そんなこたぁ知ったこっちゃないと言われそうだが、私は名古屋出身で、高校までの多感な時をこの「偉大なる田舎」で過ごした。
パチンコ、麻雀などはやっていたが、さすがに競輪までは手を出していなかった。市内に競輪場があることすら知らなかった。
それが今では、年に二、三回はここに遠征に来るようになってしまっている。いつのまに儂は、そんなロクデナシになってしまったのか。
無料バスに乗っているときから、回りは名古屋弁の渦である。
「そんなもん、山田なんて勝てるわけないがや」
「何言うとるんだて、競輪はやっぱ力だに」
ああ、懐かしい。この語尾、このイントネーション。いつしか私の口調も名古屋弁に戻り、回りの客と当日の最終レースの展開について議論しているのである。
「やっぱよー、地元の健ちゃんに勝たせたいんだけどよー、ウマが山田じゃあ駄目だでかんわ」
さすが、二百万都市にあるだけあって、立派な競輪場である。メインスタンドの特観席は各席にモニターがついているし、バンクを取り囲む一般席もレースが見やすい構造だ。一般席にも、モニターはたくさんある。
特観席だけがきれいになる競輪場は数あれど、一般席はないがしろにされているところはままある。しかし、ここ名古屋は一般席にまでまあまあ気を配っており、良い印象を与える。惜しむらくは、ホームスタンドに一般席がないことか。
さて、競輪場の印象を決める要素の一つとして、「食い物」があるだろう。はるばる遠征に行って、アンパンだけで一日を過ごしたとあっては寂しすぎる。さて、ここ名古屋はどうだろうか。
どて焼き、味噌おでん、どて丼、味噌ダレの串カツ、ううむどれもこれも旨いぞ。そのほか、寿司、おにぎり等、関東ほどではないけど、まあまあ食い物は揃っている。で、人に聞かれる度に私はここの食い物を激賞しているのだが、なかなか同意を得られない。どうやら、ここの食い物は、子供の頃から「名古屋」の味にならされた人間しか旨いとは感じないようである。
カツに味噌をつけない人間の気持ちが全く理解できないのだがな〜。
さて、肝心の「競輪」について全く触れていなかった。
クセのない400バンクである。ただし、中部地区にありがちなことなのだが、番組屋にクセがあるようだ。時々、露骨に地元選手を勝たせようとする番組を組むことがある(細川 貴雄(愛知53)が三日間山田の番手回りとか)。この辺りの番組屋の意図を十分に汲んで車券を購入することが大切であろう。
予想紙は、「東海」(=ひかり、オール名古屋)、「中部」(=当たり矢)、「大名古屋」の三紙。それぞれ、いくつもの変名を持っているという不思議な状況である。見やすいが情報量の少ない「東海」、「大名古屋」をとるか、見にくいけど情報量が多い「中部」をとるか。
ここの競輪場は、私は比較的相性がよい。たぶん、今年もあと二、三回はいくことになるだろう。記念は10月だ。いや〜、今から楽しみだなぁ。味噌カツ喰いてぇがや。
アクセス
名古屋駅前の名鉄バスセンターから無料バス。ここからは、四日市やら豊橋やら大垣やらの無料バスも出ているので、お乗り間違えのないように。
なお、土日だったら、列が長いのがWINS名古屋、少し並んでいるのが名古屋競輪、ダレも並んでいないのが四日市競輪である。
そのほか、地下鉄東山線本陣駅からも無料バス。