◆ 天日干しの干物はおいしいのか? 2004/04/28
お日様の光で乾燥させた天日干しの干物はおいしい、というイメージがあります。
「産地直送、天日干しのアジの開き、ホッケの開き」などと聞くと、「おいしいだろうなあ」と思います。
けれど、おっちゃんが、水産加工の専門家の先生に教えていただいたのは、その常識をくつがえすものでした。先生は、「天日干しより機械乾燥の干物の方が旨みはある」と、おっしゃったのだそうです。
今、食品のおいしさを測る旨み成分は数値で分析できるようになりました。
魚の旨み成分はイノシン酸といいます。
アジの干物を4つの方法で作り、旨み成分(イノシン酸)含有量を比較したそうです。4つの方法とは、
・天日干し
・機械乾燥(冷風乾燥)
・干物用の脱水シートを使用
・凍結乾燥(フリーズドライ)
乾燥前のアジには、100グラム中に1200 の量のイノシン酸がありました。(1200 IMP と数えます。IMP=イノシン酸) 結果は、
・天日干しは、400 IMP
・冷風乾燥は、700 IMP
・脱水シートは、900 IMP
・凍結乾燥は、ほぼ1200 IMP
つまり、天日干しはイノシン酸が 1/3に減っており、他のどの方法よりも減り方が激しいのです。イノシン酸の残存量から見れば、天日干しは、いちばんおいしくない乾燥方法となってしまいます。
食べくらべると、脱水シートや凍結乾燥の干物は、生っぽくておいしいそうです。
対して、天日干しは、表面と内部との乾燥の差がはっきりしていて、焼いて食べると
このコントラストがほどよい食感を示すそうで、好みによってはこちらに軍配を上げる人も多いのだとか。専門家の悩みどころだそうです。「旨み成分がいくら多くてもおいしさには不十分で、食感を捉えなければ人の口は満足させられない」という、難題なのですから。
ネットで検索しましたら、NHKの番組「ためしてガッテン」で干物を採りあげた放送回がありました。http://www.nhk.or.jp/gatten/archive/1999q3/19990825.html(自動リンクは張っていません)
この中でも、食べくらべの結果を載せていますが、「小学生は、機械乾燥の方が柔らかくておいしいという子が多く、料理学校のスタッフは、全員天日干しの方がおいしいといった」と書いてありました。面白い結果です。
味覚はそれぞれですが、料理の専門家は食感に重きをおき、「干物のおいしさはこういうものだ」、という固定観念を持っているのかもしれませんね。
子供の味覚には固定観念がないため、イノシン酸の旨みを
そのまま受け入れた子が多かったのかも…。
それにしても、凍結乾燥で作られた干物のイノシン酸がほとんど失われていないのはスゴイです。
デパートなどで、生っぽくて日持ちのしない干物が、高価な値で売られている中に、この製法の干物があるそうです。
意識して食べくらべてみたいですね。 o(^・^)o
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