海で体験した危ない話し集

更新日2007年01月14日


◎ ケースT 何の知識も無い初心者が冬場の海へ漕ぎ出し沈脱(危険度AAA)

 

 冬のある日、リバー艇で何度かDRを経験されていたAさんはシーカヤックを購入しました。Aさんは

嬉しさのあまり自分の時間が出来れば海に出ようと考えていました。リバー暦足掛け2年/シー暦数回。

Aさんの装備と言えばシーカヤック本体・PFD・パドルのみで、スプレースカートも持っていませんでした。

服装も専用の物は一つも無く、ズボン下にフリースパンツを履き、T-シャツの上にフリースとMA-1を着

ていただけでした。さらに彼はブーツを履いていました。何度か海を漕いだAさんは天候等関係無く、

ただ時間が出来れば漕いでいました。調子に乗ったAさんは湾から出る事を思いつき沖を目指して

漕ぐ事にしました。しかも彼は家にバウとスターンハッチのカバーも忘れて来ている事を知りながらです。

何のためらいも無く海に出たAさんは何とか湾の先端まで来ましたが、1m程の波と風に恐怖を覚えUターン

しようとしました。スイ-プも上手く出来ない彼はゆっくり舟を回そうとしましたが、風のせいか波と平行に

なった所から回す事が出来なくなり、更に上にあがったパドルのブレードに風をまともに受け沈してしまい

ました。もちろんロールなんて出来る分けもなく、カヤックより抜け出し冷たい海の中に身体を投げ出され

てしまいました。その地点は湾の先端にある防波堤より内側でしたが、丁度湾の真中部でした。

岸まで約1km程ありました。リバー艇での最乗艇ではスターンから跳び箱の様にして乗る事が出来る

彼はシーカヤックで試したのです。一度は上がれたのですが、パドルが邪魔してコックピットまで入る事は

出来ませんでした。再度艇が逆さに向き水が沢山入り完全にバランスを失った艇にもう一度同じ様に

して上がる事は出来ませんでした。泳ぐしか方法が無くなった彼はブーツを脱いでパドルやその他の物

をコックピットに入れバウに付けていたロープをカラビナでPFDに繋ぎ岸に向かって泳ぎました。冬の海

は無常に体温を奪います。しかも普通の衣類に水が沢山含み少ししか進みません。そうしている内に

徐々に体が動かなくなりなって行きました。低体温症です。風が南風なのが唯一の救いでした。意識も

朦朧としていく中、何とか足がつく場所に来ましたが、そこは捨石の上。1.5m程の堤防を登らなくては

いけません。体が動かなく上手く上がれません、何とかよじ登って上がれましたがそこはフェンスの中

でした。もう一度舟に乗らなくては帰る事が出来ないばしょでした。とにかく体を温めようと、その辺を走

ったり屈伸をしたり色々としましたが、風の中濡れた服を着ていては車のジェネレーター(水冷)と同じで、

いくら運動しても体温が一向に上がらないのです。服を一度脱いで絞り直すと少しですが、温まりました。

何とか舟を逆さに向け水を出す事に成功して漕いで戻る事が出来、命は助かった物の扁桃腺が腫れ

軽い肺炎のようになってしまいました。

 

ケースTで何が悪かったのか= 全てです。全く無謀極まりない行為です。絶対にしてはいけません!

ケースTで辛うじて良かった事= 岸へ吹く風だった事

                     直ぐに体温を上げる工夫をした事

                     濡れた服を脱いだ事

                     艇と体を繋げた事(岸へ向く風の場合・波がある場合・カレント外の場合)

ケースTの場合どうすべきか= 笛を鳴らし救助を求めるべき

                    体温を奪われないように出来るだけ体を水面より出す事

ケースTで決してしてはダメな事=艇から離れる事

                     海に出る事


◎ ケース U リバー艇でのサーフィンで沈脱、リップカレントに流される。

          Bさんの受難!危険度(AAA)

 

 Bさんはシーカヤック暦4年目の普通のサンデーカヤッカーでした。最近リバー艇を買ってチョコットと乗って

一応ロールが出来ます。しかし、今からやるぞ!ロールは100%の完成ですが、不意の波にモミクチャにされると、

その時のパドルの角度次第と言うレベルです。2004年8月1日台風10号が接近中の近くの海をリバー艇で

サーフィンしました。当日は強風下の元、波の高さは2メートル程ありました。

Bさんは友人の見学のつもりで現場に行き、自艇は持って行きませんでした。ですが、なんだか乗りたくなって

チョットだけ借りて遊んでいました。その時東から西へ向かってかなりパドリングしないと流されるなーと軽く

思いながら無理の無い波で遊んでいましたが、やはり沈してしまいました。クロスした腕を水中で戻しCtoCを

試しました。しかし、角度が悪いのかスポンと入ってしまい起きれない。次にスカリングロールを試しましたが

波で上手くいかない。岸もすぐにそこだしとりあえず泳ごうと軽い気持ちで脱しました。それが命を懸けた漂流に

変わるとは・・・。取り合えず岸もすぐそこだし波任せで自然と岸に辿り付くだろうと思いながら馬乗り再乗艇とか

しながら遊んでいましたが、何だかおかしい事に気付きました。西の防波堤が見る見るうちに迫ってきます。

後で思えば東から西への流れの意味をもっと理解するべきでした。

友人は既に異変に気付き防波堤の上に居ます。艇を流されまいと頑張っていましたが、ほっといていいから!

と叫んでいます。その時は既に遅く、防波堤のすぐ際を流れ沖に出るすごく強い流れの中に居ました。

防波堤の先端は台風で出来たスゴイ波が砕けています。恐怖に顔が引きつって行きます。しかし、先端のやや

手前で体が東へスーッと持っていかれました。助かったか?やれやれと思い隣で漂流中の艇へと泳ぎました。

が・・・、何だかおかしい!また防波堤に吸い込まれてる!?友人はしきりに東へ!東へ泳いでッ!と叫んで

います。またまた防波堤と隣り合わせです。何故か隣で浮いていたパドルを掴み、防波堤の上の友人に差し

出します。頼むから掴んでくれ!(ワラにもすがる思いです。)かなり流されながら何度目かに掴んでくれました。

しかし、流れが強すぎて無理な姿勢で掴み続ける事が危険である事が分かり諦めて手を放しました。

            その時少しだけ『 死 』に直面している自分に気付き始めました・・・。

沖に流されそしてやはり防波堤の先端の砕け波の手前で東へ引っ張られます。今度は必死に岸へ目指し

ますが、頭から波をかぶり息をするのも苦しくなってきました。PFDも首までズリ上がり、下へ戻しては上がり

戻してはの繰り返しです。オマケにヘルメットも波の抵抗をモロに受けて首も疲れて来ます。もうそうなると

まともに泳ぐ事が出来なくなってきます。完全な遭難です。とにかく浮いているのが精一杯です。意識も朦朧と

してきて4回目に防波堤が近づいて来た時に背中から抱きかかえられた時に、意識がハッキリ戻ってきました。

まさに神様が現れたようでした。近くでサーフィンをしていたサーファーでした。そのサーファーはショートボード

にBさんの上体を乗せやさしく、バタ足出来る?と聞きました。もう一人のサーファーと3人でバタ足でかなり

流されながら足のとどく所まで辿り着きました。

後でそのサーファーの方達に教えて頂いたのですが、その流れを利用して彼らは沖へ出るそうです。

しかし、何故私は遭難してしまったのでしょうか?PFDを着けていたため海に浮かんだ発砲スチロールの

様に流れに無抵抗になってしまったのか?スプレースカートが流れをキャッチしてしまったのでしょうか?

とにかくアッと言う間に防波堤の際を流されます。その時、私は友人に『あかん!』と叫びました。

もしあの時一人だったら死んでいたかも知れません。私は単独行動は慎もうと思いました。そして、ロール

ですが、CtoCの危なっかしさは改めて命取りだと再確認しました。モミクチャになってからパドルを片手で

セットしてから確実に起き上がれるのは、水を長い間キャッチし続ける事が出来るスカリングロールが確実

なのかなと思うのでした・・・。私は失敗しましたが・・・。

 

⇒友人Cさんからの視点

 

 その日、Cさんは台風が来た!と波を目当てに朝から海を視察していました。彼も同じくリバー艇を最近

購入し、川で数回・海で数回・台風の波で1度サーフィンをした経験しかありませんでした。彼は過去に普通の

サーフィンをした経験を持っていますが経験は浅く、これと言って専門の知識もあまりありませんでした。

お昼頃から波に乗りに現場へ行き、体操をした後に海に出ました。波は2mから2.5の場所

(防波堤よりさらに沖)で波乗りをしていました。波乗りの中何度も沈しましたが慣れた艇であった為上手く

ロールも出来、出来るだけ大きな波に乗ろうと遊んでいました。途中小休憩を省き約3時間は波に乗ってい

ました。彼にとって波乗りは簡単でとても楽しい物としか映っていませんでした。

彼は日本海を舞台にシーカヤックで波乗り経験を持つBさんを誘いました。が、彼が自艇を持って来なかった

事を知り、自分の艇を貸すので、やってみる?と誘いました。これがこの事件の始まりになるとは想像も

付きませんでした。しばらくBさんが波乗りを楽しんでいるのを見ていましたが、防波堤の方に近付いている

事に気付き、東へ行く様に指指しましたが、眼鏡をかけていない彼には見えなかったようです。比較的小さな

波で遊んでいた為、そう心配はしていませんでした。そうこうしていると右から来る波にあおられ沈した姿が

目に止まりました。その時点では沈したのだなとしか思いませんでしたが、チョット前に歩いて海に入った

時に西へ流れる水流を感じていたCさんはひょっとしてとおもいました。彼を助け様と海の中に腰の深さまで

入りましたが水流で足を取られそうになり自分も流されると思い岸つたいに彼の流されそうになっている

堤防へ行きました。水面から約3mから4m程の垂直な堤防だった為届きませんし、PFDを着ていなかった

為、飛び込む事すら出来ませんでした。何度かパドルを差し伸べるBさんを助けようと、手をのばすので

すが届きません。50cmほど下に5cm程の出っ張りがあり、そこに足をかけて手を伸ばすと何とかパドルの

先端に手が触れました。波が来た時にはブレードが触れる程度です。車の中には長いタイダウンベルトも

あったのですが、鍵もカヤックの中に入れたままで、Bさんと共にカレントの中でした。何とかパドルを放さない

様に頑張りましたが、波が下がった時にはBさんの体重がかかり上手く保持してはいられなく、また片手は

何も掴む所が無い直角のコンクリートの隅を何とか滑らない様にしがみついていただけでした。何度かCさんも

カレントの中に落ちそうになりました。次に人を呼ばねば!と思い振り返りましたが、先ほどまで居た

サーフィンの見物客も姿が有りません。駐車場は現場から離れておりBさんの姿が見えなく、

何処に流されるか不安もあり行く事が出来ませんでした。

だれか一人でも姿を見せないかと振り返りしてはBさんの動向を見守りしていましたが、一向に誰も姿を見せません

サーファーに助けを求め、叫びましたが波が声を打ち消して声が届かない様子。ジェスチャーもしましたが、

すぐには気付いてくれません。カレントに対して同じ向きに泳いでる事に気付いたCさんは、Bさんに泳ぐ方向を

指示しました。東へ泳いで!と叫びましたが、パニック状態になった上、波で視界を失っているBさんには方向

がハッキリ分からないようでした。あっちへ!と指示をだしましたが、上手く方向を掴んでもらえないのと、水を

沢山飲んで呼吸苦になっている事も想像がつきました。体力が無くなってきている事も直ぐに分かり、何度も

飛び込もうとおもいましたが、せめて一人だけでもこの事に気付いてもらわないとと思いその衝動を抑えました。

何とかサーファーに気付いてもらい岸際まで連れてきて頂けました。Cさんは駆け寄りBさんの体を波が

かから無い所へ抱えて行き意識の確認をして無事を喜びました。

 

ケースUで何が悪かったのか= ・慣れない道具で無理な冒険をさせてしまった事

                    ・浸水した直後に岸へ戻らなかった事

                    ・流れに沿うか流れに対し逆方向に泳いでしまった事

                    ・現場の地形や関係する情報不足

                    ・確実なロールが出来なかった(慣れない道具の為)

                    ・サーフィン又は波に尽いての知識不足

                    ・1艇分の装備しか無かった事

                    ・レスキュ−道具・その他代用品も無かった事

ケースUで辛うじて良かった事=・2人居た事

                    ・居合わせたサーファーに救助を求める事が出来た事

ケースUの場合どうすべきか=・第三者に助けを呼ぶ

                   ・可能であれば、浸水が少ない内に艇を裏向けにして

                    スプレースカートを脱ぎコーミングにかぶせ、新たな波での

                    浸水を防ぎ艇の浮力を維持させる。

                   ・リップカレントを横切る様に泳ぐ(岸と平行か岸に向かい斜めに)

                   ・浸水した艇と一緒に泳ぐのはシーアンカーを付けて泳ぐに等しい為

                    放置して泳ぐ事(カレント以外での波は、波が自然と艇を押してくれ

                    岸に連れて行ってくれるので、放さない事)

                   ・PFD以外の泳ぎに差し支える物は捨てる(メット・靴等)

                   ・片手で大きく手を左右に振り助けを求める(世界共通の信号だそうです)

ケースUで決してしてはダメな事=・装備の無い第二者が飛び込む事(助ける手段が無くなり共死にします)

                     ・いくらレスキュー道具を装備していても一人では決して行かない事

                     (そのレスキューロープ誰に投げるの?波の中上手く投げれるの?届くの?)


◎ ケースV 単独カヤッカーKさんの遭難 大越さんのHPより拝借(危険度黙祷)

 

2000年5月28日

 単独行カヤッカーKさん(当時53才)の遭難は 同じ海域を独りで漕ぐことの多い私にはショックでした

再確認したい点がいくつかありますが、まずは坂出海上保安署にヒアリングした内容を列記します。

9.00頃

 シーカヤックで宅間町から出艇。当時 風速12m 波高1〜2m 視界良 強風波浪注意報発令 水温19℃

12.00頃

 ケータイから奥さんにtellあり

「箱崎浜に上陸している 15時頃連絡するので迎えをたのむ」

その後まったく消息なし。

17.37

 奥さんから118番通報有り。巡視艇2隻とへりで捜索するも手がかりなし。

翌29日9.03分

 多度津町海岸でカヤックのみを発見

潜水夫 巡視艇4隻 ヘリで捜索すれど本人は見当たらず

14.35

 漂流中の男性を漁船が発見

15.18

 漂流男性を巡視艇へ接収 死亡確認

死亡原因は溺水による窒息死 死亡推定時刻は28日18時頃

艇はAvocet ロングジョン着用 ライフジャケット及マリンブーツ着装 パドルは艇上のゴムバンドに係止

フロートなし ケータイは防水カバーに入っており(テストの結果)使用可能であった。


◎ ケース W 天気予報をチェックしない島キャンプで

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◎ ケース X 島での間違ったキャンプサイト選び

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◎ ケース Y 満潮によりカヤックを流される

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◎ ケース Z リバー艇を牽引しての海漕ぎ

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◎ ケース [ パドルを流されただ呆然と

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◎ ケース \ 濃霧で目的地が見えない

 次回更新します

 

◎ ケース ] 寝不足による気分不良で漕ぎながら嘔吐

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