ノートル・ダム・デュ・ポールはクレルモン・フェランの町の中にある。もともとクレルモンの町の市壁外で、商取引の場所に建てられた。最初の教会堂は574年に建てられ、864年にヴァイキングの侵攻の被害を受け、875年に再建された。その後12世紀後半に現在のロマネスク様式の教会堂が建てられた。東西の長さは45mであまり大きくない。トリビューン付の広間式教会堂で、内陣は放射状祭室付周歩廊内陣である。「ステレンヌ」と呼ばれるクリュプタがあり、「黒の聖母」像が安置されている。
外観で特徴的なのは、トランセプトの高さが二段になっていて、中央部分が人間の肩のように高く立ち上がっていることである。このように中央部を高くすることで、その上に載る塔の位置を高く押し上げ、壮大な印象をつくりだす。また、同時にその内部空間も高く、スクリーンアーチで区切られた空間を窓からの光が神秘的に満たしている。
アプシスと周歩廊を隔てる8本の円柱の柱頭は、オーヴェルニュの優れた彫刻がみられる。
身廊にはトンネルヴォールトが架けられているが、横断アーチはない。広間式なので直接採光がなく、非常に暗い。
南トリビューンの開口が三弁形アーチだったり、南側入口上部のアーチが超半円アーチだったり、イスラム建築の影響がみられる。また、オーヴェルニュに特有の「かんなくずモディヨン」も、イスラム起源であるともいわれる |