発行 貝瀬皮膚科
 2002(平成14)年12月24日 第3号
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 《 インターネット版 》
◆◆◆ 特集 手荒れ ◆◆◆

[ なぜ手が荒れる? ]
 皮膚の表面には「皮脂」とよばれる脂肪分の薄い層があって、皮膚を外界の刺激から保護するバリアーとなっています。ところが、手のひらには、皮脂を出す「皮脂腺」が全くありません。手は、構造的に皮脂が不足しやすい場所なのです。
 石けんや洗剤に触れると油汚れとともに大事な皮脂も流されてしまい、バリアー機能が弱まります。そこに、水仕事・掃除・手作業などの物理的・化学的な刺激が加わって手荒れを起こします。
 職業的にこれらの手仕事をたくさんする人たちの手荒れはさらに深刻です。理容師・美容師・外食産業従事者・左官・機械整備士・農家 ・・・。「職業性手湿疹」と呼ばれることもあります。

[ 手荒れの治療 ]
 赤く、かゆくなる「炎症」への対処と、かさかさして皮がむける、または角質の厚みが増す「角質の喪失または角化」への対処に分けて考えなくてはいけません。
 炎症症状がある場合は副腎皮質ホルモン(ステロイド)外用剤を用います。ステロイド剤には副作用が知られていますが、手や足ではほとんどその心配はありません。むしろ、本当は有益なのに、その薬を毛嫌いして有効な治療手段を使えない、などという事態を避けたいものです。
 角質の喪失または角化に対しては手のバリアー機能をおぎなう外用剤を用います。ヘパリン類似物質(ヒルドイド)、合成尿素(パスタロンなど)、油性外用剤(ワセリンなど)があります。
 ひび割れには油性の特殊な外用剤を用います。
 これらの外用剤にはそれぞれの持ち味があり、また個人との相性(あいしょう)がありますので、すぐに効かないからといって治療を放り投げてはいけません。難しい皮膚病に対しては、ときに試行錯誤も必要であって、手荒れはその代表的なもののひとつです。

[ 手荒れを防ぐには ]
 手の安静を保つ、とくに洗剤との接触機会を減らすことが肝心なのは当然ですが、そう簡単にできることではないところに手荒れの難しさがあります。必ずゴム手袋をして水仕事をする習慣をつけましょう。このとき、ゴム手袋自体が手を荒らす場合は、内部に薄手の木綿製手袋をします。そしてバリアー機能をおぎなう外用剤を頻繁に使用します。
 風呂掃除は決して素手でやってはいけません。油がべっとりついたフライパンなどはいちどキッチンペーパーなどでぬぐい落としてから洗いましょう。柄つきのスポンジも市販されています。また最近は食器洗い機が進歩して性能が向上していますので導入を真剣に考えてもいいでしょう。

□□□ 天文豆知識 □□□

【 小惑星と地球が衝突 !? 「アルマゲドン」はつくり話か? 】
 1998年、ストーリーの似た2つのハリウッド映画「ディープ・インパクト」「アルマゲドン」が作られました。どちらも、小惑星が地球に衝突するのを犠牲者を出しながらも回避するという内容でした。さて、小惑星地球衝突・人類滅亡はつくり話に過ぎないのでしょうか?・・・答えは否です。こうした天変地異は実際に起こりえるのです。
 6500万年前、地球上のすべての恐竜たちが一斉に絶滅したことはご存知でしょう。これは当時メキシコ・ユカタン半島付近のカリブ海に直径10kmくらいの隕石が落下したことが原因と考えられています。直径10kmといえば地球のサイズに比べれば砂つぶほどの小ささですが、この時津波の高さは数百メートルにおよび、巨大地震が地上を走り、ススが地球を覆い一挙に寒冷化したと考えられます。
 1908年、東シベリア・ツングースカ川の上空で大爆発があり、東京都とほぼ同じ面積の森林が焼失しました。この現象は「ツングースカ大爆発」として長い間大きな謎でしたが、のちの調査でこれは高度約6kmで直径わずか60mほどの隕石が爆発したためらしいことがわかりました。
 ユカタン半島に落ちたくらいの隕石・小惑星が地球に衝突すれば、人類は滅亡します。実際地球に衝突する可能性は、概算で直径1kmのもので100万年に1回、100mで1,000年に1回、30mでは10年に1回と考えられています。ごく最近も地球との「ニアミス」をする(した)小惑星がいくつも発見されています。小惑星「トータチス」(2000年10月31日接近)、小惑星「2002NT7」(2019年2月1日接近)、小惑星「1999 AN10」(2027年8月7日接近)、小惑星「1997XF11」(2028年10月26日接近)などが有名ですが、観測技術の進歩により、今後も発見され続けることでしょう。
 米国のNASAは(あくまで現時点での観測に基づき)少なくとも今後100年間は小惑星衝突の危険はないと言っているそうです。
 100年後なら「アルマゲドン」のような迎撃・回避方法が可能となり、小惑星衝突など大した問題でなくなっているかもしれませんね。


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