What is your blood type ?
外国の有名タレントなどが成田空港へ着くなり、余り利巧とは言えないTVレポーター達からそう訊かれることがあるそうです。
訊かれた方は、自分の国では話題になることもない血液型を、遠い異国で唐突に訊かれる訳ですから、日本では万一に備えて自分如き者の為に、わざわざ
自分に合った血液を準備してくれるのかと感動したり、
日本はそんなに物騒な国なのかと警戒したりと戸惑うのですが、日本に滞在中はあちこちで、いろんな人達から同じ質問をされるものですから、辟易した彼らは、「
アナータ、ドクターデスカ?」とやり返すこともあるそうです。
間に立った通訳が、そんなアホな質問はシャットアウトすればいいんですが、通訳がこれ又、「
血液型性格診断」をすっかり信じ込んでいて、「これは良い質問が来た」とばかりにていねいに通訳するものですから、事態はますます紛糾して、折角の異文化交流にもひびが入るばかりです。
という訳で、雑誌を見ても、テレビを観ても、インターネットで検索しても、他人と会話をしていても、「血液型性格診断」の花盛りです。
杜撰ながら私なりに調べたところによりますと、血液型を性格と結び付けて話題にするのは、日本人だけだと思いがちですが、実は、
韓国や台湾などでも、普通に血液型の話題が浸透しています。
また日本では今や当たり前のことですが、韓国でも有名人の
プロフィールには血液型が記載されていることが多いそうです。
但し欧米をはじめ世界の多くの国では、「血液型性格診断」などは話題にも上らないし、血液型と性格の因果関係を説かれても、誰もそんなことは信用しないでしょう。
「血液型性格診断」の胡散臭さは、日本を含む世界中の心理学者達が誰も、その研究、解明に真剣に取り組んでいないか、取り組む価値がないと考えているか、あるいは"血液型"と"人間の性格"を関連付ける発想そのものがない、という一点にあるのかも知れません。
だってそうですよね。
「血液型性格診断」をまともに信じれば、「A型の人はA型同志で全員同じような性格、B型の人はB型同志でこれも全員同じような性格」ということになってしまいます。
これは、我が国で長年信じられてきた「干支による性格診断」と同じで、「ウサギ年の人は活発である」、「トラ年の人は荒々しい」と、動物のイメージをそのまま、人間の性格にむりやり当てはめる方式です。ゆえに、たとえば「1991年のヒツジ年に生まれた人は全員がおとなしくて従順である」ということになってしまいます。
「血液型性格診断」もこれと同じ弱点を持っているわけですが、実は私が小学生の頃は未だ、「干支による性格診断」の方が主流で、他人との会話の中でも「なにどし生まれ?」という質問が度々出てきたものです。
しかし日本にも「血液型性格診断」の無責任な横行を放置できず、本来の研究活動の片手間に調査をしている心理学者も、極く僅かではありますが、いらっしゃいます。
「血液型性格診断」の研究は、医学や生物学ではなく、心理学の領域になっているようです。
「血液型性格判断」には科学的根拠があると信じられている背景には、1970年代に能見正比古氏が提唱した「血液型人間学」があると考えられます。
能見俊賢氏が父、能見正比古氏と共に、血液型人間学が広く知られるきっかけをつくったとのことです。
ここでそのご両人のプロフィールをご紹介します。
能見正比古(のみまさひこ)
血液型B型。1925年金沢生まれ。東大工学部卒業後、同大学の法学部に在籍しながら、日本でも最初の放送作家として作家活動を開始。その後、雑誌編集長などを経たのち、1976年に血液型人間学の最初の著書として「血液型でわかる相性」(青春出版)を世に出す。その後出版される血液型著書が次々と話題を呼び、第一次血液型ブームを引き起こした。
執筆活動、テレビ出演、講演等で活躍する中、1981年講演の壇上にて倒れ、急逝した。
能見俊賢(のみとしたか)
血液型A型。1948年東京生まれ。日大史学部卒業後、サンケイ新聞社などを経たのち、父、能見正比古氏の血液型人間学研究パートナーとしての活動を始める。正比古氏急逝の後、その遺志を継ぎ血液型人間学を世に広める為、文筆、研究活動を開始。1982年「血液型つき合い相性学」(青春出版社)を始め、「血液型おもしろ読本」(文化創作出版)など、次々とベストセラー著書を出版し、第二次血液型ブームと呼ばれるようになる。
プロフィールのトップに血液型の記載があるところなど、流石です。
ところで私が、「血液型による性格診断」をうるさいと考えたきっかけは、もう10年ほども前のことですが、親からもらった土地もあったし、若輩ながらお金も貯まった(?)し、そろそろマイホームでも建てようと決心して、全額ローン(あれ?)のきく某大手の住宅メーカーに飛び込みで相談に行った時のことです。
受付の女性の大き目の
ネームプレートに血液型が書かれているのに気付いて、「なんかヘン……」と思ったのですが、その女性が不躾にもいきなり私の血液型を訊いてきたんです。
私は事情も分からず、「あのー、A型ですけど……」と当惑気味に答えました。
受付の女性は「少々お待ち下さい」と自信満々の笑みを浮かべて奥の事務室に消えていきましたが、暫くして若い男性社員がにこやかに現われました。
そして、「
衝撃の事実が!」と民放のCMみたいになってしまいましたが、私はその男性社員のネームプレートの血液型の欄に、A型と書かれているのを素早く見て取ったのです。
その頃には既に血液型による相性診断が流行していましたから、私は一瞬にしてすべてを悟りました。
しかしその営業社員との相性が悪かったらしく、その後の商談(家を新築することについての相談)は空回りするばかりで、私は訊きたいたいことの半分も訊き出せず、早々と商談を切り上げました。
なんだかその会社全体に、軽薄さが充満しているような気がして、それ以上話しを進める気にはならなかったのです。
最近ラジオを聴いていましたら、会社の採用面接では血液型で採否を決めているとか、パートの面接で一旦採用されそうになったが、血液型に気づいて取り消された、とかの投稿を耳にしました。
そこでインターネットで「血液型……」の事例を観てみますと、社長の方針で「○型」の人間は決して採用しないといか、採用試験の前のアンケートに血液型を記入する欄があったとか、血液型でクラス分けしている幼稚園があるらしいなどの書き込みまでありました。
嘆かわしいことだと憤っていましたら、
「血液型推測」というサイトが目に留まりました.
"はい"と"いいえ"の二者択一で18の質問に答えると、血液型が分かるというものです。
「ふん」と半ばバカにしながら、早速試してみました。
1 外交的である( いいえ )
2 過去の言動が気になる (はい )
3 話のまとめ役をかってでる( いいえ)
4 時間には正確である( はい )
5 物事を深く考えない ( いいえ )
6 クールである ( いいえ )
7 結果も大事だが経過も大切である( はい )
8 感情を表に出さない (はい)
9 現実的な考えをする( はい)
10 おっとりしている( いいえ )
11 自分は優秀だ、素晴らしいと思うことがある
(はい)
12 何も考えずに行動することが多い( いいえ
)
13 しきたりは守るほうである( はい )
14 凝り性である (はい )
15 自信家である( はい )
16 親しい仲間だけの落ち着いた会話を好む(
はい )
17 単調な作業も飽きずに長時間できる( はい
)
18 人から性格を理解されにく いいえ )
そして"推測結果"が出ました。
A型です。
「
あれ?当たっちゃったよ・・・・」
平成16年5月5日
H20/7/20 朝日新聞・日曜版
サトウタツヤ(立命館大学教授)の「常識ずらしの心理学B」より
なぜ私たちは血液型で、自分や人のことを分かった気になるのか。
まず、人を見て血液型を当てると、実際に当たるということがあげられる。
血液型は4つだから、単純に考えれば25%は当たる。
そして血液型の比率は、A対O対B対AB=4対3対2対1だから、全部Aと言えば40%当たる。
あるいは最初にA、次にOと言えば、70%が当たった感じになる。
血液型が当たるのは、単純に確率の話だけでもない。
ある人の血液型が分かってしまうと、
その血液型らしい行動しか見えなくなってしまうのだ。
人は様々な状況で様々な行動をしているが、A型だと思えば、A型っぽい行動だけに気づきやすくなる。
さらに、自分自身が自分の血液型に合った行動をすることもある。予言の自己成就現象と呼ばれるもので、A型は○○だから、○○っぽい行動をしよう!
と思っているうちに、本当にそうなっていくのである。
H20/12/17 朝日新聞「天声人語」
歌舞伎の
市川団十郎さん(62)の血液型が、AからOに変わったそうだ。
貧血の治療で、O型の妹さんから造血幹細胞を移植した結果という。
新春の復帰公演に向けた会見で、「
A型とO型で演技が違うのか、じかに確かめてほしい」と楽しげに語った。
H21/4/18 朝日新聞朝刊の土曜版
血液型による性格判断は、日本人に広く浸透している。
日本人の多くは、自分の血液型を知っているが、
欧米では、ほとんどの人が自分の血液型を知らないという。
「結構当たっているという印象。非科学的なことも考慮しながら楽しんでいる」(北海道、52歳男性)
「軽いノリで話題にするくらいで、特別なものではない」(大阪、46歳女性)
「酒の席で誰かがこれを持ち出すと盛り上がる」(愛知、63歳男性)
日本人の血液型は、【
A型4、O型3、B型2、AB型1】の割合といわれる。
不愉快経験をしている人は、少数派の血液型に目立つ。特に
B型である。
「B型の私はいつも、初対面で好印象だったA型の人から、血液型を明かした瞬間、
一線を引かれる」(大阪、49歳女性)
「B型はなぜか、A型から
目の敵にされるようで、よくいじめられた」(福島、53歳女性)
「会社の先輩社員がB型の夫と離婚。私もB型だったので、
嫌いだといじめられた」(神奈川、44歳女性)
「家族全員がB型なので、それを言うと、
みんなそれぞれ勝手に行動しているでしょう? と決めつけられる」(東京、63歳女性)
「つい最近、A型なのに几帳面でないと言われ、ものすごく不愉快になった」(山形44歳女性)
「以前仕事上の付き合いのあった会社の社長は、仕事の実績に血液型による指数をかけて、
社員の賞与を決定していた。A型は元々几帳面だから0.8、B型はマイペースなのに成果を上げられたから1.2倍などだった」(長野48歳男性)
H21/8/21に、このサイトのトップページに書いた、私のコラムです。
私は、いわゆる「
血液型性格診断」を全く信じない。
日本で「血液型性格診断」が流行るのは、「日本人にはO、A、B、ABの
4タイプの血液型がバランスよく分布していて、性格判断に意味を持たせ易いから」ということを最近テレビで知った。
欧米ではO型、A型が全血液型の約9割、
アメリカ先住民に至っては、約8割がO型らしい。
これでは「血液型性格診断」は成立せず、欧米には「血液型性格診断」そのものが存在しない。
尚日本でB型の人が露骨に疎んじられるのは、日本人の血液型分布【A型(38%)、O型(31%)、
B型(22%)、AB型(9%)】に起因していて、B型がいわゆる
弱いもの苛めの対象になっているからである。
圧倒的に少ないAB型が苛めの対象にならないのは、その
希少価値のせいである。