にきび
日ごろのケアも大切です
この項目は「やなぎばし快快通信第6号」の記事と一部重複します

【毛包と脂腺】
 毛は表皮の延長である「毛包」という鞘(さや)の中で成長します。皮脂を出す「皮脂腺」は表皮の表面近くで毛穴のすぐ下に開口し、毛穴から皮脂が排出されます。

【脂漏部位】
 おでこ・ほっぺ・口のまわり・胸・背中(肩甲骨の間)には脂腺ががたくさんあり、脂漏部位といいます。にきびができやすい場所です。



【にきびのメカニズムと悪化因子】
 (1) 思春期になると性腺から性ホルモンであるテストステロンがたくさん分泌されます。このホルモンには脂腺を発達させる作用があります。またテストステロンは、月経前に副腎・卵巣からの分泌が亢進してにきびを悪化させると考えられます。
(2) 毛包内にはプロピオニバクテリウムにきび桿菌)が住んでいます。この菌は皮脂を栄養源とし、酸素が少ない環境を好みます。つまり、にきび桿菌は毛包内で増殖しやすいわけです。
(3) にきび桿菌が出す脂肪分解酵素は皮脂中の中性脂肪を分解し、遊離脂肪酸を作ります。この遊離脂肪酸が毛包の開口部を角化させ、毛包をふさいでしまいます。また、化粧品類がこの角化の誘因になることがあります。
 ふさがってしまった毛包は白く見えるため「白色面皰(めんぽう)」、ふさがる前は黒く見えるため「黒色面皰」といいます。
 さらに炎症が進むと毛包壁が破壊されてしまい、膿をもった赤いにきびとなります。

【にきびの治療・予防】
 (1) 皮脂の生成をおさえること
 油っこい食物はにきびを悪化させます。チョコレートやスナック菓子は炭水化物(糖類など)を多く含みますが、炭水化物は中性脂肪の原料となるため、にきびの悪化因子のひとつです。アルコールも炭水化物です。これらをひかえるようにしましょう。
(2) 毛包内に皮脂を貯めないこと
石けん(普通のものでよい)で少なくとも1日2回は洗顔しましょう。厚い化粧はにきびを悪化させます。ファンデーションは帰宅したらすぐに落としましょう。
(3) にきび桿菌を退治する
 軽症ならば抗菌外用剤で十分です。最近は使い心地が良く、抗菌力が高い外用剤も開発されています。
 しかし皮膚科を受診される方の多くは中等症以上です。そのようなとき貝瀬皮膚科では副作用の少ないクラリスロマイシンをよく処方します。多くの方はこの薬で改善しますが、効果が出にくい方が一部あります。そんなときはさらに効果が高いミノサイクリンを使います。ミノサイクリンには抗菌作用のほかにも脂肪分解酵素抑制作用や白血球の炎症活動を抑える作用があり、さらに毛包に高濃度に集中しやすい性質があります。ただしミノサイクリンはときに副作用がみられるため、一定の注意が必要な薬です。
(4) その他の治療
 漢方薬は一部の方に効果があります。経験上、ビタミンB2・B6が使われますが、効果は不定です。ホルモン内服療法などの特殊治療が一部で行なわれていますが、特殊な治療による事故(内服ホルモンによる脳梗塞の誘発など)も知られています。
(5) 開発中の外用剤「アダパレン」
 外用剤アダパレン(開発コードCD-271)はビタミンAの誘導体で、米国ですでに発売されています。私も立川綜合病院時代に臨床治験を担当しましたが、かなり効果を期待できるようです。日本での発売までにはあと2、3年かかります。
(6) その他日常の注意
 髪が長い人には重症のにきびが多くみられます。毛髪はにきびの大きな誘因となるので、ヘアバンドなどで額・顔にかからないようにしましょう。頬杖(ほおづえ)をつく癖のある人は改めましょう。ストレス不規則な生活リズムはおそらくホルモン異常を誘発することによりにきびを悪化させます。便秘を防ぐために緑黄色野菜を多くとることはビタミンB群の摂取にもつながります。



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