったら一斉に攻撃をしかけようと部下をどんどん呼び寄せる
ドイルはわざと保安官の足を踏みつけ牢屋に入ることに
昼の抗争で腕をけがしたドイル、このままでは押されるだけと、ハンターと一騎打ちを申し出る
包帯の腕では撃てるはずがないと油断したハンター、ドイルは包帯に拳銃を巻き込み指だけは動くので見事命中させる
ハンターを倒した時、町では一斉に拳銃が発射され、警備隊に囲まれていると思った市長一味は降参する
ビリーがあちこちくくりつけた銃をひもでひっぱり一度に撃ったという仕組み
7、8月は天才少年ガンマン、キューピッド・サムとの戦い
サムはドイルより銃の腕前は上みたいで心配するビリー
勝負はうまさだけではないというドイルの言葉通り、心臓ねらったサムの弾は当たったが警察バッヂで守られて倒れたふりして油断したサムを組み伏せでご用
9月は、旅途中、砦に補給の幌馬車隊に会う
砦の人間が瀕死の状態で逃げてきて、聞くとサスカッチという巨大な怪物に襲われたという
行ってみると砦は誰もいず荒らされた状態
ともかく守って夜になる、ドイルがまいたビスケットを踏む音がして、その方角へ一斉射撃をしてなんとか撃退する
サスカッチは石斧を持つ原始人のような大男の群れの様子
雨が降り、足音もわからないようになると、襲撃を防ぎきれない
ピンチの中、森に待避していた砦の守備隊が銃弾を持って戻ってきたので撃退する、9月号終了
090524
藤子不二雄「シルバークロス」61年
1961年「少年」6月号よりスケルトン帝国へ降下する、単行本はここから始まっていて、これ以前は後の巻にまわっている
110315
藤子不二雄「てぶくろてっちゃん」61年
「たのしい一年生」4月号より連載
一年生の間はふつうの感じ二年生になってじょじょに人気が高まったか、9月号は扉
がカラーになり「ランプの魔人」の巻
4月号では消える薬を作り、かぶると服だけが消えてはだかになってしまう
戻ってきたようちゃんが薬を入れたたらいで顔を洗うと顔の中身が消えてしまう
書くと変なので、絵描きのおじさんに描いてもらう
おじさんから天狗の隠れ蓑というのもあるんだと聞いてさっそくてぶくろで作ってみてこちらはうまく消えるといったものだった
10月号はどこでもドアの原型みたいに魔法のとびらをてぶくろで作った
火星に行ってみるとタコのような火星人が追いかけてきて、ロボットを追いかけさせる
とびらのこちらにもロボットが侵入して、追いかけられる二人、ダンプとぶつかってようやくロボットが壊れて一安心
続いて西部の町に入り込み、悪人一味と遭遇してつかまるが切り抜けて
こちらへと案内したとびらの向こうが牢屋で・・
パパはこれが騒動の元ととびらをごみやさんに持っていってもらったので
二人がこちらの世界に戻るとごみの中というのがオチ
110828
藤子不二雄「ぴろんちゃん」61年
61年「小学一年生」の注目作、毎月本誌で数ページ残りが付録なので概要しかわからないが
ぴろんの鼻は初めからとんがりで丸になっていない、星の王子様
兄はまだら仮面でぴろんを助けてくれる
4月号では湖から巨大ロボットがあらわれて襲ってくる
5月号は、兄からもらったなんにでもふくれるガムで大きいこいのぼりで空を飛んでいると
悪い王様ばらすと家来くろぼしがヘリに乗って襲ってくる、まだら仮面が飛んできてヘリのプロペラを引きちぎる
5月号の終わりに次号より「すすめ ぴろん」にタイトルが変わると予告がある
一年生向けとはいえ、より冒険色強い作品にすることに
7月号、恐竜を探す探検家親子を動物たちから助け
る
恐竜を向こうでぴろんが見たとつれてゆくと、湖の上には翼手竜が多数飛び、恐竜が水の下から現れる
8月号、小さくなる道具で次々と人を小さくして自分の作った小さな建物の町に入れるあやしい男
ぴろんが行ってみると、そばから今度は巨大化したありがぴろんを襲う
男の光線銃には小さくするスイッチの横に大きくするスイッチもついていた
9月号、空飛ぶ円盤が何機も攻めてくる
10月号、宇宙動物園を訪れたぴろん、言うことをきかない宇宙動物の子供(といってもとどくらいの大きさ)を鞭打つ係員
かわいそうだからやめろとぴろんが制止するうちどこかへ逃げてしまう
責任を感じてロケットで探すうちに夜になり、空の向こうに巨大な竜のような怪物がゆっくり飛んでいるのを見つける
090526
藤子不二雄「恐怖探偵局」63年
「少年」1963年9月号新連載
今回は23Pで「ミミズク城」の一回目、森に迷った三人組はミミズク形の屋敷を訪ねる
出てきた主人は森を荒らす者達の手下だと思いこみ邪険に対応するが・・
二回目で森の入り口で野営した本当の悪人達を巨大ミミズクとなって追い払う
11.12月号では「カーリー魔神」、インドの死の女神カーリーとその使いコブラの恐怖を描く
結局二話で終了して1月号より「シスコン王子」連載開始
藤子不二雄「ひっとらぁ伯父サン」69年
小池さん家に来た下宿人ひっとらあ伯父サンはヒットラー激似でワグナーの大ファン
近所の少年達を集め黒シャツ隊と称し、奉仕活動などに精を出すので奥さん達には人気者
小池さんは家を賭けトランプで巻き上げられてしまう
隣のワグナーをけなした奥さんはゴミ焼却場に落とされてしまう
町一帯がヒットラー聖域のようになり、伯父さんが来るまで凱旋すると人々が挙手礼するほどに
もう一つの「情熱的な日々」では野犬退治を果たしたら町内の防犯員に推薦してほしいという伯父さんの申し出を無視した会長に腹を立て
伯父さんは野犬を手なずけ会長宅を襲撃する部隊に仕立て上げるという始末
時折挿入される、写真を2階調化して手を加える手法が異様な迫力を持っていてブラックユーモアを盛り立てている
他にも人間を水中花や北京ダックにしてしまう物語や「笑うセールスマン」など、それまで幼児向けのユーモア作品とSF作しか知らない藤子さんのブラックな面が噴出した秀作(80606)