| サンゴの大まかな分類 (※ここでは光の届かないところに住む陰日性サンゴ(イボヤギ、ヤギ、陰日トサカ類など)の生き物は割愛し、好日性サンゴのみを対象といたします。)
サンゴは大きく分けて石灰質の骨格をもっているハードコーラル(例:ハナガサ・ナガレハナ・コエダナガレハナ・ハナ・ミドリイシなどなど)と、石灰質の骨格をもたず、体全体が
柔らかい肉質のソフトコーラル(ウミキノコ、ディスクコーラル、各トサカ類などなど)があります。 イソギンチャクも、ソフトコーラルに近い仲間とされています。
飼育に関しては全体的にソフトコーラルの方が優しく、水質が悪化したときなどにも、余裕がありますが、ハードコーラルは数日間状態が悪いとすぐに腐食してしまうものが
多くまたストロンチウム、カルシウム、KH値などが一定以上必要になります。サンゴと一緒に魚も飼いたい場合も一般的に色々な意味で鈍感なソフトコーラルの方が向いてい
ます。ただ、意外に高水温だけはハードコーラルの方が堪えられるものが多く、ミドリイシや陰日性サンゴをのぞき、状態の良い水槽ではハードコーラルは30℃度程度でも限
界のように大きく開いている場合が多いですが、ソフトコーラルではディスクコーラルなど一部の種を除き、28℃付近が限界のようです。
また、ハードコーラルには、さらにLPS(ラージポリプ ストーニーコーラル)と、ミドリイシなどのSPS(ショートポリプ ストーニーコーラル)にわけることができます。これまで、
同じハードコーラルということで、LPSとSPSはほぼ同じ性質と考えておりましたが、飼育や実験を行いましたところかなり性質や好む水質が違うことが分かってきました。
本記事では、上記ソフトコーラル、LPS系ハードコーラル、SPS系ハードコーラルをそれぞれソフト、LPS,SPS、という書き方で略記させていただきます。
(詳しくは、後述いたします。)
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サンゴ(無脊椎動物水槽)水槽では、魚の治療薬はほとんど使用できない
無脊椎動物を飼育している水槽でも使用可能とされている一部薬品を除き、薬品を使用していない水槽や、また以前薬品を使用した場合は、その薬効・毒性が完全に無くな
った状態で飼育する必要があります。
過去、硫酸銅・色素のある薬品を使用していた水槽の場合は、まず水を100%交換する必要があります。ろ材や砂は一般的には一度でも薬品を使用したものは使用しない
方が良いとされていますが、当方のこれまでの経験ではろ材を水・または海水で3回以上すすいでよく洗った後であればさしあたり支障なく使用できています。
重要なことは、水槽内で魚の病気が出た場合でも、治療がほとんど出来ないという意味です。そのため、無脊椎と同居させる魚はもともと病気に罹りにくい魚だけを選ぶ必
要があります。(→サンゴとの同居魚・同居生物についてに詳細を記述しておりますのでご覧下さい。)
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要求される水質@ まず最低限、魚が飼える安定度・水質であること
ろ過システムが立ち上がり、アンモニア、亜硝酸などが消え、水質・ろ過システムが最低限安定している状態である必要があります。飼育方法にもよりますが、サンゴは異
常なく飼育できていればエサを必要としないものも多く、あまり水を汚しません。それゆえ、魚よりも水槽の立ち上げた初期から少しなら収容しやすいと言えますが、魚異常に
敏感なものが多く、やはり最初の2〜3ヶ月はあまり多く入れず、控えめに飼育しましょう。(水槽の立ち上げなどは、魚飼育ガイドをご覧下さい。)
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要求される水質A 硝酸塩濃度とリン酸塩濃度
窒素の最終的な蓄積物である硝酸塩は毒性は低いですが、敏感なサンゴにとっては少ない方が好ましいです。高濃度に堪えられるものもおりますが、多くのソフトでは、25
ppm以下、LPSでは10ppm以下、SPSでは可能な限り0ppmが良いでしょう。
硝酸塩濃度に極度に強いものを紹介しますと、ソフトコーラルではウミキノコ、ディスクコーラル、ヌメリトサカなど、ハードコーラルではバブルコーラル、パールコーラル、コハナ
ガタサンゴナなど。これらは、実際には50ppm程度あっても問題ありませんが、これくらい硝酸塩濃度が高い水槽では、糸状の藻類の発生が顕著な場合が多く、これらの発
生で覆われ、死亡してしまうことも多いため、やはり少ないにこしたことは無いでしょう。
硝酸塩の濃度を低く保つには、水換え、還元ろ過、スキマーの使用などがありますが、当方では、還元ろ過の使用だけで間に合わせています。
次にリン酸塩につきましては、これまでの認識とかなり違い、必ずしも低濃度であることが好ましくないことが分かってきました。まず、ソフトコーラル、LPSではある程度リン
酸塩があるほうが好ましく、成長が良いようです。毒性としては、限界値の2ppmであっても、1年間の飼育では問題は認められませんでした。
LPSでは、特にバブルコーラル、パールコーラルなどはリン酸塩が少ないと1〜2週間でだんだんと瘠せてしまい、飼育そのものが困難であるらしいことが判明してきました。
昨今、ミドリイシなどSPSは皆元気である非常に水質が綺麗なベルリン式の水槽で、なぜかバブルコーラルだけがうまく飼えないという方が多発していますが、どうやらこれが
原因ではないかと思います。
SPSでは、可能な限り低い方が好ましく、リン酸塩の濃度の高い水質ではあっというまに褐虫藻が増えすぎて茶色になってしまい、直後に一気に崩壊するという現象がみら
れます。ただ、照明が極端に強い場合などは成長が良い場合もありますが、骨格の形成が異常になるなどの問題も指摘されています。(くわしくは、各種図鑑のミドリイシの
項目に記述しておりますのでご覧下さい。)
リン酸塩濃度を低く保つには、スキマーの使用し、さらに水酸化カルシウム飽和溶液(カルクワッサー)を添加して水中のリン酸塩をリン酸カルシウムとして沈殿させ、それに
よってさらにスキマーで取り除きやすくします。(これは過去にアキュリの倉光氏にご助言をいただいた事です)。また専用の除去剤の使用も効果的です。
ただ、最大に効果があることは、飼育方式事態で砂やろ材の使用をしないことで、これらを使用すると特にサンゴ砂からは常にリン酸が出てくるようです。その意味では、ベ
ルリン式がもっともリン酸塩濃度を低く保ちやすい方式といえるでしょう。
(ご参考まで)
もともと水ではリン酸塩というものは硝酸塩と同じようにもっと増えるものなのですが、海水中ではカルシウムイオンと結合するために限界でも2ppmにしかならないという言い
方が出来ます。また、リン酸は還元ろ過では全く取り除くことができません。
リン酸があるとLPS系ハードコーラルがかえって良く開くようになり、成長も早いくらいなのですが、しばしば褐虫藻類が増えすぎるために吐き出す現象も見られ、これがサン
ゴのストレスにもなるという見解もあり、意見の分かられる部分だと思います。
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要求される水質B ミネラル・カルシウム・KHなど
Bミネラル・カルシウムとKHに注意する(主にハードコーラル)
サンゴは、水中に各種のミネラルが存在することが必須となります。ソフトコーラルは実際あまり厳密ではなく、水換えや添加剤でのミネラル補充を行わなくてもかなり長期間
成長をしてくれます。しかし、特にハードコーラルを飼育する際は確実に必要となるものが多く、全般的な微量成分のほか 特にカルシウム、KH(≒炭酸水素イオン濃度)、スト
ロンチウムだけは注意して濃度を一定の範囲内で維持してやる必要があります。左記の物質は、いずれもサンゴの骨格を形成するものであり、テスターの濃度でカルシウムが
400ppm〜550ppm、KH値は約10〜18、ストロンチウムは8〜16ppm程度を維持するようにしたいです。
維持する方法は、各添加剤を入れる方法、またカルシウムとKH値はカルシウムリアクターなどを設置する方法があります。
また還元ろ過の使用やナチュラルシステムによって、あまり水替えをしない飼育の場合は、消耗してくる海水成分を添加剤で補うことになります。水換えによる飼育では、水
換えを行った割合だけしか新しいミネラルが供給されないことを考えれば、作業的にも非常に楽な上、生体にショックがなく良好な状態を保ちやすいです。
ヨウ素の添加はより良いと思いますが、必須ではないと考えております。
一応、当方でも行っておりますお勧めの添加剤と添加法は、カルシウムリアクターBOXをしようしている状態でシーケムのリーフプラス、リーフSR(もしくはリーフパワーSR)
を規定量添加し、アクアテックミネリッチアクアーレを水量50Lに対して30〜50mlを週に1回添加します。その他、kH値の低下を防ぐため、kH上昇材を大まかですが添加し
ます。
KH値は、特にカルシウムイオン濃度が高い水槽では、これと結合して炭酸カルシウムとして沈殿してしまい、なかなか上がりにくい場合があります。この場合、kH上昇材を
断続的に多めに使用して、カルシウムを下げながらKH値を維持することをお勧めします。
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サンゴと水流について
サンゴを飼育する際、必須となるのが水槽内の水流です。サンゴにとっての水流は、水を体内に取り込むために必要であったり、光合成によって発生した有機物が体外に溢
れたものを順次洗い流すためなどに役立っていると思われ適正な流れの中に置いてやる必要があります。
システム的な面で考えますと、水流を発生させためには水中にパワーヘッドなどを設置しますが、これは水温を上げる副作用もあるためできるだけ効率的に水流をつくり、ま
たメイン循環ポンプの作る水流だけで補うなど、水槽設置時から考えておくことも必要かと思います。(小型水槽ではあまり問題にならないことかと思います。)そして各種好む
水
流と許容範囲が違います。詳しくは、各種図鑑に記述しておりますのでご覧下さい。
サンゴに適正な水流がわかりにくいですので、図解で出来るだけわかりやすく解説をするため簡単なCGも使って解説をつけております。
(データが重いため、別ページにさせてもらいました。こちらをご覧下さい)
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照明について
好日性サンゴは、体内に共生している褐虫藻を養い、またそれからエネルギーをもらうため照明が不可欠になります。
サンゴのための照明は、一般的にメタルハライドランプ(以下メタハラ)が好ましく、また場合によってはそれでないと飼育が難しいと言われることもありますが、浅場系のミドリ
イシなどのSPSや多くの光を必要とするシャコ貝を除き、多くのLPS,ソフト、またイソギンチャクも殆どの種類が水深45cmまでの水槽では蛍光灯で充分に飼育可能です。
むしろ優しい光の蛍光灯の方がどちらかといえば向いている場合もあるといえるでしょう。
その中で、ソフトコーラルでも、チヂミトサカなど、トサカの仲間だけがやや強い光を要求しているように思います。また全体的に水槽に収容した直後など、サンゴの状態が完
全でないときはできるだけ明るめの照明(ランプ)にしてやったほうが良いようです。
光が多く必要な物は、できるだけ光源に近いところにおくようにしましょう。蛍光灯の本数と種類にもよりますが、各サンゴに適応したランプを使っている状態で、水深を35cm
以浅に置くことをお薦めします。これは単に水槽の深さだけでなく、底砂やレイアウトで調整することが可能です。
☆蛍光灯、メタハラなど器具についての記事は飼育器具のコラムに詳細や測定結果などがありますのでご参照願います。<(_
_)>
サンゴを飼育する際の蛍光灯のランプの数、種類と組み合わせ
蛍光灯のランプは各メーカーさんから色々なものが出ていますが、大きく分けて白色系(3波長昼光色)、赤っぽい色の植物育成(鑑賞魚用)系、ブルー系の3種があり、最
近ではこれらそれぞれの間くらいのランプ(ブルーホワイトのような)も登場しています。
ランプの選択と組み合わせは、通常、蛍光色を持つサンゴほどブルー系ランプを使用しないと蛍光色が維持できないのですが、明るさは白色系の方が2倍程度高いため、
2灯式の蛍光灯器具で飼育する場合、ランプの組み合わせがよくわからないときは片方を白色系、もう片方をブルー系にしておけばさしあたり良いと思います。
| 水槽の大きさ |
必要な蛍光灯のW数 |
| 30*20*20cm |
13W以上 |
45*30*30cm
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30W(15w×2本など)以上 |
| 60*30*36cm |
40W(20W×2本など)以上 |
| 60*45*45cm |
60W(20W×3本など)以上 |
| 90*45*45cm |
90W(30W×3本など)以上 |
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<適応するランプの組み合わせ例>
2灯式、3灯式の場合を考えています
W:ホワイト系 R:植物育成系 B:ブルー系 |
飼育に適するサンゴの色
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@W+W(+W) AW+R(+B)、など
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ブラウン・白色・肌色・褐色のサンゴ(蛍光色を持っていない種)
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BB+W(+B) CW+B(+R)、など
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ブラウンとグリーンの蛍光色、パープルのサンゴ
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DB+B(+B) EB+W(+B)、など
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グリーンの部分が大部分のサンゴ
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FB+B(+B)、など
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レッド、イエロー、ブルーの蛍光色をもつサンゴ
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他注意点など
・コケの問題
水槽には不要なコケが生えます。これは光だけでなく、水質やコケを食べる生き物の有無でも大きく変りますが、ここでは照明についてのみ考えます。
よくリビングなどに水槽を置いている場合、朝に電気をつけて、夜遅く消すことで、照明時間自体があまりに長すぎる場合、また、水槽の電気を消しても部屋の電気が遅くま
でついている場合が長いと、段々とサンゴが不調になる場合もあるようですので、その場合は水槽にカーテンやついたてをつけて、夜は出切るだけ真っ暗にするようにした
方が良いようです。 水槽のライトの照射時間が短くても、水槽を置いている部屋の照明がついていたり、水槽のライトと差し込んでいる自然光の時間差があって結果として
水槽に弱い光でも当たっている時間が長いとコケや藻を発生させてしまうようです。岩やガラス面に薄くへばりつくコケはともかく、糸状の藻はどうやら有害物質も出している
らしく、生えてくると明らかにサンゴの状態が悪くなります。
水槽に何らかの照明が当たっている時間は、合計12時間以内が良いでしょう。 ほか、水槽のコケ対策はこちらをご覧下さい。
・照明つけっぱなしは1日でも絶対危険。サンゴが死にます。タイマーの使い方にもご注意を。
サンゴに対して一晩中電気がついていると、まず間違いなく生理作用が狂って死んでしまいます。1日でもかなり異常になってしまいますので絶対気をつけましょう。
よくありますのが、タイマーを使っていて、照明が切れている時間なのに、なにかの用事でタイマーのONボタンで押して照明をつけ、そのまま付けっぱなしになってしまうこ
とです。タイマーのONボタンは極力使わないことを自分に義務付けましょう。(私は何回もやってしまいました。)
タイマーを使うこと自体は絶対賛成です。サンゴの規則正しい生理作用を促すため、ぜひお勧めです。
最近はホームセンターなどでも、¥1000もしない安価なリーベックスさんなどのタイマーがあり、私も多用させてもらっています。
・漏電、感電にご注意を
これは蛍光灯器具で多い事故ですが、器具類の中でもっとも漏電しやすいのが蛍光灯器具です。ヒーターは壊れない限り漏電しませんが、蛍光灯は普通に使っていても
蛍光灯の端子に塩がついて感電してしまうことがありますので、手入れをしておくことと、もともと海水がつかないようなセッティングにしておきましょう。
また、もし蛍光灯器具が大きく海水をかぶってしまった場合は、まずコンセントなどすべてはずし、屋外で本体ごとホースで水をよくかけて洗い、(このときは内部にも水がよ
く入るようにして洗い流します。複雑な器具の場合、分解して洗った方がほうが好ましいです。)あとはよく水を切って機械を立てて、風通しの良いところに5日間以上置いて
完全に乾燥させてから使用しましょう。
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サンゴと一緒に飼う魚
サンゴを飼育する水槽で魚もたくさん入れたいのは山々ですが、下のような問題・注意点があり、種類・数を限定すべきです。
ただし、水槽内に最低1匹はなにかの魚がいないと、ヨコエビなどの小さな生物が昼夜をとわず横行し、サンゴを害しますので最低水量50Lに対して1匹は入れるようにし
ます。
・サンゴと魚の同居の問題点
@魚の遊泳・・・・・・魚が泳ぎまわることでサンゴに接触し、双方に悪影響があります。大きく、元気な魚は基本的に向きません。
通常、これらの魚を入れば入れるほど、サンゴの開きは悪くなります。
A魚の病気・・・・・・サンゴ・無脊椎水槽では魚の白点・ウーディニウム病などの確実に治癒できる治療薬は基本的に使えませんので、病気にかかりやすい魚は避けた方
が懸命です。
B食害の問題・・・・魚がサンゴをつついたり、食べることでの問題です。
C水質悪化・・・・・・魚がおおければ、必然的にエサが多くなり、水中の硝酸塩などが増えやすくなり、結果コケの増殖も招きやすくなります。
・サンゴとの同居に特に向かない魚
チョウチョウウオ・ヤッコ・ハギ・ハコフグ・フグの仲間は、白点・ウーディニウム病などの病気にかかりやすく、上の@〜Cをすべてはらんでいます。
魚専用水槽のように薬品を入れて治療でませんので控えた方が懸命です。また、これらの多くがサンゴを食害することも問題です。
また、クマノミ類は特にハナサンゴ、ハナガササンゴ、ナガレハナサンゴなどのLPS類にはイソギンチャクへの共生(寄生)同様に入ろうとする習性があり、これをされると
サンゴは非常に悪い影響を受け、長期的・短期的にだめになってしまう場合が多いです。クマノミ類はこれらを飼育している水槽には基本的に飼育は控えることを強くお勧
めします。
・サンゴに害の少ないお勧めの魚種
全長6〜7cmまでの遊泳型・底棲性のハゼ、クレナイニセスズメなどの小型のニセスズメの仲間、ヨウジウオの仲間、マンダリンフィッシュなどネズッポの仲間、小型のベ
ラ程度です。やはり「サンゴと同居できない魚が多い」というイメージはなく「同居できる魚は極一部である」という認識が重要かと思います。
LPSは上記Bの魚が好んでつつくものが多く、これはオオバナ、コハナガタ、ハナガタ、アザミハナガタなどが顕著です。狙われるとすぐに弱って死んでしまいます。
逆に、LPSの中でも比較的サンゴとの同居にまだ向いた種を上げますと、バブルコーラル、パールコーラル、アザミサンゴ、タバネサンゴなどです。ただ、これらでも魚によっ
てはきまぐれでつつくものも居りますので、個体差があります。
・魚との同居に向くサンゴ
まず、ハードよりソフトの方が色々な意味で丈夫で鈍感であり、向いています。また、以外にSPSは上記の@、Bには強く、水質さえ維持できるなら以外に向いていると
考えています。(したがって、サンゴの中で魚との同居を一番注意すべきは、概してつつかれるショックなどで縮みやすいLPSであるといえるでしょう。)
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水槽内に発生する有害生物対策
ここでは、水槽に発生する色々なこまった生き物と、それを駆除してくれる生物、方法を紹介します。
@カーリー対策
1.ペパーミントシュリンプ
無脊椎水槽には、カーリーと呼ばれる茶色で0〜4cmくらいの触手の先が尖がった以下にも気味悪いイソギンチャクの仲間が増えることがあります。(似たようなもので、触
手の先が丸く、蛍光色ののっている綺麗な物はちがいます。)これは本当にこまったもので、魚が触れると死んでしまったり、人でも指を刺されます。また、本当に水槽内でで
きること程度ではまったく何をしても死なないという生物で、熱湯を吹きかけても、マラカイトグリーンの原液を注入しても死にません。除去しようとしてちぎればちぎっただけ増
えると言うこまりものです。ですがこれには、天敵がおりまして、カリブ便で輸入されるペパーミントシュリンプというエビが、喜んでこれを食べてくれます。食べている所をみた
ことがないという方が居られますが、こちらで明らかに確認しました。まるでラーメンをすするようにものすごいスピードで食べてしまいます。サンゴ水槽というか、無脊椎を収容
している水槽には、最低1匹はほしいところです。

(カーリー:正式名チギレイソギンチャクなど) カーリーにかかっていくペパーミントシュリンプ
2.専用の駆除薬・カルシウム添加剤による駆除(BL5号 実験と発見に掲載した内容です。)
他、昨今では専用の薬が市販されており、また一般的な無機系カルシウム添加剤
を注射器などでカーリーの体内にカルシウムの添加液
を直接注入すれば、ほぼ殺すこと
ができます。
ただ、生命力が極めて強いですので、大きな個体は
2回くらい注射しないと死なないものもおりますが、
他の方法には極めて強い耐性をもつ本種に大ダメージを
与えることができます。
Aコケ・藻 対策・・・ろ過・サンゴモエビ・コケトリ貝・ヤドカリ・フタイロカエルウオ・ヤエヤマギンポなど
水槽には色々な藻類やコケが生えてきます。特に糸状の藻は最終的にサンゴを包み込んで死んでしまうこともある上、非常に毒性の高い有害物質を体内に含むダイノス
と言われる藻だけでなく、どうやら有害物質を放出している様子があります。理由はこれらが生えてくるととたんにサンゴが不調になるからです。
当店も開店以来何年も悩まされましたが、あるときからほぼまったく生えなくなりました。
これらの藻類は、水質では栄養塩が多く、光が強いほど発生しやすくなるのですが、それ以上にろ過システムが重要なカギを握っており、物理的なろ過能力が高いことが
藻類の増殖の抑制に大きく関わるようです。

機関誌BL5号で実験をしました3水槽の、コケが生え始めた際に撮影した写真です。大きな違いが見られました。
ろ過+還元式はもっともリン酸塩が多く、水槽の壁面に緑色のコケが発生し、
水質ではもっとももっともリン酸塩が少ないベルリンに最初に糸状の藻類が見られました。
これらコケや藻類を食べる生物もかなり種類が多く、いずれも有効な対策になります。こちらに専門のコーナーを用意しておりますのでご覧下さい。
Bヒラムシ 対策
LPSの特にハナガサ、ナガレハナ系などに、ヒラムシと呼ぶ1〜2mmくらいの茶色のチョウチョウのような形をした非常に平べったい生き物が多数つくことがあります。これ
は、いきなりサンゴが死亡するということは無いのですが、だんだんと増えてきて最終的にサンゴの表面を被ってしまい、ついにはサンゴが開かなくなって死んでしまいます。
幸い、これはサンゴを淡水の中で軽く振るにつけることで綺麗に除去することができますが、非常に注意が必要です。
まず、多くの種類で絶対に連続で15秒以上淡水につけてはいけません。もし最初の15秒で除去しきれない時は、海水に30秒程度つけなおし、あらためてもう一度淡水浴を
おこないましょう。
例外として、SPS、コエダナガレハナのコロニー(単体)タイプ、アワサンゴの仲間は絶対に淡水浴をしてはいけません。組織が弱いため、確実に死んでしまいます。
これらの種の場合は、サンゴを水槽内に入れたままにして、淡水を入れた容器を水槽の上におき、エアチューブなどで淡水を水中で「サンゴの本体部分ではなく、伸びている
たポリプだけ」にゆっくりとかけ、ヒラムシを剥がすという方法をとります。本当はサンゴを別容器に入れてから作業を行う方がヒラムシを水槽外へ出せてよいのですが、サンゴ
を移し変えてしまうとそのときに閉じてしまい、ヒラムシを剥がせなくなるので難しいです。
生物では、マンダリンフィッシュの仲間が多少はヒラムシを食べてくれるようなのですが、個体差も多いらしく、食べない、効果の見られないものも多いです。
また、ブルーシースラッグという美しい青いウミウシがこれを食べてくれるのですが、残念ながらこれの飼育自体が難しく、実用的とは言いがたいようです。
もっとも有望なのは、ニセモチノウオという3-4cmの小さなベラで、これはまさしくサンゴにとってベストパートナーといえる魚ではないでしょうか。ヒラムシのけん制にかなり効
果があるようです。あまり食べている様子は無いのですが、本種を収容すると、ヒラムシが岩やガラスの壁面に隠れて出てこなくなります。また、水槽をあまり横行すると困る
ヨコエビも、ベラである本種の好物ですので大変強い牽制力があります。
また、これは他の方に教えていただいた事ですが、シャコ貝に湧いて血を吸う非常に小さな巻貝も駆除してくれるそうです。
Cウミケムシ
ウミケムシはゴカイの仲間で、細長い身体に非常に細かな繊毛のような足が生えている生き物です。大きさは、数mm〜大きなものでは水槽の中でも10cmくらいのものま
でおります。この繊毛のような足には毒があり、生体はもちろん、人間でもかるく触れただけで毒毛が乗り移るように刺さります。
実際には害虫だけではなく、砂の間を掃除してくれる益虫ともいえると思われますが、明らかに大きなものは見つけ次第、ピンセットなどで摘み取るか、岩ごと出して駆除して
おくことをお勧めします。隠れるのが上手で、すぐに岩の中などに入ろうとします。
よくあるケースが、ライブロックなどを取り出そうとして岩のその裏側におり、見えないところで手に触ってしまう場合です。ですからあまり見えない場所を掴むことは避けた方が
いいでしょう。
人間にたいしての毒性は、他の海の恐ろしい生物毒に比較すればたいしたことはなく、刺さった瞬間、「イタタ!」と痛みを感じ、その後数日間、触れた部分が痛痒い症状が
続きます。
私の場合の対処ですが、触って皮膚に毒毛が刺さってしまった場合、まずタオルで一方方向に軽く拭いて水分を出来るだけ取り、そしてガムテープや梱包テープの粘着部
分で一方方向にこすって取り除くようにしています。次に、消毒と、これはタンパク質性の毒であると思われるため、少し熱めのお湯に患部を1分ほど浸して、成分の分解(失
活)を促すと良いと思います。最後に、ステロイド系などの軟膏などを塗っておくと良いでしょう。
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ろ過方式(飼育システム)の選択
サンゴ飼育に向いたろ過方式について
サンゴそのものを飼育する際、SPSを除いてはあまりろ過方式にこだわる必要がありません。サンゴには、基本的に魚の白点・ウーディニウム病ような極めて罹りやすい寄
生虫病気の要素がなく、敏感な魚の飼育よりは水質や病気にはむしろ鈍感といえるでしょう。
サンゴは、給餌をして飼わなければ水を汚さない動物ですので、あまり強力なろ過は必要としませんが、最終的に蓄積してくる硝酸塩も可能な限り低濃度にする必要があり
ます。リン酸塩に関しましては、上記要求される水質A 硝酸塩濃度とリン酸塩濃度で示しましたように、SPS以外では増加を気にする必要がありません。
ただ、LPSやSPSは部分的に腐食し、死亡しだすと、細菌によって犯され連鎖的に最後はその個体が全部死んでしまうこともよくあります。それを引き起こす可能性は水中
の細菌数も大きく関与していると思われ、また一旦腐食が始まると水中にはそれによる細菌が増加します。これらを常に水中から取り除くためにもフィルターの物理
的な安定と精度も大変重要であると考えています。
当店では、LPS、ソフトを飼育する際はもっとも低コスト、手間のかからない方法として普通の好気ウエットろ過 + 還元ろ過を併用した方法をお勧めしています。
還元ろ過を使用した飼育について
還元ろ過飼育の場合、最初に何らかの還元ろ過のセットをしておけば、本来今までの飼育法では水中にたまっていく硝酸塩を、無害な窒素ガスとして空気中に発散させるこ
とができるため、基本的に水替えが不要になります。ただ、あまりにも長い間全く水を変えずにいますと、水槽内のイオンバランスが大きく崩れていく可能性も考えられますの
で、3ヶ月に1度に約半量、もしくは1ヶ月に1度1/3くらいの水替えをお薦めします。
さしあたり、お勧めのろ過方式
ここまでのことを踏まえまして、サンゴを中心とした水槽にお勧めのろ過方式を紹介します。
ご存知の方も多いと思いますが、普通の好気のろ過器・方式には、上部フィルター、底面フィルター、密閉式フィルター、オーバーフロー式、あるいはそれらの掛け合わせ、併
用など、色々な種類があります。実際にはどれも飼育が不可能というわけではないのですが、サンゴを飼育する場合、照明の点で水槽の上部をできるだけふさがず、そして水
流の作りやすい方法が有利です。その点、魚では有利な上部フィルターは比較的適当でないことになります。また、オーバーフロー式は濾過層の形状で色々な種類があるた
め、ここでは割愛させていただき、さしあたり以下、底面フィルターと密閉式フィルターのみの紹介とさせていただきます。
@底面フィルター (パワーヘッド、またはワンタッチフィルターに接続したもの) (+還元ろ過または水換え +エアーレーション)
とりあえず、サンゴ中心の水槽で最初のお勧めの方式です。サンゴ飼育における底面フィルターの使用は、底面フィルターの長所を生かし短所があまり目立たない方式と思
います。水流が作りやすく、水槽の上面もふさがず、またろ過能力の安定が極めて早く、その容量も大きいのが特徴です。
60cm水槽くらいまではできるだけワンタッチフィルターの、ポンプが外側についたものを使用すれば、ポンプの熱が水中に入ることも少なく好ましいと思います。
底面フィルターの短所は、掃除がしにくく、水槽の底や砂中にゴミや汚れがたまりやすく、掃除しにくい事ですが、餌をあまり与えないのでゴミの発生量が魚水槽のそれより
極端に少ないです。(もちろん長期に飼育すればそれなりにたまってきますが。)そして、砂の中にヨコエビなどの微生物が繁殖し、砂の目詰まりをなくしてくれます。
結果、蓄積してくる沈殿物は少しずつ水槽の最も底の部分僅かずつにたまってきますが、実際にはあまり問題になりません。
なんらかの理由でフィルターの下を掃除しなければならない必要が生じた場合、水槽の中を全部出す必要がありますが、その後空運転での際安定も大変早く、ほぼ1日で
最低限のろ過能力が戻ります。これはポンプの吸水方向・力によってろ材に細菌が定着しやすいためと考えられ、他のフィルターでは見られない安定の早さです。

(底面フィルターの概要)

例1 (60*30*36cm水槽) 底面フィルターの上に3cmのウレタンろ材、小豆大サンゴ砂を敷き、底面フィルターにワンタッチフィルターを接続した例です。

例2 (120*45*45cm水槽)底面フィルターの上に3cmのウレタンろ材、小豆大サンゴ砂を敷き、中央の奥に底面フィルターに接続した
毎分13Lのパワーヘッド(RIO800)がついています。右の側面つけているのは水流追加用のRIO180です。
(当店の過去在庫水槽)この状態で2年間掃除は行わず、水換えは入荷・発送で増減した分を調整した分のみです。(1ヶ月、1割程度)
A密閉式フィルター を利用した方式 (+還元ろ過または水換え +エアーレーション)
当方では、普段底面ばかりお勧めしていましたが、もちろん密閉式フィルターによる飼育も可能です。
注意点は、本体が細長いフィルターのため、使用に伴って最初にセッティングした時より目詰まりによって流量の低下がおきやすく、それ自体は別に致命的な事にはならない
のですが、それによって発生させている水流の力がいつのまにか低下していることです。そして、それを回復させるためやむなく清掃を行うと、ろ過能力が一気に落ちるととも
に細菌が水中にでてしまい、安定が崩れるおそれがしばしばあることです。
これの緩和策として、掃除を行って元通りろ材を戻した本機を、一旦、入水口と出水口をじかにホースで接続してろ過機内だけでたとえ10分間だけでも回転させ、内部の細
菌や浮遊物をほとんどフィルターにかけてから、本水槽に元通りセットして使用すると影響が全然違います。
また、水槽立ち上げから安定までが意外に時間がかかります。これは細いろ過機内に強制的に早い水が流れるため、細菌の定着がやや遅れがちなためと思われ、立ち上
げ時はあまり急いで生体を入れないように注意しましょう。
Bベルリン式
この方式は、これまでの物理・生物濾過層を使用せず、できるだけ強力なプロテインスキマー(以下スキマ−)のみを用いて予め汚れを徹底して取り除き、あとはライブロック
のもつ生物ろ過能力(硝化+還元)を利用して水中の硝酸塩を除去する方法です。通常、ろ材のサンゴ砂などから発生しやすいリン酸塩を低く保ちやすいという点では、あきら
かに抜きん出た方法だと思われ、その意味ではミドリイシなどSPSの飼育に特化した方法と考えております。
逆に、上記要求される水質A 硝酸塩濃度とリン酸塩濃度でも触れましたように、LPSではかえって飼育がしづらくなるものもあるため、LPSやソフトしか飼育しないので
あれば、あえてこの方法を取られるのはやめたほうがよいと考えます。
有機物の除去をスキマーにほぼ頼っているため、これは強力なものほど好ましく、一般的な各スキマーの通常の水槽での使用容量の3〜4分の1程度で使用する必要があ
ります。すなわち、通常の使用法(ろ過の補助などとして使用する場合)なら400L程度の対応のスキマーならベルリン式では100Lほどの水槽で使用する必要があるという
ことです。
(スキマーには、エアーリフト式、ベンチュリー式、ディスパーセレイター式、ベケット式など種類がありますが、ここでは割愛いたします。)
この手法はミドリイシの飼育に特化的と申しましたが、ミドリイシの飼育自体があまり初心者向けと言いがたい上、この手法ははじめて飼育される方にはあまりお勧めできか
ねる方法と思います。昨今は減りましたが、以前はベルリン式でなかなかうまく行かないという方の相談を数多く受けました。ゆえに、当方などはどうしても慎重派になります。
好気的な生物濾過器というものをはずしてしまうと、たとえば水槽内で生物が死亡したりして水質が急変した場合、ライブロックだけでは浄化が間に合わ
ず下手をすると水槽内の生物を全滅させてしまう可能性が高くなります。
当方でも今、ベルリン式の水槽を実験的に1個所有しております。スキマーが小さいことも原因の一つであったと思われますが、充分に安定した状態でも、入荷したミドリイシ
が1個死亡したとき、残り9割の個体に影響を与え、巻き添えにして死亡してしまったことがあります。
他、リスクとしては問題にならない場合も多いですが、添加剤も水槽内に投入しているもののうち、サンゴや有効な細菌にしようされる前にスキマーで除去されてしまう部分
も多くカルシウム値なども下がりがちになります。また、物理的フィルターが無いことは糸状の藻類、コケの発生も招きやすい面があります。
立ち上げに関して ライブロックのキュアリングが十分でないと最初の立ち上げ時に失敗し、いつまでも水が汚れた状態が続いてしまいます。
やっと安定したと思ったら、ライブロックの表面の生物がほとんど死んでしまい、硝酸塩などが多量に溜まってしまうという結果にもなりますので、この方式を採用される際は、
どうか十分にキュアリングがされたライブロックを使用されるか、好気的なろ過器の付いている水槽で十分にキュアリングを行ってから、ご使用されることをお勧めいたします。
ライブロックは、キュアリングが充分に行われていれば水槽立ち上げ時から最低限の安定を得ることができ、水も透明になりますが、これはフィルターがある場合にくらべて
弱い安定になりますので、くれぐれも特に最初は生体を入れ過ぎないように注意が必要です。また、ライブロックの硝酸塩処理能力を超えない範囲で生体を収容することが大
事です。

(ベルリン式の概要)
(ご参考までに)
下の写真は、機関誌BL5号で掲載しておりました3種のOF式によるサンゴ飼育における比較実験を行った際のシステムです。 一番右がベルリン式になります。
通常は、飼育水槽にライブロックを入れますが、このときは実験のため濾過層(ベルリンでは単に水をためるサンプ)にライブロックを収容しています。

ベルリン式のサンプ 右奥に見えるのがスキマーです。

各システムの成長の様子(機関誌5号より抜粋)
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比重について
サンゴにあった比重(ソフトとハードは実は微妙に違う)
サンゴだけでなく多くの無脊椎動物は魚と違ってやや高比重の濃い海水を好みます。無脊椎動物の体液の濃度は、魚とは逆に海水より濃いため、やや高い比重での飼育
が状態が良いようです。比重の値はディープシックス比重計で1.022〜1.024(インスタントオーシャン比重計では1.025〜1.027)程度が良いでしょう。
比重計には、機種によってかなり差が認められます。こちらの飼育器具類のコラムに掲載をしておりますので、ご参考になりましたら幸いです。
(※本ページの記事では、使用されている方の多いディープシックス比重計の値を以後採用するものとします。)
さらに厳密には、ソフトコーラルは1.021〜1023、ハードコーラルは1.023〜1.025程度を好むようです。
ソフトコーラルのうち、特にトサカ類はハードコーラルより高比重に弱いため、上がりすぎにご注意ください。
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水温について
一般的な好日性サンゴはソフト、ハード双方で25〜28℃がもっとも適温です。許容範囲内は24〜28.5℃程度です。
また、魚ほどではありませんがその水温に適した褐虫藻が繁殖するため、長期的な”慣れ”も見られます。
(ご参考までに、陰日性サンゴは、20〜27℃程度、特に近海で取れるイソバナなどは24℃くらいまでに抑えた方が良いでしょう。)
特に輸入直後のLPSでは、水温が23℃以下では明らかに不調になってしまう種類があるため注意が必要です。
水質が非常に良い場合、一部の種を除いてLPSでは約29℃まで耐えられます。さらに、ハナガササンゴ、バブル、コエダナガレハナなどは、30℃でも耐え、全
開になっている記録があります。 ただ、この間開きすぎて共肉が骨格から外れてしまう現象がみられることがあります。(特にコエダナガレハナのブランチなど)ストロンチウ
ムなどのミネラル分を充分に補っておきましょう。
サンゴ本体と、共生している褐虫藻が好む水温が多少違うようです。光合成は温度が高い方が効率が上がり、逆に水温が低いと著しく活動が悪くなります。水温が低いと
サンゴが不調になるのは、おそらくこのためと思われます。
ただ、水温が高いということは細菌類の繁殖力も高まる上、光合成で産生される有機物の量も増えるので、腐食が置きやすくなるのも事実です。
一般論と相違がある理由 密漁・違法の日本近海産ハードコーラルは、23〜25℃が適している
サンゴのを飼育する水温には、色々な意見と情報が交錯しています。
「24℃くらいが良いと言われたので飼育しているのですが、サンゴが不調です。どうしてでしょう。」という質問が以前数件寄せられました。
この水温に関する誤解は、非常に罪深いものがあります。お客様の間でも、サンゴの飼育水温が23〜25℃が適温であるという情報を得たのに飼育が上手くいかないという
上記のような質問が当方にも寄せられます。23℃では、輸入直後のバブルコーラルなどLPSの一部で、すでに飼育が難しくなります。
毎度嘆かわしいことですが、違法採取が激しく行われている四国・和歌山沖など、本州近海の水温は確かに熱帯のそれよりも低いですので、上記のような水温で飼育する
ことが適しているという事実があります。
スキューバダイバーさんなどのページをぜひ見てみてください
サンゴ礁豊かな赤道付近でダイビングをされ、各地のサンゴ礁の状態や水温を明確に記録されている方のページはたくさんあります。ぜひ一度ご覧下さい。水温は季節
によって29℃〜30℃にもなっていることがよくあります。また、当方が関係している卸業者さんの情報では、コエダナガレハナクリアーグリーンの原産地の水温がも、29℃
程度にまでになっている場合もあるそうです。こういった品種を飼育する場合、かえってこのような水温が必要なのかもしません。
当方の過去の高水温実験
以下の写真は、当方の在庫水槽で水温が29〜31℃の状態になった際の状態です。このような水温が長期に続くことはよくないと思われますが、種類によっては耐えられる
ものも多いということと、いきなり死亡することは少ないです。むしろ、ハードコーラルの方が高水温に強いものが多い印象があります。

水槽1(水温29℃) バブルコーラル、ハナサンゴ、ベニウミトサカなどを飼育していた水槽


水槽2(水温30.5℃) ハナガササンゴ、チヂミトサカ、アザミハナガタ、タバネサンゴなどを飼育していた水槽
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サンゴ同士の接触にご注意
サンゴは基本的に同種意外は接触をすると刺胞でどちらかが傷ついてしまいます。また、特に一部のハードコーラルは他のサンゴを攻撃する専用のスイーパーポリプという
長いポリプを出す場合がありますので、十分に注意が必要です。
そのなかで、サンゴの種で近縁・また例外的に大丈夫な組み合わせがあります。当店で確認しているものを以下にあげさせて戴きます。
この他は基本的に避けた方が良いいです。たとえばコハナガタとオオバナなどは、お互い昼間の膨らんでいる風船のような部分が触れるのはなんともないですが、夜間に出
すイソギンチャクのような触手は毒性が強く、触れると良くないと思われます。ソフトコーラルも一見毒性などなさそうに思いますが、表面に粘液毒がありチジミトサカでもミドリイ
シなどを溶かしてしまいます。
接触しても大丈夫な組み合わせ
@ナガレハナ・コエダナガレ・ハナサンゴモドキ
ナガレハナサンゴ・コエダナガレハナサンゴ・ハナサンゴ(モドキ)※は接触は大丈夫なようです。※ハナサンゴには、ハナサンゴとハナサンゴモドキがあり、前者はポリプの
先端が球体で、ポリプが細く、長く伸びている印象のもの、そして後者はポリプの茎が比較的太くてイソギンチャクのような形状のもので、ポリプの先端が若干平べったく潰れ
た形状ですが、判断は難しいと思います。一般的な普通のハナサンゴ(前者)の方が流通が多いようですので、できるだけ他の種類とは接触しない方がよいでしょう。長く細
いポリプがスイーパーポリプであるように思いますので、特に注意が必要です。あと、オオナガレハナサンゴ(トランペットコーラル)は近縁種ですが、刺胞毒が強いのでこれら
との接触は不可能です。

ハナサンゴには刺胞毒の個体差、またハナサンゴ・ハナ
サンゴモドキという近似種があるようです。 |
ナガレハナ、コエダナガレは接触してもなんら問題あり
ません。
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Aハナガササンゴ・アワサンゴ・スリバチサンゴ
ハナガササンゴとアワサンゴは同じハマサンゴの近縁種であり、大丈夫です。スリバチは当方が実験したのは、オオスリバチだけですのでご注意ください。
Bバブルコーラル・パールコーラル(オオハナサンゴ)
これは極近縁種ですのでまったくOKです。
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サンゴへの給餌について
サンゴへの給餌は論議の分かれるところです。光合成をしない陰日性サンゴには必須ですが、当店では、多くの光合成をするサンゴでは与えないほうが良いという結論をも
っています。給餌自体が、サンゴのストレスになっている場合があるということと、摂食後、吐き出すものがサンゴの組織に腐食を起こす原因になったり、水を汚すということで
す。また、光合成と添加剤によるミネラル分の補給だけで充分に成長することを確認しております。
当店では水替え・給餌一切なしの状態で、実験飼育をしております。下の写真は当方の実験水槽のひとつですが、左の写真が2005年5月ごろ、右がつい先日2006年3
月当初の写真です。オオバナレッドとコハナガタを継続的に飼育しておりましたので、成長によるの差が確認できました。
他の種は、移動したりしたものもありますが、ほぼすべての種が給餌しなくとも十分に成長が見られます。
→ 
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人工海水について
→こちら、飼育器具のコラムに移りましたのでご参照願います。<(_
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