娘

18才の早苗は、東北の片田舎から東京の大学に入り、下町の小さな
マンションで一人暮らしを始めた。
一年も経った頃、淋しさからか優しくされた中年の妻子ある男と深い仲
になり、やがて身ごもってしまった。
幼さと恥ずかしさから一人で悩むうちに、とうとう月足らずの女の子を生
み落とした。
早苗は、いろいろ考えた末、生まれて間もないその女の子を車に乗せ、
自ら運転して富士山の麓(フモト)の河口湖に向った。
そして湖畔でボートを借り、湖の中ほどに漕ぎ出して、ひそかに子供を
落として沈めた。
それから..........、早苗は大学を卒業し、東京の一流企業に就職し、職場
の優しい男性と恋に落ち、皆に祝福されながら家庭をもった。
間もなく子供を授かったが、女の子であった。 ミカと名付けた。
落ち着いた幸せな毎日が続き、ミカも片言をしゃべれるようになり、可愛
さもひとしおだった。
ある日、夫が会社の寮のある河口湖畔に一泊旅行することを提案した。
早苗は一瞬いやな気がしたが、夫の「クジに当たった幸運な旅行」の言
葉に断わりきれず、親子三人で出かけた。
そして河口湖畔で、夫にうながされるままに三人でボートに乗ることにな
った。
湖面はあくまでも青く静かに澄んでいた。吹く風も心ちよく、早苗も次第
に心が安らいできた。
湖の中ほどまで来ると、小さなミカが「オシッコ!」と云った。
ボートを漕いでいた夫が早苗に「舟の外にさせたらいいよ」と云った。
早苗は娘のパンツを下げ、その膝をかかえて、ボートの外に娘のお尻を
出し、 「さあ、ミカちゃん、オシッコしてもいいわよ」 と云った。
早苗に抱えられたミカは、その時静かに母親の方を振り向いて云った。
「ママ、今度は落さないでね」

浅草橋JOKE研究所
原辛わら江選