発行 貝瀬皮膚科
 2003(平成15)年1月22日 第4号
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 《 インターネット版 》
◆◆◆ 特集 じんましん ◆◆◆

難しい問題を意外に多く含む

[ じんましんの症状 ]

 突然、皮膚の一部が赤く腫れぼったくなり、「みみずばれ」と呼ばれる状態になります。がまんし難いかゆみを伴いますが、長くは続かず数時間以内に消えていきます。腹痛・下痢を伴うことがあります。
 1回きりで再発しない人もいれば、長期にわたって出没を繰り返す人もいます。

[ じんましんの原因 ]
 数ある皮膚病のなかで、患者さんが最も「原因」に関心を持つのがこのじんましんです。内臓病との関係を心配して内科へ行かれる患者さんもいます。しかし色々な検査をしても、内科的な異常は何も見つからず、見つかってもそれはじんましんとは関係ないことがほとんどです。ある日突然現れ、短い日数でおさまってしまう(急性じんましん)場合は原因がわかることがなくもありません。
 食べ物では鯖(さば)・鯵(あじ)などの青身魚、いか・えび・かに、肉類、たけのこ、そば・・・によるものが多いようです。とくに、そばで引き起こした場合にひどい症状になる人がいます。しかし、これらの食材には保存料・着色料等々、いわゆる「食品添加物」が含まれているため問題は簡単ではありません。また、家畜飼料に、ある種の抗生物質を添加すると家畜の発育がよくなることが知られています。このため、皆さんは知らず知らずに肉と同時に「抗生物質」を食べさせられているわけです。これらの食材・添加物に「アレルギー」がある人はじんましんを起こすわけですが、食材の中にはアレルギーのメカニズムを介さずにじんましんを引き起こすものもあって、じんましんは必ずしも「アレルギー」というわけではありません。
 しかし実際には食材とは関係ない患者さんが大部分です。風邪をひいた後など、「体調がわるい」などといった、漠然としたきっかけでじんましんが出る人が多いのです。
 1ヵ月以上も続くようなもの(慢性じんましん)では、とくにきっかけもなく出現してくることが多く、原因はほとんどわかりません。

[ じんましんの話題 ]
 最近、いくつか新しい事がわかってきています。
@ ピロリ菌 
胃潰瘍の原因菌。この菌をもっている人にじんましんの患者さんが多いことがわかってきました。菌の毒素によるものかどうか、詳しいメカニズムはまだ不明です。
A 運動誘発性じんましん
 ある種の食材を食べてすぐに運動するとじんましんを生じることがわかってきました。
B 自己免疫性じんましん
 慢性じんましんの患者さんの約30%が、じんましんを引き起こす特殊な蛋白質(自己抗体)を持つことがわかってきました。この場合は「体質的」とも言えるもので、治りにくいタイプです。

[ 特殊なじんましん - クインケ浮腫 ]
 ある日突然、まぶた・くちびるなどが急にふくらんできます。上くちびるか下かでドナルドダックやウナギイヌのような外観になります。通常のじんましんと違い、引けるまでに2〜3日ほどかかります。



[ じんましんの治療 ]
 抗ヒスタミン剤・抗アレルギー剤を内服、ときに注射で用います。重症では副腎皮質ホルモン(ステロイド)剤も使います。外用剤はかゆみに対して用いますが、発症を抑えるのは内服・注射薬です。
 これらの治療薬の効果は個人差が大きいもので、効果が不十分ならば薬剤の変更・追加(併用)も必要です。

[ じんましんはいつ治るのか ]
 確実にじんましんを予防する方法はこんにちまで開発されていません。内服薬を徐々に減らして必要最低限の服薬量で発斑を抑え続けるうちに、多くの場合だんだん出方が少なくなっていきます。

[ さらに詳しく知りたい方へ ]
 日本皮膚科学会のホームページの「皮膚科Q&A」に蕁麻疹(じんましん)の項目があります。皮膚科学会の責任において内容が正確であり、しかもわかりやすいので、ぜひいちどご覧ください。



□□□ 天文豆知識 □□□

【 超新星爆発 ☆☆☆ 指輪もネックレスも超新星爆発の産物である 】
 1987年に大マゼラン星雲に出現した超新星「SN1987A」が放出した「ニュートリノ」をとらえた小柴昌俊教授が2002年度のノーベル物理学賞を受賞しました。
 太陽をはじめとした「恒星」は決して永遠に輝き続けるものではなく、寿命があります。赤や黄色の星は数十億年、ギラギラと白く輝く星は燃料(水素)の消費が激しいためずっと短い数千万年で寿命を迎えます。そのとき、小さい恒星は収縮して少しずつ光を失っていきます(白色わい星)。 ところが、一定以上の大きさの恒星は、大爆発を起こします。そのエネルギーはすさまじいもので、太陽が46億年間に放出する総量の数千倍という、想像を絶するエネルギーを瞬時に放出するものと考えられています。恒星の外層部分は外側へ向かって吹き飛ばされますが、内層部分は逆に中心方向へ向かってギュッと押しつぶされます。このときの超高温と超高圧によって水素・ヘリウムなどの軽い元素が「核融合」を起こし、重い元素である金属が作られるのです。宇宙の創世記には水素・ヘリウム・リチウムの3元素しか存在しませんでした。 いま存在する金属などの重い元素は、すべてこの超新星爆発のときに生成されたものです。私たちの身の回りの金属製品や、皆さんが身に付けている貴金属は、すべて数十億年前に寿命を終えた星の、超新星爆発による産物から作られているのです。
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