全国公立中高一貫校設置の現状と今後の動向 

最終更新日:2008年8月12日


全国的に、進学型の公立中高校一貫校の設置(設置予定)が加速してきました。

 東大の「学生生活実態調査」(2002年11月実施)によると、東大生(学部)の出身高校は、私立中高一貫校が50.3%、国立の中高一貫校が11.8%、公立高校が33.3%という結果が出た。私立及び国立の中高一貫校出身者が実に62.1%を占めている。一方、公立高校出身者は、昭和63年の47.6%に比べて、14.3%も大幅に減少したことになる。

 そうした中で、公立の中高一貫校設置の動きが活発化してきました。そこで、進学型の公立中高一貫校の設置状況の現状と今後の動向について報告します。特に、今後11校の中高校一貫校を設置予定の東京都の動きに注目しています。その理由は、東京都の2年〜3年のタイムラグで追従する広島県の近未来が予測できるからです。

 従来、公立の中高一貫校は、設置する学区の「2番手進学校」を対象とする暗黙のルールがあったようですが、2008年度から県立千葉高校が一貫校に 移行しました。千葉県トップ(全国の公立高校のトップ)の名門進学校の中高一貫校の設置の意味は大きく、「2番手進学校」を対象とする暗黙のルール撤廃は、今後、各都道府県の公立中高一貫校設置に大きく影響するものと思われます。(公立の中高一貫校の設置状況についての詳細は、文部科学省のHPを参照下さい。)

 

進学型の全国公立中高一貫校設置状況(設置予定含む)

都道府県名

学校名 設置(予定)年 備 考

広島県

県立広島

2004年度

併設型 新設校

岡山県

県立岡山操山

2002年度

併設型 岡山高等女学校が前身

東京都

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

都立白鷗

2005年度

併設型

都立小石川

2006年度

完全な中高一貫6年制の「中等教育学校」

旧府立第5中学(1918年設立)

都立両国

2006年度

併設型 旧府立第3中学(1901年設立)

都立桜修館

2006年度

中等教育学校

都立大学付属高校を改編

区立九段

2006年度

千代田区に移管後、中等教育学校

立川国際中等教育学校

2008年度

都立北多摩高校が前身

都立武蔵

2008年度

東京都立武蔵高等学校附属中学校

都立富士

2010年度

中野地区中高一貫6年生学校(仮称)準備室HP

都立大泉

2010年度

練馬地区中高一貫6年生学校(仮称)準備室HP

都立南多摩

2010年度

八王子地区中高一貫6年生学校(仮称)準備室HP

都立三鷹

2010年度

三鷹地区中高一貫6年生学校(仮称)準備室HP

北海道

登別明日中等教育学校

2007年度

中等教育学校 新設校 登別

新潟県

県立燕中等教育学校

2005年度

中等教育学校 新設校

群馬県

県立中央中等教育学校

2004年度

中等教育学校 新設校

栃木県

県立宇都宮東

2007年度

併設型

県立佐野

2008年度

併設型

茨城県

県立並木

2008年度

中等教育学校

埼玉県

県立伊奈学園

2003年度

併設型

市立浦和

2007年度

併設型

千葉県

県立千葉

2008年度

併設型

旧千葉中学 日本を代表する公立名門進学校

千葉市立稲毛

2007年度

併設型

神奈川県

県立相模大野

2009年度

相模原方面 中等教育学校HP

静岡県

県立浜松西

2002年度

併設型

旧浜松第二中学

市立沼津

2003年度

中等教育学校

山梨県

組合立甲稜

2004年度

併設型

滋賀県 県立守山 2003年度

併設型

県立水口東 2003年度

併設型

京都府

 

府立洛北

2004年度

併設型 旧府立第一中学

京都市立西京

2004年度

併設型 京都府商業学校として創立

府立園部

2006年度

併設型 旧府立園部中学

和歌山県

県立向陽

2004年度

併設型

県立田辺

2006年度

併設型

兵庫県

芦屋国際

2005年度

中等教育学校、芦屋南高校を閉校し新設

山口県

県立下関

2004年度

中等教育学校 旧下関第一高校が母体

愛媛県

県立今治東

2006年度

中等教育学校

県立宇和島南

2006年度

中等教育学校

県立松山西

2006年度

中等教育学校

宮崎県

県立五ヶ瀬

1994年度

平成6年開校の中等教育学校

研究開発校として公立開設第1号

佐賀県

県立到遠館

2003年度

併設型 昭和63年開校 

県立唐津東

2006年度

併設型 旧県立第三中学 

県立鳥栖

2007年度

併設型

長崎県

 

県立長崎東

2004年度

併設型

県立佐世保北

2004年度

併設型

            (注記)併設型:中学、高校で募集枠有り、 中等教育学校型:中学のみ募集

 

[解説]

1.広島県は、広島中学・高校の大学進学実績を見た上で、既存高校を母体とした併設型の中高一貫校の設置を考えているようです。
2.つまり、既存の高校に中学校を併設するタイプの中高一貫校の設置には、慎重的な態度をとっています。

3.しかし、併設型にせよ開校までには、2年以上の準備期間が必要であり、早急な対応を望みたい。

4.広島県以外では、東京都が,計画的に設置を進めており、段階的に11校が開校する予定です。その11校の中には、両国(旧制府立3中)や小石川(旧制府立5中)といった名門進学校が含まれている。

5.県立千葉、京都府立洛北といった最も歴史と伝統のある「トップ校」が一貫校に移行することは、注目すべきである。

6.また、現在でもトップクラスの進学である岡山操山、浜松西、佐賀の到遠館、唐津東や長崎東、佐世保北の動向も注目される。

7.県立広島高校は、平成19年度第1期から期待通りの進学実績を上げています。県立広島に続く、中高一貫校の創設を強く望みます。

 (試案)公立の中高一貫校を6校程度増設する。

  *三次・庄原地区に1校(候補としては、三次など)

  *広島・呉地区に3校(候補としては、基町、国泰寺、呉三津田など)

  *備後地区に2校(候補としては、誠之館、尾道北など)

 

[関連サイト]

全国公立中高一貫校リンク集ガイア出版メディア事業部HP)

中高一貫校ナビ(公立、都立の中高一貫校を紹介する中高一貫校ナビ。全国132校の公立、都立の中高一貫校の基本データあり)

全国中高一貫校最新情報(進学レーダー 07年5月号)