セカンドウィンド−快適な呼吸がやってくるとき−

人は運動を始めた直後には、すぐには適応できません。
セカンドウィンドとは運動開始後に体がその運動に適応すること・その時のことです。
ランニングを例にとって走り始めからセカンドウィンドが訪れるまでを説明します。
その前に、運動と呼吸について説明します。

まず、グラフを見てください。これは運動に必要な酸素の量と体が取り入れることのできる酸素の量を表しています(縦に伸びる軸)。横に伸びている軸は運動時間を表しています。

400m走の必要酸素量と不足酸素量

ここでは 400m走・1500m走・ジョギングを例にとっています。400m走と1500m走はそれぞれの距離を最高の記録を出そうと努力して走ったときに、必要な酸素と、実際に体が摂り入れられる酸素の量を表します。

それぞれの種目はオレンジ水色の部分を合わせた分だけの酸素が必要になります。水色の部分は運動中に体が摂り入れた酸素の量です。これを見てわかるように走り始めた直後は、まだ、からだが適応していないので、摂り入れられる酸素量は少ないです。よって、酸素の借り‐酸素負債‐を作って走っているのです。その借りは走り終わったら返さなければいけないので、たとえ立ち止まっていても息は切れたままなのです。運動後の呼吸は赤い部分です。

オレンジの分を返すためにい部分で息を切らせて返しているのです。

1500m走とジョギングの酸素摂取量と酸素負債ジョギングはゆっくり走るので、必要な酸素素は十分に取り入れながら走ることができます。よって、グラフを見てわかるように、走り始めてしばらくするとオレンジの部分は消えています。酸素の不足は走り始めのわずかな時間しか起きません。酸素の借り-酸素負債-は少ないです。

種目 世界記録 平均速度 この種目の特徴
400m走 47秒 時速30km

時速30kmで50秒近くダッシュし、走り終わってもゼーゼーと息は切れています。運動中に必要な酸素の量(1分間あたり)は最も多いです。

1500m走 3分28秒 時速26km

400m走ほど酸素(1分間あたり)は必要としませんが、それでも走り終わった後に息は切れます

ジョギング   時速7〜10km

上記の2種目に比べ1分間あたり酸素の必要量が少なく、呼吸はもっとも楽です。走り終わった後はそれほど息は切れず、すぐに回復します。

皆さんは、今までに、急に走ったことがあると思います。バスや電車に乗り遅れそうなときとか、遅刻しそうなときです。その時の皆さんの呼吸はどうでしたか?走り始めはまったく息が切れることはなかったと思います。これは酸素の借りー酸素負債ーを作ることで走っているからです。

走り始めは息は切れなくても、しばらくして息がゼィゼィしてきたと思います。筋肉も痛くなったと思います。つまり、酸素の借りー酸素負債ーはいくらでも作れるわけではないのです。

では、息が切れずに走り続けるにはどうしたら良いのかというと、それはいきなり運動をしないで、体を徐々に慣らしていくことです。準備体操をして、ゆっくり走り始めることで体は無理をしないですみます。


今までの説明でセカンドウィンドについてほとんどのことを書いてしまいましたが、さっそく本題に入ります。

セカンドウィンドを説明するグラフ
運動開始

この時、体はまだ運動に適応していないので酸素を十分摂り入れられません。

体は徐々に適応し始め、摂り入れる酸素の量も多くなってきます。

その摂り入れる酸素の量が運動に必要な酸素の量に追いついた時、この時をセカンドウィンドといいます。

運動を始めてから体がその運動に適応するまでに最低でも5分から10分はかかります。

セカンドウィンドが訪れた時の気分はすがすがしくて気持ちいいです。『このペースならいくらでも走り続けられる』という気分です。冬の寒い日もまったく寒さを感じません。息はハァハァしますがそれでも苦しいとは感じません。

運動を気分よく行うためにも、競技で良い記録を出すためにも、体がセカンドウィンドに到達していることが大切です。

そのためには、準備体操をするのがいいです。走る前に、まず歩き始め、そして、だんだん早歩きにして、それからゆっくり走り始めるのです。

階段状に運動を強くしていくこんな風に階段状に徐々に運動の強さを強くしていくのがいいです。そうすれば、体も少しずつ運動に慣れていくので無理をしないですみます。

では、運動の強いとか弱いとかいうのはどういうことなのでしょう?それを知る方法のひとつが心拍数を計ることです。

心拍数について書いたのでぜひ呼んでください。


おわりに

僕がこのセカンドウィンドという言葉を知ったのは2年生の英語の授業でした。初めて聞いた時はどういう意味かよく分からなかったです。でも、英文を読んでいくうちに分かってきました。セカンドウィンドという言葉を知らなかっただけで、体がそういう反応をするということは知っていました。

僕の読んだ本には、セカンドウィンドについてこんな風に書いてありました。

運動し始めたころは楽です。それから苦しく感じます。けど、ゆくゆくは十分な酸素を摂り入れられるようになります。突然、良い状態になります。これがセカンドウィンドです。

この突然、良い状態になります。というのが僕には信じられなかったです。『そんな大げさな...』って思いました。でも、良く考えると、確かにあのよい気分はいつのまにかやってきてたりします。気付くと苦しさを忘れてたりします。これがセカンドウィンドかな?って最近思います。

きちんと準備体操をして、今回説明したように運動を徐々に強くしていけば、決して苦しい思いはしないと思います。心地よい風を感じるでしょう。

運動は体にいいです。ごはんもおいしく食べれるし、夜もぐっすり眠れます。これを読んでくれているあなたも、走ったり、泳いだりしてみて、ぜひセカンドウィンドを体験してください。


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1999/2/2