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在宅ワークSOHOを考える

在宅ワークSOHOを考える

厚生労働省発表 (http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/11/h1106-1.html)
平成14年11月6日 情報通信機器の活用による在宅就業実態調査結果
〜平成13年度家内労働等実態調査〜 より

 IBD患者の自立にとって、就労は欠くことのできない大きなハードルです。体調が不安定で通常の就労が困難なとき、家にいながら自分のペースで仕事ができればどんなに良いか、と思ったことのある方も多いのではないでしょうか。
 最近、在宅ワーク"SOHO"(ソーホー)という言葉を雑誌や広告で目にすることがあります。パソコンなどを使って自宅で仕事をすることです。外出が困難な人や子育て中の女性ができる新しい働き方として注目されています。

 SOHO(ソーホー)とは、スモールオフィ―ス・ホームオフィースの略で、会社に出かけて働くのではなく、パソコンやインターネットを使い自宅で仕事をして働くことやそのビジネスのことを言います。データ入力からさまざまな相談事業、ネット上での販売などがあります。企業に雇用されている人から、請負的に仕事をしている人、自営業でしている人もおられます。
 厚生労働白書(2002年版)は在宅ワーカー数を17万4000人(日本労働研究機構の調査)としていますが、4、50万という推計もあるそうです。全体の約7割が女性で、しかもその内の7割が育児と仕事の両立が目的のようです。

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■情報通信機器の活用による在宅就業実態調査結果

1、【資料のポイント】 厚労省ホームページより転載
 発注者側は優秀な人材の確保に苦慮する一方、在宅就業者側は仕事の確保に困っており、需給のミスマッチが生じている
1 発注者調査
(1) 在宅就業者へは「専門的業務への対応」、「繁忙期への対応」のため発注を開始。在宅就業者には、責任感、信頼性、高い熟練度を求めている。発注に係る問題点は「仕事の成果に個人差が大きい」、「優秀な人材の確保が難しい」。
(2) 在宅就業者の募集は、社員や取引先等関係者からの紹介が多数で、本人の売り込みも多い。新聞広告、情報誌、インターネット等の利用率は低い。
(3) 在宅就業者とのトラブルで多いのは「仕事の出来具合」、「仕事の納期」。
(4) 在宅就業者への発注量は、過去3年間では「増えた」「減った」「変わらない」が拮抗。今後の発注量見込みは4割が「現状維持」、3割が「拡大見込み」。
2 在宅就業者個人調査
(1) 在宅就業を始めた理由で多いのは、「自分のペースで柔軟・弾力的に働ける」。男性はこの他に「自分がやった分だけ報われ、働きがいがある」、女性は「育児や介護等、家事と仕事の両立のため」が多い。
(2) 仕事の依頼主は、以前の勤め先関係や仕事仲間を通じて見つける者が多い。
(3) 在宅就業での年収・年商は、男性の26%が500万円超、女性の68%が149万円以下
(4) 依頼主とのトラブルで多いのは「報酬の支払い」、「仕事の納期」。今困っていることは「仕事の確保」、「単価が安いこと」。
(5) 65%が「肩こり」、74%が「眼精疲労」の自覚症状を有する。
(6) 在宅就業の継続希望は高い。子育て期の女性は、「時間の自由がきかない」、「家を空けたくない」との理由で、子育て時期後の出勤勤務には消極的な者が多い。


2、在宅就業者個人調査 (厚労省発表資料ホームページから転載)

1  在宅就業者に関する一般的事項
 回答のあった在宅就業者の男女比は、男性29.3%、女性70.1%であった。配偶者の有無については、男性の65.5%、女性の76.0%が配偶者ありであった。
 年齢構成は30代が43.7%、40代が33.3%で、平均年齢は41.2歳であった。男性は40代(36.4%)が最多で、平均年齢は44.5歳であったのに対し、女性は30代(50.2%)が最多で、平均年齢は39.8歳であった。
 同居の子供については、回答者の60.8%が「ある」と回答し、末子が6歳までの未就学児である者の割合は26.1%であった。これを男女別で見ると、男性では同居の子供ありが48.2%、末子未就学が18.2%であるのに対し、女性では同居の子供ありが66.5%、末子未就学が29.7%と、いずれも女性の方が割合が高かった。
 在宅就業を始めてからの期間は、「2〜3年未満」(23.5%)と「10年以上」(22.7%)がやや高い割合を示しているが、ほぼ全カテゴリに均等に分布していた。
 在宅就業を始めた理由としては、男性は「自分のペースで柔軟・弾力的に働けるため」が最多であるのに対し、女性は「育児や介護等、家事と仕事の両立のため」が最多であった。

2 在宅就業に関する事項 (1) 現在実施している主な職種
 現在実施している主な職種としては、男性では「設計、製図、デザイン」、「システム設計、プログラミング」が多く、女性では「文書入力」、「設計、製図、デザイン」、「データ入力」が多い。

(2) 在宅就業を始めるに当たっての準備内容
 在宅就業を始めるに当たっての準備内容(複数回答)としては、「OA機器の購入」、ついで「ソフトウエアの購入」が多かった。また、女性で多かったのは「机等備品の購入」であった。
 準備にかかった費用はばらつきが見られるが、全体的に男性の方がかかった費用は高く、100万円を超える者は男性29.1%、女性8.0%であった。

(3) 仕事の依頼主の見つけ方
 仕事の依頼主の見つけ方(複数回答)としては、「以前の勤め先」、「仕事仲間の情報、紹介」、「以前の勤め先関係の知人の紹介」など、知人等を通じて仕事の依頼主を見つける者の割合が高かった。一方、「求人広告への応募」、「仲介的な会社・個人」、「インターネットの情報」など、不特定多数を対象とした募集媒体の利用率はあまり高くなかった。

3  仕事の実施状況
 在宅就業による年収・年商の概算を男女別で見ると、男性は高所得層に、女性は低所得層にピークが存在しており、149万円までの層が男性では21.8%であるのに対し、女性では68.1%に及ぶ。また、500万円を超える層を男女別で見ると、男性26.4%に対し、女性では3.8%に留まり、男女間格差が大きい。

 平成14年2月中の在宅就業の仕事の実施状況を見ると、就業日数は「21日以上」(男性32.7%、女性20.2%)、「14〜21日未満」(男性42.7%、女性38.4%)で、男性の方が就業日数は長い傾向にあり、また、仕事をした日の1日当たりの平均就業時間は「10時間以上」(男性22.7%、女性9.5%)、「8時間〜10時間未満」(男性31.8%、女性11.8%)と、同じく男性の方が長い傾向にある。このように、1ヶ月当たりの就業延べ時間数にも男女間でかなりの格差が認められ、年収・年商レベルの格差の要因の一つになっている。

4  契約及び報酬に関する事項
 仕事の契約方法(複数回答)としては、「口頭」が最多で、ついで「電子メール」であった。書面による契約(「契約書方式」、「伝票形式」、「メモ程度」)はどの方式も同程度であった。

 仕事の報酬単位(複数回答)としては、「出来高」(67.2%)が最多で、「実際の所要時間」(22.9%)がこれに続く。仕事の報酬決定手順(複数回答)は、「依頼主が設定する」(53.1%)が最多で、「依頼主が設定し、必要があれば交渉」(31.5%)と「自分で提示し、依頼主と調整」(28.8%)が同程度であった。

5  トラブルに関する事項
 依頼主とのトラブルは、男性の29.1%、女性の16.7%が経験している。
 トラブルの内容としては「報酬の支払い」が最多で、「仕事の納期」、「依頼される仕事の量」がこれに続く。トラブル対応としては、男性は「直接会って交渉」、「電話で交渉」が多いが、女性は「電話で交渉」が最多で、ついで「直接会って交渉」である。

 今困っていること(複数回答)は、「仕事の確保」が最多で、ついで「単価が安いこと」、「ハード、ソフトウエアのレベルアップ」であった。

6 健康管理及び能力開発に関する事項
(1)健康管理
 「肩こり」は、「かなり感じている」(男性18.2%、女性36.1%)、「やや感じている」(男性31.8%、女性35.7%)の両者を合わせると、男性の半数、女性の7割が自覚症状を訴えている。「眼精疲労」では、「かなり感じている」(男性25.5%、女性33.1%)、「やや感じている」(男性40.9%、女性43.7%)の両者を合わせると、男女とも4分の3が自覚症状を訴えている。「腰痛」では、「かなり感じている」(男性10.0%、女性13.7%)、「やや感じている」(男31.8%、女性30.0%)の両者を合わせると、男女とも4割が自覚症状を訴えている。
 治療・通院率は「かなり感じている」グループの方が「やや感じている」グループより高いものの、大多数の回答者は治療・通院をしていない。
(2) 能力開発
 在宅就業に必要な能力は、「勤務先での仕事経験、研修などを通じて」修得した者が男女とも最も多い。
 知識・技能の向上のための取組を行っているのは男性の80.9%、女性の55.5%であり、実施内容は「ソフトウエアの学習」(男性79.8%、女性71.2%)が最多であった。
 能力開発の実施方法としては、「書籍、雑誌、関連情報などによる自己学習」が最多で、「仕事関係者、仲間との情報交換」がこれに続く。

(3) 他の在宅就業者との交流
 他の在宅就業者との交流の機会については、男性の64.5%、女性の53.6%が「必要だと思う」と回答した。「必要だと思う」と回答した者に対し交流への積極性を尋ねたところ、男性では「積極的」(14.1%)、「比較的積極的」(33.8%)の両者で半数近くを占めたのに対し、女性では「あまり積極的でない」(47.5%)、「消極的」 (19.1%)の両者で3分の2に及んだ。
 交流に「積極的」、「比較的積極的」と回答した者に、仲間とどのように接触しているかを尋ねたところ、男性では「電話や電子メールによる接触」(50.0%)が主流であったが、女性では「仲間とグループを作って共同受注を行う等の活動をしている」(34.0%)が最多であった。
 一方、「あまり積極的でない」、「消極的」と回答した者に仕事グループや人的ネットワーク等の交流に参加する条件を複数回答で尋ねたところ、「近くで行われる」(56.5%)が最も多く、ついで「インターネット上での交流」(38.9%)であった。

7 在宅就業に係る将来展望 (1) 在宅就業の継続希望
 在宅就業の継続希望については、「ぜひ続けたい」(55.5%)と「できれば続けたい」(31.5%)を合わせると、ほぼ9割が継続希望を持っていた。
 一方、「迷っている」、「やめたい」と回答した者は合わせて11.2%おり、その理由(複数回答)としては、「収入が少ない、不安定だから」が最多であった。

(2) 子育て時期後の出勤勤務希望
 未就学児童がいる女性(末子年齢6歳以下)の子育て時期後の出勤勤務の希望については、「絶対出たくない」 (1.3%)、「できれば出たくない」(57.7%)の合計で6割近くに及び、その理由(複数回答)としては、「時間の自由がきかない」、「家を空けたくない」が多かった。
 一方、出勤勤務を希望する者は35.9%であり、「出ると思う」理由(複数回答)としては、「外界と接触する機会が少ない」、「現在は外に出て働くことができない」、「十分な収入が得られない」が多かった。


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考察
 SOHOは、個人の能力によってかなり年収に差があります。特に男女間の差が大きいのが目立ちます。また、コンピューターの専門能力が高く、以前にそう企業で働いていた人と、そうでなくデータの入力など比較的簡単な作業をしている人でも、差は大きいでしょう。 また、眼精疲労などの健康面で問題なないともいえません。
 1996年に採択されたILO家内労働条約(177号条約)は、雇用する者の職場以外で働き報酬を受ける場合は、どのような形でも家内労働と規定、報酬や安全衛生など、在宅ワークにも労働者と同じ権利を保障しています。厚労省が在宅ワークに関する調査を実施した背景には、業者とのトラブルの多発や労働環境の問題があります。在宅ワークの現状は、内職が無権利状態だったころに似ている、という指摘もあります。
しかし、在宅ワークには、良い面もあります。特に私たちにとっては、なんといってもトイレの心配がいらない。食事会などの職場の付き合を気にしなくてよい、通院時間が確保しやすい、しかも通勤がないなど。

 在宅ワークを成功させるには、まず高い専門的能力を身につける必要があると共に、在宅ワークに従事する者を保護する法律の制定が必要だと思いました。在宅だからといって安易に考えず、仕事の責任を果すことも重要のようです。悪徳業者に引っかからない注意も必要です。しかしうまくいけば難病患者の就労の選択肢の一つになりえるかもしれませんが、みなさんはいかが思われましたか。

 
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