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| ■器の産地 |
| ●唐津 |
【佐賀県唐津市】約400年前に朝鮮から渡来した陶工により広まる。約50軒の窯元があり、登り窯で素朴な器を焼く。粘土は鉄分を含んだ少し荒目の土。信楽と比べるとやや粘りが少なくザラッとしている。焼き上がりは薄茶色になる。 |
| ●萩 |
【山口県萩市】約400年前、朝鮮の陶工により焼かれた。「一楽二萩三唐津」といわれるように、昔から茶陶として尊ばれてきた。低温で焼き締められた器は吸水性があり使う程に色合いが変わる。俗に「萩の七化け」と呼ばれて茶碗の世界で珍重。粘土の粒子は比較的細かく、粘り気が少ない。焼き上がりは肌色。焼き締まりが少なく吸水性がわずかに残るので、茶渋がしみ込むことによる色の変化が楽しめる。 |
| ●備前 |
【岡山県備前市】約1000年の歴史を誇る日本六古窯の1つ。備前焼は釉薬を用いない焼き締めで作陶。薪の加減や灰などで、胡麻、桟切り、緋襷(ひだすき)と呼ばれる模様が生まれる。この窯変による土の変化が「わび」「さび」を演出し、茶碗や花器などに人気がある。粘土は鉄分が多く粘り強い。収縮率が非常に大きいため乾燥には注意。焼き上がりは薄茶色。 |
| ●信楽 |
【滋賀県甲賀郡信楽町】鎌倉時代中期から本格的陶器が焼かれていた日本六古窯の1つ。信楽水ひの水飛とは陶土を泥水とし水の浮力をかりて精粗を分別し坏土を構成する工程をいう。タヌキの置物で有名。信楽赤は焦げ茶から黒色に変化する鉄分を含み、粒子が細かく扱いやすい。耐火性は弱いがよく焼き締まり吸水性が少なくなる。古信楽は大き目の長石粒が含まれていて、特に石はぜ(粘土の中に混ざり込んでいる長石の粒などが焼成後もそのまま残り素地面から突出している状態をいう)ができるのが特徴で、荒っぽい風情が楽しめる。 |
| ●志野 |
【岐阜県と愛知県とその近隣地域】美濃や瀬戸で安土桃山時代から焼きはじめられたやきものの1つ。白濁した分厚い釉がかけられ、ぼってりとしたあたたかみのある器肌を特徴とする。適度な粘り気があり、初心者にも扱いやすい粘土。焼き上がりは白っぽくサックリと軽い。 |
| ●半磁器 |
陶質にして磁器に近いもの。 |
| ●磁器 |
石の粉と土を混ぜた陶石を原料に1300度前後の高温で焼かれる。白くて薄い磁器は技術と手間が掛かるが、汚れもつきにくく耐久性があり日常食器にはぴったり。有田焼のほか、九谷焼、清水焼、瀬戸焼、美濃焼、砥部焼などがある。 |
| ■器の装飾技法 |
| ●還元 |
炭素を多く酸素の欠乏した不完全燃焼の火焔をいう。例えば粘土中の鉄分は酸化焔の場合は赤色調を呈し、還元焔の場合は青磁色になる。 |
| ●酸化 |
完全燃焼の焔で酸素に富む火焔である。窯内に通風が充分な時に生じる焔。 |
| ●焼締 |
釉薬を掛けずに高温(900〜1400℃)で焼いたもの。ざらっとした土そのものの手ざわりが特徴で、備前焼や、信楽焼、伊賀焼などが代表。 |
| ●素焼 |
成形を終った生素地が十分に乾燥すると先ず素焼きをする。その目的は描画と設釉の準備として焼くことと、単に焼き固めるためのものとある。素焼はだいたい800〜1000度で焼くが、焼き締めは1100〜1250度ぐらいで焼く。 |
| ●織部 |
安土桃山から江戸初期にかけて活躍した茶人古田織部が自分の好みで焼かせた陶器。深い緑色のやきもの。 |
| ●黄瀬戸 |
美濃や瀬戸で安土桃山時代から焼き始められた黄色のやきもの。独特のやわらかい黄色は微量な鉄分が酸化焼成した時に生まれるもの。その渋い風情は茶人の好みにぴったり合い、茶陶の世界で愛好された。 |
| ●天目 |
抹茶茶碗の一種で、中国の宋代にさかんに作られた黒釉の茶碗。浙江省天目山の寺院で喫茶に使われていたものを日本に持ち帰ったのでその名が付いたという。 |
| ●油滴天目 |
天目茶碗の一種で、漆黒の黒釉の上に、銀色の細かい斑紋(油滴)が現れた美しいやきもの。天目釉の中では最高のものとされている。 |
| ●青磁 |
翡翠のような淡い青緑色をした磁器のこと。灰を原料とする釉をほどこすと、釉中の微量な酸化第二鉄が還元されてきれいな青色を発する。 |
| ●ビードロ |
硝子のこと。もと瑠璃と語源を同じにし、その西域より中国に入ったものが瑠璃となると共に欧州から日本に伝わったものがビードロとなった。直接にはポルトガル語のVitreoから出たように見られている。 |
| ●卯の斑 |
イネ科の植物の灰を混ぜた釉薬を掛けて焼くとことにより、うずらや野うさぎのような斑点が入った、白色で不透明な仕上がりになることからこの名が。「兔の斑」とも書く。 |
| ●呉須 |
染付けなどの顔料となる酸化コバルト。黒っぽい鉱物で、焼くと藍色に変化する。 |
| ●赤絵 |
磁器の装飾技法。赤を主張に、青や緑などを加えた簡素で大胆な模様の絵付けのこと。 |
| ●貫入 |
器の表面の釉肌に現れたひび模様のこと。釉薬と素地の収縮率の違いから生じるもので、器の景色として鑑賞される。ひびの部分は吸水性があるので、使い終ったら早めに汚れを落とし乾かすようにする。 |
| ●掻き落とし |
生乾きの陶器の素地に化粧土を塗ってから模様を描き、その線や面に沿って塗った化粧土を削り落として柄を出す手法。その上から透明な釉薬を掛けて仕上げる。 |
| ●化粧掛け |
鉄分を多く含んだ土で陶器を作る場合、概観を白く仕上げるために白い陶土を薄く掛ける技法のこと。白だけでなく色を加えた陶土を使うことも。 |
| ●粉引 |
鉄分の少ない白泥釉を化粧掛け(器の表面を別種の土で覆って下地を整えること)した上に透明を掛けて焼いたもの。釉薬を掛け残した部分や、焼いている間に釉薬が縮んだり、切れたりして土色がところどころに見えるのも味わいのひとつ。 |
| ●象嵌 |
生乾きの素地に模様を彫り入れて、そこに白土など異なる色の土を埋め込み釉を掛けて焼き上げる。「三島」と呼ばれる柄もこの手法。 |
| ●鎬 |
茶碗などの表面をヘラなどでえぐるように削りとって境目の稜線を際立たせる。立体的な表情が楽しめる。 |
| ●たたら |
粘土を一定の厚さの板状にのばしたものを「たたら」という。これを使った成形する方法が「たたら作り」または「板作り」。 |
| ●手捻り |
ロクロや型を使って作り上げるのではなく、手で陶土を扱い器を作り上げていく方法。 |
| ■器のかたち |
| ●片口 |
片方に注ぎ口をつけた鉢で、しょうゆや酒を樽から小さな容器に移し入れるための台所用品でした。形のおもしろさから茶人の目に留まり、懐石で香の物を入れたり、小ぶりのものは年の瀬に使う茶碗として用いられるように。今では一般的な鉢として人気がある。本来は持ち手のないものですが、最近では手付きのものも出ている。置くときには原則として口を左に向けるようにする。 |
| ●亀甲 |
六角形の器は、六角が亀の甲の形と似ているのでこのように呼ばれる。 |
| ●ぐい呑み |
大ぶりの盃の総称で、ぐいっとひと呑みできるところからこの名があるという。 |
| ●高台 |
茶碗や皿、鉢などの底についた台。「切り高台」「割り高台」「竹の節高台」「二重高台」「三日月高台」など種類も多い。 |
| ●まな板皿 |
まな板のような形の、長方形の脚付き皿のこと。大きいものは刺し身の盛りつけによく使われる。 |
| ●豆皿 |
直径が5センチ以下の小さな皿。 |
| ●面取り |
器の表面をへらなどでそぎ取って平らな面を作った多面体の器のこと。 |
| ●輪花 |
ロクロで成形するときに縁に規則的な切れ込みやくぼみをつけて、花びらのような形に見せた鉢や皿のこと。 |
| ●割山椒 |
山椒の実が割れて3つに開いた形に似ている小鉢のこと。向付の代表的な形として知られ、唐津焼や信楽焼によく見られる。 |