サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ

ロワール川の支流ガルタンプ川の川岸に立つかつてのサン・サヴァン修道院の教会堂は、鐘塔、外陣、クリュプタなど広範囲に壁画が残っている。1075-95年にトランセプトと内陣が建てられ、外陣は1115年頃完成した。鐘塔の年代は不明だが、外陣よりさらに後で建てられた。
外陣はトンネル・ヴォールトのかかる広間式教会堂で、内陣は、放射状祭室付周歩廊内陣の早い例でやや未熟なつくりがみられる。
外陣の側廊の交差ヴォールトをみる。側廊に交差ヴォールトを架けた早い例の一つである。大アーケードのアーチ(写真で独立円柱が支えているアーチ)と側廊の交差ヴォールトが一体化しているつくりや、個々の交差ヴォールトの境に横断アーチがない点が、時代的に早いことを物語っている。表面の石積み模様は、漆喰を塗った上に描いたものであり、円柱には大理石模様がやはり描かれている。
外陣中央のトンネルヴォールトを見上げる。広間式教会堂なので、側廊が高く、また、側廊窓の位置も高いので、トンネルヴォールトの内側は真っ暗にならず、壁画をみるに十分な光が確保される。
左側: 内陣のアプシス部分南側を北からみる。円柱が支えるアーケードの壁は円のカーヴでなく、多角形になっている。




右側: 内陣周歩廊の北側部分。ブラインドアーチで壁面に変化がつけられているが、極端に周歩廊の幅が狭いので、せせこましい印象はぬぐえない。
内陣の外側をみる。ここの部分の石積みは丁寧で美しい。ブラインドアーチによる凝った装飾は、ほとんど装飾がないトランセプト部分と対照的である。中央の小アプシスの脇に、サン・マランのクリュプタへの明り採りの穴がある。