[SSC LogoMark] [GPZ900R] トップページ > カメラ > ミノルタ ハイマチック7Sの分解

ミノルタ ハイマチック7Sの分解

[ minolta HI-MATIC 7S ]

GPZ900R A12

ジャンクHI-MATIC7Sを入手して復活させる時に得た分解手順は以下の通りです。
自分が7Sを分解する時にネット上の情報を探したのですが、HI-MATIC Fなどと比べて格段に少ないので参考までに公開しておきます。(メカニカルレンズシャッター機種としては普通すぎる仕組みなので誰も公開の必要すらない常識的な内容かもしれませんが…)

【注意】
あくまでも素人が勢いにまかせて作業したので強引な手法・セオリー無視などがあると思うので本情報を用いて作業されても一切の責任を持ちません(持てません)のでご了承ください。
また、カメラメーカー側でネジ・ビスが接着剤などで固定されている箇所は振動対策のほかに「かまって欲しくない」「性能に大きく影響する」場所なので興味本位で外してしまうと「元に戻らない」可能性があります。
その点も理解した上で作業してください。



軍艦部の分解
minolta HI-MATIC 7S 巻き上げレバー・フィルム巻取りノブ部分の取り外しは他のカメラと同じ。
HI-MATIC7Sはフィルム巻取りノブを外すと見えてくるリングナットをカニ目などで回転させて外さないと軍艦部カバーが外れない。

minolta HI-MATIC 7S 巻き上げレバー・フィルム巻取りノブとリングナットを外したあとは軍艦部後部、および巻き上げレバー側の軍艦部側面のネジを2本外すだけ。(赤丸印の箇所)

minolta HI-MATIC 7S 軍艦部を外すときはレンズを天井に向け、レリーズボタンが落ちないよう軍艦部カバーを横に移動させるように外す。(これは他のカメラでも同じだと思う)
レリーズボタンの中のパーツには小さい平ワッシャがあるので注意する。
尚、ホットシューの裏側に配線が1本繋がっているので一気に外さず、ゆっくり行うこと。

minolta HI-MATIC 7S 軍艦部を外すと緑の配線が見えるが、これはホットシューに接続する配線。
配線はハンダなどで固定されておらず、金具が挟まっているだけなのでピンセットや爪楊枝などを使ってホットシュー側の金具を少しだけ浮かせ、リード線の先にある金具をスライドさせると外すことが出来る。
リード線の金具は画像のような形状をしている。

minolta HI-MATIC 7S 軍艦部カバーを外した後に、フィルム巻取りレバー側の支柱ネジを外しておいたほうがいい。
これを外さなくても各部パーツに影響は無いが、本体を逆さまにした時に支柱ネジが机などにぶつかって曲がる・折れるなどしてしまう可能性が高い。
マイナスドライバで回転させるだけなので外しておくのは簡単だ。

minolta HI-MATIC 7S 距離計は3本のネジで固定されている。
露出計の指針部分が重なるように配置されているので外すときは強引に作業しないこと。
また、3本のネジのうち1本は二重像の中央像を取り込むミラーの前にあるが、乱反射防止塗装が施されており他の2本のネジと違うので、組み付け時に注意すること。
尚、露出計と距離計はそれぞれ別々に外すことが可能なので距離計から先に外す必要は無い。

minolta HI-MATIC 7S 露出計は2本のネジで固定されている。
距離計側は短いネジ、巻き上げレバー側は長い支柱のようなネジだ。
但し、CdSからの配線は露出計へダイレクトに接続されているので完全に取り外すにはハンダこてが必要。




底部カバーの取り外し
minolta HI-MATIC 7S 底部カバーは2本のネジで固定されているだけ。
カバーを外すと巻き上げ(シャッターチャージ)機構が見える。

minolta HI-MATIC 7S 画像右側の歯車がシャッターチャージレバーと連動しており、画像中央に見える板状のアームを介してレンズ部根元のメカニカルシャッター部のチャージレバーを押す流れになる。
軍艦部のフィルム巻き上げレバーがスムースに操作できるのにシャッターチャージが上手く行かないときは板状のアームの押しが弱いことも在り得るので、アーム上のネジ2本を緩めて◇状の隙間を調節することで「押し」を調節できる。(板が2枚重なるようになっており、アーム長を調節できるようになっている)
尚、チャージレバーを押し過ぎるとアームそのものの変形やメカニカルシャッターのトラブルにつながるので無闇に調節しないほうがいい。
※画像はシャッターがチャージされていない状態


レンズ部の分解

◇レンズ前方部分へのアクセス
minolta HI-MATIC 7S レンズ部前面のリングをカニ目廻しで外す。

minolta HI-MATIC 7S 爪楊枝などを使ってCdS部分を浮かせて外す。
外すときはASA(ISO)感度設定レバーを「ASA200」くらいに設定し、CdS側から浮かせると外しやすい。
取り付けるときは逆の手順。

minolta HI-MATIC 7S CdS部とレンズ前玉の間に樹脂製のリングがあるので注意すること。
取り付けるときは忘れずに。

minolta HI-MATIC 7S 絞り・シャッター速度調節リングへアクセスする為には3本のネジを外す。
1本だけ長さが違うので取り付け時に位置も含めて注意すること。

minolta HI-MATIC 7S シャッター速度調節リングを外すと扇型の金具が見えるので変形しないように丁重な扱いで取り外す。
これはシャッター速度調節リング内側に印字されているEV値の表示をAUTOモード時に隠すためのもの。

minolta HI-MATIC 7S 絞り調節リングを外すとメカニカルシャッター部分のカバーが見える。
また、中央部分のレンズ前玉ユニットもここで外しておく。
レンズ前玉ユニットを外すにはユニットそのものを回転させるだけだ。
前の行程で外すことも可能だが、全く手つかずのレンズだとシャッター速度・絞り調節リングが邪魔して回しにくい時もあるので、この段階が作業しやすいだろう。
このレンズ前玉ユニットを外すとシャッターの羽にアクセスすることが出来、シャッター速度を開放(B)にすると後玉の羽側にアクセスすることが可能になる。

minolta HI-MATIC 7S メカ人カルシャッター部分のカバーを外す前にもう一行程必要。
まずピント調節リングを最短距離にしてヘリコイドを前面に押し出す。
次に距離が印刷された金属バンドを固定しているネジを外し、バンドそのものを取り外す。
この時、ピント調節リングの突起(画像では金属バンドに下にある)は外す必要はない。

金属バンドはセルフタイマーレバーとフラッシュ用のシンクロ端子にかかっているが、バンドを曲げてしまわないよう慎重に外すこと。
ピント調節リングを最短距離に設定するのはこのバンドを外す時のクリアランスを出来るだけ確保する目的だ。
特にフラッシュシンクロ端子はバンド側がボディ方向に潜る形で装着されているのでクリアランスが少ない。

minolta HI-MATIC 7S いよいよシャッター機構のカバーを外すが、赤丸で記した3本のネジを外すだけ。
ネジを外す前にシャッターがチャージされているのであればレリーズボタンを押してシャッターを切っておくのをお薦めする。
3本のネジのうち、画像左上のネジだけが小さいので組み付け時に注意すること。

また、このネジを外した後はシャッター関連の動作は一切行わないこと。
外すカバーで各種ギアなどが押さえ込まれているが、カバーが無くなることで各ギアが一気にバラける危険性がある。
仕組みを知っているのであれば戻せるが、最初にバラすのであれば守った方が良い。(いやぁ、苦労しました…)

minolta HI-MATIC 7S カバーを外す時はフラッシュシンクロ端子側から持ち上げ、最後にセルフタイマーレバー部分を外すようにすると良い。
このとき、セルフタイマー部分のパーツが2個落ちてくるかもしれないが画像の通りの組み付けになる。
また、カバーを外した後はカメラ本体に衝撃を与えないこと。
画像では各ギアの上に金属板が1枚被さっているので大丈夫なように見えるが、これはシャッター速度を調節する板なのでネジ止めされておらず、ちょっとした衝撃で外れてしまう。
この状態でシャッターチャージすると最悪のケースで巻き上げ機構の各ギアが浮いてしまいバラけることになる。

minolta HI-MATIC 7S シャッターチャージは底部レバーを介して画像の赤丸部分でレバー同士が噛み合って伝達される。
組み付け時にこの噛み合わせを忘れてしまうことがあるので注意すること。

minolta HI-MATIC 7S シャッター速度調節の板を外し、シャッターチャージを行うパーツを浮かせた状態。
このパーツは画像の通りスプリングによってテンションがかかっていることから外れやすいので注意する。

minolta HI-MATIC 7S メカニカルシャッター部分。
画像左側がセルフタイマー部分、下側がシャッター速度を決定する部分、右側がシャッターチャージ部分、レンズ上側の光が反射しているパーツがレリーズボタンを介してチャージされたシャッターを開放(シャッターを切る)するパーツ。
レリーズボタンが押されると時計の文字盤にたとえると1時の位置にあるレバーが前上である12時の位置に向かって移動し、光が反射しているパーツを押してチャージされた力を解放し、その力でシャッターが切られる。
チャージされる力(テンション)は、時計の文字盤の位置で3時の位置にあるギアの中にあるバネを中心に蓄えられる。
尚、絞りは時計の文字盤に例えると9時の位置にあるレバーで開放位置が決定される。
まだ分解可能だが、この先は各ギアを一つ一つ外していくことになり、組み付けも非常にデリケートなものになるので私も未実施。
よって割愛。(特にシャッター速度の部分は触れたくない)

古い機体などではグリスアップも必要と思われるが、このメカニカルシャッターのすぐ下にシャッター羽がある。
必要以上にグリスが注入されると羽の動きが鈍くなり正規のシャッター動作・絞り開放位置にならなくなるので、基本「グリスアップは不要」として考えたほうがいい。
動きが渋い場合は汚れなどで各ギアを洗浄しなければならないが、その場合は本当の全バラになるので自分の腕に自信がなければ専門業者に依頼するのが良い。(私も自信ないのでこれ以上はバラせない…というか戻せる自信がない)
急場しのぎでグリスアップする場合でも、爪楊枝の先がオイル(グリス)で濡れた程度にしてギアなどへ「塗る」程度にするのが良いだろう。
間違っても爪楊枝の先に滴が付くほどの量だと上記で指摘したシャッター・絞り羽に付着してしまいトラブルの元になる。


◇レンズ後方部分へのアクセス
minolta HI-MATIC 7S 【himtc07s_30s.jpg】
レンズ後方部分へのアクセスはボディとレンズの分割から始まる。
まず、カメラ本体ぼ皮を剥がすと見えてくる4本のネジを外す。
ネジは4本とも同じ長さ・大きさだ。

minolta HI-MATIC 7S レンズ部分を剥がすように持ち上げると画像の通りボディとレンズ部分が分割される。
レンズとフィルム室をつなぐボックスは上下をネジで押さえ込んでいるので取り外す時はネジを弛めること。
尚、画像ではバッテリーから延びるコードが橙/白のコードだが、これは腐食の為に交換したコードなので正規の色ではない。
本来のコードは青色だった。

minolta HI-MATIC 7S このとき、露出計とのリンクアーム/レリーズボタンとのリンクアームの2点を曲げないように注意すること。
また、露出計とのリンクアーム部分にはスプリングが1本あるので、これも紛失しないように注意する。

minolta HI-MATIC 7S レンズ後玉を分解するにはこの状態から樹脂スペーサー(モルトを挟んでいる)を外すとカニ目リングが見えてくるのでそれを回すだけ。
尚、レンズそのものが大きくガタついている場合は最後方のレンズを外した内側のリングを増し締めすると改善されるという情報もあるが、X字状のカニ目廻しが必要になるので工具が適合するかどうか確認した方が良い。

minolta HI-MATIC 7S 組み付け時、画像のようにU字アームの先端がピンと上手く噛み合っているか確認すること。

minolta HI-MATIC 7S スプリングは画像の通りの位置に固定されていることを確認する。(ピンセットなどが必須になると思われる)
また、露出計との連動アームも忘れずに。(意外と忘れる)
もし露出計連動アームの装着を忘れてしまった場合、アームを無理に持ち上げて露出計に装着するのはやめたほうがいい。
アームが反ってしまうとボディが干渉してしまい、AEモードにした時に露出計の数値がレンズへうまく連動せずに不適合な露出で撮影されてしまう。
急がば回れという言葉もある通り、面倒だがレンズ部分をもう一度持ち上げて正しく装着した方が良い。(レリーズとの連動ピンとスプリングの装着はやり直しになるかもしれない)

minolta HI-MATIC 7S 露出計も外した場合は最後にレリーズボタンと連携するL字金具の位置に注意する。
画像ではフィルム枚数の文字盤右側にある黄金色のL字の金具が相当する。

L字金具上部が接している金属の板が浮いていることで露出計の針が自由に動けるが、レリーズボタンを押していくとL字金具の角度が変わり、前方へ倒れることで上部が抑えていた露出計の金属板も前方へ動く。
この露出計の金属板が前に動くことで露出計の針が固定され、同時にレンズから延びているアームが接続されるパーツの可動範囲も制限され、アームの位置がレンズ側に絞り値として伝達されシャッターが切られる仕組みになる。
電子シャッターと違ってCdSが検出した光は露出計の針の位置として情報になり、レンズ側へアームなどの物理的な情報として伝達される。(電子シャッターではCdSからの情報はコンデンサへの蓄電量として伝達されるので、物理的な要素は入らない)

このバラし専用機体であるHI-MATIC 7Sの露出計はアームが接続する部分の動きが渋く、若干の洗浄とグリスアップが必要だった。
AE機能とは言っても所詮はメカニカルな要素で構成されているのでレンズシャッター機構以外も全てデリケートな仕組みだと思ったほうが良い。
(構造がシンプルなだけに意外なところで大事な要素が盛り込まれている)




距離計の二重像修正
minolta HI-MATIC 7S 距離計を覗いてピントを合わせたのに二重像が上下にズレてしまっている場合には、画像赤丸の右側のネジで調節可能。
また、実際のピントと距離計の像が連動せずズレてしまっている場合は赤丸左側のネジで調節可能。
但し、左側の赤丸のネジをかまう時は合焦調整が出来る場合に限るので「合焦調整はどのようにやるの?」という人はネジに絶対触れないほうがいい。(一度調節をずらしてしまうと戻せなくなる)


トップページ > カメラ > ミノルタ ハイマチック7Sの分解
SSC HomePage