違法採取サンゴ・ネット通販・商売の裏話・昨今の流通などについて
最終更新2009/10/11 「一部の雑誌などの情報についてのお願い」 2009/4/8 (この記事は、2009/4/8上記の日付の近況報告に掲載したものです。) 一般的な情報につきましてのお願い いつも大変有難うございます。だいぶ暖かくなってまいりましたが、皆様お変りございませんでしたら幸いです。こちら大阪も、今花見シーズンの到来で、 我が家も昨日、数時間だけですが近所でささやかな花見をしてまいりました。 今日は、近況でありますがお願いがあります。以前からBL3号などでも記事にしておりましたが、昨今の雑誌等の情報についてです。 あまり、こういうことは角が立ちますので申上げたくないのですが、そうもいっていられない状況になりつつありますため最低限のご注意だけは喚起してお きたいと思います。 昨今、当方で相談があります際、すでに悉く器具を買いそろえ、10万円以上はるかにかけたがそれでも飼育できないという方がかなり多いです。 また、小さな部分の例をあげますと結構多いのがサンゴに関する水流の相談で、「水流は充分あるはずなのにどうしてもうまく飼育できない。」というもの です。伺えば、60〜90cmの規格サイズの水槽に毎分10〜20L程度のパワーヘッドを4個以上もつけておられるというのです。 飼育経験がある方はすでにご存知のように、確かにミドリイシやSPS、トサカ系などのソフトコーラル、スターポリプなどは強めの水流を好みますが、それで も普通はこんな大量には不要ですし、多くのLPSやソフトコーラルではごくゆったりとした水流を好み、もしこれらだけを飼育する場合は、例えば60*45*45〜 90*45*45cm水槽では、毎分10L程度のポンプ1個程度で充分に水流は賄えるものです。多くの種類で、強すぎは厳禁です。 では、なぜそんなに設置しているのか伺うと、「雑誌にそれくらい必要と書いてあったから・・・」というよくあるパターンです。 今現在、発売されている各雑誌に書いてあることが、間違いだ、読むべきでないなどとは決して申しません。参考になる部分も多々あると思います。 もう何年も前、当方のBLについて、「あの本は一歩ひいて読めばあんな面白いものは無い」 というような毎度の嘲笑的な意見が例のごとく匿名の掲示板 などにあったそうです。確かにそれも否定しません。 しかし、もしうちのBLを一歩引いて読むべきなら、今の一部の雑誌は三歩ぐらい引いて読んだほうが良いものがあることは、確かです。彼らは、広告料を 出すメーカー、ショップ、一般の飼育者に対して、さしあたって波風が立ったり角を立てるようなことは一切しません。その点に関してはまさにプロと思います 。しかし、それら一部の雑誌は、広告料を得るためもはや一般の方に”ものを買わせるための本”なのです。 それが悪いとは決して申しません。 ただ、そういうものだという目でみなければいけないと思います。消費者の視点を第一にし、如何に低コスト、エコロジーを最優先にしてかつ確実に対称となる ものを可能にするか、そういう視点で作られているものでは決してないということです。そして、そういうものほど、如何にもそうでないように装うのが普通です。 そして、そういう本は、仮に売れなくても広告主が広告料を出しつづける限り存続します。広告主さんは、自分たちの商品やお店が手放しで賛美されている ことや、使うべきだ、買うべきだと言われていることに、手放しでよろこぶべきではないと常々思います。はっきりいいまして、軽薄に使用すなわち購入をすす めることは、かえって信用を落としている場合も多々あるからです。すでに多くの場所で信用は落ち、慢性化しています。例えば、無脊椎水槽で白点病に効く という薬がよくあります。いかにも効果があるように品物にも本にも書いてあります。使用された方の感想はひとこと、「やはり効き目はありませんでした。まあ 、最初から期待していませんでしたから・・・(笑)」といった具合です。結果、今どんどんものが売れなくなっています。 もし当方の活性底面BOXを、”これで硝酸塩は完全解決!!ライブロックを越えた魔法の箱!!ついに登場!!」などといって自賛して売っておりましたら 、皆様どう思われるでしょうか。 こちらがいくら美辞麗句を並べ立てても、お客さんは常に最悪の形で受け取ると思え、というのは、品物を売るときの本来の大前提です。 ものを売るとき、あとから発生してくる事故やトラブルほど恐いことはありません。それゆえ、慎重の上にも慎重をきして研究・使用法を記述し、これまであっ たトラブルや事故はすべて公開し、それで注文が減ったとしても、トラブルを未然に防いだということで、好ましい限りとです。 この不況の折、生体を販売して1万円の利益を得るのは大変なことです。そんななかで、高価な広告費を自分たちの業界を長い時間かけて信用を失わせる 方向にもっていくメディアに出しつづけて、最終的に自分達は得をするのかどうか、一度、メーカーさんや他のお店様も、冷静になって考えてみて欲しいと思い ます。 「あんなクソ店が何をいってやがるんだ・・」「・そうだそうだ・・」と一緒になっていいながら、しっかりお金だけは取られている方こそ、いい面の皮だと私は思 うのです。無論、税金対策のために広告費を出すほど儲かっているなら、それも良いかと思いますが、ぜひ出す先を十二分に検討をすべきだと思います。こ の本やメディアに協力すれば、絶対我々の業界のためになる、というそういうところに協力すべきではないかと思います。 付き合いや馴れ合いに流されて、つけるべきけじめをはずしていたら、いつのまにか取り返しのつかないことになります。彼らはそれでもいいのです。仮に 海水魚業界が疲弊しきって、誰も金を出さなくなれば、あっさりと捨て、また広告を取れそうな別の宿主(業界)を探すだけのことです。 それゆえ、これは私の大いなる反省でもあるのですが、やたらに他人と関係をもつことも控えるべきとも思います。好ましくない人との付き合うことそのも のが、結局誠実な人との信頼関係を失うことになる可能性があるからです。 先日、北九州市の非常に親切と定評のある個人のお店アクアステイ・ドイタさんと新しく知り合い、交流・製品取り扱いを開始しました。当方のお客様で、 機関紙BLの内容がドイタさんの考え方とあまりに近いと思われた方がBLをドイタさんに持ち込まれ、読まれたご店主様が思わず当方に連絡をとってこら れたというのがきっかけです。 これまで、当方の製品を卸して欲しいと希望してきたお店もしばしばありますが、これまでの痛い経験から同業者の知り合いは極力作りたくありません。 当方との交友店・製品の取り扱い店には、国内の密漁サンゴを意図的に絶対に扱わず、また客の立場に立った販売を行う良心的なお店であることを条件 に取引をしています。 過去、その禁を破って交友を破棄したお店もありますし、もし今後そのようなことが発覚したら、今現在どれほど親しいお店でも付き 合いは止めます。仮に表面上は如何に好意的でも、当方に対してそれ以上の裏切りはありません。 今交友しているどのお店と付き合いが仮になくなっても、寂しくなるので残念ではありますが、経営上ではこちらが困ることは一切無いのです。 サンゴの密漁では、こういうとすぐに「海外のサイテスをとって輸入されているサンゴも、所詮海外で密漁されたものが大半だ」と言う、常に密漁サンゴを 扱っている人々がおりますが、信用ある業者が、現状でできる最大の努力で現地まで赴き、一応きちんとした手続きを取っていると保障し、ましてサイテス もとって輸入しているなら、それ以上こちらが疑っても意味がありません。採取禁止の種類ならともかく、むこうの国での漁業権の問題までは、むこうの国で 責任を持ってもらうしかこちらとしても方法がありません。 ましてそれが国内で明らかに採ってはいけないサンゴを叩き割って密漁している連中と同じだな どと、甚だしい正当化もよいところではないかと思います。とはいえ、例えばうちの店などもう天然のハードコーラルなど販売は激減しているのはご承知の 通りです。 話がそれてしまいましたが、こういった情報に対する意見は私だけかと思っておりましたら、やはり一般のお客さん、良心的なお店もこれに近いお考えは だいぶ前から持っておられるようです。表に出ないだけだと思います。前にも申しておりましたが、私はここ近年ほとんど雑誌を読んでおらず、上記の意見は 、毎日寄せられる飼育相談の中で、一般お客様の意見をとりまとめたものであります。なぜそんな意見がでるか、それは一般雑誌に載っている飼育情報と、 当方のページやBLの方法に差異があり、なぜかということになるため、必然的にそういう話が出るのです。 不思議なことに、見た目が綺麗な紙に書いてあることならなんでも信憑性が出ます。それは一般の新聞や雑誌、ニュースでも同じことではないかと思います。 それは、我々が言えば”所詮商売人の言うこと”でも、雑誌などは中立的な立場であるという認識があるのかもしれません。しかし、実質は全く違う場合も 多々あるということは知って頂きたいと思います。 当方が機関紙を発刊することに決めましたのも、ページでは説得力にかけるということと、また数人の方から、「政田さんのページの情報が、都合の良いとこ ろだけあきらかに使われている。しかしこれは、証拠が無いので、申し立てるのは難しい。対策としては、そちらからもなんらかの”紙媒体”を出し、まず新しい 情報は紙媒体、それから遅れる形でホームページにおとしていくべきです。」というご意見を頂きました。これが、BLの創刊のきっかけです。そのBLも、最初 出版関係の方に相談にのってもらいましたが、「とにかく広告が必須」というご意見でしたので、やはり現状はそういった本作りをしなければ収支を成り立たせ るのは難しいということはよくわかりました。結果、非営利的に運営するしかなかったのです。 長くなりましたが、一般のお客様には、ぜひ情報を鵜呑みにせず、よく咀嚼(そしゃく)して頂いて、あの我々から生体が届いたときにすこしでも様子がおか しければ、死んでいるのではないか、変なものを送ってきたのではないか、という凝視の目を多少でもそういった情報を見た時にももって頂きたいのです。 今から3年ほど前、私がマリンスクエアの準備をしはじめる少し前、一時ニモブームも手伝って海水魚業界全体が沸き立ちましたが、ここ1〜2年は大変な 不景気と、海水魚離れが起きています。これは、リース、メンテ関係の同業者も同じことを言っておられます。海水魚から淡水魚に切り替えてくれという依頼が 次々あるのだそうです。 いったい、何がこういうことを引き起こしたのか、単に不況のせいにするのではなく我々自身全体が反省するときが来ているのではないかと思います。 私が近況を書きますと、「もしかしてこれ、自分の事を書いているのでは!?」と思われる方があるそうですが、そんなことは全くありません。これは、自分も 含めて一般的・全体的なことで私が普段感じることであって、よほどの必要性がなければ口にするのも憚られることです。しかし最低限、これだけはお知らせ しておく必要があるのではないか、ということを書いているに過ぎませんし、書けばお客が減ることはあっても増えることはないことばかりです。 これらが、単なる私の偏見と的外れな見解であれば、全くもってそれに越したことはありません。 以上、誠に無粋ながら、皆様にお願いするものです。 「海水魚屋をやりたいという方へ」 2009/2/7 (この記事は、上記の日付の近況報告に掲載したものです。) 近況とはいえないのですが、私が店を始めてからこの約6年間強の間で、海水魚屋・あるいはそれに関する仕事を始めたい、また経営をなんとかしたい という方、5〜6人から相談を受けました。 実際に始められた方はそのうち数人ですが、途中ですでに止められた方もあります。そして現在、新たに海水魚店をしたいという方がしばしば居られる ということも事実です。 ただ、色々なお仕事や商売はあると思われ、今どの仕事も厳しいとはいうものの、この海水魚屋(だけ)は、止めておいた方がいいと思います。 まして、今お勤め先や別のお仕事が辛うじてでも続いている状態であるなら、本当に後悔することになってしまいます。 まず”商売”ですので、毎月のお給料のように働けば必ず収入が入るという保障は全く無く、それどころか海水魚屋の場合、最初は赤字の連続にな ることが非常に多いです。売れなくて、しかも生き物は死ぬのですから無理はありません。このストレスに耐えるには、かなりのものがあります。 そして、お客さんにすぐ頭を下げられるような人でなければ商売など出来ません。また普通に頭を下げるだけでなく、例えば通販での生体の死着 などの場合、お金を返した上で、深々とお詫びする必要があります。この死着というもの、お客様からすれば迷惑であるし、残念極まりないことであります。 また、保障が効くのかということに不安も大きいと思います。もちろん、普通の店では保障などの対応を行います。しかし店側からすれば、その状態まで トリートメントした費用と苦労、そして今や、粗利でも売値の数割という僅かな利益、そしてやっと買い手が決まった商品に泣く泣くお金を返すわけですか ら、実際は残念では済まない損害と失望です。それでも、全面的にこちらが悪いのですから、当然深くお詫びをした上で、対応しなければなりません。 これが普通にできるかどうかが、ある意味成功への分かれ目になっている気がします。しかも毎月、”働きながらお金が減っていく”という、耐えがたい 状態の中でです。私も、なんで初期のころ店を続けられていたのか未だにわかりません。 そして今、海水魚屋としての営業が仮に安定した後、生体とメーカー品を売っている状態ではたして、自分が生活できるだけの収入を得られるのか? と言われると、これがほとんど不可能に近いといわざるを得ないのです。我々の知り合いで、お店がどうにか維持できている人の多くは、別の仕事で 収入を補填しているか、あるいはメンテナンス・作製など経営の柱になる独自のサービス、オリジナル製品を持っているなど、なにかしてどうにか耐えている という状態です。生体と器具類の販売、まして生体は「海水魚屋だから扱わないわけにはいかないので置いている」とまで言うとさすがに言い過ぎで すが、それに近いような状態があります。海水魚であまりに苦労しすぎ、業界に失望すると、私のようにもう趣味としての興味すら失せてしまう場合 もあるのではと思います。 どんなお仕事でも、嬉しいこと、嫌なことはあると思いますし、まずいやな事が9割だと思いますが、海水魚屋の場合は、商売の難しさを考えると 9割5分まで辛いことだと思います。 私の場合は さすがに最近は慣れてきましたが、すでに趣味としての情熱が消えうせ、お客さんからの声援と、うちの品物やページをよりどころにし てくれていることをエネルギーになんとか続けている、というのが正直なところです。 安定までの道は、細く、険しいと思いますが、でもその割に、安定しているお店の形は人ぞれぞれです。色々な方針や取り巻く環境がほとんど逆で 、それぞれになんとかやっています。これはとても面白い点ではないかと思います。 「どんな商品つくったら売れるんですかね・・」というような相談を知り合いから受けることがありますが、商品そのものも確かに大事ですが、どんな ときでも大事なのは一回一回のお客さんとの取引で、”相手の立場にたった取引”を重ねることが結局は一番の近道であるということを、最近特に 実感します。うちの製品みたいな、どう見てもうさんくさいものが売れていくには、信用しかないわけであります。しかしそれさえあれば、口コミだけで も製品は売れていってくれるということは間違いありません。 うちの店は今まで、雑誌等に一切の広告を出したこともありませんし、うちのような、違法採取に反対し、業界に反感を持っている者はおそらく間違 っても好意的にとりあげらたことはありません。利益誘導に染まった情報誌などに載りたいとも思いませんし、これからもそういった事はおそらく無いと 思います。まして否定的な目で見られていても、おそらく肯定的ではないでしょう。 当店が宣伝費用にかけているのは、月々のネットの接続費用¥3000弱のみです。ホームページすら未だに無料作製ソフトで作製しており、自社ドメ インすらとっていません。そんなボロ状態でも、充分やれるということと、形ではなく、信頼が本当にすべてだということを、新たにお店をされる方にお伝 えしたいと思います。 生き残れるかどうかは如何に宣伝するかではなく、信念と誠実さ、そして創意工夫であり、宣伝は良いにしろ悪いにしろ”結果”をスピードアップする ものに過ぎないものだと思います。 くさいセリフですが、信頼さえしてもらえていたら、うさんくさい自社製品でも売れます。もちろんそのものも信頼を裏 切らないものでなければいけませんのは当然です。下手な状態で宣伝をしてしまえば、逆効果もよいところです。 そしてこの業界にも、誠実でない人は多いです。私がこれまで知り合った業界の人と、今でも付き合いがあるのは僅か2〜3割です。いい人なら、今 でも付き合いったり取引をしています。 ここ数年、表面上だけは当り障りのあることも言わず、せず、温和でいかにも紳士ですが、実際の行動は自分の立場と利益を得ることだけに終始し、 長い目で見れば他者に大きな迷惑と信頼を裏切っている人、また市民の貴重な血税を食い物にし他人の信頼を平気で裏切っている人を垣間見ました。 今の税金は、本当に血税という名にふさわしいと思います。私の周りにいる仲間、また多くのお客さんも、日頃本当に夜も昼も無く働いています。 それが、こんな人間の食い物になっているのかと思うと、決して誉められたことではありませんが、一瞬本当にここで首をしめてやろうかと思うほどの怒 りが込み上げてきたこともあります。 話がそれてしまいましたが、 うちは個人商店としては壁に当たりながらもお陰様でどうにか安定し、極極少数とはいえうちを好んでくれるお客さんの お陰でなんとかここまで来れました。それも、かつて弱小の通販店だというだけで多くの業者にそっぽを向かれたり騙されたりし、そこから経営を安定さ せるためには結果的に他の業者にあまり依存しない経営状態をつくるしかなく、それでいやおうなしに形が出来てきました。 しかし、それでも、後ろからスピードを上げて追いかけてくる不況と、破綻しつつある流通の混乱から逃げ切るために走りつづけている感は否めません。 どうか、この世界に入ってこられることを考えられている方々は、このような状況が待ち構えているということだけは予め知っていただき、またこれを知 って躊躇されるようでは、まずやっていくことは難しいと思います。「どんなことがあってもやるんじゃ!」くらいの気合は必要かと思います。 長々と大変偉そうに本当に失礼したしました。 新しくお店をスタートされようという方の成功を祈ってやみません。(この記事は、商売のコラムにも転載・保存しておきます。) 拝 「魚を他人に預けるのは極力控えましょう。」2008年7月3日 以前から一度くらい、ご注意を喚起させていただきたいと思っていたことがあります。 魚や生き物を他人に預かってもらうことについてです。 実は最近、他人やいきつけのお店にいきなり魚を持ち込んで預かってくれという依頼をする方が増え、それによるトラブルも増えている のだそうです。 災害などで、自分の水槽で突然飼えなくなったときなどなど、本当に緊急時はともかくとしましてこれは、本当に控えるべきことです。 預ける相手には、多大な迷惑がかかるだけでなく、大変な心労を与えることになります。 また多くの場合、預ける側がきちんとしたお礼をしていない場合が多い上、持ち込まれた方も請求できるようなものでもないため、無 事に済んでも「有難う」だけで終わっており、さらに当然ながら預けた魚が死んだときの問題があります。 もし、やむを得ない理由で生体を他人に預ける際は、以下の点だけは抑えておく必要があります。 ・仮に、預けた生体が全部死亡しても、預けた人に一切の保証を求めないことを約束する。 ・前もって(できれば前後で)、お金や商品できちんとしたお礼をする。 ・預けた生体(主に魚)がもとで、相手の水槽の生体(特に魚)を殺してしまった場合は、その分を弁償する。 以上位は必要だと思います。これが出来ないのなら、絶対に人に生体を預けるべきではないと思います。 私も以前、数度、人の魚を預かったことがありますが、その間は非常に不安でした。滅多にそのようなことはしたくありません。 店舗営業時にありましたことですが、いきつけのお店にいきなり魚を持っていけば、断れないだろうと、前もって相談もせずに強引に 持ち込むケースが時々あります。これはお店から嫌われる行為のワースト一位です。(というより普通は受け入れてくれません。) ちなみに二位は、様子を見たいというだけの理由での生体の取り置き願い、 三位は卸価格を聞きたがることです。 あまり話題に上りませんが、これらは店先でやると絶対に嫌がられる行為です。 2008年3月7日 「ハードコーラルを保護している法律・その他について」 先日の予告から、長らくおまたせいたしました。 ご存知のように、国内のハードコーラル(造礁サンゴまたはイシサンゴ)は基本的に採取を禁止されています。 しかし、現在の法律は”国内でハードコーラルを一切とってはいけない”という明確な法律ではなく、やや複雑でいくつかの法律が 重なっています。 このたび、その詳細を改めてまとめ、さらに近畿大学農学部水産学科 水産経済学教授 榎 彰徳先生にご協力を頂いてお話を 伺い、日本国内のサンゴを保護している法律とそれにまつわる内容を伺ってきました。 それを以下にまとめ、ご報告するものです。 ハードコーラル(イシサンゴ)を実質的に保護している法律 @自然公園法による保護 国内のサンゴ礁の多くは、環境庁の制定した自然公園法によってすでに国立公園に指定されており、ここでの採取は原則的に 禁止されています。ただ、昨今のミドリイシなどの養殖を目的としたための僅かな採取は、環境庁より沖縄県などで一部許可がな されています。 A漁業調整規則による保護 現在、沖縄県と東京都(小笠原諸島など)においてのみですが、各県の漁業調整規則によってハードコーラルの採取は明確に 禁止されています。 B漁業権による保護 まず、仮に上記の国立公園・沖縄県・東京都以外にハードコーラルがあったとしても、それを漁獲できる可能性のある人は、漁業 許可を得ている漁業者に限られ、都道府県知事の許可が必要になっています。 そして、まず沿岸漁業では、漁協で採取する許可をされている種だけを取ってよいということであって、商用に”生きたサンゴを採 取してよい”という漁業権は、現在事実上発生しておらず、また認可されることも基本的に無いということです。 また、沿岸より沖の沖合漁業の場合は都道府県知事または国の”許可漁業”であり、こちらは知事や国が許可を出した場合のみ 漁獲可能ですが、こちらも商用にサンゴの採取が許可をされることはまずありえません。 また、例外として漁業者以外が採取してよいという場合は、特定の試験機関、水産試験場、水産庁などの調査・研究目的など に限られるという事です。 C国土交通省による、砂や岩(ライブロック)の管理 砂(海砂)や海底の岩については、これは厳密にいえば国土交通省の管轄になり、これを漁獲し、商用に販売することは国土交 通省の許可が必要になることです。 何が密漁にあたるのか 上記の法律、主に漁業法に違反した採取を行うと、これは密漁になります。しかし、国立公園以外で一般的な釣りや潮干狩りな ど、家庭内などでの極小規模な食用・飼育のための採取については、いわば国民の”レジャーの権利”として、漁業権を持つ漁業 者・漁場に影響がなく、漁業に影響の無い程度であれば、問題なしとして許可されています。ただし大量に取ったり採取したものを 販売しては漁業法違反になります。 では、個人の方があくまで潮干狩りで国立公園また東京都・沖縄以外の地域で仮にイシサンゴがあったとして(主にキサンゴの 仲間などでしょう。)少しなら捕っても良いのかとなりますが、これは大量に採取しなければ、一応良いとされています。 また、台 風の後などにミドリイシなどエダ状のサンゴが割れて海岸に漂着したもの程度を少量持って帰るくらいなら、特に問題にはならない でしょう。このあたりは、個人のマナーが問題になると思います。無論、商用やネット販売のために採取することは一切出来ません。 ただ、個人の採取でも県条例などで禁止されている生物もありますので、この点は注意が必要です。 過去にあった、サンゴ網漁業(サンゴ引き)と呼ばれる漁業とは 過去、長崎県・高知県などで、装飾用のためのサンゴの骨格をを採取する”サンゴ引き”と呼ばれる漁業が存在しました。 具体的な漁法の概要としては、漁船から専用の漁具を投入し、船を停止させて網を潮流に吹流し、網片にひっかかるサンゴを採取 するというものです。 したがって、これは基本的にすでに死亡した、または死亡するであろうサンゴの骨格のみを対象として採取されるものであったよう です。 (参考文献 金田禎之著「日本漁具・漁法図説」p.156-157 成山堂) 合法的に国産のハードコーラルを流通させる(得る)方法はないのか 国内で、商用目的でハードコーラルの仲間を捕る事は、上記の法律で禁止されています。しかし、食用の漁業において、伊勢海老 の刺し網やそこ引き網などで必然的に掛かってしまうサンゴが大量にあります。種類的には、キサンゴやヤギ、陰日性のサンゴが 主ですが、稀にミドリイシやオオバナ、コハナガタなどもかかることがあります。 これらは、漁業系廃棄物であって、海中や港に捨てることは原則として禁止されており、漁業者の方は大変苦労して処分をされ ています。そして、なんとこれらは漁港付近で焼却処分されてしまっているという、我々アクアリストからすれば耐え難いような処 分がなされています。 当方の友好店であるアクアマリンズさんなどは、これを見るに見かねて、販売することを決意されたという 事です。 今後、食用の漁業に従事されているこれらの漁業者の方々と連携し、これらの廃棄物サンゴをもっとアクアリウムの世界に引き こむことが出来れば、法を犯すこともなく、今までは悲惨にも処分されていた貴重なサンゴを飼うことができ、極めて有効でである と言えるのではないでしょうか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 以上、お粗末ではありますが、主にサンゴの保護に関する法律をごく簡単にご紹介を申し上げました。 2006年6月21日 「掲示板」 掲示板の復活をご希望いただいた事がしばしばあるのですが、やはり難しいと考えております。どうもすみません。 楽しい会話ができることは期待できるのですが、色々と問題も起きることが予想されます。 かつて当方が掲示板を設置していた際、荒しももちろん出ましたが、他店で悪い対応をされた方が当方の掲示板で 名指しにちかい形でそのお店を批判されることがあったのです。気持ちは分かるのですが、他店に他店の批判を書くという ことは、双方に非常に困ることです。また質問に対して、方針の違う人がそれぞれの答えを書いてしまうとこれまたこまり ます。 書き込みには、メールと同様に最低限のマナーがほしいですが、いわゆる匿名、内容のみ挨拶なしの一行書き書き込み もよくあります。かつて、当方の掲示板には「マナーなしの書き込みには返信の必要なし」という規定を定めていました。 もう何年も前のことですが、”一行書き”質問をした方に私も含めて誰も返事をしなかったため、後日、例のごとく某掲示板 集で文句を書かれていたそうです。なんで文句や誹謗をかけるその労力で、最初の書き込みで簡単な挨拶くらい書けない のか理解に苦しみます。 ここ最近、BL3のために北朝鮮に関する在日朝鮮人の人々の意見や、一般の人の意見などを拾おうとそういった掲示板 などものぞいてみましたが、誹謗中傷・差別が満載でした。 根本的に下劣な差別意識があるということが感じ取れます。人権も良心もあったものではありません。 匿名で自分の安全だけ確保し、他人の誹謗・中傷・差別に耽るなど、人間の屑のする愚かしいことです。 また、そういった行為を続けていると益々心が荒れてくるような気がします。他人の誹謗に使う時間など本当にもったいな いと思うのですが、今はそういった掲示板がライフワークになっている人も多いと聞きます。 本来掲示板は遠い距離で隔たれた同好の誌が楽しく気軽に語れる素晴らしいものであり、私も他の分野でいつもお世話 になっています。ですが、本当にそういうところにも「あらし」が来ます。注目の集まっているところへ行って、他人に迷惑を かけてでも目立ちたい、という心理でしょうか。やっぱり苦労しても賞賛されるような事で目立ちたいものです。 掲示板には、「荒し」の一種として「なりすまし」や「フィッシング」と呼ばれるものもあります。私もそれらしき事をされたこと もあります。これらは、他人に化けて迷惑を掛ける等ということも非常に恥ずかしいことです。 しかし、どれも”実体のない”むなしい事に他なりません。 ネットでのこういった他人への迷惑行為は、実生活で生きがいを見つけられない”負け犬”のすることではないでしょうか。 毎日が自分にとって充実しているなら、こんなくだらない事に費やす時間がもったいないのではと思います。 追申 掲示板の方はもしかすると将来的には復活させるかもしれません。定まらない限りで恐縮です。まだ未定であります。 2006年6月13日 「養殖」 現在、サンゴの養殖がかなり進んできています。業者さんのリストでもしばしばみかけるようになり、沖縄で養殖され たミドリイシなども流通するようになってきました。(すみません。うちまだ入れていません。^^;) また、当方が雑誌BLで紹介をしておりました田崎真珠さんでは現在カクレクマノミ、ハマクマノミ以外の種の養殖が 進みつつあります。養殖の魚の状態はすばらしく、薬物採取されていると思われる天然の輸入カクレクマノミの品質とは 比べられないほど丈夫です。普通に飼育されれば、100匹に1匹の死亡も見られないという状態です。 当方でも、養殖に関するプランをなんとか立てようと以前から思案をしておりましたが、どうにも広大な面積が必要な上、 土地代の高い日本の陸上で養殖をするためにだけに場所を用意し、結果意外に安価にしか売れないサンゴを養殖して 企業化するのは困難を極めます。実際、海外から来る養殖のサンゴも、単価が安い上輸送の難しいLPSは、以前僅か に入ってきたきりでした。しかし、養殖で企業的に採算がとれるプランを以前から少しづつ研究をしております。設置予定 の展示施設で、そのテストをおこないたいと考えております。なんとかサンゴの陸上養殖を経済的に成功させ、自然界 からの採取を少しでも減らしたいものです。それまでは控えめ控えめにハードは入れ、大事に飼育してもらえるようつとめ たいと思っております。 2006年5月26日 (一部記事訂正2008年1月4日) 「密漁」 以前、このコラムでも大いに触れており当方の機関誌BL1号でも取り上げておりましたが、現在、海水魚の観賞用 として取り扱いが許可されているハードコーラルは、インドネシアから正規の手続きとサイテスが取れているサンゴ、 および環境庁や研究機関が試験目的で採取を行ったものが払い下げられた極僅かなもの、また伊勢海老の刺し網漁 などで2次的に採取され、漁業廃棄物として廃棄されてしまうサンゴ、および昨今開始された養殖サンゴ以外は、一切 違法物であり、密漁物です。 しかしこの業界では、国産の違法に採取されたミドリイシを初めとしてオオバナサンゴ、ニホンアワサンゴ、キクメイシ、 ハナガササンゴなど、非常に多くにサンゴが日本近海で密漁され、過去には、国産だと言ってむしろ誇らしげに販売し ているお店さえ存在しました。最近ではさすがに堂々と書いているお店は減ったようですが、それでも物量は決して減 っておらず、以前違法物の取扱いをやっていたが、停止したというのはほとんど聞いたことがありません。 また、我々が普段仕入れるところのインドネシア現地のサイテスを取って輸入されたサンゴも、必ずしも法にのっとっ て漁獲・輸入されているかどうかは確証が疑わしく、またサイテスの許可申請自体も、実際の輸入物と書類で、種類 の差異などが多々あるという現実があります。厳密に言えば、確かにこれも違法といえるでしょう。しかし、それでも我 々の立場可能な限りルールを守ろうとしているかどうかという点で、その店の誠意が大きく分かれてくると思われます。 最低限のルールも法律も守れない人々が生き物を扱い、美しい水槽を構えているから自分たちがプロだなどいう考え はナンセンスだと思います。色や形にはこだわる前に、合法性にこだわることが先決ではないかと思います。 確かに、昨今の商売は非常に厳しいですので、安くて高価に売れる違法サンゴに目がくらむ気持ちは、我々とて同じで す。当方などでは、生き物の販売利益にあるときから見切りをつけ、オリジナル飼育器具の研究と開発でその収支を補 う選択をせざるを得ませんでした。これが必ずしも良い方法だとは思いませんが、やはりフェアな道を選んでこそその道 のプロであるはずです。 2004年9月26日 「青酸カリ採取魚」 ここでは誠にお久しぶりです。ですが、今回の内容は非常に重要かつ、皆さんにもぜひご協力願いたい件です。 昨今、マニラやインドネシア地域において、シアン化化合物(青酸カリ)による魚の違法な漁法が横行していることは すでにご存知のかたも多いと思います。これはもはや、飼育している魚が元気であるとか、そういったレベルの話 以前に、海の自然環境が無意味にどんどん破壊されてしまい、年に数パーセントのサンゴ礁がこの漁法で死滅して いるということが明らかになっております(この辺の詳細な記事が、当方が御世話になっております、 有限会社エル・ウエーブ様の記事にありますのでぜひご閲覧ください。) このままでは本当に大変なことになります。そのためにも、「何度買っても死ぬような場所で魚を購入することを止め る」ということです。もし、何度買っても死ぬような御店の主人に聞いてみて「海水魚なんてどこの店で買っても一緒だ」 などということを言っているようなら、そういったお店で購入は慎重にされることをおすすめします。 「俺の店の魚は絶対自信がある!」と豪語できる(マリンさんのような?)のお店を選ばれることをお勧めします。 (もちろん、購入者側がきちんと飼育できていての話です)とにかく、購入して2週間程度以内に、水槽の硝酸塩も 10ppm前後までで、他魚からも苛められていない、病気でもない(白点が数個ついているような状態ではまず普通 は死にいたりません。)、ましてエサも食べている魚がコロコロ死ぬようなことはおかしいです。 このような魚は、薬物採取で取られた魚である可能性が高いです。そういった魚を買うことをやめることが、結果的 に薬物採取をやめさせることにもつながります。 また、ぜひ我々店側ももうこういうことを重要視して、良い入荷元を探すべきです。現地まで出かけられて採取法まで 指導されいる入荷元さんから来る魚は、本当に素晴らしい魚で、一般的なチョウチョウウオやヤッコなどは3日以内に ほとんど人口飼料に餌付きます。 これからは、本当にお互いに意識して、現地のそういったとんでもない採取方法を自然消滅させるべく、業界人の 我々が努力をしていかなければならないということは、もう必然のことです。そうでないとこの業界に将来は絶望とい っても過言ではないでしょう。 |