以前「月刊競輪」で板坂康宏が、「競輪場がなかったら、この街に来ることはなかっただろう」と書いていた。その言葉にはいたく感動したのだが、ここ防府もそんな街の一つである。
中国地区と言えばどこも客が入らない競輪場ばかりなのだが、中でも一番寒いのがここ、防府であろう。
「プロスポーツ」紙の成績欄を見ていると、入場客数が千人を割ることが、ここでは決して珍しくない。よくこれで経営が成り立つものだと、いつも不思議に思っていた。
それなりの努力はしている。
広島との間ではヒラ開催に至るまで、場間場外発売を頻繁に行っている。また、防府駅前に前売り専用場外も設置している。無料バスも、あちこちから出ている。場外発売の拡大とともに、サイクルシアター(大型ディスプレイ付きのサービスセンター:門司にあるのと同様の施設、もちろん、奈良と違って椅子がある)も設置された。車番発売もふるダビの一年前の平成7年三月から開始している。ふるダビに会わせて、新特観席もできた。
経営努力は、どこにも負けないと思う。奈良や京王閣の主催者に見せてやりたい。
でも、客が来ない。元々、この辺りの人口は大して多くはない。しかも、近くの都市らしい都市、徳山には徳山ボートはあるわ、少し離れて山陽オートはあるわ下関ボートはあるわで、客の取り合いも激しい。頑張っても、限界があるかも……。頼みの綱は、広島での場外の客が増えることぐらいか。
ここに行ったのは、平成6年のお盆。新人リーグが開催されていて、小嶋 敬二(石川74)を初めて見た。さすがに強く、サンサンバンクでは敵なしといった感じの驚異的な勝ち方だった。
すぐ近くに防府天満宮がある。折角だから、ここにお参りしてから参戦したら良いだろう。車券は推理するものであるから、学問の神様にお参りするのは効果的かもしれない。
場内は狭いながらも、客に対する気遣いがあちこちに見られる。 前述のサイクルシアターも快適だった。食べ物に関しては、実は全然印象がないのだが、覚えていないということは大したことがないということだろう。
駅前の前売りサービスセンターにも寄ったが、ここは穴場が3つぐらいしかないけどそこそこ繁盛していた。ただ、行ったのがお盆時だったので平常時とは多少状況が異なっているかもしれない。
予想紙が最悪である。謄写印刷なので、汗ばんだ手で持つとインクが付着してうっとうしい。しかも、やたらと情報量が少ないし、なんだか見にくいし、そのくせ500円も取りやがった。一説では、タダで配っている出走表の方が遙かにマシということだ。
ここには一度しか行ったことがないが、儂は中国地区の電投会員なので、ヒラ開催も含めて電投ではかなり投資している。何せ現在でも、毎月防府競輪の開催情報が自宅に郵送されてくるのである。
サンサンバンクの典型みたいなところなので、ヒラ開催の時は、何も考えずにスジを買っとけばそんなに大火傷はしないが、自力−別線の追い込みとかいった単純なパターンの筋違いも結構来る。こいつがコンスタント2千円ぐらいはつけてくれるので、狙い目だったりもする。
てなわけで、今でもピストや日自振のホームページで出走表を調べてちょくちょくここのヒラ開催で勝負している。
そういえば、4年ぐらい前の防府記念を玉野場外で打ったとき、8勝2敗という過去最高の勝率を記録したことがある(当時は、記念でも10レース制だった)。ただ、一日中スジばっかりきたので、こんなに当てた割には一日の収支は、わずか+3,000円だった。まあ、張り額の配分が悪かったせいもあるのだが。この傾向は、今でも続いているな〜。
悪条件にもめげず、頑張っている競輪場である。ぜひ、一度行って頂きたい。
地元の人は、もっと通おう。毎日、出勤前に前売り場外で車券を買おう。
廃止になってしまって、「あのふるダビは最後のあだ花だったんだな〜」とか言われるのを聞きたくないのだ。
なお、防府競輪場の存続と引き替えに貴兄の人生が破滅しても、当方は一切責任はとれないのでそのつもりで。
アクセス
JR山陽線防府駅みなと口(前売り場外があるのとは反対側)から無料バス。
この他、小郡、徳山、宇部などからも無料バスがある。記念競輪のパンフレットにはこれらの無料バスの時刻も載るので参考にして頂きたい。