夏場をクーラーを使わずに乗り切るアイディア
2003年 8月頃記載
(掲載後より月日がたっていますので製品など、古くなっております点、何卒ご了承願います。)
大きな水槽をお持ちの方は、それこそありとあらゆる器材をそろえ、すごいことになっている方も多いと思います。 しかし、我々質素にくらすものにとっては、冷却問題にかかわらず如何に節約して飼育するかという点につきます。 海水魚の周辺機器のうち、高性能なものをつけるほど、水温の上昇はひどくなります。 例えばメタハラですが、一個でもついているとするならば、まずクーラーが必要になってしまいます。さらに殺菌灯、 パワーヘッドがあわせて数個、ついでにパワースキマー・・・・。なんてことになってきたらこのコーナーで紹介する方法は まず意味をなしませんので、素直にクーラーに走ってくださるよう、お願いいたします。 ライトは蛍光灯で飼育し、その他殺菌灯やその他の熱を出す周辺機器が少ないことが第一条件です。 ここで紹介する方法は、出来るだけエネルギーのロスを出すことなく、水を出来るだけ加熱せず、ファンだけで水を 冷やして夏を乗り切るための細かなテクニックです。 |
「水のそのままの温度」及び「加温の原因をなくそう @パワーヘッド」 第一回は、冷却する前に、とにかく「加温」しないことと、もともと水が持っている気化熱効果をつかってによ って最大限水温を上げない工夫をすることです。 冷却以前に、色々なようそで水温が上がっていることがあり、今回は、まず蓋のあるなしと、パワーヘッド1台で どれくらい水温があがるのか実験してみました。 @水槽の水は放っておいたらどれくらいの水温になるのか・・。 うちの店でこんどほぼ同じセットをしてある120cm水槽を2個ならべ、下記の様な実験をしてみました。 両方の水槽には、ニッソーの密閉式フィルターのもっとも小型のものが1台づつついております。 そして、その状態で、水槽が出来上がった後,、ヒーター関係はセットせず、ます左の水槽1個だけに着目し、自 然の状態で水温の測定をしてみました。(のちにカミハタパワーヘッドRIO800をつけますが、ここではまだつ けておりません。) 蓋を開けた状態で、気温は25℃の時、水温は約24℃でした。気温はその前日の夜間と同じくらい涼しく、気温が 突然上がった状態ではありませんでした。やはり、水はそのままの状態なら、気温よりも平均的に1℃くらいは 低くなります。その後、気温が同じくらいの状態で水槽にやや隙間のあいた蓋をしたところ、水温は24.5℃程度 と、少したかくなりました。 Aパワーヘッドはどのくらい加温するのか? さらに@に引き続き、翌日に同じ左の水槽にRIOパワーヘッド800(約12L毎分)を入れ、今度は右の水槽はい れずに観察をしてみました。今度は両方蓋をしています。12時間以上経過後の測定結果は左の水槽が25℃の とき、右は24℃、やはりパワーヘッドのせいで確実に1℃上昇しています。 ちなみに最後に、両方にパワーヘッドを入れ、右の水槽だけ蓋せず開けておきました。 (このときだけ写真があります。左の水槽には測定の前日夜よりライトは照射していません。)
@の結果のときと同じように、やはり左が25.5℃、右が24.5℃と、1℃の差になっておりました。 ちなみに、水温系は誤差がほぼ無いことは確認しております。 結論としては、やはりパワーヘッドは少しは水温を上げてしまいます。ですから、出来るだけモーター部が外に 出たポンプ(ワンタッチ、上部式、密閉式、エアーリフト式)がこの点においては有効ではないかなと思う次第で す。温度計の写真はわかりにくいですが、気温は26℃左の蓋をしてあるほうが水温が25.5℃右が24.5度でした。 これまでの結果を纏めると下記の様になります。 測定した水温(℃) それほど厳密な実験ではありませんので一応ご留意願います。
長い間、パワーヘッドがどれくらい加温の原因になっているか疑問だったのですが、水槽の大きさによって大体 1℃〜2℃くらいであろうことがわかりました。やはりできるだけ夏のためには避けたいパーツの一つです。 次回は、もっとも注意が必要で厄介なライトの冷却方法です。 「加温の原因をなくそうA ライト」 やっと第2回です。今回はとにかくライトの銀行・・いえいえ講座です。夏場、2灯式でも見ていると、たこにも、いえ いえ、いかにも加温しそうです。ここはもう何年も測定していますのでデータはとりませんでしたが、大体、60cm 水槽で20Wのライト1本に付き、水温は約1℃上がってしまいます。2灯つければ2℃です。そして最近流行りの ライトリフトを使えば、だいたいその半分になるとかんがえられます。魚の場合はそれでいいとして、問題は光が 重要な無脊椎です。といいつつ、60cm水槽なら2灯式で充分飼育できるくらいですから、ライトリフトをつけて照 射してもいきなり光が足らなくて飼えなくなる、という事はあまり無いかもしれません。しかし、それでも水温の上昇 が気になってきます。 または、これはうちの店でも多用していますが、ライトを改造して中にファンを入れると、方熱効果は抜群になりま す。なかなか改造できる場合ばかりではないかもしれませんが、光量を減らさずに放熱を行うことが出来るようになり ます。この場合、日本橋などで安いDCファン(¥380程度) とそれに使うアダプターなどを購入するか、 あるいはACファンの小さなものを使用する手もあります。 2003/6/17 ただ、なかなか普通は難しい方も多いと思いますので、いっそライトをリフトで揚げてしまって、外から小型扇風機で ライトを冷やしてしまうのも良いと思います。水槽の蓋さえ開けられるのなら、角度を調整して水も同時に冷やせるで しょう。
解決法 やはり一般的にはライトリフト + 扇風機 改造だのなんだのと言ってしまいましたが、やはり一般的で誰でも手軽に出来るライト冷却方といえば、やはりライト リフトとファンや扇風機を併用する方法でしょう。この扇風機ですが、観賞魚用でもあるいは最近コーナンなどで安く 売っているクリップファン扇風機などでも支障ありません。ただ、取り付ける場所だけはよく確保して確認しておいた 方が良いです。風量と価格は、はっきり言って一般的なクリップ扇風機の方が上ですから、うまく使えば低価格で効 果抜群です。ライトリフトでまずライトを僅かでもあげ、ライトと水槽の隙間に風邪を送り込むようにすれば、良いです。 このとき、ガラスフタを開け、風の角度を調整すれば水も同時に冷やすことが出来ます。あるいは扇風機の自動首 降りにしておくのも良いでしょう。
「ファンで水を冷やす」 ここまででまず如何に水を加熱しないかということを見て見ました。今度はいよいよ水そのものの冷却です。もちろん、 気化熱を利用してファンを使うことはあたりまえなのですが、ここで重要なことは、どんなにまずファンを使っても、気温 よりマイナス4〜5度くらいがまず限界です。なぜなら当てる風の温度の問題があるからです。ですから、室温は、目的 温度の最低でも4℃増しくらいに抑える必要があります。、ファンで最高の効率で冷却できるとして、水温をなんとか28度 くらいに抑えようと思ったら、室温は32度くらいまでである必要があります。 ファンの設置個所は、水に当たるところならどこでも良いですが、上部フィルターのふたを開けて冷却するのも便利で す。また、飼育水槽の水を直接冷却する場合、どこからか水槽の蓋を開けることになりますが、ハタタテハゼなどの魚 が居ると飛び出すことになりますので、そこだけまたは全体でも良いですが網状の蓋をかける必要があります。 このとき、ホームセンターなどで売っている、1cm角くらいの繊維状のプラスチックのアミなどを使用すると、風量も落 ちにくく、安全です。(おもに園芸コーナーで巻きで売っています。) 「断熱」 上で水を冷やすことを行いましたが、今度は冷やすした水を如何に温めないかということです。これは、なんといっても 断熱です。水槽の側面・背面を厚み2cmくらいの発泡スチロールの板を切ったもので覆ってしまえば、保温は非常に 良くなります。いっそ、水槽を見ないときは全面もかけておいても良いです。この板も、ホームセンターで畳1枚分(1800 mm×900mm)で¥600くらいです。これで、ファンを最高の効率で使用できます。 「アイテム」 さてさて、極簡単ながらクーラーを使わずに夏を乗り切る方法を紹介させていただきました。 ここでまとめさせてもらうと、まず、@とにかく水温を加温しない!A水を冷却したあとはせっかく下がった水温を 断熱によって出来るだけ保つ!という2点だけです。 夏に備え、取り急ぎ方法を文章だけ掲載しましたが、今後、写真と店の水槽で実際の水温なども載せていく予定です・ <ここで役にたつ安い物!> @ライトリフト GEX¥450・・・簡易式ですが、充分に役は果たせます。 Aクリップファン ホームセンターにて¥798〜¥980(首降りあり) 取り付ける場所さえ確保しておけばライト・水の冷却効果は大です!! B日動のマルチファン¥1,800 注意!このファンはもともと淡水専用です。また取り付けパーツはアルミですのでこの部分が絶対に水に濡れない にしないと生物に危険です! コーナンのクリップファンに比べればたかいものの、観賞魚用のファンとしては破格です。小型で水槽取り付け様の 金具があるため、水冷却用にはもちろんのこと、ライトの冷却にも使えます。 ただし、!あくまで正式には淡水専用です! CGEX スリムファン¥2,500〜ビッグ¥3,500 (注意!このファンはもともと淡水専用です) 取り付けということには非常に良いファンで、とても薄い構造のため鑑賞魚用にはとても使いやすいです。価格も 以前のファンから比べれば格安です。もともと、「上部フィルターとライトの間に設置できる」というのが大きな売りです。 ただし、!これもあくまで正式には淡水専用です! |
やっとこさ店の方で実際に色々とファンの設置を行い、室温との関係を記録しました。ご参考になりましたら幸いです。 ここ数日、本格的に夏になってきましたので、本気で冷却しないとやばいと感じ、無脊椎水槽には全体的にの取り付けに かかりました。 今日、先ほど測定してきました、室温と水温、またファンの使用状況は下記のとおりです。
@120×45×45cm水槽(水温約28度・クリップファンにて冷却) ここは今、クリップファン1台で冷却しています。まだ水槽に断熱までは行っておらず、ファンの力だけです。それでも、 一応常に外気温から2.5℃〜3℃くらいは低く保っております。 A60×45×45水槽(冷却なし)
水温30℃です。水槽内に加温要素が無く、冷却なしですと大体気温より1℃くらい低い状態です。 ただし、上部フィルターのフタだけあけています。ライトは、自作のファン入りのため、ほとんど加温をしてい ないようです。 追記 2003・8・7「いまさらながら、日動のマルチファン・GEXのスリムファンを活用する!」 注意!これらのファンはもともと淡水専用です。また日動のファンの取り付けパーツはアルミです! この部分が絶対に水に濡れないにしないと生物に危険です! さてさて、ここまでたいがい冷却ファンには、ホームセンターのクリップファンを使用することばかりアホみたいに書い ていましたが、正直なところ、やはり観賞魚の用のファンに比べると、パワーはあるものの、大きすぎる上あまり使 いやすくありません。 セットにかなり工夫が必要なうえ、そこまで工夫するなら、素直に鑑賞魚用のファンを買った方が楽だという感じがし ます。すでに上にも書きかましたが、少し以前ではファンは結構高価で、¥4,000〜みたいな感じがありましたが、 まず日動(野本動物薬局)のマルチファンなら、¥1,700〜くらいからあります。(ちなみにうちは¥1,800ですが) これは出た当時は、以前の私の家の尼崎近辺では¥2,500くらいで売っていましたが、それでもかなり売れていたよ うです。あと、最近人気なのが、GEXのスリムファンです。これは恐ろしくスリムなので、たいがいの状態の水槽につ けることができます。 ただし、なんども言いますが、あくまで正式には両方淡水専用なのでご自身の責任で使用してください。 実際、とにかく設置しやすいため、私の店では積極的に使ってみることにしました。 @日動のマルチファンの使用例 マルチファンの方は、意外にいろんなところに設置できる場合が多いです。海水魚の場合、水槽の蓋を開けっ放し にできると温度の点では良いのですが、飛び出す魚があるため、やはり蓋をした状態で使用するハメになります。 そうしますと、 上部やワンタッチなどの濾過器をつけていればその蓋をあけ、そこを冷却することで大変都合よく設置できます。 実際、やってみましたら、ばっちり設置できました。 注意!日動のファンの取り付けパーツはアルミです! この部分が絶対に水に濡れないにしないと生物に危険です!
ただし、パーツがくれぐれも水に濡れないように注意! なんらかの防水処理をしないと、このままでは生物に有害になる可能性があります! 特にワンタッチフィルターには、写真の様にセットすると手前に来るであろうライトにも風があたり、うまい具合にライトも 冷却できます。 あと、外部式パワーフィルターなど、フィルターに対して冷却できない場合は飼育水槽で冷却することになりますが、その場合 はスリムファンであれば、小さな窓のような穴さえどこかに空いていれば、そこから送風できますので便利です。 追記 2003・8・8 「アルミの毒性を確かめる」 前項で、日動のファンの使用法につきまして、足パーツのアルミニウムが水につくと危険!と書きましたが、どの程度危険な のか、一度検証してみることにしました。アルミニウムの毒性は、人体に対しても毒性があるともまたないとも言われており、 一時期はアルツハイマーの原因であるとも言われました。アルミなべ、アルミ缶の毒性も疑われたことがあり、現在でも毒性ありと している学者も多いようです。しかし実際は検証してみるとどうもはっきりしないらしく、WHOなどでは人体への毒性は否定さ れています。また本来、毒性がないからこそ、食器や錠剤などの薬の包装などにも使用されていということなのです。 海水魚の場合、さすがに水に長時間浸っていて溶けたりすると当然有害だと考えられますが、少なくともどの程度毒性があるのか 、銅のようにとにかく急性なのか、それとも長時間水中に無ければよいのかというところです。 そこで、サンゴモエビ、ルリスズメを使い、下記の用に実験をおこなってみました。 サンゴモエビ、ルリスズメをそれぞれ約500ml程度の海水とともにビニール袋に入れ、中にニチドウのマルチファンの足パーツ を1個づついれて酸素とともにパッキングし、24時間おいてみました。サンゴモエビは水質にもかなり敏感とされています。
結果、24時間後両種ともまったく状態に変化はありませんでした。今もう1日、見ているところです。 さすがにサンゴモエビにはなんらかの影響が出るのではと思いましたが、とりあえずアルミニウムに急性の毒性はないらしきことが わかりました。それでも、海水に触れて変色したような状態はけっしてよくないと思われますので、対策はしておいた方が良いとお もいます。ここでいいことを思いつきました。ニチドウのマルチファンを、防錆処理をして売り出すのはどうでしょうか!? →やってみました¥2,000で販売中です。 追記 2003・8・23 「日動のマルチファンとGEXのスリムファンのどちらを買う?、ファン用サーモは?」 久々の更新になりました。話を戻しまして、いったいどちらのファンが使いやすいか、比べて見ます。どっちを買うか迷った方も 多いと思います。けっして、高価なGEXの方が良いとは限りませんでした。
あと、ファン用のサーモスタットですが、確かに便利です!!できれば温度設定のできるGEX、エバリスのものが良いと思います。 固定式は26℃固定が多いですので、もっと暑い日がありますから変動が考えられますが、27.5℃くらいにセットしておくと夏場の 暑い時期でも変動幅を少なくできると思います。 追記 2003・8・23 「ルームエアコンの併用」 おそらくこれが最後の追記になるとおもいます。水槽をファンでいくら冷やしても、さすがに限界があると思われる方も多いと思い ます。そんなとき、エアコンを併用すれば急場をしのげますが、一見不経済に見えるので奥さんからにらまれる方も多いと思います。 しかし、意外に工夫するとそれほどでもありません。まず,水槽自体をファンなどで冷やせば3℃以上冷えますから、併用するときは 室温は28℃くらいで充分です。場合によってはあるいは29度でもよいと思います。電気代ですが、6畳で昨今のクーラーで1日で使用 して¥100〜¥300くらいだと思います。もちろん室内にメタハラなどがついていれば別ですが・・。 これを高いとするかどうかは人によると思いますが、逆にいいますと、魚用のクーラーは最低¥30,000くらいはします。 1ヶ月間ずっとルームエアコンのクーラーをつけたとして、電気代は¥3,000〜¥9000くらいです。ですから、例えばここ大阪ならだい たい7月と9月はファンだけで乗り切れるとして、平均で仮に8月中だけルームエアコンを使用しますと、平均で1シーズン¥6000くら いの電気代でしょうか?でもこれが惜しいようなら、正直飼育は難しいと思います。最大限節約しても、惜しんではいけない部分は あります。サンゴが1個死んだら、元も個もありません・・。 水槽がもともとリビングにあれば、人間用に必要な時と重なっている時間も多いと思いますので良いとおもいます。 (魚用の)クーラーを使わずに夏を乗り切るコーナー、いかがでしたでしょうか?少しでも参考になりましたら幸いです。 もしかすると、また追記するかもしれませんが、さし当たって、一区切りです。 |
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