発行 貝瀬皮膚科
 2003(平成15)年5月26日 第8号
〒954-0082見附市柳橋町 274-25
     TEL 0258(66)8100
     FAX 0258(66)8120
http://homepage3.nifty.com/kaise/

 《 インターネット版 》
◆◆◆ 特集 かぶれ ◆◆◆
[ 「かぶれ」ってなに?]
 皮膚が何かに触れた結果、炎症を起こした状態です。皮膚科学では「接触皮膚炎」と呼びます。

(1) 刺激性接触皮膚炎
 ふれた物質が本来持つ刺激作用により、誰にでもかぶれを起こしえるものです。濃度が高いほど発症しやすくなります。( 例 ) 灯油・醤油・強酸・強アルカリなど

(2) アレルギー性接触皮膚炎
 特定の物質に対して過敏に反応してしまう人だけに起こるものです。「なんで私だけが・・・」というものですね。過敏反応が根底にあるため、低濃度でも発症します。
 原因に触れた直後に発症する事はあまりありません。数日以上たってから発症することが多いため、本人には原因の見当がつかないこともあります。ある物にかぶれやすい体質は人工的に変えることはできません。
 かぶれは一種の過剰免疫反応です。これは皮膚およびリンパ節内で、あるルートが成立して初めて引き起こされますが、その成立に時間がかかることがあります。従って、使いなれたもの・過去に使用したことがあるものであっても大丈夫とは言えません。これは、かぶれの盲点と言えます。職歴20年目に初めて、ひどいウルシかぶれを起こしたウルシ塗職人さんがありました(院長症例)。

[ かぶれの原因 ]
 身の回りの、ありとあらゆるものは、ほとんど全て原因となりえます。原因となることが多いものを次に列挙します。








 以上の項目は「例」に過ぎません使いなれたものほど、身近なものほど原因として気づかれにくいものです。
 これらのうち金属製品によるかぶれは、汗や水分によってイオン化した金属によって起こります。汗をかいたり水仕事をするときは装飾品をはずしましょう。原因として多いのは不純物として含まれるコバルト・ニッケル・クロムです。逆に、純粋なチタンはまずかぶれることがなく、安全です(ただし、チタンが純粋である事が前提です)。
 化粧品類が原因であれば当院でかぶれにくい化粧品をご紹介します。

[ とくに注意すべきかぶれ ]
(1) ヘアカラー(毛染め)によるかぶれ
 激増しています。「いままでなんともなかったのに」というものの代表格です。ファッションとして染めるようになったことが増加につながっています。
 ヘアカラーに含まれるパラフェニレンジアミンが原因です。この物質は色成分の本体であり、いちど染めてしまうと髪が生え変わるまで長くとどまり続け、かぶれが長引く傾向があり、厄介なものです。当院ではかぶれにくいヘアカラーをご紹介しています。

(2) 症状が激しく治療が追いつかない場合
 激しいかゆみ・強い赤み・水疱の多発などを伴う場合、たとえ適切に治療を開始しても追いつかず、どんどん悪化し続けることがあります。ウルシ・サクラソウ・ある種の外用薬などによることが多いようです。
 このような場合は副腎皮質ホルモン剤(ステロイド・いわゆる強い薬)の内服療法によって必ず改善します。ただし、副腎皮質ホルモン剤は、内服で用いる場合は要注意薬のひとつであり、重症の場合・通常の治療で追いつかない場合に限って使用します。

[ 原因をつきとめる検査 (パッチテスト) ]
 疑われる物質を、専用のテープでごく少量皮膚に貼り付け、反応をみる検査です。必要な方に当院で実施しています。判定終了まで3日間、シャワー・入浴が制限されます。

◇◇◇◇◇◇◇ ま と め ◇◇◇◇◇◇◇◇

(1) 原因がわからなければ、真剣にさがす。
(2) 使いなれた物でも安心できない。
(3) 治療が悪化に追いつかないことがある。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


□□□ 天文豆知識 □□□
天空の超特急

 月や惑星は星空を休むことなく動き続けていますが、いつまでも動かない(ように見える)星を「恒星」と言います。有名な北斗七星もオリオン座も、毎年同じ形に見られますね。これらの星座は恒星によって形作られています。

 ところが、そんな恒星も、実はごくゆっくりと動き続けているのです。北斗七星も、数万年後にはすっかり形が崩れてしまいます。

バーナード星の動き(Steve Quirkによる)
 1916年発見のバーナード星(Barnard's star・へびつかい座)は地球から5.9光年(光の速さで5.9年かかる距離)と、恒星としては2番目に近い距離にあるくせに、光度が9.5等星と暗いため、肉眼では見えません。しかし移動速度がきわめて速く、約180年で満月の直径分ほど動きます。・・・なんて言うと、ずいぶんゆっくりに思われるかもしれませんが、ものすごく遠方にある物がこれだけ移動するのは大変なことです。この星は秒速166km時速59万7千km)というとてつもない猛スピードで宇宙を「かけぬけて」いるのです。

 1999年にはJ185635-3754という高速星が発見されて(南のかんむり座・200光年)話題になりましたが、バーナード星にはかなわないようです(時速38万9千km)。

 いつも同じように見える星空は、静かに、でも休むことなく変化し続けているのです。

貝瀬皮膚科は日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医です
皮膚科専門医は認定資格です


貝瀬皮膚科のトップページへ