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OCCI 様 (3/88)  <田植え>

5月29日(木)

当直だが、どうも明日の田植えが気になる(楽しみ?)いつものゴム長では泥に潜ってしまい、使い物にならないのでは?(耕起の時、ぬかるんでいる所で足が抜けず、苦労した事がある)

以前に「カ○ンズ」で田植え用長靴と言うのを売っていたが、必要だろうか? 素足でも大丈夫なら、短パンのような短いズボンの方が良いのでは? 素足だと泥足で田んぼから上がった時にビーチサンダルでもあった方が便利では? 何か持っていったほうが便利な物は? 仕事の合間に、携帯から川島さんに質問のメールを送る。

5月30日(金)

家に帰って、まずメールをチェック。

「もぐった足が抜けて、ちゃんと歩けることが大切です。 田植用のゴム長靴がいいかと思いますが、裸足でも大丈夫です。 ズボンは長靴を履く場合は長ズボンで、素足の場合は短パンでサンダルを用意したほうがいいと思います。 今日、田んぼに水を入れておきました。」

短パンにTシャツ姿でビーサン持って成東へ。 途中のコンビニで飲み物を調達。 この格好ではまだちょっと恥ずかしい。(この辺りは海が近いので、真夏にはファミレスでもこんな客ばかりになるが・・・)    



川島さん宅の庭で田植えの講義。

「苗はもう運んでありますから。根っこを片手で持てるくらいの大きさにちぎって、3本くらいずつむしって 30p 間隔で植えます。本数は、いちいち数えなくても2本でも4〜5本になっても大丈夫ですから。」

ここで、秘密兵器(?)2本の竹の棒 登場。 長さ 210p で 30p 間隔に赤い印がついている。

「棒を縦横に置き、横棒の印の所に7箇所植えます。 横棒を縦棒の次の印までずらし、また横に7箇所植えます。 苗の長さの半分以上潜らないように。 機械で植えるときは、15p 間隔くらいで植えるけど、手植えだからこのくらいの方がやりやすいでしょう。」

「ほう?!」(分かったような、分からないような。)苗なんて見たことはあっても、持った事もないのに。

「途中で見に行きますから。」

「行ってきまーす。」(やっぱ川島さんは来ないんだぁ)

竹の棒2本と、とりあえず鍬も持って。 田んぼに到着。    



水が入ると少しは田んぼらしく見えてきた。 でも、やはり鍬で荒らして(?)しまったので、あちこちに島のように水面から出ている所があるし、草も跳ね上がっている。 とにかく田んぼに入ってみよう。

ヌルッ!  んー!この感覚、嫌いじゃないかも?(子供の頃、泥んこ遊びが大好きだった)

んッ? 歩けない! くるぶしの上までスッポリ泥に埋まって、足が抜けない!!

こういう時はスキーのブーツを脱ぐ要領で、踵を持ち上げて、っとっとっと。危ない危ない、バランスを崩して転ぶとこだった。こんな所で尻餅なんてつきたくない!

ふぅー! 1歩あるくのも一苦労だ。慣れるまで大変だぁ!

どうにか畔に上がって、苗、苗っと。 なるほど、板からベリっと剥がして、片手で持てる大きさにちぎる。最初は小さくて良いか。 竹の棒を縦横に、3本ずつむしって・・・。   なるほど。意外と面白いかもしれない。ぜんぜん力仕事でもないし。 210pの幅も、大股を開けば横に移動しなくて端から端まで手が届く距離なので、ちょうど良い。 しかし、これも前に進みながら植えるべきか? 後退りしながらか? 前に進みながらだと、今植えた苗を踏みそうで怖い。 後退りしながらだと、自分の足跡に大きな穴が開いて、そこには植えられない・・・? 足跡を埋めながら後退りしよう。 その方がどれだけ植えたかも確認できるし、まっすぐ植わっているかも分かる。 7箇所植えて、後ろへさがる。 足跡埋めて、ついでに草も埋めて、凸凹も平らに均しちゃえ。 また7箇所植えて、後ろへ・・・ へぇ〜。苗って根っこの方にお米が付いてるんだ。 そりゃそうか。お米が芽を出した物なんだから。    

OCCI様田植え

1粒のお米から、何千粒ものお米が実るって聞いたけど。それって、物理の法則に従っているんだろうか? たしか「質量保存の法則」って言うのを高校の物理の時間に習ったような・・・?(何十年も昔) 勝手に質量が増えたり減ったりしないはずでは? 1粒のお米から根っこが出て、葉っぱも出て、何千粒ものお米が実るのだから、質量は何万倍にもなるのでは? アインシュタインのE=MC^2 の公式からすると、ほんの少しだけ質量を増やすのにも、とてつもないエネルギーが必要になるのでは??  やっぱり、魔法だね?

足跡埋めて、草も埋めて、凸凹も・・・

「泥」って言う物も面白い。 土に水を混ぜると「泥」? (サンズイが付いてる) 畔の泥は固くて粘土のようだ。良く練るとお皿くらい作れるかも? 水面の上に出ている「島」の部分は、ぬかるみ。糠みその糠床のようだ。(大根漬けても漬物にならずに葉っぱが出るだろうけど。)ちょうど水面くらいの所の泥はタプタプしている。これが「液状化」だろうか? 大地震の時に「液状化現象」と聞くけど、こんな上に家が建ってたら、いくら基礎がしっかりしていても絶えられないだろう。

そして、田んぼの底の泥。これはまさしく「泥状」。ちょっと掻き混ぜると上澄みが濁って「泥水」になる。泥水=泥の水溶液? いや違うな。 時間が経つとまた沈殿するから「泥粒子の浮遊液」か? どっちにしても、この「泥水」なかなか元の泥と水に分離しないけど、比重はただの水よりずっと重いんだろうな? 台風の後に土砂災害が起こるけど、ただの水じゃなくて、こんなのが押し寄せてきたら、ひとたまりも無い。 木をなぎ倒し、家を破壊し、車だって押し流してしまう。 なんだか理科の実験やってるみたいだ。 もともと、理科系の人間だから(?)こういう「泥んこ遊び」は1日中やっていても飽きない。    



面白がって「泥んこ遊び」をしていると、川島さんが見に来た。

「だいぶ進んでますね。余裕があったら、この30cmの間にもう1列植えてみたら?」

「いやです!(キッパリ) せっかく植えた所にもう一度入っていったら、苗を踏みそうで。」(だいぶ慣れてきたが、まだ足元がおぼつか無い)

「無理しなくて良いですよ。だいぶ腰に来るでしょう?」

「今のところ何ともないです。頭が軽くてお尻が重い体型は田植えに向いているのかも?」

「秋にちゃんと実ると良いけど。」

(えっ、聞き逃さなかったぞ。「けど」って、やっぱりプロから見れば「こんな素人仕事じゃ無理だろう」って思っているのかな?   自分では当然、秋に稲刈りが出きると思っているのに。 いや、きっと川島さんの頭の中にも、この田んぼに黄金色にたわわに実った稲が見えたんだろう。それがこの一言になったんだ。)(聞こえちゃいました? 本当は無理だと思ってるんです。)

「頑張って下さい。」

「どうも!」  

川島さん帰る。    

鍬を使った力仕事と違って、全然疲れない。 むしろ楽しいくらいだ。 このままずっとやっていても良い。 でも、泥の中を歩く(あしを引き抜く)だけでも、ふだんあまり使わない筋肉を使っているし、けっこう太腿にも力が入っている。 今は何ともないけど、腰にも後で出て来るのかもしれない。 どうせ今日中には終わらないから、もう少しやって終わりにしよう。 明後日の日曜日は他の用事があるので来られないけど、次の月曜日も休みが取ってあるから、朝から1日頑張れば終わる(かな?)    



6月2日(月)

今日は朝から1日中田植え。

おとといは4分の1くらいしか植えられなかったが、だいぶ慣れてきたので、今日1日頑張ればどうにか終るかな? でも、4分の1くらい植えたのに、用意してもらった苗は10分の1も減っていない。今日は縦の間隔だけでも15pで植えてみようかな? たいして手間は違わないだろう。 いつものコンビニでお昼と飲み物を買う。いつも、途中で川島さんが飲み物を持ってきてくれるが、私はとても汗っかきなので、いつもペットボトルを1本買って来る。 今日は1日なので2リットル購入。    



田んぼに到着。 車を停めて、道を渡り、水路脇の畔を通って田んぼまで行く。 水路脇を通るとき、いつも同じ所で蛙が1匹水路に飛び込む。(お気に入りの場所なのか?) いつも飛び込んだ音で気付くので、見たことは無いが、音からしてだいぶ大きな蛙のようだ。 この田んぼはミミズが沢山いる。耕起をしていた時、1鍬掘り起こすごとに何匹も土の中から出てきた。 しかし、水の中では息が出来ないのか、田植えを始めてからは田んぼの中にはいないようだ。 あれだけのミミズはいったいどこへ移動したのだろう? 代わりに水の中には小さなオタマジャクシがいる。水面にはミズスマシもいる。何だか分からない虫もいる。 これは何だろう? ボウフラだ。 お願いだから、そのままボウフラでいてくれ。これだけのボウフラが蚊になったら痒くてたまらない。 そう言えば、よく田んぼの上で黒い塊になった蚊の大群を見る事がある。(「蚊柱」って言うのかな?)あんなになったら、たまらないな。 どんなに大きなボウフラになっても良いから、蚊にならないでくれ。(って、無理か。)

ウグイスが良い声で鳴いている。ウグイスにも方言(?)があるようで、うちの方では「ホ−・ホペチョン」とか「ホ−・ペチャパイ」なんて鳴いているが、ここのウグイスは上手に「ホ−・ホケキョ」と、きれいな声で鳴いている。 早口言葉がうまいのは、ホトトギス。「特許許可局」とけたたましく鳴いている。よく舌を噛まないもんだ。(実は噛んでいたりして。だから口の中が真っ赤に見えるのかも?) この鳥、誰かが「FAX鳥」って呼んでいた。そう言えば何故かFAXの「送信完了しました」の音に良く使われているようだ。(ナンデダロ?)

遠くの方で、コジュケイが「ちょっと来い、ちょっと来い」って呼んでいるけど、今忙しいから後でね。 あの鳥は何だっけ? 「行行子、行行子、ケシケシケシ」ヨシキリだったかな? 「行行子」って何だろう? 別に意味があって鳴いている訳じゃないか。 ニワトリの「コケコッコ」だって意味があるとは思えない。勝手に人間が聞こえたように言っているだけか。 ウグイスの「法華経」も昔は「ウ−・ウグイ」って聞こえていたらしいから。「ウグイする」から「ウグイす」になったって、だいぶ前に何かのクイズ番組でやっていたけど、本当だろうか?    



田んぼの周りには、自然がたくさんある。 種を植えたわけでもないのに、雑草は生えてくるし、水の中にもたくさんの生き物たちが住んでいる。 「田んぼは人間が作った物だから自然じゃない」って、前に書いたけど、そんな事は無いですよ宮崎監督! 大きな自然の、ほんの一部を人間が利用させてもらっているだけなのだろう。 でも、人間をここまで進化させたのも、広い目で見ると自然の一部なのではないだろうか? 森林伐採や大気汚染、海洋汚染、オゾン層の破壊など自然破壊をしている人間も、ここまで進化させたのは「自然」なのではないだろうか?(自然破壊=自然?・・・矛盾?) 将来、もし核戦争でも始まって人類が滅亡したとしても、そんな物を作れるまでに人間を進化させたのは、実は「自然」の力なのかもしれない。 「進化」の最終形は「自滅」?(エヴァンゲリオンだったかな?)

「自然」って、一体なんだろう?  とっても大きな力?  全宇宙を動かすもの?  神? 日本にはたくさんの神様がいる。山の神、川の神、海の神、風の神、雷の神、雲の神、太陽の神・・・木や、石にだって神様はいる。(ヤオヨロズの神々) 人間以外の全ての物に神が宿っているのかもしれない。 「自然」=「神の力」?    ん〜、難しい。 そう言えば、川島自然農園にも「自然」って入っている。    



バカな事を考えながらやっていたので、思ったようにはかどらないうちに12時になってしまった。(15p間隔にしたから?) ひと休み! コンビニで買ってきたオムスビをほうばっていると、うしろに見慣れた車が停まった。 川島さんがお昼を持って来てくれた。

「お昼持って来たの?おむすび作ってきたんだけど、どうします?」

「わーい!いただきます。」コンビニのオムスビより、川島さんの方がよっぽどおいしい。 それに、有る物は全て食べ尽くす性格(←だからブクブク太るんだ!)なので、全部食べても八分目にもならない。

「苗、いっぱい余ってるんで、15p間隔で植えてみました。ずいぶんクニャクニャ曲がってるし、途中から15pにしたから、変ですかね?」

「いや、良いですよ。上等上等!本職の農家の人が見たら笑われるかも知れないけど、ぜんぜん平気ですよ。」

「凸凹を均したりしながら、のんびりやってるから、今日中に終るかどうか。次の明けは7日(土)なんですけど、大丈夫ですか? 苗、植えないで置いたらだめになっちゃうんじゃ?」

「根っこの方が水に浸かってれば大丈夫。あわてずにのんびりやってください。」

「おむすび、ありがとうございました。」



ひと休みしたところで、さて、午後の作業! おっ! またあの猫がきている。 いつもここに来ると、どこからか1匹の猫がいつのまにか現れて、いちばん遠い所で寝そべってたまに目を開けてこっちを見ている。近くの家で飼っているのだろうか?ノラではないようだが。 そう言えばあれに良く似た模様の猫を飼っていた事がある。(2〜3年前に死んでしまったが。)

「ブーちゃん! ブー! ブー!!」 似ていても名前は違うようだ。

家では今までに何匹も猫を飼ったが、都会の猫はブーだけだった。(東京から引っ越して来る時にいっしょに連れてきた。) 都会の猫と田舎の猫は性格がぜんぜん違う。(ウチの猫だけかもしれないが) 都会の猫はきれい好きで、ちょっとでも体が汚れたり濡れたりすると、いつまでもペロペロ舐めているが、田舎の猫は汚れ放題。 どこでゴロゴロして来たのか、体中泥だらけで背中に草の種をいっぱい付けて帰ってくる。(そのうち、背中から芽が出て花が咲くぞ) お土産も違う。都会猫はせいぜい、尻尾の切れたトカゲや羽のちぎれたトンボくらいだが、田舎猫は野ネズミ、スズメ、ムクドリなど。 しかも、「捕ってきたよ」って見せると、隠れて頭だけ残して食べてしまう。 ヘビをブラブラさせながら帰ってきたときには、さすがに何処かへ置いてくるまで家には入れなかった。

そうそう、川島さんからお米を買うきっかけになったのは、この「ブー」だった。

家の近くにも田んぼがある。 年に一度の一大イベント「ヘリコプター(のアクロバット飛行)による農薬散布」がある。 散布前には回覧板が回り「家畜やペットを出さないように。車にカバーをするように。井戸に蓋をするように」などと、注意を促がすが、この日程も当てにならず、天候(雨、強風、濃霧など)でずれる事がよくある。 何日も雨が続き、やっと晴れた日に散布が行われた。その翌日「雨が続いて、ずいぶん外に出していないし、農薬散布も終ったから」と、出してやった。 農薬散布は、近くに人家もあるので、田んぼすれすれに飛行して、なるべく他へ飛び散らないように行われるが、それでも近くの草むらなどには飛んでしまう。 そこの草むらをブーは遊び場にしていた。 体が汚れたので、昨日散布した農薬とも知らずに、なめてしまった。 その夜、帰宅してみるとぐったりしていて、あわてて動物病院に連れて行き、一命をとりとめた。

「猫があんなになるんだから、人間にだって影響が無いはずがない。」

偶然、この年は冷夏で米が不作。 タイから緊急輸入して、店先に並んだ、あの年だった。 そんな時に新聞のチラシに「合鴨による完全無農薬栽培、川島自然農園」と入ってきた。

「まずいタイ米食べるんだったら、ちょっと高いけど買ってみようか?」

と、それ以来、我が家では合鴨米以外は買ったことがない。

あれっ? フッと顔を上げるとあの猫はもういない。 全く、気まぐれなんだから。 きっと家に帰ったのだろう。 こっちもそろそろ切り上げて帰ろうか。まだだいぶ残っているけど、残りは土曜日にやれば終るだろう。    



さすがに、1日中田植えをしていると疲れる。それも、凸凹を直しながらだから「しろかき」と「田ならし」を一緒にやっているようなもの?(と言うより、巨大な壁塗りをやっているよう。)

家に帰り、車庫入れ。 首が痛い。この前、寝違えたのは治っていると思うけど? やはり、人間は真っすぐに立ってその上に頭が乗っているのがいちばん安定するのだろうか? 前屈みで1日いると、首にそれだけ負担がかかるのだろう。    



6月7日(土)

昨日の当直はちょっと辛かった。
夜中の2時30分と明け方の4時に起こされた。 起こされるだけなら良いのだが、仕事をしなくてはならない。(当然といえば当然だ) 「なんだ、1晩にたった2つの仕事しかしてないの?」と思われるかもしれないが、この時間帯は結構辛い。 まず、2時30分に起こされ、準備、仕事、後片付け で約1時間かかる。 3時30分に床に着き、その30分後の4時に起こされる。 また、準備、仕事、後片付け で、5時に床に着く。 6時には起きて、朝の仕事の準備を始めなければならない。(かえって、寝ないでずっと起きていた方が楽かもしれない) 土曜日なので、朝の仕事が他の日よりも少なかったのが唯一の救いだ。

いつものように、帰りの電車ではボックス席を1人占めして、ウトウト。・・・いきなり仮死状態へ。 zzzz 「プシュー」ドアの閉まる音で目が覚める。「ここは何処?私は誰?」 そうか、電車の中だ。 上り?下り? これから仕事に行くんだっけ? いや、当直明けで帰るところだ。 「ウィーン」電車が発車する音。 で? この駅は? 降りる駅だよぉー!!! あと30秒早く目が覚めていれば・・・。 仕方がない、次の駅まで行って戻って来よう。 次の駅までの間に上り電車とすれ違う。 この時間、本数少ないんだよなあ。乗客も少ないから仕方ないけど。 おまけに休日ダイヤ? 結局、隣の駅で40分待たされる。(ローカル線はこれだから・・・。一応、複線なんだけど。かえって単線の方が隣の駅で上り電車が待っていてくれたかも?) この駅は無人駅だから、かってに外に出て近くのお店でお昼でも食べて来ようかと改札の方を見ると、駅員らしい人がいる。 (何で今日に限って!) べつに「乗り過ごしたんで、上りの電車が来るまで外に出て良いですか?」って聞けば「良いですよ」って言ってくれる事は分かっているが、言い出すのも何だか悔しい。 結局40分間、ひたすらホームで待つ。

いつもの時間に職場を出たのに、こんな所で1時間近くタイムロス。 あー、モッタイナイ。 家に帰り、車に飛び乗り、田んぼへ。    



よーし! 今日で終らせるぞー! と、意気込んでいたのは最初のうちだけ。 だんだんスピードが落ちて来る。 植え方もグニャグニャだ。 前回曲がって植えた所を基準にして、また曲がって植えていくから、曲がり方が増幅されて(?)なおさら曲がって行く。 曲がったのを直そうと、反対に曲げると、蛇行して行く。曲がったら曲がったまま植えた方が良いのか? Kさんではないが、いっそ渦巻状に・・・。

「これは、定規にしている竹が曲がっているんだ。自分はちゃんと印の通りに植えている。」などと、竹に責任を押し付けている。 時間ばかりがどんどん過ぎて、ちっともはかどらない。 

「今日はだめだな。明日の午前中までゆっくり休んで、午後からまた来よう。 明日やっても終らないようでも、そこまでで終わりにしよう。 中途半端だけど、これだけ植えてあればもう良いだろう。」    



6月8日(日) 田植え最終日

午前中、ゆっくり休んで、1時前に田んぼに到着。 田んぼの様子がおかしい。水が減っている。 スパナを持って水栓を開けに行く。 水栓は手でも回せるくらいにゆるんでいる。 それなのに水が来ない。 これはきっと大変な事だと思い、携帯から川島さんにTEL。

「今、田んぼに来たんですけど、水が出ません。田んぼの水も減っているし、水栓開けても水が来ないんですが。」

「栓を開けても出ないのは、水を引き込むところで何かトラブルが起きているのでしょう。その田んぼだけじゃなくて、周りの田んぼ全部だろうから大丈夫ですよ。そのうち出ますから。こういう事はよくあります。」

「そうなんだ。じゃあ、昨日の続き植えてます。」

幸い、昨日の続きの辺りは、低くてまだ水が残っていたので植えられた。 しかし、「島」になっていた所まで来ると、「糠床状」よりも「粘土」のようで、これでは植えられない。 高い所の泥を少しどかして、低い所から溝をつけて水をもって来て、足で泥をコネてみる。 だいぶ前にテレビで見た事がある、田植え前の田んぼで、だいの大人がフンドシ1本で泥水をかけ合ったり、泥んこになって遊んでいる(?)映像。 フト思い出した。 もしこのまま、水が出なかったら、こんな泥だらけのまま車に乗って帰るのだろうか? 田んぼ脇の水路は排水用だからきれいじゃないし。 そうか、また川島さんに電話して、手足洗えるくらいの水を持って来てもらおう。 でも、こんなドロドロの手で電話かけるの? 携帯、壊れないかな? 「ゴボ!ゴボ!ゴボ!」 ん? 良かった。水が流れてきた。 ひと休みしているうちに、植えられるくらいに水が入るかな? 手足を洗って、車に戻り、一時休憩。    



どれ、もう大丈夫かな? タップリ水が入って、「島」もなくなっている。 おまけに、足でコネておいたので、植えやすい。 「フンドシ姿のだいの大人」もただ遊んでいたわけじゃなかったんだ。 よーし! あと、ひと頑張り。 やっぱり水が流れている方が気持ちいい。 淀んで生ぬるくなった泥水に、きれいな水がどんどん入ってくる。 この水は利根川から地下水路を通って、ここまで来ているって聞いた。 千葉県は、回りをぐるっと海に囲まれているが、高い山や大きな川がない。 水道水も、利根川から買っているそうだ。(だから千葉県は水道料金がとても高い) そう言えば、東金に出来た「ときがね湖」も、利根川からの地下水路を通って来た水を、いちど地上に溜めて、また地下水路を通して県南部に配水するための施設のようだ。 だから、ダムで堰き止めて湖を作っているのに、そこに流れ込む川もないし、出て行く川もない、不思議な湖だ。

最後の一列! ここは幅2mないから「秘密兵器」は使わないで植えてみよう。 幅も狭いし、棒の移動もないので、思ったより速く進む。

終ったぁー!! 「小さな田んぼ」の完成です! この小さな田んぼ、星いくつ頂けるでしょうか? 無星ですぅ カァ〜!」 (チュ−ボーの堺巨匠でした。)

OCCI 様記念撮影

ここまで出来れば、誰が見ても「田んぼ」だぞ。 我ながら良く出来た。(自己満足) そうそう、今日は完成した田んぼを撮ろうとカメラを持ってきたんだ。 あれ? いつもと反対、田んぼの奥の方の藪の中から川島さんが出てきた。 手にはスイカを持っている。 もしかして、スイカ泥棒? まさか。泥棒がわざわざ包丁で1切れだけ盗ってくるはずがない。

「どうしたんですか?そっちの方から。」

「ちょっと、そこの家で話してたんで。ここの田んぼ借りてる家なんで。」 (へー?ここって借りてるんだ。 こんな所(失礼)借りなくても、他にも沢山田んぼあるんだろうに)

「スイカもらってきたから。」

「いただきまーす。モグモグ。よく冷えてて、すごくおいしー。」

「完成ですね。こっちの手前の方は、何で空けてあるの?」

「べつに意味はないんですが・・・」

「ここに名前書くと面白いかも?」

「それも考えたんだけど、まっすぐにも植えられないのに文字なんてとても・・・。こんど、手の空いた時にでも植えて下さい。苗もだいぶ余ってるし。」

「やってみましょう。」

「この後は何をやれば良いんですか?」

「後は当分、水の管理と草取りくらいです。」

「水の管理って?」

「水が減らないように、チョロチョロ水を流して、うまい具合に排水の方へ流れるように、毎日調整します。」

「毎日は来られないんで、それはお願いします。草取りには来ますから。」

その後、10日くらいして草取りに行くと、きれいに『OCCI』と植えてあった。(さすが!)

田んぼに OCCI の文字が!

「草取り」は次回(4/88)のお楽しみに!    


(斜字の部分は、川島の心の声です)


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