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食品物性学研究室

研究概要



1.食品素材としてのゲルの物理
どんなものでもモノを作る際にはその原料の「物性」を把握しておくことが重要です。材木のことをよく知らない大工さんに自宅を造ってもらうのはいやですよね?
食品の食感・テクスチャーを望みどおりにコントロールするには食感調整剤(テクスチャーモディファイヤー)の物性、特にレオロジー特性をきちんと調べておくことが求められます。特に所謂ゲル化剤というわれるゲルを形成する素材に着目してその物理的性質をいろいろな視点から研究しています。

 
最近の研究テーマ
 ・寒天ゲルの物性に対するグリセリンの影響
 ・サクシノグリカンのゲル化挙動に対する塩の影響

2.複雑流体の流動挙動の定量化
理想的な単純流体はニュートン流体です。これは流動挙動を簡単な一次式で表すことができます。しかしながら実際の食品は極めて複雑であり、その流動挙動をきちんと定量化することは難しい問題です。我々は食品を口腔内で咀嚼してそれを嚥下する際に食隗が唾液に分散した濃厚コロイド状態にあると考え、濃厚コロイド分散液を嚥下される食品のモデルとしてその流動挙動の解析を行っています。このようなコロイド分散体の流動挙動の研究は食品のみならず生活用品や化粧品の使用感触の調整という技術にも関連しています。

 
最近の研究テーマ
 ・逆相系で調製された寒天ミクロゲル分散体の流動挙動

3.歯ごたえの定量化
蒲鉾やこんにゃくあるいはジェリーなどゲル状食品の食感において『歯ごたえ」は重要なパラメータです。噛むという行為は食品を大変形させて破壊することです。このような大変形下では通常の線形レオロジーで得られるパラメータでは考察するのが困難です。そこで大変形下での応力ー歪曲線の非線形領域を適当なモデルで解析し、破壊過程の力学物性特性値を見つけ出し、官能評価との相関性を見出していくことを試みています。

 
最近のテーマ
 ・魚肉と畜肉混合ゲルの力学特性
 ・高繊維質のパンの力学物性

4.可逆的架橋構造のレオロジー
水溶性高分子の両末端を疎水基で封鎖した、いわゆるテレケリック型高分子は水中で疎水基が会合してミセル型の架橋点を形成し、系全体はゲル状になります。しかしながらこの架橋点は一定の寿命しかないので、ある条件下ではこのゲルは流動してしまいます。水溶性の結合鎖と疎水基のバランスを上手く設計すると、人間が触ったときに「ゾルーゲル転移」が起こるような面白い粘弾性流体になります。これはすでに塗料や化粧品業界では実用化されています。この一時的架橋構造(Transient Network)の物理は非常に興味深く、その力学物性について系統的な研究を進めています。


 
最近のテーマ
 
せん断開始流下でのHEUR水溶液の応力成長挙動
 ・感温性高分子からなるテレケリック型高分子水溶液のレオロジー