■練習原理の発見は偶然だった!
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Q: キーボード入力というのは、機械式のタイプライターが起源ですから、130年以上の歴史があると思います。そうすると、ブラインドタッチの学習法というのは既に確立されていたのではないでしょうか。どうしてそうした方法を開発されようと思われたのですか?
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校長:そうだねぇ、巡り合わせとしか思えないね。目標を立てて研究したわけではないからね。
とにかく、自分自身がいくら練習をしてもブラインドタッチが完璧にはならず、ミスタイプは多いし、必要とする入力速度が出なかった。そのことに対する不満が練習法開発のベースにあったのは確かだろうねぇ。
結果として、伝統的なやり方や最近の練習方法にだって根本的な問題があるのではないかと考えておるんじゃ。
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Q: 確かにブラインドタッチになれても、ミスタイプが多いとか、入力速度が出ないという方は結構いますが、練習法が原因なのでしょうか?
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校長: そうなんじゃ。それなりに10本指で打てる人でも、私の練習法で復習をすると、ミスタイプが激減し、入力速度が飛躍的に向上するという報告をしてくれる。練習法はとても重要だということじゃ。
それで、私が30代に入ると、職場に富士通の日本語ワープロが入ってきたんだが、どういうわけかローマ字入力ではなく(JIS)かな入力の練習をした。
仕事が終わった後に毎日1時間以上も、1ヵ月半は続けたが、ホームポジションは維持するものの手元を見ずには打てないという中途半端なタイピングにしかならなかった。
当時は現在と違ってワープロの仮名漢字変換機能が不十分だった。だから、イライラしながらキーを打ち、イライラしながら仮名漢字変換をしておったんじゃ。
そこへ、仮名漢字変換をしないで漢字仮名交じり文が打てるという「漢字直接入力」の一種である「TUTコード」という入力方式を当時勤務していた会社が採用することになった。
英文タイプやかな入力ですらマスターできない私だったから、当然、漢字直接入力にも挫折した。だが、どうしても漢字直接入力をマスターしたかったんじゃ。
「TUTコード」を開発された大岩元先生(現在は慶応義塾大学教授)による練習方法で若い女性たちはマスターしておった。約1年間、毎日、仕事として練習を続けた結果だったがね。
ローマ字入力ではKキーとAキーを続けて押すと、画面に「か」が出ます。
それとまったく同じように、KキーとAキーを続けて押すと画面に「課」が出るように定義することが出来ます。一般的な日本語入力ソフトであるMS-IMEやATOKでは出来ませんが、マイナーなIMEではローマ字カスタマイズ機能を使って、こうした定義が出来るのです。
これが漢字直接入力です。漢字の打ち方の練習が大変そうでしょう?
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Q: 一人前のタイピストになるには、英文タイプなどでも3ヵ月は必要だと聞いたことがありますから、それは当然ではないでしょうか?
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校長: いやいや、英文タイプなら初期のブラインドタッチになるまで1〜2時間。その後も段階的に入力速度を上げる練習をすれば、そんな期間はかかるはずがない。
それはともかく、その漢字直接入力の練習方法で自分が二度、三度とトライして失敗に終わった過程や、彼女たちの練習の様子を調査した。それを自宅に持ち帰り、KJ法の図解で定性分析を繰り返すと、タイピングにおける脳や身体に関する問題点がはっきりと出て来た。
その問題点の間をすり抜けてやれば良いだろうと、まずは自分の為に「TUTコード」用のテキストを作った。すると、テキストを作っている間にも、今までは歯が立たなかった漢字コードが、スイスイと体の中に入ってくるのが分かったんじゃよ。あのときは感動したなぁ…。
自分で作ったテキストで自分に効果があるというのでは客観性がないので、勤務先でそのテキストを試してもらった。すると、それまでは1年かかっていた養成期間が1ヵ月半に短縮され、養成終了後の入力速度の速さやミスタイプの少なさを勘定に入れると、300倍も効果があることが証明されたんじゃ。
KJ法って、ご存じですか?
興味のある方は、中公新書の『発想法』『続・発想法』(川喜田二郎)を読んでみましょう。
校長は川喜田研究所のセミナーを自腹で百万円以上受講したことが自慢です。
「それは大変でしたねぇ」と言うと「百倍以上元は取った」と、更に自慢されます。 |
Q: では、この練習方法というのは、英文タイプやローマ字入力で研究されたのではないのですね?
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校長: そうじゃ。私の本を褒めていただいた木村泉先生(当時は東京工業大学教授)が後に英文タイプで追試をされたのだが、私が「TUTコード」で発見したような現象は確認できなかったそうじゃ。
つまり、「瓢箪から駒」の諺ではないが、725種類の漢字を3段10列・30キーから任意の2つのキーの組み合わせで画面に直接出すという難しい漢字直接入力にチャレンジしたからこそ発見できた学習原理だったと思うねぇ。
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Q: なかなか深さを感じますが、「TUTコード」や漢字直接入力というのは耳慣れない言葉です。使われている方は多いのですか?
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校長: 私が作ったそのテキストが完成する以前に、漢字直接入力そのものが実用になるまでに養成期間がかかりすぎるということで、入力効率が重要である印刷業界でさえ注目されなくなっていた。今でも一部の専門家やマニアが使っているだけだね。
そこで、自分が発見したのはキーボードの「学習原理」だから、どんな入力方式にも応用できるだろうと、自宅でまずは英文タイプ用のテキストを作って、それを当時30歳になったばかりの妻で試してみたんじゃ。
校長は「TUTコード」を10年ほど使って、やむにやまれず自分で「チョイ入力」と「超絶技巧入力」を作り、もう10年以上使われているそうです。「TUTコード」にも、「チョイ入力」や「超絶技巧入力」にも、それなりのユーザーが存在しているようですよ。
「チョイ入力」ファミリーには片手でスイスイと日本語入力が出来る入力方式があり、お身体が不自由な方にも重宝されているということです。
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■老若男女を問わず素晴らしい効果!
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Q: すると、26キーの英文タイプや19キーのローマ字入力をマスターするのは簡単だというわけですね?
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校長: そのとおり。妻はまったくのキーボード未経験者だったが、私の口頭指導で1時間後には自分の名前などをブラインドタッチで打っていた。
これには私自身が驚いたねぇ。自分は中学2年生という記憶力が優れている頃に毎日練習を続けても英文タイプのブラインドタッチをマスターできなかったからね。
この段階を「初期のブラインドタッチ」と呼んでいるが、手元を見ないで10本指で正確にキーを打つことが出来る状態にまで、英文タイプやローマ字入力ならば1〜2時間で大丈夫じゃ。
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Q: 練習した人の全員が大丈夫なのですか?
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校長: いやいや、どんなことでも得手・不得手はある。だから、20〜30%の人が2時間以内、60%はその後に少し復習が必要で、残る10〜20%はもうちょっと頑張る必要があるというのが実情になるな。
もちろん、この方法も魔法ではないから、練習する本人の努力は必要じゃ。だが、他の方法に比べれば圧倒的に楽で確実にマスターできる。
最初の2時間というのは、ローマ字入力に必要な子音キーと母音キーの位置を覚える「順番」を手指に馴染ませるための時間です。その後は、毎日3分間ほどその「順番」を繰り返しながら、入力速度を上げる練習をします。
その前に、キーボード上で指を動かす「運指」の訓練を十分にやっておくと、驚くほど簡単に指がキー位置を覚えてくれますよ!
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Q: 全員が高速入力になれるという保証もないわけですね?
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校長: ブラインドタッチになることを、「幼児の二足歩行」に相当すると考えておる。誰にでも出来る。しかし、世の中の全員が100メートルを10秒で走れないのと同じような状況はある。とはいえ、手書きの2倍程度なら、この方法で練習をすれば軽い目標じゃ。
もちろん、全員が1ヵ月で必ず達成できると保証しているわけではない。あくまで目標じゃ。しかし、自分のトップスピードを最短期間で達成できるのは事実だな。
皆さんはご自分の手書き速度をご存じですか? 知りませんよね。
スピードアップ練習の前に調べておきましょう。まずは、その2倍を目標にします。これなら、どなたでも大丈夫。
少し練習量を増やすことで、1ヵ月後に仮名漢字変換ベースで900字/10分を目指しましょう。
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