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 「今後の難病対策」勉強会      
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「今後の難病対策」勉強会
 

              水谷幸司(実行委員長、全国心臓病の子どもを守る会事務局次長)

◎勉強会の目的とこれまで

 昨年の特定疾患治療研究事業の見直し(潰瘍性大腸炎とパーキンソン病の軽症患者を除外)をめぐるJPAとIBDネットワーク、パーキンソン病友の会の運動は、あらためて患者運動の役割を内外に示しました。同時に、一連の動きのなかで、まだ特定疾患治療研究事業や難治性疾患克服研究事業にも指定されていない疾病に苦しむ患者が数多く存在すること、そしてそれらの疾患をもつ患者・家族の会が、治療研究の推進や治療費の公費負担を切実に求めていることも明らかになりました。

 厚労省は私たちの運動に押されて昨年12月、2007年度は現行どおりとし、2008年以降については引き続き検討すると表明しました。

 このような事態をふまえて、私たち患者の側もこの機会にしっかり学習し、互いの疾病を理解しあって、今後の対策のあり方について、みんなで考えていこうと、JPAがよびかけて実行委員会方式による「今後の難病対策」勉強会を立ち上げました。実行委員会はJPA加盟でない団体からも参加して、現在14名で構成されています。これまでに4回開催し、疾病別団体25団体(うち12団体はJPA未加盟団体)、地域別団体11団体から参加しています。(07年9月末現在)

◎「難病」とは?

 「難病」という場合、狭い意味で厚労省の特定疾患(45疾患)・難治性疾患(123疾患)のことを指す場合と、広い意味で治療が難しく、慢性の経過をたどる疾病を総称して言う場合とがあります。私たちがここで勉強会の対象として「今後の難病対策」を考えるという場合には、広く小児慢性・長期慢性疾患も含めた疾患対策を視野に入れています。

それは、医療保険制度や自立支援医療(更生・育成医療)制度が相次いで後退させられた状況の下で、それを押し返す運動なしに、狭い意味での難病対策だけを考えても、財政不足から後退せざるを得ないことは必至であり、今こそ広い意味での難病対策を、人として生きるために必要な施策として守り拡充させていかなければならないからです。

◎「今後」についてのスタンス

 それでは、私たちにとって今後の難病対策はどうあるべきなのか。まだ勉強会では、そこまでの討論に至ってはいません。厚労省からも、7月末時点ではまだ来年度の方針も出されていませんが、はっきりしていることは、現在の特定疾患治療研究事業の予算枠(2007年度は約246億円)を増やさないかぎり、現行の給付水準は維持できないし、まして新規疾患まで対象を増やすことはできないということです。

 現行制度を後退させず、新規疾患をすべて対象にして、さらに治療研究予算の増額と治療費の公費負担拡充を実現するためには、これまでの枠組みを超えた予算の大幅な増額を実現する以外にありません。

「予算が限られているのだから軽い患者は遠慮して譲り合い、もっと大変な患者に予算をまわすべき」という意見もありますが、疾病によって症状や治療法、経過は様々で、同じ患者同士「どちらが軽いか」を軽々しく言えるものではありません。患者団体間でこういう議論を持ち出せば、必ず団体間に不和を生みます。

「みんなで信頼しあい、勉強しあって、みんなのねがいが実現されるよう知恵を出し合おう」ということが、これまでの勉強会での共通した確認となってきています。

◎患者運動の真価が問われる時

 「運動のないところに成果(要求の実現)はない」とは、故長宏(おさひろし)先生が常に強調されていた言葉です。長先生は日本の社会保障運動の基礎を築いた一人で、元日本患者・家族団体協議会代表幹事、患者運動の先駆者でした。今日私たちが活用している制度は、長年の運動によってつくられてきたものです。

 「人間らしく安心して生きたい」という患者家族のあたりまえの願いを実現すること。病気と正面から向き合い、病気にうちかつ気概をもち、患者をとりまく医療制度、社会保障制度の拡充をもとめて、患者が安心して暮らせる社会をつくっていく運動、それが患者運動です。

 勉強会でしっかり学びあい、交流で団体同士の信頼関係を深めあいましょう。そしてJPAが提起する要請行動に参加して行政や国会にはたらきかけることで、未来のある今後の難病対策を国につくらせていきましょう。今、まさに、患者運動の真価が問われる時です。

『JPAの仲間』第6号(2007.9)から転載                                                 

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