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水槽内のコケ・藻類対策・除去生物

 水槽内で生えてくる藻類やコケは大変厄介なものです。これらが生えるには、原因は複合しており、まず水質的にはエサを多く与えていて栄養塩(硝酸塩、リン酸塩)の多
い場合、そして光の強い水槽ほどやはりよく生えます。ただ、実際には硝酸塩・リン酸塩・珪酸塩などをテスター上でほぼ0ppmにしていても徐々に生えてくるもので、やはり
水質だけで完全に抑えるのはまず無理と言えるでしょう。また、発生量はそのシステムがどのようなろ過システムであるかにも大変影響されます。機関紙BL5号にも載せて
おりますが、ベルリン式など物理的なフィルターが無い場合と、通常のろ過式では、やはりろ過式の方が栄養塩が多くても、茶コケ・糸状の藻類の生え方が幾分少ないという
結果が出ております。やはりフィルターにも藻類の組織・胞子が除去されているらしき推測が立ちます。これらは、こちら、
サンゴ飼育ガイドに記述を行っておりますので、ご覧
いただけますと幸いです。
 以下では、主にそういった藻類やコケを食べてくれる有難い生物をご紹介します。
水槽のガラス面は最終的には人の手によって掃除しなければ完全には綺麗にできません
が、それでも生物を利用すれば大半を除去をしてくれます。

●藻類(いわゆるコケ)を防ぐ方法の概要(追記2011/11/20)

藻類、いわゆるコケや糸状の藻類であるいわゆる”藻”(も)を防ぐにはいくつかの基本的な方法があります。

 ・照明時間を毎日5〜6時間のみにする。(サンゴ・イソギン・海藻などがもともと健康なら問題ありません。)
 ・栄養塩があまりに多い場合は海水を交換する。ただし、水道水から入りやすい珪素のため、珪藻などはかえって増やす恐れがあります。また、実際には硝酸塩やリン酸塩
  がかなり低くても、藻類は生えます。
 ・藻類を除去する生物を入れる。(ページ下で詳しく記述しています。)
 ・(もともと硝酸塩が低いなら)あまり水換えをしないようにし、添加剤を中心に維持する。
  ※本来、栄養塩を取り除くために海水を替えるのですが、もともと硝酸塩等が低い状態の時に替えますと、珪酸などが新たに追加されるため、相対的にかえって藻類が増
  えることになる場合があります。

補足

 ただし、藻類が沢山生えてしまった状態から、上記の改善策を施してもまずそれだけでは改善は出来たためしがありません。
 この場合は一度すっきり綺麗に水槽を掃除してしまって、 それから上記の対策を行った方が効果的で、特に糸状の藻類は以後全くでないことが多いです。
 また、同じ循環で繋がっていて、まったく同じ水質・ほぼ同じ照明でも藻類が増える水槽とまったく増えない水槽があります。

 大掃除以外の方法は、もし別水槽がある場合、水槽内の光合成を行う生物だけを別の水槽に移してしまい、対象の水槽の照明を完全に消しっぱなしにすれば、藻類は数週
 間でほぼ消滅します。水槽を囲って遮光すればなお効果的ですが、室内の光くらいなら藻類はまず成長はしません。魚がいる場合は少しは照明をしないと病気になってしま
 いますので、1日1〜2時間程度だけ照明すると良いでしょう。

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●各藻類(いわゆるコケ)の(水質的・ろ過的)原因(追記2009/1/12)

 水槽の中には、色々な種類のコケや藻類、海藻類が生えます。当方らの種々の実験でどのような際にそれらのものが発生してくるのか、また発生しないかがだいぶ判明
してきました。 

・茶色の薄く、柔らかいコケ

 水槽の壁面に生えてくる薄く、茶色く、こするとすぐに落ちるコケは、珪藻の類が多く、これは初期は水道水に含まれる珪酸塩が原因で増えることが多い様です。
ただ、珪酸塩は水槽内で準じ消えていく場合が多いため安定期にはだんだんと落ち着いていくものですが、差し水や水換えが多いとかえって増えることが多いです。市販の
浄水器も大変効果があるようです。 

・緑色・茶色の硬いコケ

 水槽やガラス面に生える薄い緑色のコケは、硝酸塩、リン酸塩やミネラルに起因しているものが多い様です。これはある程度予防のしようが無く、磨き落とすか、コケ取り貝
などにも協力してもらったほうがいいでしょう。
 また、水換えを頻繁に行いますと硝酸塩が数割減りましても、 珪酸やミネラルが補給されますことでかえって生えやすくなる場合も あります。

・糸状の藻類

 もっともやっかいなものですが、これは特に硝酸塩・リン酸塩の濃度の他、水槽に物理ろ過能力があるかないかで発生率がかなり違うことが分かってきました。
物理的なろ過能力の高い水槽の方が発生が少ない様です。 

・赤く、分厚いノリのようなコケ(シアノバクテリア) 

・ブラシの様な堅い藻類(あるいは海藻) (追記2011/11/27)

 ライブロックから、成長が遅いながら、大変堅いブラシのような海藻が生える場合があります。 当方の知る限り、積極的にこれを食べる生き物がまだ分かっておりません。  
ただ、キイロハギなどの丸い系のハギ類のかなり大きなサイズがいる 水槽で、これを一生懸命食べていた様子を、他の方の水槽で一度だけ 見たことがあります。
いずれにしても、小さな生物では歯が立たないようです。  
 水中での完全な除去は難しいですが、大まかにハサミやニッパーで契り、上から サンゴ固定用のボンドをかぶせてしまうのも方法だと思います。
また、ライブロックでなくしていいのなら、乾燥させてブラシで擦り取るとかるく取れるので簡単ではあります。

・参考実験

以下、サンゴ飼育ガイド・機関紙BL5にも掲載をいたしました同じ時期に立ち上げた3種の実験水槽の写真ですが、それぞれで発生してくるものが明らかに違い
ました。左から、レフジューム(海藻)+ろ過では、全体的に非常にコケなどが少なく、中央のろ過+還元では水槽壁面に薄い緑色のコケ、ベルリン式では糸状の藻類の発生が
もっとも多くみられました。硝酸塩はいずれもほぼ0ppmで、リン酸塩が、多い順<撮影時の濃度で)に、ろ過+還元(0.5〜1ppm)、レフジューム+ろ過(約0.2ppm)、ベルリン
式(ほぼ0ppm)でした。

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●除去生物紹介

・サンゴモエビ

 除去するもの:生えかけの糸状の藻、腐食しかけたサンゴの組織をある程度掃除 

 利点:本種自身が鑑賞に堪えます。 ・身軽でどの岩にも登ることができます。 ・他の生き物にまず危害を加えません。  

 欠点:いつも餌が与えられる水槽では、食性が変わってしまいます。出来るだけエビに餌が回らないようにするべきだと思います。ただし、餌がなくなるとコケを食べるようで
    す。サンゴ水槽では、特に餌をあたえなくても生きていくようです。
    また、ある程度育ってしまった藻はあまり食べないようです。以前、全く藻の生えていない水槽に、モエビを多数(10匹ほど)収容していました。すると2ヶ月たっても全く
    藻が生えなかったのですが、そこへ藻の塊になったような岩を入れてみて様子をみてみましたところ1ヶ月経ってもその岩だけまったく藻の塊のまま変わらない状態でし
    た。また、他の水槽も、すでに目に見えて成長している藻はほとんど食べていないようです。

 適当・必要数の目安 (100L水槽):本種のみなら、100L水槽で4〜6匹

・タカラガイ類(ハナビラタカラガイ・キイロタカラガイなど)


(左:キイロタカラガイ 右:ハナビラタカラガイ)

  除去するもの:糸状の藻類、岩や壁に生える薄いコケ類、砂の表面のコケもいくらかは食べてくれます。 

  利点: 本種自身が鑑賞に堪えます。  ・シッタカ貝類より幾分丈夫で、裏返っても外套膜を出して元に戻ることができます。    

  欠点: シッタカよりはだいぶ丈夫なものの、特にエサ不足になりますと死亡が多くなります。
       コブヒトデなどに捕食されてしまいます。イソギンの刺胞にも、ややられやすいようです。
       サンゴなどのレイアウトが不安定なおき方をしていると、倒されることがあります。
       石灰藻類も少し食べる?様子があります。  

  適当: 必要数の目安(100L水槽):本種のみなら、100L水槽で5〜10匹

・マガキガイ

  除去するもの:底砂など、水槽底部のコケ、エサの残りの除去、砂の清掃 

  利点:かなり丈夫です。 ・シッタカ貝類より幾分丈夫で、裏返っても外套膜を出して元に戻ることができます。    

  欠点:動きが結構おっとりしているため、劇的に効果が出にくいです。60cm規格水槽で本種のみを底掃除にするなら、3〜4個は居た方がいいでしょう。
     ・本種の糞も、結構な量があります。
     ・これは本種のせいではありませんが、底砂を急にひっくり返させると、白点虫が潜んでいた場合に白点を引き起こす可能性があります。
      そのため、できるだけ水槽立ち上げ初期から、また白点をあらかじめ除去しておくか、かかる魚が居ない環境で収容しましょう。

  適当:・必要数の目安(100L水槽):本種のみなら、100L水槽で4〜5匹

・ヤドカリ類


(観賞用としても人気の高いユビワサンゴヤドカリ)

 除去するもの:糸状の藻類、底砂など、エサの残りの除去、 

  利点:かなり丈夫です。 ・サンゴモエビより大食漢です。    

  欠点:殻が重いため、サンゴモエビのようにどこにでも上れる場合ばかりでは無いようです。小さな固体が一番役に立つでしょう。
      ・ヤドカリ同士のケンカがしばしばあるようです。

  適当:必要数の目安(100L水槽):本種のみなら、100L水槽で3〜5匹

 → 
(コケ・藻類がついた石を、ヤドカリが掃除する様子) この間 約1日です。 

・フタイロカエルウオ

 除去するもの:糸状の藻類、底砂など、岩や壁に生える薄いコケ類、エサの残りの除去、 

 利点: ・かなり丈夫で、元気に動き回りますが、あまりサンゴなどをひっくり返すことがありません。
      ・無脊椎水槽・魚水槽のいずれにも向いた魚です。 

 欠点:  ・本種より小さい大人しい魚には、結構攻撃的な場合があります。  

 適当・必要数(100L水槽):水槽のサイズによらず、1匹(ケンカをするため)

・ヤエヤマギンポ

 除去するもの:糸状の藻類、底砂など、岩や壁に生える薄いコケ類、エサの残りの除去、 

 利点:・フタイロカエルウオより体が大きい場合が多く、その分掃除の能力も高いです。 

 欠点:・意外に水質に敏感です。(上記フタイロカエルウオより敏感です。)
     ・図体が大きくて力も強い場合が多く、サンゴの上を踏んで移動することが多いため、どちらかというと魚専用水槽に向いていると思います。

 適当・必要数(100L水槽):水槽のサイズによらず、1匹

・シッタカの仲間

 除去するもの:糸状の藻類、岩や壁に生える薄いコケ類、砂の表面のコケもいくらかは食べてくれます。 

 利点:・安価な場合が多いです。    

 欠点:・種類にもよりますが、特にエサ不足になりますと死亡が多くなります。1年も飼育しているとほとんど死亡してしまう場合が多いです。
     ・特に大きなものではサンゴなどのレイアウトが不安定なおき方をしていると、倒されることがあります。   

・ノシガイの仲間

 除去するもの:エサの残りの除去、またコケは食べませんが、壁を伝って歩く事で除去されるようです。 

 利点:・他の貝類に比べ、非常に丈夫です。あまり死んでしまうことがありません。生き物の死骸なども食べてくれます。

 欠点:・コケそのものを食べているわけでは無いようですのであまり除草能力が高いわけではありません。

 適当・必要数(100L水槽)の目安:5〜10

・タマガイの仲間

 ※ナメクジのような体に、小さな貝柄がついた貝の仲間です。大きさは3cmくらいまでで、商品として売られていることはほとんどなく、サンゴの岩などについてきます。

 除去するもの:岩や壁に生える薄いコケ類、エサの残りの除去、 

 利点:・これは、水槽内で自然に増えることがあり、これらが増えるとそれだけでコケがよく除去される大変便利な水槽になることがあります。
     主に夜間だけ出てくることが多いです。

 欠点:・特にありませんが、もともと居ないと増えないため、誰かに数固体をもらうか、生息している水槽から移植などすると良いでしょう。

 適当・必要数(100L水槽)の目安:自然に増え、特に問題なし。

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