免許の更新2002
2002年10月初旬、「運転免許更新のお知らせ」のハガキが届いた。中を開いてみると、事務的な情報がつらつらと書かれており、重要なところをピックアップすると以下の通りである。
更新できる場所が運転免許本部と書いてあるから、二俣川までノコノコと出向いて行かねばならない。免許の更新を口実にして都合のよい日に研究室をサボろうかとも考えたが、日曜日にも更新ができると明記されてしまっているので気まずくならないように日曜日に出向くことにした。
更新当日 天気:晴れ
手続きの時間が9時からとあったので、9時ジャストに到着するように検索サイトで時間を調べた上、駅から試験場までのバスの時間を考慮して出発する。二俣川からは行きは上り坂なのでバスに乗る。バスは発車するとすぐに左折する。このときハンドルを一度右に切ってから右前方と左後輪を気にしながら車体を誘導するバスの運転手さんはやはりプロだ。
車窓から見える試験場の駐車場には長蛇の列ができていた。地元の警察署で手続きできない更新者はわざわざ二俣川まで来なければならないのだから、車で来る人も多いということだろう。そのうえ、きょうは日曜日だから、家族に駐車場に並んでもらって自分は免許の更新をするという人もいるだろう。それにしてもすごい列だ。
試験場の建物に入ると、申請書を作製してもらうために免許証を複写する。このコピー機の前にもすごい行列ができていた。コピー機の前ではじめて免許を取り出す更新者が時間を食ってしまうために列の後ろに迷惑をかけるということで、職員が列の後ろから免許証を集めはじめた。
コピーが終わると適性検査である。自分の前に並んでいる人は見えた限り普通の視力検査だけだったが、自分はけん引、大型免許を受けているために深視力の検査もある。そのため、普段はかけていないどの強いめがねをここぞとばかりに取りだして順番待ちの間目を慣らしておいた。両目、右、左のあと、深視力検査である。3回の平均誤差が2 cm以内というのが基準のはずだ。1回目に真ん中の棒が奥に進んで手前に戻るときは見送った。次から2回ボタンを押したところでOKが出てしまった。きっと3回やらせなくても大丈夫と判断できるくらいには誤差が小さかったのだろう。
適性検査が終わると2階に上がって2番の窓口で証紙を購入する。はじめ1番の窓口に並んでいたのだが、この窓口には更新連絡書を忘れた人のみが並べばよいと職員が案内していたので2番に並び替えた。申請書に証紙を貼り付け、3番の窓口で申請書、免許証、更新連絡書を見せて受付を済ませる。このとき免許証と更新連絡書はすぐに返却された。しばらく待っていると申請書に新しい免許証の情報が書き込まれ返却される。このとき、優良・一般・違反・初回といった講習区分に応じて写真撮影の場所が指定される。様子を見ているとだんだん流れがつかめてきた。どうやら初回更新者は違反者と同じ扱いらしい。8番か9番へ行って写真を撮るように指示される。列に並ぶと職員から「違反者講習」というところがマジックかなにかで塗りつぶされたオレンジの紙をもらうのと引き替えに申請書と免許証を手渡す。写真を撮ると、「交通の教則」「人にやさしい安全運転」「安全運転」なる3冊の冊子を受け取って講習室へ進む。
9番の部屋はすでに半分以上座席が埋まっていた。前方のホワイトボードには満席にならないと講習をはじめないとの注意書きがあったので、人がいっぱいの講習室に入れたということは待ち時間が少なくてすむというメリットがあったのだろう。またオレンジの紙に日付と名前を書くようにとの注意もあった。この紙が新しい免許証の受領書らしい。しばらく待っていると講習がはじまった。
まず「講習科目」と銘打ったOHPがスクリーンに映し出されて説明がはじまった。これによると本日の講習内容は
ということのようである。交通の教則の余白にこんなことをメモっている自分はつくづくヒマ人だ。
続いて、事故った人が血塗れで救出されたり、被害者の家族の手記などのシーンがシリアスなナレーションとともに繰り広げられるビデオを鑑賞。ちなみに前に座っていたおじさんはめがねを外して寝ていた。このビデオ鑑賞に24分かかり、それから延々と改正された道路交通法の要点の説明が展開された。途中で講習の担当職員が「講習というのはおもしろくありませんから我慢してください。おもしろいのは私の顔だけですから」とボソッとしゃべり、会場は寒い空気に包まれる。それにしても安全運転するには制限速度を守れとはOHPに書かずに安全速度を守るようにと書かれているところがなんとも苦しいところだ。ほかにも居眠り運転が気持ちよかったなどと職員自ら悪い例として語っていたが…。
いい加減飽きてきた頃に講習は終了し(結局1時間32分かかった)、その場で新しい免許証と引き替えにオレンジの紙を職員に手渡す。相変わらず写真写りが悪いが、きっと誰もがそう思っていることだろう。はじめての更新だったが、試験場で更新したために古い免許証は回収されてしまった。若草色の免許証から通算して5枚目の免許証を手にして、献血の呼び込みの声がむなしく響いている運転免許試験場をあとにする。