■校長もキーボードの落ちこぼれだった!
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Q:ホームページ「増田式キーボード学習法」を全面改訂され、「増田式! PCキーボードの学校」をネット上に作られた理由を教えていただけますか?
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校長:「増田式キーボード学習法」では、マイナーなIME(日本語入力ソフト)を前提とした特殊な入力方式を主に扱っていたんだよ。そのほうが、ブラインドタッチになるのが簡単だし、入力効率も良いからね。
ところが、そうした便利なIMEが市場から次々と消えてしまったんじゃ。
一方、国内外を問わずブラインドタッチが出来ない人の多さに呆れておった。で、ブラインドタッチを教えること自体がマイナーなんだということに気がついた。ネットビジネスは、マイナーにこそ適しているというからね。
そこで、「増田式! PCキーボードの学校」では消え去る心配のない二大メジャーIME(MS-IMEとATOK)を前提にすることにした。
この学校を作った第1の目的は、メジャーな入力方式であるローマ字入力をパソコン・ユーザ全員にマスターさせ、ミスタイプのない高速入力にまで導きたいということ。
もちろん、マイナーな入力方式の味方でもあり続けたい。そういうことじゃ。
マイナーなIME(日本語入力ソフト)とは、管理工学研究所の「松茸」、VACS社の「VJE-Delta」、などのことです。現在でも手に入れる方法はありますが、一般の方にはお勧め出来ませんね。
マイナーな入力方式とは、(QWERTY配列の)英文タイプとローマ字入力以外の入力方式のこと。
校長は自分で作った「チョイ入力+超絶技巧入力」を使っています。ほとんど仮名漢字変換をしないでスイスイと入力できるので、ついつい話が長くなるのが玉にきずですね。
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Q: キーボードって練習なんかしなくても、そこそこ打てますよね。それではダメ、ということでしょうか?
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校長: 本人がそうした状態に満足していれば、それでいい。でも、みんな、ブラインドタッチになりたいんじゃないの? カッコ良いし、疲れないし。
実は、校長自身がキーボードを打つことに関しては落ちこぼれ組で、大変だったんじゃ。
あまり年の話はしたくないが、昭和26年(1951年)生まれで、中学2年生だから昭和39年の頃かなぁ、家にタイプライターがあったので、夏休みの1ヵ月間、毎日1〜2時間、英文タイプの練習をしたんじゃよ。
今ではデジタル複合機で有名なブラザー社だが、当時はタイプライターを製造販売しておって、欧米で一般的な練習テキストが付いていた。ところが、真面目に練習したのに、完璧なブラインドタッチにはなれなかった。
その後、就職して英文の販促資料を作る仕事をやるようになると、IBMの電動タイプライターが使えるようになった。折角の高速マシンなのに、入力速度は出ないし、ミスタイプが多いことにも悩んでいた。
そうなるのは、自分に能力がないからだと信じていて、まさか練習方法に原因があるとは思いもしなかった。
だが、タイピストのように華麗に打ちたいという思いは常にあったんじゃ。みんなも、そう考えているんじゃないのかなぁ…。
タイプライターはご存じですか?
キーを押すことで、活字がついたバー(棒)がインクリボンを介して紙に文字をプリントする機械です。
今ではアンティークなインテリアを売り物にする喫茶店でしか見ることは出来ませんね。
校長の自宅押し入れには何代目かのタイプライター(オリベッティ社製)がまだあるそうですよ。 |
Q: そんな校長が、キーボードの練習本を出されたんですよね?
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校長: あれは昭和62年(1987年)の12月だった。処女作の『キーボードを3時間でマスターする法』が日本経済新聞社から出たねぇ。
担当編集者から「清水の舞台から飛び降りるつもりで出してみるか…」と言われたくらいに無名だったんで、なかなか売れなかった。
ところが、翌年春に出版された岩波新書『ワープロ徹底入門』や続く『ワープロ徹底操縦法』(いずれも著者は木村泉・東工大教授)で激賞された。
その頃、岩波新書といえば全国区だから(今でもそうかなぁ…)、そのお陰で全国津々浦々の書店で売れるようになった。
当時はサラリーマンだったが、出版社に私の勤務先の電話番号を聞いたらしく、読者からの電話が職場に何本も入り、「出来た! 出来た!」と随分と喜ばれたもんじゃ。
まだワープロ専用機の時代で、若い女性と中高年の男性にワープロ使用者のピークがあって、私のキーボード練習本は中高年の男性に多く読まれた。かかってくる電話や出版社に届いた読者ハガキから、そのことが分かったんじゃ。
校長の処女作を担当された編集者・坂田邦次さんは既に定年退職されましたが、雑誌「日経マスターズ」2005年4月号に四国遍路の体験記を発表されていました。現在ではステキな豆本を作って皆さんに配られるなど、感性豊かで冒険心に富む方です。そうでないと、清水の舞台からは飛び降りられませんよね。
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Q: 若くなければダメだと思われがちなブラインドタッチの習得が中高年でも可能だということでしょうか?
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校長: 大丈夫、大丈夫。年齢なんか気にする必要はないね。
50代や60代で練習をスタートする人は多いし、80代でも大丈夫じゃよ。もちろん、男女の違いもない。まぁ、教え方には年齢や性別でコツはあるがね。
その後、20冊以上の関連本を出版した。この方法なら、本を見ながら自分で練習すれば十分だと考えていたからね。1冊が千円程度の出費で済むし。
その一方で、私の本でブラインドタッチになれた読者から、周囲のみんなにも教えて欲しいと、講習会を開くようにリクエストがあって、その要請にはずっと応えてきておった。そうやって目の前で老若男女がマスターする姿を見続けておる。
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Q: 本や講習会でキーボードの練習をする人は少ないと思います。普通は市販のCD-ROMを買ったり、ネットから無料のソフトをダウンロードしたりして練習しますよね?
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校長: そうだね。Windows95が出た1995年以降、キーボードの練習は本からCD-ROMに移行し、練習ソフトもゲーム・タイプが主流になった。私の場合、10種類以上の練習ソフトを監修したが、自慢じゃないけどゲーム方式は1本も作らなかったぞ。
キーボード練習を少しでも楽しくしようとゲーム式にするというのは、逆に言えば練習原理がダメだということだね。少なくともキー位置と手指の関係をマスターさせる上では、ゲーム式には根本的な問題があって、その結果、多くの人が楽しんで練習したのにブラインドタッチになれないと考えておるのじゃよ。
もちろん、真面目であれば良いということではなく、「効果」が重要だな。練習をすると直ぐにキー位置を自分の指が覚えるという実感があれば、無理に楽しさを演出する必要はないからね。
実は、最初の本を出版する1年前に、真面目で効果的なカセットテープ教材を作った。それが日経マグロウヒル社(現在の日経BP社)の役員の皆さんをブラインドタッチにしたので、出版につながったという経緯があるんじゃよ。
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Q: カセットテープから流れて来る声を聞きながら指を動かしていると、ブラインドタッチになれるのですか?
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校長: そうそう。短時間でブラインドタッチをマスターするのと、仮名の入力速度を短期間でアップさせるには音声教材が一番良いと、今でも考えておる。
最近の脳研究を眺めていると、音で聞いた指示内容に従って身体を動かすことが脳全体を活性化させるということが分かったようじゃ。
もう20年になるから、音声教材、文字教材、ソフト教材が揃っておるが、ここ数年はビジネスの現場からキーボード講習のリクエストが続いて、新たな展開があったんじゃ。
そういえば、昔、ソフトバンクの孫社長が自分の会社の役員に、ブラインドタッチが出来るようになったら百万円のボーナスを出すと言っていたなぁ…。
それはともかく、ブラインドタッチをマスターしたいという動機が十分にあって、講習会に参加して2〜3時間で両手打ちが出来るようになれても、仕事で必要な入力速度に達するにはそれなりに練習を継続する必要がある。忙しい職場に戻ると、なかなか練習が続けられないという声を多く聞いたんじゃ。
孫社長の発言は本当かと調べてみました。
確かに、日経産業新聞(1996.4.9)に「孫社長は役員にキーボードを見ないで操作するブラインド・タッチを義務付けた。社内のテストに合格すれば300万円のボーナスを与え、逆に期限までに合格できないと200万円給料をカットする」とありました。
校長、100万円ではなく、300万円でしたよ、300万円! 孫社長の会社に営業に行きましょう!
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Q: 分かるような気がします。それまで2本指で結構速く打っていた人が、10本指で打てるようになったとしても、最初は入力速度が出ませんから、ついつい2本指に戻ってしまうということですね?
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校長: そうじゃ。そこで、講習後の約1ヵ月間、メールで「今日はこうした練習をしましょう」というアドバイスや励まし、疑問への回答を続けたんじゃ。すると、みんながうまくいった。私がお尻を叩き続けたということだね。今流に言えば、「コーチング」だ。
そこで、校長が今までに作った教材と毎日のメールを組み合わせることで、日本全国、世界中でもかまわんが、2時間でブラインドタッチになり、1ヵ月で自分のトップスピードに達する学習カリキュラムが提供できると考え、ネット上に開校したわけじゃ。
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Q: なるほど、最初の出版が1987年ということは、約20年間で開発された教材と経験されたノウハウを全部投入されたということですね。ネットであれば、どこかに通う必要もなく、マイペースで練習が出来ますね?
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校長: そのマイペースだが、このキーボードの学校では個人個人ではなく、複数の人が同時に学習を進めることで、お互いが刺激し合って潜在的な力をも引き出そうと考えておるんじゃ。
メーリングリストを使って「みんなで学ぶ」というアイデアは、「松岡正剛の編集学校」のパクリだと思います。校長はこの編集学校で「守」「破」「離」を修了していますからね。
でも、生徒さんが集まらないとアイデア倒れになりませんか? それに、一人でこっそりと練習したいという生徒さんはどうしたら良いのでしょうね?
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