ある男の旅

 



 ある冬の日、町の成金男リチャードが5万ドルは
 するキャデラックの新車に乗り、新調の豪華な
 コートに身を包んで、背筋をのばし意気揚々と
 ラスベガスに出かけて行った。

 そして十日もしたころ、リチャードは、20万ドル
 はするだろう大型車に運転手つきで戻ってきた。
 
   .........然し、車から降りてきたリチャードをよく
      見ると、出かけて行った時とは変わり果て、
      古着屋に吊るしてあるようなペラペラの服
      を着て、肩を落とし、しばし道路のハジに
      立ち尽くしているのだった。
        去り行く
          長距離バスを見送りながら.....




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原辛わら江選