地上のものだけ

 


 カトリックの神父と、プロテスタンの牧師と、ユダヤ教の
 聖職者(ラビ)が、自分の教会で集めた寄付金をどう分配
 するか互いに披露し合っていた。
 寄付金は、その一部が彼らの生活費となり、残りが慈善
 事業に回されていた。
 先ず、神父が云った。
    「私は、地上に丸い円を書き、その中に向かって
     お金を投げ入れます。
     そして、円の中に入ったものを慈善事業に、円の
     外にこぼれたものを自分の生活費に当てていま
     す」
 次に、牧師は
    「私も、同じようなことですが、地上に真っ直ぐ線を
     引き、遠くからお金を投げて、手前に落ちたもの
     を慈善事業に、線の向こうに飛び越えていった
     ものを私が取ります」
 最後にラビが厳かに云った。
    「私は、天にまします神の思(オボ)し召しを何より
     も大切にいたします。
     それで、お金を全部天に向かって投げ上げます。
     すると我が全能の神は、慈善に必要なお金を
     自らお取りになりますので、私は地上に落ちて
     きた残りのものだけをいただくのです」





浅草橋JOKE研究所
   原辛わら江選