「ワイルドで行こう」パート3

〜グランドティートン&イエローストーン国立公園の旅〜

<写真=中央やや右が夕日を浴びるMt.モーラン>

 まる2日間イエローストーンを楽しんで、再びグランドティートンを目指す。今夜の泊はジャクソンレイクロッジ。ここのレストランは窓越しに、連峰の一つであるMt.モーランの絵画的な風景を独り占め出来る。チェックインとレストランの予約を済ませたのち庭に出てみた。すると騒々しい人だかりだ。またまた大物か。私たちは駆け寄った。息子が叫ぶ。「熊だ、いやムース(へら鹿)だ」。庭と山の間は、広大な湖と湿原だ。その湿原の中に、確かにやつがいる。立派なまいたけのような角を持つオスのムース。双眼鏡で覗くとべろ〜んとした長い顔でのんびりと草を食べている。その姿は映画「もののけ姫」のしし神さまのようだ。残念ながらカメラに収めるには少し遠い。私たちはしっかりと肉眼にその姿を焼きつける。ムースのために用意された美しい舞台、Mt.モーランと大湿原の世界に、今、とっぷりと日が暮れようとしている。やがてムースも舞台も闇の中に消えていった。

 グランドティートンからの帰途は行きと少し違う道を通った。この帰り道もなかなか素晴らしい。自由旅行のバイブル「地球の歩き方」にも載ってない湖、ベアレイク。そこは田舎町の横に突然、マリンブルーの海が拡がるのだ。ヨットマリーナが美しく、とても山中とは思えない。またこの湖を眼下に臨む展望台からの眺めは壮大だ<写真=ベアレイクはマリンブルー>。ベアレイクからローガンという町までも、北海道の層雲峡を大規模にしたような風景の連続で面白い。気ままな車の旅も終わりに近づく。風景がごつごつした岩場のそれへと変わり、道は高速道へと流れ込む。7時、ソルトレイクシティに到着した。

 その日は市内のホテルに泊まり翌朝、レンタカーを返却した。全走行距離1100マイル。手続きは簡単、車の点検表をもらうだけ。精算は事前に登録したクレジットカードで勝手に行われる。飛行機のチェックインを間違ってしまった。デルタ航空でロスまで飛びJAL機に乗り換え関空へ降りる。何の気なしに国内線(ドメスティック)に並んでいたら、係員に「どこまで行くのか(経由地を含めて)」聞かれた。日本人が大きな荷物を持っているのでおかしい、と思ったようだ。国際線(インターナショナル)に並び替えとなった。早めにわかってよかった。さあ、ここから長い帰るだけの旅が始まるのだが、それがとんでもなく長いものになるとは知る由(よし)もなかった。

 デルタ航空機の中は行きと同様、日本人がほとんどいないのだが、ロサンゼルスに着くと俄然、増える。妻や子ども達は「おーっ、日本語だ」「日本食だあ」と大喜びする。確かにラスベガスを離れてこの5日間、完全にアメリカの中で過ごしていたわけだ。だが私にはもう少し物足りない。川下りで一緒だったウォーリー君の一家は二週間のロングバカンスだ。私たちは仕事を配慮して8日間という短い日程になったが、二度と行けそうもない所だからもっと贅沢な計画にすべきだったと悔やむ。

 今回の旅行を振り返る。第一のテーマは、バーチャルとリアルの融合である。「地球の歩き方」を除く資料や申込みのほとんどをインターネットで行った。バーチャルの世界で計画し旅先でリアルの世界に触れそして感じる。旅行記を書き、再びバーチャルの世界にそれを還元する。特にインターネットはホテルを自分で予約する時、大きな力を発揮した。またワイオミング州観光局から取り寄せた資料や地図も役立った。

 第二のテーマは自由旅行。旅は人生の縮図だ。だから、本来、旅は自分でプラン・ドゥ(計画・実行)するものと考える。旅へのこだわりが大きいほど、それは自由旅行への憧れとなる。人に連れていってもらい安心して遊んで帰る、そんな旅も手軽でいい。だが、今回のような自分だけのオリジナルな旅をやってしまうと、もう普通のパック旅行では物足りない。

 文句なし、アメリカはとにかくグレートだ<写真=ルーズベルト地区の大高原>。風景は底抜けに大きく、そこに住む人達の心もでっかい。彼らは自国の自然・動植物そして自分の職業や自国そのものに対して強い誇りを持っている。彼らはその気持ちを私たちにぶっつけてくる。短い時間の中でも私たちは充分にそれを感じ取ることが出来た。そして逞しく生きる動物たち。こんなに多くの野生動物と接触できるところは数少ない。ここではすべてのものが「ワイルドで行こう」なのだ<写真=草原に現れたコヨーテ>。

 長い長い帰国の旅が、ロサンゼルスのJAL地上業務員の「大阪に台風が接近しています」という言葉ではっきりしてきた。。飛行機は3時間遅れで出発し台風が過ぎたあとの大阪着を狙う。だが、予想以上にのんびり台風のため、帰国と上陸が重なってしまう。哀れ、離れ島の関空は陸への通路をかん水で絶たれる。関空内のホテルニッコーは満室で宿泊出来ない。う〜む、と一呼吸をおく。ノープロブレムである。私たちはホテルの豪華ロビーのソファをいち早く占拠、快適とまではいかないまでも機内よりはハイグレードな一夜を過ごした。それはぐったりと一仕事を終えたあとの満足な眠りだった。

リンク集
1.旅ポン
  JAL関連の旅行会社。他の航空会社との乗り継ぎやホテル予約も頼める。
2.ワイオミング州政府観光局
  資料請求が出来る。
3.ジャクソンレイクロッジ
  宿泊の予約が日本から出来る。おすすめのロッジ。
  川下りを始めアクティビティーの予約は、
  同サイトのGTLC(グランドティートンロッジカンパニー)ヘ。
  ただし、こちらは現地で予約しても間に合いそうだが。

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