現存する親指シフトキーボード


2002年7月5日修正
1999年8月8日公開



 
現在市場にあるDOS/V用の親指シフトキーボードについて書いてみます。
 
1.富士通製(USBキーボード以外)

(概要)

富士通製は大きくわけて、二系統のキーボードを持っています。まずOASYS用の刻印と実行キーを持つのがFMV-KB611です。KB611とそっくりさんのFMVTW-KBSというのもありますが、これはFMV-TOWNSのオプション設定用に作られたもので、中身はKB611と同じです。

これらは、基本的にはOASYS用に作られたキーボードで、たとえば「罫線通過」「かな縮小」「実行」などといったOASYS使いにはなじみの機能の専用キーがついています。ただし刻印を無視してWindowsアプリ汎用としても使えます。Windowsアプリで使っているときは、実行キーはEnterキーとして動作します。

KB611より歴史が古いのが、FMV-KB211で、これはキー配列がDOS/V汎用を意識したものになっています。

また2001年末にUSB仕様のものが発売されましたが、これについては4項で延べます。

1.1.KB611系

まずKB611系から。

私はKB611を2台、KBSを1台所有していますが、キーが軽く、親指シフト打鍵が非常に快適な、とてもよいキーボードです。リュウドのキーボード(Rボード)は感触がよいと激賞されているのを読んだことがありますが、キー関係はKB611と全く同じです(マイコンだけ細工して別ファームを載せています)。これと同じです。

現在普通に入手できるのはKB611です。パソコン版OASYS(2003年3月現在、OASYS2002が最新版)用のキーボードとして現役で市販されていて、現在最も買いやすい親指シフトキーボードの一つです。

通常DOS/Vパソコンのキーボードにない8個のOASYS用ファンクションキーと実行キーを持っていて、完全なOASYS仕様となっています。もちろん二重表示でDOS汎用表示もあり、一般のWindowsアプリでも快適に動作します。価格は15,000円です。

FMVTW-KBSは、FMVタウンズのオプションとして商品化されたもので、中身はKB611と同じです。私が購入したのは98年で、KB611との違いはドライバのフロッピが付属していたことですが、TOWNSが完了していますので現在は入手できないと思います。

(使用方法)

KB611は、KB611として本来の動作、KB211としての動作、ドライバ無し動作の3種類の動作が可能です。

---- KB611動作 ----

KB611の本来の動作です。OASYS(正確にはJapanist、またはOAK)に付属するドライバをPC内にインストールして、PC側で親指シフト変換をする動作です。

この動作では、パソコン版OASYSを使っているとき、右上の8個のOASYSキーが全部使えるほか、その他のキーもOASYS専用機のような動作をさせる事が出来ます。パソコン版のOASYSを専用機モードで完全にOASYSとして使いたい場合は必須のモードです。

このドライバは、OASYSのインストール時に完全OASYSモードを指定すると組み込まれます。

KB611動作は、キーボードが送信しているコードはJISコードです。つまり「はときいん」と打鍵すると「くまのりれ」がPCに送信されます。そしてPC側で「はときいん」に変換します。これをソフトウエアエミュレーションといいます。

---- KB211動作(OYAYUBI.SYSあり) ----

OASYSのインストールのときにキーボードをKB211とすれば、KB611はKB211として動作するようになります。ドライバといっても、CONFIG.SYSにOYAYUBI.SYSを組み込む富士通方式で、Windows上のドライバは標準的なキーボード用のままです。

KB211というのは、親指シフト変換をキーボード内のハードウエアでおこなう珍しいキーボードです。OYAYUBI.SYSはモードずれを監視するという位置づけです。

さて、あまり知られてませんが、KB611もKB211と同じ動作(つまりハードウエアエミュレーション)をさせることができるのです。

このモードでは、親指シフト変換はキーボード内のハードで実行されますので、変換がPCの速度やアプリの状況によりません。ですので以前は(具体的にはOASYS-V7のころは) KB611動作 (つまりソフトウエアエミュレーション動作)よりも快適だとよく感じました。

ところが最近は、ドライバの進歩とPCの速度向上のため、全く差を感じなくなりました。もし古いPCをお使いの方で、KB611動作で誤変換が気になる人は、一度KB211動作をお試しになる事をお勧めします。

なおKB211動作では、OASYS使用時でも8個のOASYS特殊キーは動作しません。もっとも私はOASYSをWindows操作系で使うので、この8個のキーではなくて、ファイルメニューやツールバーを使って機能を呼び出しています。なので全然不便だとは思いません。

---- KB211動作(OYAYUBI.SYS無し) ----

KB611やKB211は、キーボード内部で親指シフト変換をできるので、PCから見れば普通のキーボードです。したがってOYAYUBI.SYSがなくても一応使えます。

この使い方は、要するに何もしないわけですから、OASYS抜きで親指シフトキーボードが使えるということを意味します。ただし、アプリの切替でモードずれを起こすことがありますが、そういう時は、

IMEをオフにする
ALT+仮名キー(または単に仮名キー)を押す
もう一度IMEをオンにする

以上の操作でたいがい直ります。ただ、この使い方はいわば「間に合わせ」です。1.3.項に記したようにフリーソフトのドライバもありますので、それを使ったほうがいいでしょう。
 

1.2. FMV-KB211

(概要)

KB611より歴史のあるキーボードで、DOS/Vの一般的な配列に近くなっています。私はKB211でDOS/Vに慣れたせいで、タブキーの位置なんかはKB211のほうが落ち着きます。

KB211は、KB611の発売に伴って生産完了となったという販売店筋の情報があり、ここにもそのように書いた事がありますが、それは間違いでした(すみません。またご指摘下さった方、ありがとうございます)。

価格もKB611よりかなり高かったのですが、昨年価格が改定されて、KB611と同じ15,000円になりました。

KB211は製造時期により感触が違うようで、初期のものはかなりバネが強い模様です。この状態でキーボードを使い込むとスラスト軸受の磨耗が進み、摩擦によりキーが押しにくくなります。つまり引っかかります。

古くからのユーザほどKB211の感触をかなり悪く言う傾向がありますが、私はその原因は軸受けの磨滅にあるとみています。

実は私の持っているKB211も、新品で購入したものですが、二年ほど使った状態ではかなり軸受けの磨滅が進み、使いにくくなっていました。

幸い軸受けについてはあまり使わないキーと交換する方法により修復させることが可能で(別項参照)、この修復をすると、比較的つかいやすくなります。

なおKB211は私の触ったものはすべてKB611よりバネが強いものでしたが、現在売っているKB211がどうであるかはわかりません。

(使用方法)

使用方法はKB611の「KB211動作」と同じです。OASYSでKB211を指定してインストールすれば、KB211の為にOYAYUBI.SYSがCONFIG.SYSに組み込まれます。また、時々モードずれすることを我慢すれば、OYAYUBI.SYS無しでも使えます。
 

1.3.サニコン製ドライバ

以上述べたように、KB211とKB611(のKB211動作)は、OYAYUBI.SYSがなくても動作はしますが、やはり完璧ではありません。

しかし、OYAYUBI.SYSはOASYS、またはOAK(最近の呼称はJapanist)の付属としてしか提供されていません。つまりOASYSかOAKのユーザ以外は使えないわけです。

しかし、幸いにもフリーソフトのドライバが存在し、インターネット上で配布されています。日本語入力コンソーシアム(NICOLA)の準会員として親指キーボードの普及を推進している、株)サニコンさんというソフトハウスが提供して下さっているものです。

再配布は自由ということですので、Windows95/98用ドライバだけ下記に転載させていただきました。もっと新しいバージョンがあるかもしれませんので、出来ればオリジナルに当たってください(サニコンにはWindows2000用やNT用のドライバもあります)。

下記をダブルクリックすれば、ファイルがダウンロードされます(だめなら右クリックして「ファイルに保存」する)。

   サニコン製KB211用ドライバ V1.02(Windows95・98用)

ダウンロードされたファイル(FMV-KB211-Win95-1_**.EXE)は、オリジナルのLZHファイルを自己解凍形式にしたものですが、これをダブルクリックすると「FMV-KB211-Win95-1_**」というフォルダができます。フォルダ内には必要なファイルができますが、必ずテキストファイルをすべて読んでからお使いください。

ちなみにこのドライバの出来は相当よくて、ひょっとするとoyaubi.sysより安定という意見もネット上にみかけます。

 
2. リュウド製キーボード

Rboard pro というキーボードが、49,800円で販売されていましたが、現在は販売完了しています。このキーボードは私も買いましたが、それだけの価値はありませんでした。ファームのできが悪くてモードずれが起こり、使い物にならなかったのです。

モードずれはアプリに依存するようでしたが、リュウド社は「未対応アプリはサポートしません」の一点張りでした。ちなみにサポートを拒絶されたアプリはメールソフトのWinbiffです。普通のメールソフトであり、これをサポートできないようでは販売する資格はないと思います。


3.親指ひゅんQについて

以上は専用キーボードですが、このほかに一般のDOS/V用キーボードを使い、親指ひゅんQでソフトウエアエミュレーションを行うという方法もあります。こちらは汎用性がありますし、最近のひゅんQのエミュレーションは非常にできが良いので、意外に打ちやすい印象です。普通のキーボードは安いですからね。総コストも抑える事が出来ます。

また現在の富士通製IME(最新版はJapanist2002/2003)にはエミュレーションソフトが付属しています。「快速親指シフト」というものでIMEの一部になっています。OAK-V8からの付属で、初期のものは親指ひゅんQにやや負けているかなと思いましたが、Japanistのものは非常に快適です。現在私は出張用のノートPCにThinkPad(T23)を使っていますが、快適に親指シフト入力をしています。

これらのソフトエミュレーション方式は、刻印と違う打鍵をするわけですから、キーの刻印を見ないで打てる完全なブラインドタッチ習得者でないと当然使えません。

ただ、Japanist2003には親指シフトキートップシールというのが付属してあり、普通のキーボードにこれを貼り付けると立派な親指シフトキーボードができあがります。

なおエミュレーションで親指シフト化できるのは、空白キーが小さくて、左右の親指に別のキーが割りあてられる必要があります。特に変換キーがNキーの半分程度まで来ていることが必要です。

このようなキーボードをつけたノートPCは、IBMと富士通が代表的ですが、最近ではソニーのバイオもそうなってきました。特に2005年春モデルのバイオY派、空白キーがCキーに達していて、極めて親指シフト化しやすいと思います。



4.USBキーボードについて

2001年末、USB接続の親指シフトキーボートーが2モデル商品化されました。

一つは従来のKB211と同じキー配置のもので、型番がFMV-KB231。価格は15,000円(税別)です。ドライバはJapanist2002に含まれていますが、キーボードには同梱されていません。対応機種はFMVシリーズということになっていて、公式にはFMV以外での動作保証はありません(使えると予測されます)。

もう一つは富士通高見澤製のコンパクトUSBキーボードFKB8579-661EVです。対応機種が「USB1.1インターフェイスを搭載しているパソコン」となっていて、富士通製のPC限定ではありません。対応OSも WindowsXP/Me/98/2000と全方位。当初「EV」のない型番でJapanist2002が付属していましたが、現在はFKB8579-661EVとなってJapanistの付属はありません。その分安くなっているようです。

このコンパクトモデルは、当ホームページでも使用感内部構造改造法まで詳しく扱っていますのでごらんください。またメーカのQ&Aのページも充実していてなかなか好印象です。

なお、両キーボードの公式情報は下記にあります。

http://software.fujitsu.com/jp/oasys/2002/kanren2002.html


 


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