任天堂見聞録2004年上半期

雑誌に掲載された、任天堂に関する発言をピックアップしております。掲載されている文章はすべて一部を抜粋したものです。

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Nintendo DREAM vol.114 2004年5月21日発売 高橋 宏之(キャメロット・代表取締役社長)

高橋 秀五(キャメロット・代表取締役副社長)

<今年のE3で1人勝ちしたのは任天堂>
E3の前日の各ハードメーカーのカンファレンスが開かれて、任天堂がいちばん最後だったんですね。で、すべてのカンファレンスが終わった段階で、証券アナリストやゲームアナリストの評価は「今年のE3は任天堂が1人勝ちだ」っていうものだったんです。DSに参入を表明するメーカーも多かったですし。(高橋 宏之
 ところが日本に帰ってきてびっくりしたんですよ。全然盛り上がってなくて。アメリカではあれだけDS一色だったのに。(高橋 秀五
 すごく問題に感じたのは、向こうのマスコミ関係者らが、E3の会場で何が起きてるかを理解できなかったことなんです。証券アナリストの人から聞いた話なんですけど、現地のゲームアナリストと呼ばれる人がヤングアダルトくらいの年齢層で、FPSが大好きなんだそうです。そこで、その人が「FPSは、あーだこーだ」という話をはじめちゃったために、ニュース番組ではFPS一辺倒の報道になっちゃったんだそうです。せっかく「任天堂が1人勝ち」というムードができていたのに、一般マスコミのその報道でかき消されてしまったんですよね。でも、日本のメディアの人たちは、少なくともあのような熱気があふれるムードを感じとってるわけですよ。その部分を新聞や雑誌で伝えてくれればよかったんですけど、それをやらなかったんです。むしろ、論調的には向こうの一般マスコミが伝えているのと同じようなことをやってる。そのおかげで、「今年のE3では目新しいものがなかった。あいかわらずFPSがどうで、マーケットの主流を占めるのはFPSらしい」というイメージが伝わってしまったなあと思っています。(高橋 宏之
 E3に行って、見て感じたことをそのまま記事にしたら、あのような記事にはならないはずなんですよ。だって、いちばん人が並んでいたブースはどこなの?いちばん盛り上がっていたブースはどこなの?ってことになったら、それはやっぱりDSで、誰がどう見たって任天堂ブースに決まってるんだから!(高橋 秀五
 ゲームがわかるような人たちは「今年のE3を見ての印象は、FPSが頭打ちになっていて、むしろ、そっちの方向を向かないでこれまでやってきた任天堂が今年は巻き返すことになるだろう」ということをみなさんが口をそろえて言ってるんですね。実際、ぼくらも取材で向こうのマスコミの人に会ったんですが、みなさんそういう風に言ってるんですよ。(高橋 宏之
 「話題性があるので並んでみたけれど、実際は内容がなかった」というのならわかるんですよ。でも、みんながDSを見て「これはすごい!」って感じたはずなのに、そういうことをほとんど文章にしていない。おかしいですね、今回のE3は。(高橋 秀五
<一部には「既存のゲーム機は限界だ」という声もありますが・・・。>
ハードのせいにはしたくないですよね。ぼくらはまだまだジタバダしたいんです。(高橋 宏之
 やっぱり初期の頃のテレビゲームがいちばん面白かった頃って、画面写真を見ただけで、「このゲームはどうやって遊ばせてくれるんだろう?」と想像することがいちばん楽しかったわけですよ。もちろん期待を裏切られることも多かったんですが(苦笑)。(高橋 秀五

 

週刊ファミ通2004年6月25日号 2004年6月11日発売 兼松 聡(テクモ・執行役員 クリエイティブ事業部部長)
<クリエイターの視点から見たニンテンドー・ディーエス>
ニンテンドー・ディーエスは、触るまえと触ったあとでは感想がまったく変わりました。触るまえはダブルスクリーンで何をやろうかと考えてたんですが、タッチスクリーンのレスポンスが想像以上によすぎてビックリしました。とにかく、発想と妄想を掻き立てられるハードだなぁと。機能面で興味があるのは、ニンテンドー・ディーエスの場合、タッチスクリーン。ストレスなく直感で操作できるし、子供に受けるでしょう。ぼくは昔、タッチスクリーンを使ったゲームを流行らせようとしたことがあるんです。その当時の想いをやっと具体化できそうで興奮しています。また、ほかの機能も実際に発表されるまえに想像していたものといい意味で違っていて、じつは考えていた企画を最初から練り直している最中なんです。アイデアをゲームにどう落とし込むかがこのハードの勝負どころだろうね。僕は現在、ニンテンドー・ディーエス用ソフトの「モンスターファームシリーズ最新作」を開発していますが、個人的には脱衣麻雀を作りたい(笑)。タッチスクリーンで女の子に触れるようにね(笑)。将来的な展開ですが、ニンテンドー・ディーエスは遊びに特化して、携帯ゲームトップの牙城を守りにくるでしょう。あとは新しいデバイスを使ってどんな発想が出てくるか。自分も本気で取り組みまっせ!

 

週刊ファミ通2004年6月25日号 2004年6月11日発売 菊地 啓介(テクモ・商品開発部部長)
<クリエイターの視点から見たニンテンドー・ディーエス>
ハードを触っての感想ですが、ニンテンドー・ディーエスは、高性能の「おもちゃ」という印象。非常に想像力を刺激されましたが、デザイン的にはゲームボーイアドバンスSPのほうが好きですね。ボタンのレイアウトを見ると、このハードはボタンよりもタッチスクリーンが主流の入力装置になると感じました。機能面で見ていくと、ダブルスクリーン、タッチスクリーンといったセールスポイントが直接、新しい遊びへのアプローチとなっています。しかし、慎重にならなければいけないのが、これらの機能が形骸化してしまうと、開発者もユーザーも手間が多くかかるだけになってしまう恐れがあることです。いろいろアイデアが考えられるので、遊びに直結したシステムの立案が鍵でしょうね。ニンテンドー・ディーエスにはおもしろい機能がついていますが、単純にゲームボーイアドバンスの後継機として確実に売れるでしょう。そういった状況の中で、新しいデバイスを使ったソフトがどれだけ勢力を伸ばせるかが、気になるところです。

 

週刊ファミ通2004年6月25日号 2004年6月11日発売 谷口 篤志(フロム ソフトウェア・開発部部長)
<クリエイターの視点から見たニンテンドー・ディーエス>
ニンテンドー・ディーエスの場合は、新しいデバイスを使ったアイデアが多くて、企画立案に時間がかかりますね。しかも、うちの会社は2Dのソフトを発売したことがないので、ポリゴン寄りの設計ではないニンテンドー・ディーエスに使えるノウハウが少ないんです。昔からのグラフィッカーにお願いして、基本的な概念から勉強中です(笑)。ニンテンドー・ディーエスはやはりデバイスがポイントです。タッチスクリーンや音声認識などの直感的な操作で、ゲームと現実世界のあいだのフィルターが薄くなり、より深いゲームの世界を体験できるソフトが生まれてくるでしょう。将来の展開を予想すると、ニンテンドー。ディーエスは、ゲームボーイアドバンスの影響で低年齢層を取り込むのは確実です。新しいデバイスを積極的に利用して、現在の安定しがちなゲーム業界に、ちょっと違った道を示してくれれば、ゲームを離れた中、高年齢層も取り込める可能性がありますね。

 

週刊ファミ通2004年6月25日号 2004年6月11日発売 寺田 貴信(バンプレスト・SR開発課リーダー)
<クリエイターの視点から見たニンテンドー・ディーエス>
ニンテンドーディーエスでの展開についてもよく聞かれますが、ゲームボーイアドバンスで4本出していますし、その後継機であるニンテンドー・ディーエスにもいずれは供給することになるだろうと考えています。ただし、現時点では何も決まっていません。ニンテンドー・ディーエスですけど、これには正直ヤラれた!任天堂は毎回新しいインターフェースを提示してくるんです。今回は単純にボタンを押すものではないだろうとは思っていたけど、出てきたのがペンとダブルスクリーン。携帯機でそこまでの「仕掛け」を持ってくるとは思ってませんでした。子供の心をつかむのがウマイですよね。学校に隠し持って行きたいですもん(笑)。ゲームだけじゃなく、勉強するフリしてペンを持ち、授業中にワイヤレスネットワークで筆談みたいな、スパイツール的な遊びかたもできるんじゃないかな?

 

週刊ファミ通2004年6月25日号 2004年6月11日発売 水ピン(エンターブレイン・ファミ通キューブ+アドバンス編集長)
<ニンテンドー・ディーエスに触れた印象>
予想よりもはるかにおもしろかった。おもしろいというより新鮮っていうほうが的確かな。タッチスクリーンをどう使うか、それだけ取ってみてもボクの想像を超えているものがいくつもあったし。アナログ的って言うか、感覚的には「1歩も2歩も僕らに近づいてきた」みたいな感じ。素直に楽しめるし、初めて触るのに何となく懐かしく、親しみやすさがあって新鮮。そういう意味では、ゲームへの熱が冷めちゃった人とかを、もう1回ゲームに引き戻す力があると思う。任天堂が以前から言ってきている「複雑になってきているゲームを打開したい」という言葉は、確実に体現できているなと感じましたね。
<ニンテンドー・ディーエスの可能性>
間違いなく、まだ見せていない要素があるはず。それがタッチスクリーンの使いかたなのか、2画面の使いかたなのかは正直わからない。今回はその一端が見えたにすぎないんだけど、それだけでもすごかったので期待は膨らんでいます。音声認識とか16人までのワイヤレス通信とかを活用できるソフトの開発も進んでいるはずだし。ただ、ソフトの面では、その独創性ゆえに他機種から移植することもできないし、他機種へ移植することもできない。発想自体を変えないといけないから、クリエイターはたいへんだと思うね。

 

週刊ファミ通2004年6月25日号 2004年6月11日発売 林平 久和(インターラクト・代表取締役 ゲームアナリスト)
<ゲームアナリストの目から見るPSPとニンテンドー・ディーエス>
PSPとニンテンドー・ディーエスに関しては、じつは対決していないんです。まるでお互いが協定を結んでいたかのように両ハードの性能や方向性が違うじゃないですか。両社が狙うターゲットも異なるので、まるっきり正反対のハードだと言えるわけです。正反対すぎるので、対立しているとも取れるし、棲み分けができているとも取れる。E3で見たときから感じていたのは、PSPはユーザー受けする、ニンテンドー・ディーエスは業界受けするということです。日本に戻ってからユーザーにアンケートを取ってみたのですが、やはりユーザーにはPSPのほうが受けがいい。その点、サードパーティーは、現時点では任天堂のほうが開発ツールが早く行き届いていることなどもあって、評価が高いのでしょう。実際に、開発に関してはニンテンドー・ディーエスのほうがPSPよりも早い段階から進んでいたようです。ほかに強く感じたのは、これからは「企画」よりも「仕様」が大事になってくるのでは?ということです。ニンテンドー・ディーエスの場合は、タッチスクリーンを指でなぞったときにエフェクト効果があって効果音が鳴る。それだけでも十分おもしろいと思うんです。つまり、インターフェース面でのおもしろさ。要は、PSPは見た感じ、ニンテンドー・ディーエスは触った感じの、企画ではない仕様を詰めることが重要になると思います。ニンテンドー・ディーエスについてもう少し語らせてもらうと、「PictoChat」は同ハードの起爆剤になり得る爆発力を持ったソフトだと思っているんです。10年まえに、日本中の若者からおばあちゃんまで、みんなが携帯電話でメールするなんて、誰も予想できなかったですよね?逆に、「これからはテレビ電話みたいなものが普及する!」とみんなが思っていたんですけど、現時点ではそれほど普及していません。つまり、テレビ電話のようにコケるか、携帯メールのように社会現象になるかというような、100かゼロかみたいな爆発力を秘めているように感じるんです。「ドラクエ」や「FF」といった、いわゆるキラータイトルというものを超越した、社会現象になってもおかしくない無気味さを「PictoChat」で感じました。ただ、僕は現時点でこれがコケる可能性が高い気がしてならない。なぜなら、電車の中でニンテンドー・ディーエスを持っている人がいくら多くても、「PictoChat」を本体に挿していて、さらに電源を入れている人となると、その数はガクンと落ちてしまい、見知らぬ人とチャットして楽しむという機会が低くなるのではないかと思うんです。「PictoChat」が本体に内蔵された機能だったら、間違いなく太鼓判を押したんですけど。価格ですが、任天堂の価格設定のスタンスは、いままでと同様、変わらないだろうし、変わらなくてもいいと思っています。任天堂は、ハードの価格をできるだけ抑えて発売するということをやってきたので、ニンテンドー・ディーエスは親が子供に買って与えられるような値段になるのでしょう。

 

週刊ファミ通2004年6月25日号 2004年6月11日発売 清水 隆雄(任天堂・情報開発部 東京制作部 企画担当)

小泉 歓晃(任天堂・情報開発部 東京制作部 企画担当)

<(「ドンキーコング ジャングルビート」の)タルコンガを使ってプレイするアクションゲームという発想は、どういう思いから?>
「ドンキーコングつながり」の仕事で、宮本のほうから「1回タルコンガの会議に出てくれ」と言われまして「ドンキーコンガ」の操作系やタルコンガ自身の触り心地について、私たち開発陣でアイデアや意見を言っていたんです。東京に、タルコンガのサンプル品が届いて、それを見た小泉からアイデアの提案があったんです。(清水 隆雄
 もともと私は「ゼルダ」や「マリオ」シリーズで、プレイヤーキャラの操作性やカメラシステムをおもに作ってきたんです。長年、箱庭的なゲームの世界を作ってきたのですが、最近操作方法が難しいといろいろな人から聞くようになり、シンプルでわかりやすいゲームを作りたいと思い始めました。いままで、ふつうのコントローラーでプレイするゲームばかりを制作していたので、そろそろ違う手応えのゲームを作りたいと思っていたんですね。そんなときに、「ドンキーコンガ」のタルコンガとちょうど出会ったんです。私もタルコンガの開発に立ちあっていたので、その手触りや感覚のよさを知っていて、無謀にも「タルコンガをアクションゲームで使う!」と宣言したんですよ(笑)。でも、タルコンガを使えば、きっとおもしろい、複雑な操作を必要としないアクションゲームが作れると確信はありましたね。(小泉 歓晃
<開発で苦労された点は?>
最初に移動やジャンプなどの基本的な操作法は決めておいたんです。あとは、その操作法を変えずに実際にゲームを遊んで、どう動くのかの調整との戦いですね。コントローラーの特性や、それに合わせてどういった遊びが可能なのか、ふつうのコントローラーでできた動きをタルコンガではできないので、それに変わる新しい仕組みを考えていったわけです。(小泉 歓晃

 

週刊ファミ通2004年6月18日号 2004年6月4日発売 浜村 弘一(エンターブレイン・取締役社長)
<触ってみて、岩田社長が従来のマシンと区別したかった気持ちがわかる気がした>
昨年(のE3)はコネクティビティーを前面に押し出し、つながることで遊びの幅を広げるという提案をしていた任天堂。今年はソフトの豊富さを打ち出した展示になっていた。昨年末、任天堂は北米においてゲームキューブの値下げを断行し、前年対比40パーセント以上も普及台数を伸ばした。ハードが普及すればソフトも増える。ここ数年で仕込んでいたソフトが一気に製品化できたこともあり、ブース内にはたくさんのソフトが並んでいた。しかもそのバリエーションが豊富だ。他社の展示では、一人称視点のガンゲーム、いわゆるFPSタイプが多かった。でも任天堂は、自社の作品でFPSっぽいのは「メトロイド」くらい。ジャンルに縛られず、ここのキャラクターの魅力にフォーカスした作品が並んでいた。そのラインナップに、EAのスポーツゲームシリーズをはじめとする、サードパーティーの作品が加わる。映画のようにリアルな3D画面もあれば、2Dのファンシーな画面もある。ターゲットの年齢層も幅広く、リビングでみんなで遊ぶゲーム機として見た場合、任天堂ブースがいちばんバランスのよい仕上がりになっている印象を受けた。さて、そんな任天堂ブースの中でももっとも注目されていたのは?もちろん、新型ハード、ニンテンドー・ディーエス。この新ハードへの注目度は、E3に展示されていたすべての製品のなかで、もっとも高かったと思う。なんせ開場と同時にできた行列の最後尾は90分待ち。東京ゲームショウだと珍しくないかもしれないけど、E3はビジネスショウだ。こんなことは珍しい。毎年欠かさずE3に来ているボクだけど、こんな行列はこれまで見たことない。さてそのDS。かつて、任天堂の岩田聡社長は、このマシンを称して「携帯用ゲーム機でもない、据え置き型でもない、異質なもの」と表現した。ゲームなのか、おもちゃなのか?さまざまな憶測を呼んだが、ふたを開けてみれば、ゲームボーイアドバンスとの互換性のあるマシン。ん、つまりはゲームボーイの後継機だったわけ?実際に触ってみると・・・・・・うーむ、たしかにこれは異質な感触。こする、叩く、位置を指定する、指定したものを引っ張って移動させる、絵を描く。こんな操作、いままでのゲームでやったことない。強く印象に残ったのは、「パックマン」タイプのゲーム。画面上には、いくつかの敵キャラが憎たらしそうにフワフワ浮いている。付属のペンを使ってパックマンの絵を描くと、あら、不思議!描いたばかりのパックマンが、いきなり動き出して、敵キャラをパクパク食べ始めたのだ。パックマンが画面の端まで来たら、壁がわりの線を引いてやることで、パックマンの進む方向を変えることができる。ゲームのルール自体はいたってシンプルなものなんだけど、なんたって、自分が描いたばかりの絵が、すぐ目の前で動き出すなんて!入力形態がボタンからタッチパネルに変わるだけで、こんなにも新しい感動を持てるなんて・・・・・・。大きな特徴であるふたつの画面に関しては、各ソフト、さまざまな使い方をしていた。下画面で絵を描かせ、上画面にはステイタスを表示していたり。ふたつの画面で視点を変えてみたり、上から下へと画面をつないでみたり。傾向として多かったのは、1画面を3D、もう1画面は2Dという使いかた。3Dにしたときの描画のクオリティーは、どうやらニンテンドー64と同等以上。とはいえ、液晶画面の性能がかなりいいから、ニンテンドー64のゲームをテレビモニターで見たときより、ずっと綺麗に見えた。さらに注目は。無線機能。周囲約30メートル以内なら、自分の書いた文字や絵を送ることができる。これを利用すれば、プレイヤーがスリープ状態にしておいたソフトが、同じソフトを遊んでいる人が近づいたことを感知していきなり立ち上がる、なんてことも可能だ。電車に乗っていて、急にゲームが立ち上がった。見渡すと、同じようにDSを持ってニヤリと笑っている少年がいる。「なんだ、やる気か!」なんてことで、突然、「ポケモン」の対戦が始まったりするかもしれない。DSは、音声入力マイクも内蔵しているから、「行け!ピカチュウ!100万ボルト!」なんて叫ぶと、さっきの少年のモニターの上画面に、自分のピカチュウが登場し、下画面にいる相手のポケモンに電撃を食らわすことだってできるかも。んー、夢が広がる!いままでのゲーム機になかった機能を持つDS。斬新なゲームがどんどん登場しそうな予感がある。岩田社長が、従来のマシンと区別したかった気持ちが、実際に触ってみてわかる気がした。北米だけで2560万台も普及しているゲームボーイアドバンス。その後継機として、数千種類のソフトを資産として遊ぶことができるDS。携帯用ゲーム機の大本命であることは間違いない。

 

Nintendo DREAM vol.112 2004年4月21日発売 時田 貴司(スクウェア エニックス・第7開発事業部 事業部長)
<数字の付いたFFのロゴが任天堂ハードで見られるのは、感慨深いものがありますね!>
SFCの「Y」が94年だから、ちょうど10年ぶりで。京都へ行くのもずいぶんひさしぶりでした(笑)。(任天堂に行ったのは)去年の夏頃です。「ぜひ、Vもお願いします」と言われました。
<今回の開発のきっかけは?>
今の「FF」のユーザー層は、「Z」以降のPSユーザーの割合がすごく多いんですよ。今回はそれよりも下の年代の、新しいユーザー層に広めていきたいという狙いがあって。それならもう、GBAしかないだろうというところで決めました。いわゆるポケモン世代のユーザーを意識して、遊びやすくリニューアルを施して。「ポケモン」でRPGを知ったユーザーが、より深みのある物語やシステムを受け入れられる頃だと思うので、そこにアピールするような形で進めたのが今回のGBA版「FFT・U」なんです。
<GBAでの開発は時田さんとしては初めてになりますけど、作ってみての印象は?>
やっぱり懐かしいですね。ファミコン、スーパーファミコンとドット絵をやってきた人間としては。これでいいじゃん、という作りができるのが、ほっとするところなんですよね。最新技術を使って3Dで作り始めるとキリがないし、詰め込むほど終わりが見えなくなる。GBAの場合は、画面の小ささを意識してわかりやすくしなきゃいけないって意味でも、落としどころがわかりやすい。あといちばんいいのが、プログラムにしてもグラフィックにしても、ちょっとした追加でもすぐ反映されて、出来上がってくるレスポンスもいい。それでおのずと作りこんだゲームが出しやすいのかなぁ、と思います。
<今回は何人くらいで作られてるんですか?>
トータルで20人くらいですねだから、少ないほうで。だいぶ、最近うちの会社の傾向とは逆を行ってるかもしれませんけど(笑)。僕自身はもう、大人数じゃあまり作りたくないなぁとは思ってて。せいぜい25〜30人くらいがチームとして見渡せる限界なのかな、と。50人以上いると、もう何人でも同じになってしまうから。
<今のユーザーが「FF」に求めているものって何だと思いますか?>
最近はグラフィックのクオリティだと思うんですけど。今回はGBAというハードの中で、それなりに頑張っている部分もあるんですけど、それだけじゃない。何でもありなところこましれません。

 

Nintendo DREAM vol.112 2004年4月21日発売 日野 重文(任天堂・「ピクミン2」ディレクター)

阿部 将道(任天堂・「ピクミン2」ディレクター)

山口 亘(任天堂・「ピクミン2」アートワーク)

<(「ピクミン2」で)プレイヤーキャラを2人にした理由は?>
前作では、ピクミンが数ヵ所で仕事をしているときに、オリマーがあちこち移動していましたが、もうちょっと便利に見て回りたいと思っていたんですよ。パソコンのゲームなんかだと、マウスでカーソルをピッと動かすだけで移動できるようなものもありますけど、そういうふうにただ便利なだけではなくて、新しいキャラクターをからめながらそれができたらいいなと考えたんです。新しいピクミンを2種類出して、日数制限をなくして、プレイヤーキャラクターを2人にするという遊ぶのスタイルは、最初の段階で決まっていましたね。ただ開発チームでも議論したんですけど、分かれて行動しなければクリアできないというネタはできるだけはずそうよって。2人で行動してもいいし、ばらばらに行動してうまいこと工夫すればどんどん便利になるというくらいのバランスで。(阿部 将道
 ばらばらに行動することをゲーム側から強制するのではなく、プレイヤー自らがオリマーとルーイを使い分けたことによって、徐々にうまくなっていく自分自身を体感してもらいたかったんです。(日野 重文
<(ばらばらで行動することの便利さに気づいてもらうために)ルーイが離れた場所に放り出されたんですね。これはチュートリアルをしっかり作ろうということですか?チュートリアルって、開発サイドとしてはなくてもいいじゃないかと思う気持ちの方が強いものですか?>
(チュートリアルの為に)開発期間を延長したと言ってもいいぐらい、序盤の展開は気を遣いましたね。本当は僕らはシステムをくわしく説明せずに、ユーザーへの投げっぱなしでやりたかったと思っていたんです。遊ぶ人が自分でいろいろ試して、気がついていってくれるだろうと。ところが、モニタをとってみると、遊びの仕組みを理解しないままの人が多かったんですね。じゃあやっぱり説明を増やしたり、遊びやすく導いてあげなければと考えて、序盤を大きく作り変えることになりました。(阿部 将道
 (チュートリアルは)大事なものだと思っていますよ。開発中はものすごい期間をそこに注いでいますしね。今回も延長してからの期間に、ものすごい量のモニタをとっているんですよ。前作をプレイいない人がどういうプレイをするかとか調べると、ぼう僕らが予想できないほどの動きをいっぱいするんですね。そういった人たちがちゃんとプレイできるように、すべての点を吸収しようとしたので大変でしたね。(日野 重文
<どうして実際に存在するものをお宝にしようと考えたのですか?>
お宝を集めていくゲームと決まった時点で、実在するものを集めたほうがリアリティを感じられるなと思ったんです。(阿部 将道
 各企業には、ちょっと無理なお願いをしたんですね。いま実際に入手できるものではなく、すでに廃止されたデザインを使わせて欲しかったんです。だから見慣れたものでも、いま手に入るものとはデザインが違っているはずですよ。「ピクミン2」を、どういった層にアピールするのかという議論をしたんですね。もちろん全年齢という前提はあるのですが、前作はとくに幅広い年齢層の女性に気に入ってもらえたと思うんです。だから「2」は、お父さんの世代にも響くようなものが作れたら、と考えたんですね。そういうわけで、30代〜40代の人たちに懐かしく思ってもらえるようなお宝を出したんです。実在のものを出した理由はもうひとつあって、ピクミンがどれくらい小さいのかわかりやすくするために画面上でのスケール感にはこだわったんですね。牛乳ビンのフタなど実在するものを置くことで、それがより伝わるだろうなと。ゲームの舞台である星がどこなのかは明かしませんけど、プレイした人に自分の日常生活のすぐそばでお話が展開しているような錯覚をおこしてほしいと願って、見覚えのあるお宝を入れたんです。(日野 重文
 イラストを前作のようなCGイラストではなくてクレイモデルでやろうよっていうのも、いちばん最初はゲーム製作チームからの提案だったんですよ。それは、やっぱり温かみがほしいというか、よりピクミンを身近に感じてもらいたいからねんですね。(山口 亘
<(発売を)待っているユーザーにひと言お願いします。>
ここ数年、「癒し」って流行りじゃないですか。ピクミンも癒しキャラだと思われがちですけど、僕はちょっと違うと思うんですね。今回のパッケージのデザインは女性のデザイナーに任せたんですけど、大人の女性の持つ優しさが感じられるデザインに仕上がっています。生きることの厳しさを表しながら、優しさも感じられるというか・・・。女性向けでもなく、子供向けでもなく、大人の男性向けでもない、まさに全年齢に向けたこのゲームにふさわしいものになっていまよ。(山口 亘

 

Nintendo DREAM vol.110 2004年3月19日発売 青沼 英二(任天堂・「ゼルダの伝説 4つの剣+」プロデューサー)

鈴木 利明(任天堂・「ゼルダの伝説 4つの剣+」ディレクター)

<(「ゼルダの伝説 4つの剣+」の開発は)思ったより時間がかかったとおっしゃいましたが、ひょっとして、あのお方(宮本 茂)の、ちゃぶ台返しがあったんですか?>
開発期間についてはですね、2Dゲームのことを僕がなめてかかっていたんですね。僕も以前2Dのゲームを作っていたので、ある程度の時間がかかることはわかっていたんですけど、今回は力のあるディレクターが2人もついているし、E3に出展したことで手応えもわかっていましたから、秋ぐらいにはできるかなと考えていました。で、やっていくうちにさまざまな問題が出てきて、秋には無理だけど年内いっぱいには・・・、という感じでやっていたんですが・・・。1人用と4人用のどちらもバランスよく作るのは難しいんですよね。1人でたっぷり楽しめるものを作ったら、4人でやると時間がかかってしょうがないし。じゃあ、そのバランスってどうやってとったらいいのかって考え、自分なりに考えて作ってはみるんですけど、なんかね、決め手がないんですよ。それが理由で、年末までかかってしまったんです。結局、年始のちゃぶ台返しは、その部分を突かれました。「「ゼルダ」は1人で遊べるゲームとしておもしろくなければダメだよね」って言われて、「ええっ、今回はマルチプレイゲームのはずでしょ!?」ってびっくりしましたけど(笑)。(青沼 英二
 一応、僕は1人用も考えていたんですよ。商品として1人用モードも必要だろうって。いらないんじゃないか、という人もいましたけど。いらないっていう意見をねじまげて1人用を入れていたのに、やっぱりメインは4人用で1人用はおまけぐらいでいいだろうっていう考えが自分の中にあって、それほどのデキにはなっていなかったんですね。そしたら「1人用を入れるって言ったなら、もっとキチンとやりなさい」と当たり前のところを突かれたってことなんですよね。それから、4人用の視点で見ていたものを、1人用の視点ですべて洗い直しました。(鈴木 利明
 全体の仕様は確定していましたから、あとは何をやればいいのかってポイントを絞れたので、その後の1ヶ月はそこを重点的に作り直す作業でしたね。しかも直してみると、「なるほどね。たしかにこっちのほうがいい」と思えてくるんですよね。宮本はこう言うんですよ。「僕は自分でちゃぶ台をひっくり返すけど、自分でも片付けるからね」って。まさにその通りで、「ここはこうすればいいじゃない」とかちゃんとアイデアを出してくれるんです。その通りにしてみると、やっぱりいいんですよね。やっぱり「ゼルダ」を維持していくためにはこの人がいないとあかんのかな・・・と、僕はプロデューサーとしてめちゃめちゃ悔しくてしょうがないですけど。(青沼 英二
<ゲームの進め方が、いわゆる「ゼルダ」っぽい構造ではなくなりました>
コースクリア型になりましたからね。これまでの「ゼルダ」のように、同じ場所に何度もやって来てというスタイルではないです。すごい贅沢な作りなんですよ。これまでだと、ゲームの中で何度も足を運ぶようにマップを作るんですけど、今回は1コースクリアするたびに、新しい場所がどんどん現れるという。こういうスタイルも、「ゼルダ」にはありなんですよ。「ゼルダ」って途中で遊ぶのを止めるのが難しいゲームじゃないですか。けど、今回は新しい遊び方のできる「ゼルダ」なんですね。僕は、結構気に入ってます。(青沼 英二
 「神々のトライフォース」を作ったスタッフが今回も関わっているんですが、彼らに贅沢すぎるって言われて・・・。これじゃあ、ダンジョンを24個作っているようなもので、まるで、「神々の時のムジュラ」だよって(笑)。「それほどすごいものをお前はオレたちに作らせているんだからな」って言われるんで、「すみません。よろしくお願いします。でも作りやすいでしょ、GCだし」と答えてました(笑)。(鈴木 利明
<ハートのかけら探しやアイテム集めなど、おなじみの遊びを切り捨てるには勇気がいったと思いますが?>
マルチプレイっていうのが大前提としてあったんで、プレイヤーのパワーアップを引き継ぐ要素は捨てるしかなかったんです。それぞれのプレイヤーで、スタート時からハートやアイテムに差がありすぎると、バランスが悪いので。(鈴木 利明
 もちろん、おなじみの「ゼルダ」っぽい遊びを変えることに多少は抵抗ありました。けど、昨今のライトユーザーと呼ばれる人たちの中には「ゼルダ」って聞いただけで、「えーっ、すごいボリュームで、ずっとやってなきゃいけなくて、途中でわかんなくなりそう。そんなのやりたくないよ」と感じる人が、すごく増えていると思うんですよ。僕はすべての人たちに「ゼルダ」を遊んでほしいので、そういう人たちが多数をしめる時代がきたら、それにあわせて「ゼルダ」も変化していいと思っています。けど、これ以降は全部こういったスタイルにするのかと言うとそうではなく、ひとつのスタイルに固まる必要はないと思うんですね。いま、子供も大人もゲームで遊ぶ時間はすごく限られていて、徹夜してまでゲームで遊ぶ人は以前ほど多くはないですよね。そういう生活環境の変化に対して、僕たちは意識していかなければならないんです。どうすれば短い時間で遊んでもらえ、それを継続してもらえるのかを考えることが、これからの課題ですね。(青沼 英二
<「4つの剣+」は、インターネットを使ったネットワークゲームに対する回答ですか?>
オンラインゲームの可能性を否定するわけではありませんが、これが我々が考える身近なネットワークのひとつの形と言えるでしょうね。いつも言ってますけど、やっぱり僕らは、顔を見ながら遊びたいんですよ。互いに顔を見ながら遊んだときの一体感を大切にしたいんですね。集まるのが面倒くさいとか、ある程度年齢のいっている人は恥ずかしいとかあるのかもしれませんけど、やってみるとおもしろいんですよ。逆に、見ず知らずの人と遊ぶのに慣れてしまったネットワーカーたちに、ぜひ遊んでみてほしいんですよね。忘れていた遊びの原点が見えてくるのではないかと。(青沼 英二

 

Nintendo DREAM vol.109 2004年3月6日発売 中村 光一(チュンソフト・代表取締役)

丸田 康司(チュンソフト・開発部 「HOMELAND」ディレクター)

<GCで開発してみて、どう感じましたか?>
GCを選んだのは、PS2より高いスペックを持っているということで、いろんなことができることが大きかったですね。あと任天堂ハードで「MOTHER2」の制作に関わってたのが大きかったのかも。N64と比べると作りやすいですね。作りたいものが作れますし、まったく処理落ちしませんし・・・。パワーがあるのでやりたいことができちゃうんですけど、何でもできるので調子に乗るといろいろ大変だったりするんですけどね(笑)。(丸田 康司
<「HOMELAND」というタイトル、とてもシンプルですよね>
「HOMELAND」は「故郷」っていう意味があるんです。「僕の故郷に遊びにおいでよ」っていうイメージです。RPGの原点をもう一度気軽に楽しんでもらえるゲームにしたい・・・っていうのが、このゲームのコンセプトなんです。ゲームが複雑に難しくなっているなかで、レベルが上がっていく喜びとか、RPGの基本的な楽しさがたくさん詰まったゲームを求めている方も多いと思います。まさに、そんなゲームですね。「ドラクエ」をプレイした方なら説明書はいらないかも?(中村 光一
<キャラクターデザインに有澤さんを起用されたきっかけは?>
シナリオを担当している稲葉が探してきたデザイナーの1人なんです。ほかに数人に声かけて、とりあえずイラストを描いてもらったんですけど、みんなホクが想像していた範囲のデザインだったんですね。でも、有澤さんだけ、ボクのイメージの上を行っていたんです。一番魅力的に感じました。(丸田 康司

 

週刊ファミ通2004年4月16日号 2004年4月2日発売 宮本 茂(任天堂・専務取締役 情報開発本部長)
<実験的な作品は実験的な作りかたで>
いや、毎回いろいろなケースがあるんやけど、今回(「ゼルダの伝説 4つの剣+」)はかなり特殊でしたね。コンセプトが「ゼルダ」という素材を使っていろいろな遊びを作ってみようという実験の意味合いが強いんです。で、そういったことをやりながら試行錯誤しつつ作ったんやけど、やっぱりお客さんから「ゼルダ」という名前である以上はしっかりとしたストーリーがあってひとりで遊び込めるという「ゼルダ」の風体をしてなアカンというリクエストが出てきた。まぁ、どこまで歩み寄るかが問題なんですがね。で、作ってみたらひとり用もかなりいい出来だったから、「ゼルダ」という風体にすべく作りこんだ、というわけです。もともと特殊な実験から始まっているので作りかたも同様に特殊で実験的だったと(笑)。で、開発のメンツの中に新入社員なんかも入ってるんですが、今回、彼らが「こんなふうに作るんですね」とか言うんです。で、「違うぞ!!」って(笑)。「今回の場合はいつもと違う、けっこう特殊なパターンだから」って説明しておかないと、彼らが勘違いするからアカンって青沼に言ったりして。時間のかかり方がちょっと特殊だったんです。いつもはね、もっとピシーッとしてますよ(笑)。
<2種類の彫刻とビデオゲームの利点>
すごい大事なとこでね、僕、ビデオゲームのおもしろさっていうのは、彫塑じゃないかと。ほら、像を作るのも彫塑(粘土、油土などを肉づけして像を作ること)と彫刻があるでしょ。で、彫刻っていうのは計画どおりに彫っていく。最初にカンッてミスしたらダメになるんです。ビデオゲームっていうのは、だんだんと作り上げていくんですよ。で、最後に頭をひねったら、ぐぐっとねじれたりして、ああいい感じ、っていうのができるんです。いちばんわかりやすいのはマリオのジャンプする高さを2ドットほど高くしたり、走る速さをちょっと速くしたら、難易度ってものすごい変わるんですよ。映画なんかじゃこうはいかない。ビデオゲームはそういう色を1色抜いてみようか、みたいなことで全体のイメージがすごく変わりますから。そういうところがおもしろく、かつ気の抜けないところなんじゃないかな。
<これからの「ゼルダ」はどうなりますか?>
新しい技術が出てくれば。魂を失なわへん「ゼルダ」っていうのはずっと作れると思いますよ。ま、いつまでも岩を押すだけとは限らないんですが(笑)。つぎの新しい技術は何かなぁと。うーん、いまより高性能のグラフィックチップではないやろと思っててね。あ、でも、高性能に越したことはないですよ。

 

Nintendo DREAM vol.109 2004年3月6日発売 高橋 宏之(キャメロット・代表取締役社長)
<(「マリオゴルフGBAツアー」は)GC版の発売から、少し間があいた理由はあるんですか?>
実は、1回壊しているんです。2003年の夏には、完成度80%くらいのバージョンがあったんです。思っていたとおりの完成度が得られなかったんです。「黄金の太陽」を見てもらえばわかるんですが、あれは全社員で期間をかけて制作しています。GC版の「マリオゴルフ」も、社員全員で制作期間もかなりかけてやっと完成したんです。ですから「GBAツアー」の途中バージョンというのは、かなりの少人数で作っていたわけです。「黄金の太陽」を経過して今回のゴルフがあるわけなので、GBA版を本気で作ると、やっぱりあの人数ではだめだなという結論に到達しました。
<画面を見ていると、携帯機とは思えないグラフィックなんですが・・・>
64版からGC版に変わって、グラフィックは、圧倒的に進化したじゃないですか。やはり、そういう進化も求められるだろうなと。いや、僕ら自身が求めちゃったんです。すべてリアルタイムで組み立てています。例えば、芝の切れているところも全て地形を読み込んで、上からの高さ情報や、フェアウェイはどうなっているのだろうかなど、3Dで見た映像に作り直して貼り付けています。ここまでリアルタイムで動かせるソフトはそうはないとおもいます。普通はやらないですよ(笑)。例えば、ショットを打つ方向に邪魔なものがある場合、前作までは画面を切り替えて方向を変えなければいけなかったんですが、今作は微調整ならこの画面のままで動かせます。なので、めちゃくちゃ操作性がよくなっていると思います。

 

Nintendo DREAM vol.109 2004年3月6日発売 小林 裕幸(カプコン・第四開発部カンパニープレジデント)
<(「バイオハザード4」は)開発そのものにリセットがかかった・・・ということですが、どんな風にリセットされたんですか?>
2002年の発表会で初めて出したものに変更がかかり、昨年のE3で発表したものにもう一度変更をしました。その後でさらにリセット、完全な「ちゃぶ台返し」をしたんです。当然、現段階である程度プレイできる状態まではなっているワケですから、以前から開発していたプログラムの部分、いわゆるエンジンは残ってます。が、素材は全部やりなおしです。キャラクターも背景もやりなおししてます。三上もボクも、「バイオ4」の当初からの狙いはフルモデルチェンジだったんですよ。いままでとは全く違う、新しい方向性をもった「バイオ」を作るということですね。で、フルモデルチェンジを狙って開発をはじめて、2002年に発表をしました。でも開発を進めていくと、なかなかうまく行かないところが出てきて、2003年に一度変更をかけてたんです。その時の発表した映像が去年のE3のものですね。そこからまた思考錯誤をしていくなかで、最終的に三上が決断をしまして。みずからディレクターをやるということで、チームに入ってしきり直ししたんですよ。他のスタッフは変わってないんです。三上が入っただけなのにこれだけ変わったんです。やっぱりそれが三上真司のディレクター力ではないのかな、と思いますね。
<グラフィック的に、ゲームキューブ版「biohazard」はかなり衝撃があったじゃないですか。あれを超えてますよね>
もちろんです。あのときもゲームキューブの限界に挑戦していたんですけれど、それをも超えてますよ。背景なども今回はフルポリゴンですけれど、グラフィックもかなりがんばってます。ポリゴンの制限があるなかでも、自然と造形物を多く配置した背景とか、レオンの造形がくずれないようにしつつも敵もたくさん表示したりとか。ひとつの画面にかなりの敵がでてきてるんですよ。すごく攻めて作ってますね。さらにキューブの限界を追ってます。
<今回は視点もかわってますよね。今まではプレリンダの背景に固定カメラでしたけれど・・・>
そうですね、「ベロニカ」とも違うし。ファーストパーソンとかサードパーソンの間のような、僕らは「ビハインドカメラ」と呼んでるんですけど、レオンと一体化できるような視点なんですね。ファーストパーソンになってしうと、主人公キャラが見えなくなりますし。この辺も、三上自身がかなり試行錯誤した部分ではあったんですよ。で、あるとき「いける!」と決めたんです。逆にスタッフのほうが不安がってましたね(笑)。現場ではかなりもめたみたいですけど、カメラの位置も決まりました。結果としてうまくはまりましたね。
<「バイオ4」がこの先の「バイオ5」につながってたりするわけですね>
「バイオ5」は・・・・・・・・・いやいやいや!どうでしょうね?それはなんともいえませんねー。危ない危ない、思わず言いそうになった(笑)。「バイオ」シリーズは、「1」「2」「3」「ベロニカ」「0」でいったん区切りなんですよ。で、「バイオ4」でしきり直して・・・「5」がどうなるのか、どうするのかは全然決まってないです。まぁ、「4」がどう着地するかによって「5」のことを決めていこうとおもってますけど。ほんとに「4」が新しいスタートなんですよ。
<いままでのシリーズと同じ感覚のホラーではないんですね>
ホラーの質が違うんですね。実は、今回はホラーをメインにしてないんですよ。アクション要素も増やしてますし、ゲームとして面白い部分を強調してますので。逆に、怖さだけで言ったら「biohazard」には勝てないと思いますね。あっちのほうが怖いと思います。今回は逆に怖さより面白さをとったので、スタイルもちょっと違いますし。「バイオ」は怖いゲームだからやらないとか、「バイオ」はもう飽きたという人にとって、新しいゲームとしてやってもらえればと思います。サバイバルホラーには違いないんですけど、ホラーよりもサバイバルのほうが強いです。今までは怖さでヒヤっとしましたけれど、今回は臨場感で手に汗を握る感覚ですね。今までの作品だったら、扉を開けたらゾンビがいて怖かったおいう感覚ですけど、今回は違うんです。なんか後ろから声がするなぁと思ったらいつのまにか敵が立ってたりとか。ヒュルヒュル〜って音が聞こえたと思ったら、いきなり斧が飛んできて・・・とか。

 

週刊ファミ通2004年3月5日号 2004年2月20日発売 見城 こうじ(ノイズ・代表取締役社長)

岡安 啓司(スタジオフェイク・代表)

小金 澤力(任天堂・情報開発部本部制作部制作課)

<本作(「カスタムロボ バトルレボリューション」)の制作の経緯は?>
ゲームボーイアドバンス版の「カスタムロボGX」のデバッグ中の見城さんにお話をしたのが、2002年の6月くらいかな。もともとゲームキューブでやりたいっていうのがあったんですけど、ノイズは「GX」のほうにかかりっきりだったので、「じゃあどこかと組んでやりませんか?」っていう我々の提案を伝えて。見城さんのほうも「作りたい気持ちはあります」と。で、社内で「カスタムロボ」でどこかいい制作会社を探してるんでと相談しているときに「こういう優秀な会社があるんだけどどう?」ということでスタジオフェイクを紹介していただきました。(小金 澤力
 64版を作ったときにあれはあれで小学生を中心としたユーザーの方々に支持されて、僕は非常に気に入っていたんですけど、今回はゲームキューブで出すにあたって高い年齢層にもアピールできるような作品にしたい、というのと海外を狙えるようなものにしたいという思いがありました。ですが、「GX」の製作中であり、そういった部分を含めてちょっと社内ではパワー不足な感は否めなかったですし、ノイズだけで制作すると、どうしても以前と同じパターンになってしまう可能性がありました。で、今回、スタジオフェイクのお話を受けたときに、新しい血を入れることで新たな「カスタムロボ」が作れると思ったわけです。岡安さんの「レンタヒーロー」や「シェンムー」を拝見しまして、非常にセガらしいダイナミズムがあるんですね。ノイズとはいい意味で違うカラーがあったわけです。(見城 こうじ
 「シェンムー」で会社(セガ)を辞めて、3年前にスタジオフェイクを立ち上げました。そろそろ会社として何か1本受けたいな、と思っていたところにお話をいただきまして。セガで育ってきた私にとって、任天堂と仕事をするってのは夢なんですよ。よろこんでお受けしましたね。「辞めた甲斐が合ったな」と(笑)。(岡安 啓司
<今回、見た目がいままでの作品とガラっと変わりましたよね>
方針としては中学生以上が引いてしまわないキャラクターデザインにしたいっていうのと、海外。そこはハッキリしていました。(見城 こうじ
 64版とガラっと変えて、海外で通じるものを目指したいというお話はうかがっていたんです。でも、見城さんは見城さんでこだわりがあって、どうしてもそれを捨てきれない。気持ち的にすごくわかります。そういったなかで、今回のビジュアル面での苦労は「見城さんをいかに納得させるか」(笑)。(岡安 啓司
 今回、ゲームキューブになって、どこまでビジュアルに凝ればいいのか、私たちも暗中模索だったのですが、スタジオフェイクがかなり精力的に努めてくださいました。たとえば、今回64版と同じコンセプトのホロセウム(ステージ)もたくさん残しているのですが、64版を知っている方が見ると、そのグレードアップぶりに「これが同じステージ?」と驚かれると思いますよ。(見城 こうじ
 でもキャラに関して言えば、主人公キャラのレイ01が決まるまでがすごく時間がかかりましたね。1回ひっくり返ってますし。なんかすごく細かい話なんですが「顔はなくしてもいいじゃないか?」とか「顔はなくしちゃダメなんだったら目だけはどうか」とか。(岡安 啓司
 そこは、いちばん悩みましたね。人間顔があるから子供っぽさが残るじゃないかって話がずーっとあって。やっぱりあの顔があるから「カスタムロボ」だっていう結論に落ち着いたわけです。(見城 こうじ
<ビジュアル同様、シナリオモードのストーリーもいままでとイメージが異なりますね>
競技バトルみたいなものから脱しないとマズいかなという思いと、もっとクールな世界観を表現できないかなという思いがありました。基本的にはプロットは僕で、シナリオへと膨らませて仕上げてくれたのは岡安さんなんです。(見城 こうじ
 プロットを見城さんからいただいたんですけど、「レンタヒーロー」に似ているなと思ったので。「あ、これは好きに書いていいんだな」って。最初の見城さんの段階だとアクションアドベンチャーといった感じだったんですが、いろいろと書いているうちにSFチックになってきちゃいまして。(岡安 啓司
<楽しみにしているファンへ、見どころをお願いします>
最終的に対戦を楽しんでもらいたいというのはこれまでの根本的な部分と変わってません。ひとりから4人までと、何人の場合でも対応できるように改良されています。もちろん、いままでのファンを裏切ることなく、新規のユーザーさんにも親切設計ですんなりゲームに入っていけるという部分も変わっていませんので、ぜひ楽しんでいただきたいです。(見城 こうじ
 ゲーム内容に関しては見城さんから説明があったので私からはそれ以外の部分を・・・・・・。サウンドは「バーチャファイター2」の曲を手がけていた中村隆之さんにお願いしました。いままでのシリーズとはまた違った、男っぽいサウンドになっています。デモムービーはCGの世界でLightwaveの巨匠の青山敏之さんにお願いしています。こちらも「さすが」という出来ですので見どころのひとつですね。(岡安 啓司
 今回、ストーリーも変わって、キャラも変わって、いままで「カスタムロボ」をやったことのある人には「ちょっと違うかなぁ」と感じるかもしれません。ただ、そういった64版を楽しんだ方々が「おおっ?」と思っていただけるようないろんな要素が入っておりますので、ぜひプレイしていただきたいですね。(小金 澤力

 

週刊ファミ通2004年3月5日号 2004年2月20日発売 石原 恒和(ポケモン・代表取締役社長)
<「ポケットモンスター赤・緑」が発売された96年。ゲームボーイはハードとして収束に向かっているとも言われていましたが・・・>
確かにそういう面はありました。しかし逆に言えば、もうハードが十分に普及しきったということ。だから、ユーザーを引きつけるソフトを作れば売れるという確信があったんです。95年に任天堂が発売した「マリオのピクロス」が100万本売れていたので、「ポケモン」なら200万本は売れるかと。当時は強気だとか言われていたんですが、結果的にはその数字すらも超えてしまいました(笑)。
<記録的なヒットとなった最大の理由は何だと思いますか?>
ゲームボーイという携帯型ハードと適合していたというのがいちばんの理由だと思います。通信ケーブルをつないで対戦したり交換するということは、ゲームボーイでしか出来ないことですから。(一方でN64「ポケモンスナップ」など、冒険的なソフトも提案したことについては)続編を作っていくという流れには、必ず複雑、先鋭化して初心者には敷居の高いものになっていきます。だから同時に、新しいアイデアを取り入れたべつの提案もしていかないといけないんです。
<「ポケモンフェスタ」などのイベントを行っている理由は?>
「ポケモン」には人とのつながりで楽しさを増す仕掛けがたくさんあります。だから、それを体験する場所を用意していきたい。これを続けることが、人気を持続していく下地になると思います。
<アニメや映画、グッズなどの展開で注意していることは?>
お金になるというだけでアニメや映画にしていくと、そのキャラクターブランドの寿命を短くしてしまうんです。映画はどのタイミングにどんなテーマでやるべきなのかをわかっていないといけません。ライセンス提供に関して細かい基準はないのですが、ブランドを守る立場として、キャラクターは使用しただけ減るという意識でいます。たとえば、ただキャラクターを貼りつけただけのグッズは消費です。でも、知恵を絞った新しいアイデアを込めたものであれば、それはブランドにとってもプラスになると思います。
<「ポケモン」はいまや世界中で大人気です。海外でもこんなにヒットすると予想していましたか?>
予想していなかったですね。最初から海外は意識していませんでした。それなのに、アメリカやヨーロッパで日本以上に売れている。これを見ますと、自分たちが作ったものはテーマさえしっかりしていれば世界中で通用するということがわかりました。最初、アメリカで、かわいいキャラや字を追っていかなければならないRPGはウケないと言われていたんです。それでも勝負する気になったのは、アニメやカードゲームなどもセットで仕掛けられたからです。日本での成功事例を持ち込めるので、成功率は50%くらいだと思っていました。
<ワイヤレスアドプタを使ってどんなことを実現したいですか?>
ワイヤレスアダプタでは、1対1の通信で対戦できるほか、サーバーに接続してデータをもらったり、複数の人が同時に接続してチャットをするといったことが技術的にに可能です。そういった仕掛けをうまく利用できるようなイベントもやってみたいですよね。
<今後のシリーズ展開は?>
もちろんあります。現在、つぎへ向けての開発を行っています。ゲームボーイアドバンスでも、ゲームキューブでも、次世代機でも、いろいろな「ポケモン」を作っていきたいですし、そのための努力を惜しんだことはありません。ゲーム以外でも、アニメや映画、カードゲームに匹敵する新しい軸を生み出したいと考えています。

 

週刊ファミ通2004年2月27日号 2004年2月13日発売 岡田 耕始(アトラス・エグゼクティブプロデューサー)
<ニンテンドー・ディーエス(仮称)をゲームクリエイターはこう見る!>
詳細なスペックは聞いていませんが、2画面2CPUによる新しいゲーム性の発想という可能性は感じます。それと同時に私自身も考えていたことではありますが、「視覚技術の向上に依存しすぎた、いままでのゲーム作りとは質的に異なる方向性」おいうコンセプトにたいへん、共感するところです。これをいかにゲームソフトにおいて具体化するかがたいへんだとは思いますが、こういう発想の転換が今後のゲーム業界において必要不可欠なことだと思います。

 

週刊ファミ通2004年2月27日号 2004年2月13日発売 吉積 信(ナムコ・「テイルズ オブ」シリーズ プロデューサー)
<ニンテンドー・ディーエス(仮称)をゲームクリエイターはこう見る!>
2画面っていうから最初はてっきりゲームウォッチのリメイクかと思ったんですけど、よくよく話を聞いてみると少し違うようですね。それはそれでちょっと残念なんですけど。しかし、詳しくは言えませんが楽しみであり、戸惑いもあるというのが率直な感想ですね。クリエーターとしてのセンスやアイデアがまっすぐに問われるというか。だって、いろんなころが出来そうじゃないですか。コミュニケーションツールとしてもすごい可能性を秘めているし。中途半端な移植作などを作ったら指差されて笑われそうですよね。非常に緊張感のあるハードだと思いますよ。

 

週刊ファミ通2004年2月27日号 2004年2月13日発売 シブサワ・コウ(コーエー・ゲームクリエイター)
<ニンテンドー・ディーエス(仮称)をゲームクリエイターはこう見る!>
現在わかっているスペックだけでも、クリエーターとして開発意欲を大いに刺激されますね。「新機軸のゲーム機を創造する」という任天堂様の意気込みがひしひしと伝わってきます。私は歴史が好きなので、ひとつの画面に大合戦が展開されていて、もうひとつの画面では局地戦が・・・・・・。といったことができたら、より合戦のおもしろさをユーザーの方々に感じてもらえそうです。もちろん、ひとりのゲーマーとしても新しい遊びの登場を楽しみにしています。

 

週刊ファミ通2004年2月27日号 2004年2月13日発売 高橋 宏之(キャメロット・代表取締役社長)
<ニンテンドー・ディーエス(仮称)をゲームクリエイターはこう見る!>
僕は昔から任天堂のファンですけど、それはハードやソフトに前向きでありながら、しかもユーザーフレンドリーな姿勢が素晴らしいからです。ニンテンドー・ディーエスの場合はふたつの液晶モニターを持つ新機軸のハードです。昨今、閉鎖気味だったゲーム業界に風穴を開けてくれることでしょうね。僕らも微力ながらお手伝いしたいと思います。

 

週刊ファミ通2004年2月27日号 2004年2月13日発売 高橋 秀五(キャメロット・代表取締役副社長)
<ニンテンドー・ディーエス(仮称)をゲームクリエイターはこう見る!>
ふたつの液晶画面でゲームを遊ぶなんて、いままで不可能だったいろいろなことができそうですね。ゲームユーザーとしても製作者としてもワクワクするハードだと思います。とは言えゲームはソフトありき。ハードの特性を活かしたソフトが出てくることで、その魅力を最大限に引き出されることは間違いありませんから、どんなソフトが出てくるかいまから非常に楽しみです。

 

週刊ファミ通2004年2月27日号 2004年2月13日発売 桜井 政博(ゲームクリエイター)
<ニンテンドー・ディーエス(仮称)をゲームクリエイターはこう見る!>
居酒屋などでゲーム業界人が飲み語らうとき、新ハードが発表されたあとだったりすると、それはもうかっこうのツマミになります。「ふたつの画面があるなら、合わせ鏡でのぞきをするゲームはどうかなぁ」、「わはは!いいね!」みたいに、かなりくだらない話題も出てくるわけですが、私が思うに、新ハードの可能性ってそのような与太話をどれだけできるのか、によるのだろうなあと思います。誰にでもわかる特徴があるというのはいいですね!

 

週刊ファミ通2004年2月27日号 2004年2月13日発売 寺田 貴信(バンプレスト・SR開発課)
<ニンテンドー・ディーエス(仮称)をゲームクリエイターはこう見る!>
2画面というハードの改革は、ソフト開発者にとっては高いハードルになるかもしれませんが、挑戦のしがいはあると思います。弊社でどうするか具体的には決まっていませんが、「スーパーロボット対戦」シリーズにとって携帯ゲーム機は非常に重要なプラットフォームですので、来るべきときに備えていまからネタを考えておきたいですね。ニンテンドー・ディーエスだけでなく、PSPともども携帯ゲーム機市場を盛り上げる要因になることを期待します。

 

週刊ファミ通2004年2月27日号 2004年2月13日発売 中 裕司(チュンソフト・代表取締役社長)
<ニンテンドー・ディーエス(仮称)をゲームクリエイターはこう見る!>
待ってました!新しいゲームプレイ体験を提供したいというアプローチは、自分も大いに共感するところです。ゲームボーイアドバンスの1カードリッジ通信プレイのときもそうでしたが、こういった新しい試みは我々としては見逃せません。夢がふくらむとともに、非常に期待をしています。きっと任天堂さんのことですから、「さわているだけで楽しい」ハードになるに違いありませんよね!ぜひとも発売時にソフトを提供してみたいと考えています。

 

週刊ファミ通2004年2月27日号 2004年2月13日発売 中村 光一(チュンソフト・代表取締役社長)
<ニンテンドー・ディーエス(仮称)をゲームクリエイターはこう見る!>
これまでにない2画面ということで、これまでウインドウや重ね合わせ処理などで苦労してきたことが一気に解決しそうです。またどんどん高速化するユーザーの情報処理速度に対応できるソフトも作れそうです。もちろん、ゲームの基本に立ち戻ったような、アイデア勝負の企画もたくさん出てきそうですね。

 

週刊ファミ通2004年2月27日号 2004年2月13日発売 水口 哲也(ゲームプロデューサー)
<ニンテンドー・ディーエス(仮称)をゲームクリエイターはこう見る!>
独立したふたつのスクリーンというのは、時代に合った発想だと思います。ユーザーの思考回路がどんどんマルチタスクになっていますから。ハード的進化というより、人間の脳機能の進化を促す可能性があるという意味で、注目しています。

 

週刊ファミ通2004年2月27日号 2004年2月13日発売 名越 稔洋(セガ・アミューズメントビジョン代表取締役社長)
<ニンテンドー・ディーエス(仮称)をゲームクリエイターはこう見る!>
最初見たときは「?」。概要を読んで「!」。そして仕様を見たときの印象は「さすが任天堂」という感じがしました。玩具的アプローチを軸にしながら、いろんな可能性を想像させまくる部分はユーザー、クリエーター両方の遊び心をかなりくすぐる感じになっていて、そのあたりが心憎いですね。2画面をフルに使って、きっといままでにないプレイ感覚が楽しめるいろんなアイデアが生まれてきそうですし、そこらへんが個人的にもいちばん興味があります。

 

週刊ファミ通2004年1月23日号 2004年1月9日発売 石原 恒和(ポケモン・代表取締役 CEO)
<2004年は「ポケモン」の集大成&新しいモノを味わえる年>
2004年は「ポケモン」の集大成になる年でもあり、いろいろな新しいモノを味わってもらえる年にもなります。1月29日にゲームボーイアドバンス版「ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン」を発売します。これに「ルビー・サファイア」や、2003年に出した「ポケモン」シリーズをつなげることで、ほとんどのポケモンたちを集め尽くせるようになります。さらに「ファイアレッド・リーフグリーン」では、無線の仕組みを搭載しているワイヤレスアダプタを使って、新しい遊びを展開していきます。これを使うと大勢が同じゲーム上に集まって、従来どおりの交換や大戦はもちろんのこと、多人数で通信してのいろいろな遊びができます。実際に何十人かで試してみたのですが、いままでとは違ったおもしろさがあり、手応えを感じております。さらにこれがポケモンフェスタなどのみんなが集まる場所で、無線を使うとどんな新しい遊びが生まれてくるのか、こちらおしても非常に期待しております。ほかにもニンテンドーゲームキューブやゲームボーイアドバンスで、つぎの「ポケモン」を出す構想があり、ポケモンフェスタやワールドホビーフフェア。E3などのイベントなどでお見せできると思います。楽しみにしていてください。それと今年のポケモン映画「裂空の訪問者」を7月17日から公開することが決定しました。去年はジラーチを配布しましたが、今年はワイヤレスアダプタを使っての仕掛けを考えています。また、イベントを去年以上の会場数で開催したり、キャラクターグッズを豊富に出したりする予定でいます。最後に2004年の我が社は、新しい遊びや仕掛けを作っていき、サービスを充実させるとともに、飽きさせない展開を提供できると思います。驚くような話題も用意していますので、期待していてください。

 

週刊ファミ通2004年1月23日号 2004年1月9日発売 豊田 憲(任天堂・広報室室長)
<ファミコン20周年に学ぶ「ゲームの原点」とは?>
2003年はやはりファミコン20周年ということが大きかった。20年も売れ続ける商品というのはほかに類を見ないものですし、よくここまで売れ続けたと言う思いもあります。5月に生産終了のリリースを発表後、ゲーム誌だけでなく、テレビや一般誌といったゲームファン以外の方々が目にするメディアでも思い出したかのように取り上げていただきました。東京都写真美術館のほうでは展覧会を開催していただき、まさにビデオゲームが文化の仲間入りをした証でもあります。また、プレゼント用のファミコンバージョンのゲームボーイアドバンスSPもたいへんご好評いただいております。そういった意味でいろいろと話題になっていますが、20周年の換算で考えると2004年の7月までありますから、まだいろいろな企画を検討中です。ご期待ください。一方、ファミコンの再評価のなかで、技術の進歩とともに重厚長大、複雑化となったゲームは飽和に至ったという見かたもでてきたと思われます。ゲームというものはもともと手軽に遊べ、、説明書がなくても遊べるようなソフトもあったわけです。それがいつの間にかだんだんと複雑化してきた。思うに、現在はファミコン時代のようなシンプルな作りのゲームが求められている、そんな気がします。そう考えると2002年末の「マリオパーティー4」や昨年の「メイド イン ワリオ」の好調ぶりも納得がいく。ゲームのおもしろさというのは変わらないものがあるな、と2003年は痛感しました。開発者、メーカーが改めて原点に戻って考える年だったのではないかなと思います。そういう意味ではファミコンのすごさ、偉大さを我々も改めて認識させられましたね。
<任天堂の方向性を見出した「メイド イン ワリオ」>
2003年はなんといっても「メイド イン ワリオ」の年でした。まさに消費者にこういうソフトのニーズが起こってきているという現れだと思います。同じような系統の作品で印象深いのは当社の作品ではございませんが、ナムコの「太鼓の達人」。この2本の好調ぶりを考えると、手軽に遊べるパーティーゲーム的なものが求められているのが明らかになってきたのではないでしょうか。世の中の風潮として「これからの主流はネットワークゲームだ」、という意見も多々あったようですが、重厚長大だけがゲームじゃない、ということを身をもって表せたかなと思っております。昨年はいろいろなメーカーがいろいろとネットワークゲームにチャレンジをされたようですが、まだ売上、盛り上がり、ともになかなか難しいように思われます。ただ、道をドンドン切り開いていただけるのはありがたいですし、もちろんハードを提供する側としては技術提供などの面でぜひ協力していきたい。各社が得意の分野でいろいろなことをやってこそ、ゲーム業界の発展があるわけです。その得意な分野の中の「手軽さ」という部分にうまく当てはまったのが、「メイド イン ワリオ」だったのではないでしょうか。
<やはりモンスター級だった「ポケットモンスター」>
「メイド イン ワリオ」以外のソフトでは、昨年の発売ではないんですが、「ポケットモンスター ルビー&サファイア」があります。北米や欧州などでの発売は2003年だったのですが、これが全世界で1000万本を突破するというのは、改めてモンスター級のソフトだということを思い知らされました。ワールドワイドでこれだけ売れる作品っていうのはほかに類を見ませんよ。ゲームボーイアドバンスSPとの相乗効果も大いに発揮できたと思われます。前回も申し上げましたが、「もう「ポケモン」の時代ではないんじゃないか」という世間の意見もありました。それがフタを開けてみれば日本、海外ともに抜群の売れ行きを見せた。ゲーム離れが進んでいると囁かれる昨今、健全なソフトがあれだけのボリューム感で売れる、というのは非常に喜ばしいことですね。
<コネクティビティとコラボレーション>
新しい遊びの広がりをユーザーにお見せするべく柱のひとつとして取り組んで参りましたコネクティビティですが、2003年はゲームキューブとゲームボーイアドバンスを連動させた「どうぶつの森e+」や「ファイナルファンタジークリスタルクロニクル」、「ポケモンコロシアム」などを発売いたしました。と同時にもうひとつの柱として他社とのコラボレーションも活発に行い、その結果、ナムコとの「パックマンVS」と「ドンキーコンガ」、セガとの「F-ZERO GX/AX」などもお見せできました。さらに、これらのコラボレーションとはちょっと趣が異なりますが、ナムコの「ソウルキャリバー2」にリンクがゲスト参戦いたしまして、同時に発売された3機種の中でいちばん売れたのがゲームキューブ版だと聞いております。ハードの普及台数を基に考えるとプレイステーション2版が売れてもおかしくないわけですが、ゼルダファンの方々の熱い支持のおかげととてもうれしく思っております。そういった新しく体験したこのないおもしろさや話題をキチンと提供した2003年でもありますが、切れ目のないソフトの提供、という課題もありました。事実毎月1本発売するペースを維持し、これまでの我が社のペースを考えると、とてもがんばった年といえます。2004年も同等にできるようがんばります。
<値下げ効果抜群な海外市場>
2003年は前半、ゲームボーイアドバンスSPの発売もあって、ハード、ソフトともにがんばってくれましたが、ゲームキューブは思いのほかうまく売れてくれませんでした。ただ、秋口に入ってきてから値下げの効果がジワジワと現れてきて、そういう意味ではやっと手応えを感じるようになってきたわけです。当社だけではないと思いますが正直、夏場は厳しかったですね。2004年3月までにゲームキューブが600万台、ゲームボーイアドバンスが2000万台という目標を掲げていますが、値下げ以降を見る限り、それらの数値は十分可能な数になってきました。日本の市場も、不景気感も底打ちしたのではないか、というイメージから伸びを見せております。海外市場はアメリカの売上げが我々の売上げの50パーセントを占めていると言えます。2003年の流れとして全体のハードの普及時期を考えると、もう落ちてくる時期にきています。ハードのキャパシティは前年対比で6パーセントくらいのマイナス、という数値が出ております。そんな中で、他社のマシンは頭打ちの傾向にあるものの、ゲームキューブは着実に販売台数を伸ばしております。いい時期での値下げ効果により4倍以上売れ、その好調さをクリスマス商戦まで持続できました。一方で、ソフトのほうはプラス10パーセントぐらいなんですね。純粋にハードとソフトの差し引きを考えても利益面では十分プラス。そういった意味ではアメリカは、いいソフトが長期間売れる健全なマーケットである、というのは変わっていません。我々はその健全性はまだまだ続くと思っています。
<2004年は2003年の強化。任天堂が目指す地点>
2004年は当然、2003年に重点的に行ってきた間口の広いゲームの提案を、いろいろな手法によって強化しながら続けていくという方向性になっていきます。ただ、コラボレーションに関して言えば、ただ単に「はい、手を組みました」という簡単なわけにはいきません。他社とやっていく中では開発者の動機づけが大事になってきます、現に2003年のナムコやセガとのコラボレーションでそうだったように、開発者にとって他社の仕事のやりかたは非常に勉強になりますし、いろいろな新しい発想が多く生まれてくる。これから自分たちのゲーム作りは、ネットワークゲームも含めて、どういう方向を目指せばいいのかと迷っている方々もおられるでしょう。そういったことによって行き詰まりを感じた場合、どこかで打破しなければならない。それを開発者どうしが、つながりを持てば、自然と打ち破ることができるのです。
<気になるあのタイトルは?「異質な商品」とは?>
我が社としては2003年から岩田(社長)が提言しております、「手軽に誰でも遊べる作品。間口が広くて奥が深い作品の提供」ということを第一に考え、そういったソフトを切れ目なく投入していく、ということが主眼になっていきます。そのために、ユーザーの意見がダイレクトに届く会員システム「クラブニンテンドー」を開始したり、東京開発センターを設立し、よりよい人材の育成のため日夜努力をしております。ユーザーの方々に熱い支持をいただいている「どうぶつの森」ですが、今年はカードeリーダー+を同梱し連動が可能になった「どうぶつの森e+」を発売いたしました。続編に関してはみなさんいろいろと期待されているようですが、我が社は残念ながら「この作品を作っています」といった発表を間際まで言わない会社です。ですが、現在は従来の作品にいかなる新規軸を取り入れるかということをユーザーの方々のご期待に添えられるよう一生懸命取り組んでいる状態です。「マリオ128」なども同様で、宮本は現在、2月発売予定の「ゼルダの伝説4つの剣+」と「ピクミン2」でがんばっております。それと岩田が8月の経営方針発表会で口にした、従来にはない「異質な商品」の提案をE3ではその場でお見せできる予定です。それをキーに置きながら、従来のソフトではどういったことができるのかを考える作業に入るところです。2004年、ゲーム業界は方向性が不透明であります。現在主流となっているソフトと同じような路線を突き進めばいいのか。それとも月極料金が発生するようなサーバーによるネットワークゲームなのか。もっともっと原点回帰するべきなのか。、まったく別のハードによる体感ものを目指すのか。このようにいろんな方法で取り組みがなされるでしょう。任天堂でも、これからあるべきゲームの方向性を示すような年にしたいと考えております。2004年の任天堂にぜひご期待ください。

 

任天堂見聞録2003年下半期