江戸小話三題
一) 張り方...........
傘屋に、友だちが苦情を云った。
「この頃は傘の値が高くて困るよ。
一本五百文もとりやがる」
「うん、それは張る紙が高くなったからよ。
しかし、わしなら、百文で張ってやるぜ」
「なに?百文だと!そいつは安い。
どうしてそんなに安くできる?」
「なに、なるべく紙を節約するからさ」
「どのように?」
「骨をすぼめておいて張ればよい」
「そんなもの雨の日には使いものになる
めえ」
「晴れた日に使えばいい」
二) 秋の盛り..........
秋の盛りの頃、裏山で柿と栗が話していた。
柿が栗に云った。
「栗さん、栗さん。
あなたぐらい幸せな方はおりませんな。
イガのコートの下に、堅い皮の着物、その下
に渋皮の下着まで着て、秋風が身にしむこ
の頃も、ちっとも寒くないでしょう。
それにひきかえ、わたしなんぞは、薄い皮
の着物をたった一枚着て、寒くて寒くて、体
の中まで赤くなっているのですよ」
それを聞いた栗、柿をなぐさめて、
「柿さん。
一枚の着物でも有り難いと思わないといけ
ませんよ。
ご覧なさい、下にいる松茸(マツタケ)殿を。
一枚の着物どころか、フンドシさえ、して
いないじゃありませんか」
三) 仕方伝授............
お城の若殿が側用人の新左衛門を呼んで、
「わしは、恥ずかしながらまだアレの仕方を知ら
ぬ。新左衛門、教えてくれぬか?」
「かしこまりました。
では、屏風(ビョウブ)のかげからご覧くだ
され」
と、早速、今年、お城に上がったばかりの若い腰元を
呼んで、「若殿の命(メイ)なるぞ」と、自ら彼女を組み
しいてことを始めた。
ところが相手はズブの生娘(キムスメ)、
「アレ、痛い!痛い!」
と嫌がるのを、手に唾(ツバ)つけて股間をぬらし、無理
矢理に........、
やっと事が終わって、若殿、
「おおよそ分かったが、ただ一つ腑(フ)に落ちぬ
ことがある」
「えつ、それは何?」
「うむ。そこもと、時々、娘の股の奥に手をやって、
何やら拾って食っておったが、
あれは何じゃ?」

浅草橋JOKE研究所
原辛わら江選