潰瘍性大腸炎の『ATM療法多施設合同研究会』
参加レポート |

3種類の抗生物質を使った潰瘍性大腸炎の新しい治療法として注目されているATM療法(抗菌多剤併用療法)の治験報告を目的とした、『ATM療法多施設合同研究報告会』が2006年6月3日(土)午後2時よりキャンパスプラザ京都(京都市)で開催されました。主催は、昨年2月に開催されました『ATM療法治験報告会』同様、共同研究施設の一つである京都民医連中央病院(中京区西ノ京春日町
16−1)消化器内科の寺尾秀男医師を中心としたグループです。
さて、会場は、当会の会員さんを含む患者と医師など医療関係合わせて100名を越えていたようでした。寺尾先生の司会で開会、まず順天堂大学消化器内科大草敏史先生が集計された多施設共同の治験報告、次に木下公史先生から京都民医連中央病院での50例の治験報告、そして最後に質疑応答時間とプログラムに沿って進められ、参加者は4時頃まで熱心に耳を傾けておられました。
大草先生は、複数の施設で実施された軽症から中等症を中心(重症はほとんど入っていない)とした潰瘍性大腸炎患者210名(脱落者4名を引いた実薬105名、プラセボ101名)の投与後3ヵ月までの治験結果をITT解析で評価したデータを中心に報告されました。例えば、ステロイド依存性潰瘍性大腸炎61例のステロイド離脱率は、緩解導入できた46例中、中止・不能のネフローゼ1例を除い45例中37例(82%)と緩解導入できれば高率に離脱可能、というような有効性を示すものでした。一方、副作用については、木下先生の京都民医連中央病院で実施された50例(実薬25例、プラセボ25例)の報告では、「実薬の84%、プラセボの24%に下痢、嘔吐などがみられる。特に投与1週間から10日ぐらいから出現する」と報告されていました。
最初に、このデータはまだ学会報告前なので、というお断りがありましたので詳細については控えさせていただきます。
質疑応答では、さまざまな質問が参加者から出され、先生方が丁寧に答えられていました。今後もATM療法を受けることはできるのか?との質問に寺尾先生は、「みなさまからのご意見をもとに検討したい」と答えられました。つまり医師の側から積極的にやりましょうとは言えないが、患者側からの要望が大きければ一定の条件の下検討もありうる、とも理解できる発言でした。
今後の薬価収載については、大草先生より「厚生労働省と相談するつもりだが、再度治験を必要とする可能性がある」と説明され、今後についてはまだなんとも言えないようでした。
以上
(藤原)
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