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注目は俊輔君だったみたいです(笑) 試合終了後、放心状態の同行の女性に声をかけた。 「次、ブラジルと決勝であたろう。そして勝とう」 彼女は言った。 「そうだね、次は中田もいるんだしね」 あっ。 自分はそれを忘れていた。本当の本気のブラジルと、これほどの試合をしたという事実に気を取られ、この試合に日本の大黒柱・中田HIDEが欠場中だということを、すっかり忘れていたのである。 この試合、一言で言えば「誇らしい」試合だった。ハッサン杯vsフランス戦でも似たような気持ちになった。しかしあの時はHIDEがいて、親善大会で、フランスは疲れのピークだった。それに比し今回は…。 Jリーグが種をまき、日本の指導者たちが育て上げ、そしてトルシェがはぐくんだこのチームは、なんとすばらしいチームなのだろう。本当の本気のブラジル相手に、臆することなく正面から戦いを挑み、結果1-0で負けたものの、試合そのものも五分に近いものを見せてくれるとは。特にHIDEがいないにもかかわらず、「気持ち」で負けなかったこと、それがすばらしい。 さて、俊輔の「デビュー」はどうだっただろうか。今ひとつ「お預け」といった感が否めない。それはよく言われる「フィジカル」という問題ではない。単純にこのレベルをどれだけ経験しているか、そしてそれによる「判断のスピード」の問題である。 三浦淳のキープから2トップに楔のボールが入るとしよう。HIDEならそのボールを三浦淳がキックモーションに入る瞬間にはすでに、柳沢の後方のスペースへ向けてダッシュを開始している。柳沢はダイレクトで落とせる。HIDEは、ほんの一瞬だがフリーでボールを扱う時間と空間を手に入れる。しかし俊輔は同様の展開でも、ボランチの周辺で、「あ、ヤナギが落とすボールを受けに行かなきゃ」という判断を、柳沢にボールが入った頃ようやく下している状態なのだ。FWがボールキープをできないのもむべなるかな、である。俊輔が一人で司令塔を努める試合を生で、俊輔に集中して見て、よく分かった。 HIDEと俊輔のもっとも大きな違いはその点である。もちろん俊輔がフィジカルを鍛えるならそれはそれでよい(笑)。が、その前にもっとやることがある。「ボールのないときの動き」の精度と頻度と量を上げること。これに尽きる。俊輔はボールを待ちすぎる。そこにボールが入っても、このレベルではすぐに詰められる。フィジカル・コンタクトを受ける。つぶされる。 コンタクトが苦手ならば、それを受けない工夫をすればいいのだ。しかし悲しいかな、Jリーグではほっといても後半に敵のマークがゆるみ、技術を発揮することができた。クェート戦でもモロッコ戦でもそうであった。なかなか「ボールのないときの動き」の必要性を芯から実感することもなかったのだろう。しかし、今回、俊輔は得がたい経験をした。これを生かすのか、それとも無駄にするのか。 俊輔は幸運である。自分からボールを呼び込む爆発的なフリーランニング、リスクチャレンジ、生けるお手本が目の前にいる。「プレースタイルが違う」などと知らぬ顔をしている場合ではない。今より上を目指すなら、絶対に必要なことなのだ。俊輔は幸運である。自分が判断さえすれば動き出してくれるチームが回りにいる。フォローしてくれるボランチが後ろに控えている。ブラジル相手にも気持ちで負けなかったチームに属している。後はやるだけだ。 次のアメリカ戦、中田HIDEが帰ってくる。教訓を得た俊輔が名乗りをあげる。そして稲本も、三浦淳もどんどん動きが良くなっている。さあ、ちょっと凄いことになりそうだと思うのは自分だけだろうか。 次はアデレードに行ってきます。アメリカを中盤で圧倒的に上回ろう。vsアメリカ3-0で日本勝利。イメージは具現化する。ポジティブ・シンキング以外できません。 それではまた。 このチームのことは本当に好きだったんだなあ。 ポジティブ・シンキングは実現しませんでしたね。この回は(笑)。 BACK
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