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| 携帯電脳価格評論(98年冬) | ||||||||||||
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(とくに断りなき限り、価格は消費税別で、千円の位を四捨五入しています。)
デスクトップPCの世界では、互換CPUメーカーを振り切るためにインテル社が高性能CPUの供給を加速したこともあり、ペンティアムIIを450MHzで動かすマシンがあっという間に本体価格20万円を切ってしまいました。今年の冬のボーナス商戦では、20万円も出せば、CRTモニタ込みでMMXペンティアム266MHzのマシンを買っておつりが来る状況になっています。2年前(1996年)の冬のボーナス商戦ではノーマル・ペンティアム133MHzがモニタ込みで約20万円、昨年(1997年)はMMXペンティアム166MHzのマシンが同じくらいの価格でしたから、この1年間の価格・性能比の向上は目ざましいものがあります。
これに対し、CPUモジュールに対する電力面からの制約が厳しい携帯電脳界では、各社の旗艦モデルでも永らくMMXペンティアム266MHzより高性能のマシンは出ていませんでした。ペンティアムIIになってCPUのパッケージが大型化してしまったっため、これまで台湾のノートPC・メーカーが得意としていたデスクトップPC用のCPUを強引にノートPCに詰め込むという力技が効かなかったこともあり、ノートPCのラインアップはデスクトップPCと比較して大きく見劣りがするようになっていました。ソニーのVAIO 505シリーズが消費者の支持を受けたのをみて、各社とも一斉に薄型メタリック筐体ノートPCという「性能よりオシャレ」路線に走ったのも不思議はありません。
ところが、ここへきてようやくペンティアムIIの携帯PC仕様モジュールの供給が潤沢になってきた様子で、各社の旗艦モデルとしてペンティアムIICPU搭載マシンが続々発表・発売されるとともに、これまでハイ・エンドだったMMXペンティアム266MHzを搭載したマシンの価格下落が始まっています。1998年冬の携帯電脳価格評論はここに着目です。
では、冬のボーナス商戦の価格動向を占ってみましょう。
上記のように、ペンティアムII搭載マシンが発売され、微妙な状況にあるのがこれまで旗艦モデルとして販売されていたMMXペンティアム233〜266MHzクラスのマシンです。旗艦モデルとして40万円を超える希望価格を付けていたのと同様の仕様のマシンが一気にボリューム・ゾーンで供給されるようになった訳ですから、旧モデルの生産自体は終わっていることが多いでしょうが、どのように在庫を処分していくか、メーカーとしては思案のしどころでしょう。次のセクションでコメントする三菱のように一気に売り切るのもひとつの選択でしょうが、これをやると既存ユーザーの離反を招くおそれもありますので、難しいところです。
このクラスのマシンの中で、今冬の価格動向の基準となるレファレンス・マシンとしては、IBMのThinkPad i 1400シリーズ(TP1400)とソニーのVAIO 505シリーズを挙げたいと思います。両モデルとも、圧倒的な価格面競争力があり、今後の価格動向の基準となるマシンです。まず、TP1400については、その上位モデルで1024x768のTFT液晶パネルを装備したMMXペンティアム266MHzのマシンに約27万円という値札が付きそうな状況です。IBMの伝統である手堅い作りのマシンで、携帯電脳としてはやや重たすぎますが、デスクトップPC代替としては全く不足がないといえるでしょう。
他方、ソニーのVAIO 505シリーズについては、最廉価モデルとしてペンティアム233MHzのマシンを約20万円で投入してきた点が注目です。なぜソニーがここまで思い切った価格を付けてきたかは想像するしかありませんが、東京の店頭では品切れ続出で、オシャレ度100%プラスお買い得感、というこのシリーズが得意とするツボはひとまずおさえることに成功した格好です。
これら両モデルが各社の価格戦略に大きく影響するのはほぼ間違いないといえるでしょう。A4サイズ3kgのノートPCを考えると、800x600のTFT液晶パネルと2GBのHDDと内蔵CD-ROMという基本仕様をベースにして、MMXペンティアム搭載のマシンであれば、CPUのクロックの「9掛け」を千倍したのが店頭価格になる、といってよいかもしれません。液晶を1024x768にすればプラス3万円、本体をB5、1.3kg未満まで小型化すればプラス3万円、CD-ROMが内蔵でなければマイナス1万円といったところでしょうか。
ペンティアムIIの266MHz版を搭載したハイエンド・マシンについては、40〜50万円前後という価格帯が予想されますが、携帯電脳として売れ筋とみられるMMXペンティアム233から266MHzマシンについては、秋口の価格と比較して大きな価格の下落が期待できます。
まず、先陣を切ったのが松下と三菱です。松下については、A5ファイルサイズのレッツ・ノート・ミニM32が10月の後半から大量に放出されており、12万円前後の報告もみられる状況です。秋葉原の店頭では依然として16万円くらいの値札が普通ですが、今となってはMMXペンティアム166MHzというのは(マニアでない)普通の消費者に対する訴求力が弱いので、今後、在庫が残っていれば、年末の特売の目玉として99,800円の値札が付くのはほぼ確実でしょう。使いやすいトラックボール、拡張性(メモリは最大160MBまで搭載可でHDDの換装も容易)、実用上十分な速さ、と3拍子そろったマシンですので、このお値段でみつけることができればお買い得でしょう(ただしFDDが別売である点には要注意)。また、ちょっと大き目のB5クラスのMMXペンティアム200MHzモデルについても、今後、16万円前後で放出される可能性は大きいとみています。
次に、三菱については、11月第1週のAmity CNとペディオンの新モデル発表に合わせ旧モデルがこれも大量に放出されました。Amity CNについては、MMXペンティアム166MHzにWin 95(プラスMS Word97とExcel97)というモデルが13万円、MMXペンティアム200にWin 98(ただしMSのアプリはナシ)というモデルが16万円、という価格で各店に並んでいました。また、ペディオンについては、本体のみのWin 95モデルであれば、MMXペンティアム233MHzで15万円という、驚異的なお値段で出ていました。ペディオンについてはあまりお勧めできません(あのデザインをご覧になって「欲しい」と思われた方以外は購入しない方が無難です)。しかし、Amityについては、電池による駆動時間が短い等、松下のM32とは違ったコンセプトですが、最近の薄型ノートPCで必需の「IOボックス」なしに各種IOポートが使えるのは魅力的で、このようなお値段なら購入して損はないマシンでしょう。
さて、台風の目のソニーです。初代VAIOが品切れ続出で店頭に満足に並ばないうちに生産完了になってしまったのは記憶に新しいところですが、その後のモデルでは生産台数と需要の予測が若干甘かったとみえます。このため、品物の数はさほど多くありませんが、EX/64というMMXペンティアム200MHzのモデルが店頭に18万円台で出ていたりします。またMMXペンティアム166MHzのモデルなら16万円くらいが相場でしょう。冬モデルの攻撃的な価格戦略は、このような過去のモデルの売れ残りの反省に基づいているのかもしれません。
最近店頭に並ぶ製品について今一つマニアの評判がよくない東芝製品については、旧型筐体を流用したリブレットのDoCoMoバージョン新発売が話題になっています。このモデルは、発売元のこれまでの行動パターンからみて、価格の急速な下落は必至ですので、お買い得品マニアにとっては赤丸を付けておかなければならないでしょう。秋葉原では20万円横並びですが、新宿のカメラ量販店ではすでに16万円(さらに「ポイント・バック」あり)という値札もあります(ただし、これは発売当初のリベート狙いの可能性もありますので持続するかどうかは保証の限りではありません)。これ以外のモデルについてもそれなりの価格の下落がみられます(たとえばMMXペンティアム233MHzのSS3000で20万円程度)が、バーゲン・ハンターにとっては、旧シリーズを含む厚型ノートPCが注目です。ペンティアムII233MHzを載せたサテライト4000が22万円(11月13日現在、20万円のショップがありました〈98/11/13付特報参照〉)のほか、Tecra 740というMMXペンティアム166MHzをCPUにして1024x768TFT液晶を載せたモデルが18万円というのもあります。携帯にやや不適とはいえ、お財布にはやさしいノートPCでしょう。
この他の携帯電脳クラスの注目機を概観すると、IBMのThinkPad 235等、いわゆるチャンドラIIについては、登場時こそ23.5万円という競争力のある価格だったものの、現時点ではMMXペンティアム233モデルが21.5万円と、3つのPCカード・スロット、「汎用」ビデオ・カメラ用バッテリの使用等、機能に惹かれるマニア以外にとってはややお買い得感が薄くなっています。富士通のBIBLO NCシリーズについては、「520」と「620」モデルこそそこそこ売り切ったものの、「313」というMMXペンティアム133MHzモデルが未だに12〜13万円でしこっている状況です。上記のように、MMXペンティアム166MHzのマシンの価格が急速に下落していると同時に「720」というMMXペンティアム200MHzモデルの価格も下落傾向(20万円程度)にある状況では、313はもう一段の下げがないと価格面での訴求力はないでしょう(月内に99,800円か)。
このほか、NECについてはLB20シリーズというMMXペンティアム200MHzのモデルが18万円程度になっており、このメーカーの製品のモデル末期の価格動向からみてもう一段の下落があるかもしれません。すでに一部では市価4万円程度のCD-ROMベースを付けて21万円という価格も登場しています。このような状況では、シャープと三洋の薄型ノートPCについては、価格・性能比でそれほど魅力を感じないのは筆者だけでしょうか。なお、このような激戦区にカシオペアFIVAという超軽量マシンを引っさげて初登場するカシオですが、MediaGXという互換CPUが響いて、当初予定していた20万円強の価格設定は難しいかもしれません。
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