手 荒 れ
なかなか問題が深い
この項目は「やなぎばし快快通信第3号」の記事と重複します

【なぜ手が荒れる?】
 皮膚の表面には「皮脂」とよばれる脂肪分の薄い層があって、皮膚を外界の刺激から保護するバリアーとなっています。ところが、手のひらには、皮脂を出す「皮脂腺」が全くありません。手は、構造的に皮脂が不足しやすい場所なのです。
 石けんや洗剤に触れると油汚れとともに大事な皮脂も流されてしまい、バリアー機能が弱まります。そこに、水仕事・掃除・手作業などの物理的・化学的な刺激が加わって手荒れを起こします。
 職業的にこれらの手仕事をたくさんする人たちの手荒れはさらに深刻です。理容師・美容師・外食産業従事者・左官・機械整備士・農家 ・・・。「職業性手湿疹」と呼ばれることもあります。

【手荒れの治療】
 赤く、かゆくなる「炎症」への対処と、かさかさして皮がむける、または角質の厚みが増す「角質の喪失または角化」への対処に分けて考えなくてはいけません。
 炎症症状がある場合は副腎皮質ホルモン(ステロイド)外用剤を用います。ステロイド剤には副作用が知られていますが、手や足ではほとんどその心配はありません。むしろ、本当は有益なのに、その薬を毛嫌いして有効な治療手段を使えない、などという事態を避けたいものです
 角質の喪失または角化に対しては手のバリアー機能をおぎなう外用剤を用います。ヘパリン類似物質(ヒルドイド)、合成尿素(パスタロンなど)、油性外用剤(ワセリンなど)があります。
 ひび割れには油性の特殊な外用剤を用います。
 これらの外用剤にはそれぞれの持ち味があり、また個人との相性(あいしょう)がありますので、すぐに効かないからといって治療を放り投げてはいけません難しい皮膚病に対しては、ときに試行錯誤も必要であって、手荒れはその代表的なもののひとつです。

【手荒れを防ぐには】
 手の安静を保つ、とくに洗剤との接触機会を減らすことが肝心なのは当然ですが、そう簡単にできることではないところに手荒れの難しさがあります。必ずゴム手袋をして水仕事をする習慣をつけましょう。このとき、ゴム手袋自体が手を荒らす場合は、内部に薄手の木綿製手袋をします。そしてバリアー機能をおぎなう外用剤を頻繁に使用します。
 風呂掃除は決して素手でやってはいけません。油がべっとりついたフライパンなどはいちどキッチンペーパーなどでぬぐい落としてから洗いましょう。柄つきのスポンジも市販されています。また最近は食器洗い機が進歩して性能が向上していますので導入を真剣に考えてもいいでしょう。

貝瀬皮膚科ロゴマーク
貝瀬皮膚科のトップページへ