K様
子供の頃、秋になると刈った稲を木で組んだ巨大な物干しにかけて乾かしていた。
最近すっかり見かけないのは機械で刈るようになったからだろうけど、実際のところはどうなってるのか?
「田植え」と「稲刈り」はセットもの。
「田植え機」と「稲刈り機」もセットもの。
「田植え機を体験した」ら、「稲刈り機も体験したい」のが人情というもの。
「田植え機」はスワンボートみたいなもので、私のようなへなちょこでも何とか使えたが、「稲刈り機(コンバイン)」はやたらとごつくて頑丈そうだ。
稲刈りと脱穀の機能があるからコンバインという名前なのか。
機能が倍ということは、複雑さも倍、値段もおそらく倍だろう。
これから乗るコンバインを前にして、私はつぶやいた。
「ぶっ壊すと、やたら高そう」
川島さんと運転席に乗り込み、一通りの操作説明をしてもらう。
まずは進行方向を実際に稲が植わっている方向に合わせる。
次に稲刈り装置を下ろして稲の根元の高さにする。
車の運転と、農機具の使い方で違うのは、高さを考えなくてはいけないこと。
低すぎると田んぼに突っ込むようになるので気をつけなくちゃ。
でも、この機械はいろいろなセンサが付いていて、人間があれこれ操作しなくても、コンバインを刈り取る場所に持って行き、稲刈り装置を下ろしてギアを入れれば、あとは何もしなくてもガーッと大きな音を立てて勝手に刈り取りながら前進する。
おまけに室内にはエアコンとラジオがあって炎天下なのに快適だ。
これはやり過ぎのような気がしないでもないが、なんかすげー。
さて、この稲の島をどうやって刈って行こうかと考えるが、田植えの時にやってみたかったけど出来なかった外周からぐるぐる巻きでやってみる。
やってみると、田んぼの縦方向は稲の植え方が揃っているけど、横方向はばらばらで、ちとやりにくいですな。
途中から縦方向のみで刈るようにしたら大分調子が良くなった。
刈り取った稲が横向きになって流れて行く。
私の後ろで脱穀された稲は、短く裁断されて田んぼにまかれ、これが肥やしになるんだな。
進行方向を調整するために、車体の右端を刈り取った稲に合わせるんだけど、時々カエルがピョンと飛ぶ。
刈り取った田んぼには白鷺がどこからともなく飛来し、気がつけば10羽位いるんじゃなかろうか。田んぼのカエルとかを食べてるのかな。
最後に田んぼの脇に止めてある軽自動車の荷台にセットした籾(もみ)タンク(?)めがけて巨大な鉄管を位置決めして送出。荷台のタンクを満タンにして稲刈り終了!
稲刈り後に、川島さんのところで落花生の塩茹でというのをご馳走になった。
落花生というと、殻の中にピーナッツが入っているものしか知らなかったが、これは初めてだ。枝豆の食感で、ちょっと「ほくっ」とした味はジャガイモにも近い。
このへんの飲み屋さんではビールのつまみにこれを出すのだそうだ。
うーむ、このへんだけのものなのか。
コンバインと落花生。どちらも貴重な体験だなぁ。
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