有限会社 関西テクノマネジメント

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今月の一言
ISOマネジメントシステム、一度、原点に帰って考えてみては?(2008.9.1

過激な物言いであるが、一度、3年ほど制度としての審査登録制度を休止してはどうかと思うことがある。頭を冷やすためである。審査機関はあまりにも規格適合性にこだわりすぎるし、審査機関の審査などなくても、本来マネジメントシステムは自己責任に属するものであり、自己宣言で十分だと思われるからである。また、品質が拙ければ製品が売れないだけであり、環境に良くない仕方で製品やサービスを提供する企業は、当然、自然淘汰されていくものと思われるからである。
 品質にしても環境にしても、規格というものは、顧客満足や利害関係者の関心のみを集約したものであり、組織や企業の経営全体を見据えたものではない。経営全体から見れば、必要な必須の骨組すら欠落しているほどのスカスカのものである。また、規格はあくまでも管理の枠組みを要求するものであり、管理の中身についてまで規定するものではない。況んや、組織の活動の結果であるパフォーマンスの質までは問わないことになっている。
 従って、100%審査機関の満足するシステムを構築していても、経営には何の役にも立たないシステムを構築することが十分に可能なのである。このようなことから、最近、審査機関においても、システムの有効性について少し強く関心を持ち始めてはいるが、この有効性とて、審査機関の能力の制約から、経営のごく一部に過ぎぬ規格の要求事項視点の有効性だけに限定するならば、ほとんど意味がなく、ISOが経営の役に立てないことに変わりはない。
 恐れているのは、認証登録を漫然と維持することで、経営の機会損失を招いているかもしれないことにある。自社の形骸化したISOに寄り掛かって、忙しく何かをやっているうちに、時間も資金も枯渇してしまい、実際に行わなければならないことの時間や資金を失わないかと言うことにある。
 もちろん、歴史的にはISOにはそれなりの意味はあった。ISOのお陰で、組織は色々と経営の基本的な事項を学習してきた。しかし、5年も10年も同じ適合性の追求ばかりでよいのか、また、規格の要求する管理面だけでなく、もっと大事な固有技術の充実に力を割くべきではないか、さらに、新たな商品やサービスの開発など、ISOの要求していないことにもっと力を入れるべきではないか、と言うようなことを考えるべきではないか。
 審査登録制度は、いたずらに組織をして管理面のみに注目させ、適合性ばかりを強要してきた。このあたりで、一度、頭を冷やす冷却期間を設けて、組織自身に組織の一番重要なことを考えさせ、資金や時間をそこに振り向けさせる時間が必要である。毎年繰り返されるマンネリと化したサーベイランス(定期審査)を見ていると、半ば強制的な審査登録制度のために、組織からそのような貴重な時間や資金を喪失させているように思えてならない。
 ISO規格は、ある意味では文書化によって現状維持を強制する。生産現場の管理だけを多く求めている。健全な組織の経営に歪みを与えている可能性がある。組織独自の個別化、差別化に逆行し、均一化をもたらせている。諸外国に対するわが国の産業の競争力を削いでいる弊害もあるのではないか。
 過去からの歴史もあり、国際的なルールであることから、全組織一斉に休止できないのであれば、個別組織において、審査登録の休止を検討してみてはどうか。他社との本当の差別化とは何か、わが社の資金を何処に多く投入すべきか、など独自の戦略を考えて欲しい。ISOに過剰な期待を抱いた末、ISOの金縛りになっていないか。ISOは大変役に立ったが、現状はISOが足枷となり、いつまでも同じレベルに安定化させる固定化装置としてしか機能していないのではないか。そのようなデメリットを感ずるならば、個別の組織としてはISOを卒業することも選択肢の一つではないか。ISOを止めろとは主張しているのではない。これまでに獲得したISOの経営管理のノウハウを基盤にして、さらに発展してほしいと言っているのである。
 すべての組織のISOを止めろと言っているわけでもない。ISOが上手く機能している会社もある。ISOのお陰で経営者のリーダーシップが確立できた、システムやプロセスの理解が出来た、文書や情報をもとに仕事をすることの大切さが分った、内部監査も役に立っているし、日常的な是正処置や予防処置による継続的改善が行えているなどの、賞賛や感謝の声も聞こえてくる。
 ISOをうまく使いこなせている組織は幸いである。しかし、さらに経営のレベルを上げたい会社、また、違和感があって上手く行かない会社、逆効果ばかり目立つ会社までもが、いつまでもISOの審査登録制度にしがみついている必要はない。そのような会社は、今一度、原点に帰って、経営と言う目で自社のマネジメントシステムを見直す必要はないであろうか。


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