国道136号の船原トンネルの先で道路が寸断されて通行止め。 先の台風で道路が陥没して、谷が出来てしまったのだ。道路の先が崖になってしまった。道路がちょん切れたのだ。「土肥新田」でググるとどうなっているかわかると思います。 道路の片側が崩れたのではなく、道路の先が突然谷になったような崩れ方なのでどうしようもない。 西伊豆は道の数が少ないので、迂回コースがそれほどあるわけではないが、船原トンネルから西伊豆スカイライン経由で仁科峠、西天城高原から宇久須に下る。この道は細い。夜下るのは初めてだ。 22時フネ着。 満月。 月がときどき雲に隠れる。月の高度が上がっても色温度の低い色。赤っぽい月だ。湿気が多いんだと思う。 フネはそれほど暑くなかった。暑くて寝れないということはないだろう。 金曜の夜にフネに着くとだいたい1時間以内には寝てしまっているような気がする。 フネはいい。寝るだけのために行ってもいいくらいだ。
今日の予報では、海况はおだやかなようだ。それなら、ということで島に行こうかと思っていた。若郷がいいかと思っていた。 しかし、新島方面は、波はたいしたことなくても午後から南西よりの風が8メートル吹くようだ。これだと若郷に係留したとすると、フネが岸壁に押し付けられる方向に吹く。風速8メートルといえば強風である。その力ででフネが岸壁に押し付けられるのはあまり快適とはいえない。大潮なので干満にも気をつけないといけないし。若郷は外来艇は槍付けできない所に係留するらしいし。 それに臆病なワタシとしては、予備日ナシで島に行くのはちょっと躊躇う。よほど天気が安定していないと土日で島へ行くのはリスクが大きいと思ってしまうのだ。 三代目の唐草は頑丈だから、多少荒れても帰ってこれるとは思うが、フネが持っても乗員のカラダが持たない。沿岸クルーズでは片時もワッチを欠かすわけにはいかない。 といって島にフネを置いて帰ってこれるわけがない。日和待ちを理由に会社を休むわけにもいかない。 誰か経験者が一緒に乗ってくれていれば、今日くらいの海况なら予備日ナシでも大丈夫だと思うのだが。 ということで、島行きじゃなくて駿河湾内でいままで行ったことないところに行くことにした。先週の焼津往復で日帰り長距離(当艇では往復で50マイル程度)の面白さに目覚めたというのもある。 駿河湾で遊ぶようになって約10年だが、駿河湾内の北部はあまり行ったことがない。清水の北と沼津の北には行ったことがない。そこで、由比か田子の浦に行ってみようと思う。 検討の結果、由比に行くことにした。由比の海は東名高速から何度か見たことがあるので、それを海側から見てみようという趣向だ。 由比港の入り口を東名高速が跨いでいるので、マストの高いヨットは入港できないだろう。行ったとしても入り口の手前までだと思う。 由比港の灯台の座標を「小型船用港湾案内」から拾おうかと思ったら、由比港が載ってない。チャートから拾う。由比港が載っているのは、駿河湾の大縮尺のチャートしかないので、大雑把に拾う。近づけばわかるだろう。 由比のあたりは、歌川広重「東海道五十三次・由比」にもある。きっといい景色なはずだ。富士山が綺麗に見えるといいな。 0600時解纜。 セールアップして出港。前回セールダウンするときに気持ちよくセールが降りてきたが、今日も抵抗なく気持ちよく上がった。いい感じ。 沖だしして、GPSにセットした由比港を目指す。 しかし、今日は視程が悪い。霧、というほどではないが、ちょっと沖に出ただけで陸の景色がベールがかかったようにぼんやりする。やがて360度水平線になった。 天頂は青空なんだけど。 そういえば、小豆島からこのフネを回航してくるときの瀬戸内も朝方はこんな天気だった。 機帆走で約6ノットオーバー。 海面を見ると、風向は南だが、風は前(北)から感じる。というこは、艇速より遅い風が南から吹いている。 行けども行けども360度水平線。まるで外洋のよう。ある程度視程はあるので、霧の中から突然フネが現れるようなことはない。ただし、大型船も漁船も速度を下げて航行している。この視程では速度は出せないだろう。
しばらくして、東名を走るクルマが見えてきた。我々は、そのクルマから見た景色の中に今いるわけだ。クルマで見たことのあるあの景色を逆側から見ている。
駿河湾の北側は、西伊豆とはまた違った雰囲気。残念ながら富士山は見えない。もっと視程のいいときに来てみたい。 由比港の外側に港を作っているようだ。以前に陸路で行った由比港は、さくらえび漁船がびっしりで、7杯くらい横抱きに係留していた。漁船の数に対して港内の水面が狭かった。それで拡張するんだと思う。
由比港付近をうろついて、写真を撮って帰ることに。
帰りはクローズホールドだ。帰りたい方向から吹いているので、30分くらいおきにタックしながら帆走する。風が振れたら振れたなりに落としたり上したりする。いずれ振れ戻るだろうし、振れ戻らなくても困るわけではない。レースじゃないんだし。
それでも海况がいいので、快調に帆走する。風速は測ってないけど、だいたい10ノットオーバーくらいか。艇速は5ノット後半から6ノット台。フルメインにレギュラージブ。
2時間半くらい帆走を続けたが、タックタックで、なかなか安良里が近づかないのと早くバースに帰って一杯やりたいので、機帆走に切り替える。 機帆走でも風がそこそこ強いので、真上りでは進めない。タックしながらになるが、純粋な帆走よりは高さを稼げる。機帆走のタッキングアングルは60度くらいか。 安良里が近づいたら、風が上がってきた。 ハンディの風速計で測ったら、24ノットだった。こりゃ吹いてる。でも波がないので走りやすい。リーフしなくてもギリギリ行けそうだ。でもリーフしたほうがいいとは思けど、もうすぐ安良里だからいいかとも思う(こういう判断がいけないんだよね。クルージングだし機帆走なんだからリーフしたって損することはなにもない。逆にオーバーキャンバスでフネに負荷を掛けるほうがいけない。どっか壊れたらそれこそ「損」である)。 安良里港の直前は山に囲まれるので、風向が不安定になる。レギュラーバテンなら、セールがシバーするんだが、フルバテンなのでシバーしない。それをいいことに港に真っすぐなコースを引いたのがあとで考えると失敗だった。 港の手前でもタックタックで行くべきだった。 というのは、港に入ってセールダウンしたら、メインハリヤードが途中でひっかかったのだ。ラフを引いてもセールが落ちてこない。少し焦った。あまり強く引いて事態を悪化させてはいけないので、コクピットに戻って、メンハリを引いて一旦セールを上げてみる。上がった。そのまま手を離したら、ひっかかりが取れたようで、すこし渋かったがセールが落ちてきた。ホッとした。 もし、このままセールが上がらない、下がらないという状態になったらマストに上がってハリヤードを切る等の対処をしないといけない。やはりマスト登り用のステップはあったほうがいいなあ。付けようかなあ。 今回の原因は、強風のなかのシバー(フルバテンなので、ばさばさはしないが、シバーはシバーだ)のせいだと思う。セールにシバーは禁物だ。セオリーだよな。身をもって学習。 1430帰港。 バースに戻って、ほっと一息。 ブームカバーを掛けるところまで簡単に解装し、コクピットをオーニングで覆おって日陰を作り、テーブルを出す。
中華たまご丼と親子丼のランチ。 スペインの発泡ワイン。小田原のしんじょを醤油に溶いたわさび漬けで。 ゆっくりしてたら、またお腹が空いてきた。なんか食べたい。 ということで、食堂「よこ田」のアジフライをテイクアウトしようと考えた。 私がポリタンで水汲みしている間に、女房に「よこ田」に皿とラップを持って行って、テイクアウトしてもらえるかどうか聞いてみて、テイクアウトできそうなら、ビールでアジフライ。 早速2人で、テンダーに乗って岸壁へ。女房は自前の皿とラップを持って「よこ田」へ。私はポリタンに水を汲み、フネに戻り清水タンクに入れる。 女房からケータイに電話があって、テイクアウトしてもらえるそうだ。ラッキー。2人前作ってもらう。 その間もう一度ポリタンで水汲み。 女房をピックアップして、ポリタンと共にフネに戻る。 揚げたて。美味い。付け合わせの千切りキャベツも美味い。フネで生野菜ってのは贅沢感あるね。揚げ物も。 店で食べても美味しいアジフライをフネで食べたらもっと美味かった。
氷水で冷やしたビールもいただく。美味いね極楽だ。 そうこうしているうちに日が陰ってきたので、明るいうちにできることをやっておいて、セティーで横になったら眠くなってきた。 体を拭いて下着とTシャツを着替えて寝る。 蚊に食われた。かゆくて目が覚めた。2350頃。キンカン塗って。蚊取り線香を焚いて寝る。 蚊取り線香焚いたら蚊が来なくなった。朝迄ぐっすり。
6時過に起きて解装の続き。 女房が7時頃起きてきたので、朝食。女房が昨日の食器をコクピットで洗う。私は解装を続ける。デッキに落とされた鳥のフンが夜露でうるけたところを雑巾で拭く。 コクピットが洗い物の後で濡れているので、ついでに雑巾でチークをゴシゴシする。雑巾は真っ黒になったが、チークの地の色が出てきた。 解装したり掃除したりしてたら、汗だくになった。 女房はキャビン内の片付け。 0900離艇。
せせらぎの湯。ここで海上生活がリセットされる。すっきりする。汗だくだった衣類一式全部着替える。気持ちいい。疲れも一緒に洗い流される感じ。すっきりさっぱり陸の人間になる。 国道136号が土肥新田で通行止めなので、帰りも仁科からクネクネ山道で西天城高原経由して帰る。 大関ラーメン。美味し。
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